JPH09249773A - 波長変換能を有するポリオレフィン系樹脂組成物、その組成物用マスターバッチおよびその組成物を含む農業用フイルム - Google Patents

波長変換能を有するポリオレフィン系樹脂組成物、その組成物用マスターバッチおよびその組成物を含む農業用フイルム

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JPH09249773A
JPH09249773A JP8063419A JP6341996A JPH09249773A JP H09249773 A JPH09249773 A JP H09249773A JP 8063419 A JP8063419 A JP 8063419A JP 6341996 A JP6341996 A JP 6341996A JP H09249773 A JPH09249773 A JP H09249773A
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JP
Japan
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polymer
ethylene
group
film
resin composition
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Application number
JP8063419A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahashi
弘 高橋
Masashi Kamiyama
昌士 神山
Atsushi Yanagisawa
篤 柳沢
Tetsuo Tsuchida
哲男 土田
Kimiya Miyoshi
公弥 三好
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の太陽光を受けても性能が劣化せず、
焼却時に有毒ガスを発生しない波長変換能を有する樹脂
組成物、その組成物用マスターバッチ及びその組成物を
含む農業用フイルムを提供する。 【解決手段】 一般式〔Ι〕で示される化合物又はその
重合体(色素)0.05〜15重量%を含有するポリオレフ
ィン系樹脂100重量部とヒンダードアミン系化合物0.
05〜2重量部を含む波長変換能を有するポリオレフィン
系樹脂組成物、前記組成物用マスターバッチ、及び前記
組成物を含む農業用フイルム〔式中、R1〜R4 は、置
換基を有してもよい二価の炭化水素基であり、さらにエ
ーテル結合、エステル結合またはアミド結合を有しても
よく、X1 〜X4 は、その少なくともーつがアクリロイ
ルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基で、他は水素
原子である。〕 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果実などの
有用植物の施設栽培等において、植物生育を促進あるい
は遅行し、色、味覚などの品質、収穫などを向上させる
ために太陽光スペクトルを意図する有効な光スペクトル
に変換する機能を有するポリオレフィン系樹脂組成物、
その組成物用マスターバッチおよびそれらを用いたフイ
ルムを含む農業用フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】野菜、果物等の植物生育を促進するため
に、あるいは意図するタイミングで作物を出荷すべく植
物生育を遅行させるために、太陽光スペクトルを有効な
光スペクトルに変換する機能を有する化合物を塩化ビニ
ル樹脂やポリオレフィン樹脂などのような熱可塑性樹脂
に添加し成形したフイルムを用いてハウス、トンネル等
の施設栽培に利用し、野菜、果物等の収穫、品質を向上
させることが広く行われている(例えば、特開平6ー3863
5 号公報、特開平 7ー123870 号公報、特開平7ー149736号
公報など)。しかし、これら従来のフイルムはいずれも
太陽光スペクトルを意図する有効な光スペクトルに変換
する機能の長期安定性が不十分なため、施設栽培のよう
な長期間に亘る太陽光を受けると変質し、波長変換能が
減少してしまう欠点を有している。
【0003】また、前記塩化ビニル系樹脂フイルムにお
いては、フイルムの廃棄焼却時に有毒ガスを発生すると
いう問題点を有しているため、昨今ではこれを解消する
ために有害ガスの発生のないポリオレフィン系樹脂フイ
ルムに移行しつつあるのが現状である。一方、従来の波
長変換能を有する色素を含有するポリオレフィン系樹脂
フイルムは、波長変換能の長期安定性が極端に低い。こ
れらを改良するために色素を含有するポリオレフィン系
樹脂に紫外線吸収剤などの種々の添加剤を添加するなど
の試みがなされているが、透明性等の光学的性質が悪化
するなどの問題点が発生してかえって波長変換能が低下
し、実用性に乏しく、いまだ効果的な改善はなされてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を解
消するものであって、従来の農業用フイルム等の透明性
等の諸性質を保持しながら、施設栽培におけるように長
期間太陽光を受けても波長変換能が低下せず、長期安定
性に優れ、焼却時に有毒ガスを発生する虞のないポリオ
レフィン系樹脂組成物、その組成物用マスターバッチお
よびその組成物からなるフイルムを含む農業用フイルム
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本願第1の発明は、下記一般式〔I〕
【化2】
【0006】〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、
それぞれ独立して、二価の炭化水素基または次式 −Yt −A−Zu − (式中、YおよびZはそれぞれ独立して、二価の炭化水
素基を表わし、Aはエーテル結合、エステル結合または
アミド結合を表わし、tおよびuはそれぞれ独立して0
または1である。)で示される二価の基を表わし、前記
二価の炭化水素基および二価の基中の炭化水素基は置換
基を有してもよく、X1 、X2 、X3 およびX4 はそれ
ぞれ独立して、水素原子、アクリロイルオキシ基または
メタクリロイルオキシ基を表わし、X1 、X2 、X3
よびX4 のうち少なくとも一つはアクリロイルオキシ基
またはメタクリロイルオキシ基である。〕で示される化
合物またはその重合体(これらは、黄色ないし赤色の物
質であり、本明細書においては、「一般式〔I〕の化合
物またはその重合体」を、「色素」と略記することがあ
る。)を含有するポリオレフィン系樹脂100重量部に
ヒンダードアミン系化合物0.05〜2重量部を含むことを
特徴とする波長変換能を有するポリオレフィン系樹脂組
成物である。
【0007】本願第2の発明は、前記一般式〔I〕で表
わされる化合物またはその重合体(色素)およびヒンダ
ードアミン系化合物を、前記一般式〔I〕で示される化
合物またはその重合体の含有量が20重量%以上で可及
的に高濃度(90重量%程度まで)となるようにエチレ
ンの単独重合体および/またはエチレンと他のモノマー
との共重合体(以下、本明細書においては「エチレンの
単独重合体および/またはエチレンと他のモノマーとの
共重合体」を「エチレン(共)重合体」と略記する。)
および/または分散剤と溶融混練してなる波長変換能を
有するポリオレフィン系樹脂組成物用マスターバッチで
ある。
【0008】本願第3の発明は、上記の波長変換能を有
するポリオレフィン系樹脂組成物を含む農業用フイルム
である。
【0009】以下本発明を詳述する。本発明のポリオレ
フィン系樹脂組成物においてその波長変換能の基となる
前記一般式〔I〕で示される化合物はシアノピラジン誘
導体である。
【0010】ここで、一般式〔I〕中のR1 、R2 、R
3 、R4 、YおよびZが表わす二価の炭化水素基とは、
飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは枝分かれのある鎖
状炭化水素基、フェニレン基、ナフチレン基またはこれ
らの結合体であり、例えばメチレン基、エチレン基、ト
リメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、
ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン
基、ノナメチレン基、デカメチレン基、エチルエチレン
基、プロピレン基、プロペニレン基、ビニレン基、プロ
ピニレン基、エチニレン基などが挙げられる。これら二
価の炭化水素基は、例えばヒドロキシル基、アミノ基、
モノもしくはジアルキルアミノ基、カルボキシル基、ア
シル基、ホルミル基、アルコキシル基、アルキルチオ
基、フェニルのようなアリール基、アルキルシリル基、
ハロゲン原子、複素環基などの置換基で置換されても良
い。さらに、これら二価の炭化水素基の置換基は、アリ
ール基または複素環基(これらの基は、さらに、例えば
アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノもしくは
ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アシル基、ホル
ミル基、アルコキシル基、アルケニルチオ基、アルキニ
ルチオ基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルス
ルホニル基、ハロゲン原子または複素環基で置換されて
もよい。)により置換されてもよい。
【0011】一般式〔I〕中、Aが表わすエーテル結
合、エステル結合、アミド結合の具体例としては、−O
−、−COO−、−OCO−、−CONH−および−N
HCO−が挙げられる。
【0012】[一般式〔I〕で示される化合物の製造方
法]前記一般式〔Ι〕で示される化合物は、下記のスキ
ームIに従い公知の反応または類似の反応を適宜選択し
て製造することができる。
【0013】
【化3】
【0014】スキームI中、R1 、R2 、R3 、R4
1 、X2 、X3 、X4 は前記と同じ意味を表わし、L
1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 、L7 、L8
9 、L10、L11およびL12はそれぞれ独立して、O
Η、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−ト
ルエンスルホニル基等の脱離基を表わす。R5 は水素原
子またはメチル基を表わす。ここで、1)〜4)の反応
は一工程で同時に行なうこともできる。この反応では、
必要により塩基あるいは脱水縮合剤を用いる。
【0015】塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化リチウム、ナトリウムハイドライド、金属ナトリ
ウム、金属カリウム、ソジウムメチラート、ソジウムエ
チラート、1,5ージアザビシクロ(4.3.0)ー1
ーノンー5ーエン(DBN)、1,8ージアザビシクロ
(5.4.0)ウンデカー7ーエン(DBU)、ピリジ
ン、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0016】脱水縮合剤としては、硫酸、塩酸などの鉱
酸、芳香族スルホン酸などの有機酸、1,3ージシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)、1ーエチルー3ー
(3′−ジメチルアミノプロピル)カルボイミド(WS
CI)などの有機縮合剤などが挙げられる。上記反応で
は、反応試薬に不活性な溶媒が使用される。このような
溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジメトキエタン(DME)テ
トラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ベンゼン
等のBTX系溶剤、クロロホルム等の塩素系溶剤、アセ
トニトリル、アルコール類等が挙げられる。また、反応
試薬を過剰に用いて無溶媒で反応を行なうこともでき
る。
【0017】さらに、R1 、R2 、R3 およびR4 が式
−Yt −A−Zu −で示される二価の基を表わす場合の
エーテル結合、エステル結合またはアミド結合は、下記
のスキームIIに記載した反応(1)〜(5)に従って通
常の方法で導入することができる。
【0018】
【化4】
【0019】スキームII中、L13、L14、L15、L16
よびL17は、前記L1 〜L12と同様の脱離基を表わす。
例えば、R1 、R2 およびR4 がメチレン基、R3 がポ
リメチレン基、X1 、X3 およびX4 が水素原子、X2
がメタクリロイルオキシ基の場合においては、下記スキ
ーム III〜スキームVに示す方法で製造することができ
る。スキーム III〜スキームV中、DBUは1,8ージ
アザビシクロ (5.4.0)ウンデカー7ーエン、T
BAFはテトラブチルアンモニウムフルオライド、DC
Cは1,3ージシクロヘキシルカルボジイミド、nは自
然数を表わす。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】[一般式〔I〕で示される化合物の重合
体]上記一般式〔I〕で示される化合物の重合体とは、
一般式〔I〕で示されるモノマー単位からなる単独重合
体のほか、一般式〔I〕で示されるモノマー単位以外の
モノマー単位を含む共重合体をも意味する。共重合体と
しては、例えば、一般式〔I〕のアクリロイル基または
メタクリロイル基を有する化合物あるいはその化合物と
ラジカル重合可能な化合物とをラジカル重合開始剤の存
在下で、ラジカル重合することにより得られる二元また
は三元共重合体等を挙げることができる。
【0024】他の共重合体の例としては、架橋構造を有
する重合体が挙げられる。すなわち、一般式〔I〕で示
されるモノマーと重合性二重結合を二つ以上有するモノ
マーとの共重合体、カルボキシル基、ヒドロキシル基な
どの官能基を有するモノマー、例えば、メタクリル酸や
メタクリル酸2ーヒドロキシエチルなどと共重合した
後、適当な架橋剤、例えば、アミノ樹脂、イソシアネー
ト化合物、エポキシ樹脂などを併用して架橋構造を持っ
たポリマーを得ることができる。その架橋度は、重合性
二重結合を二つ以上有するモノマーのモル%で表わす
と、0.01〜99.999%、好ましくは 0.1〜50%である。
【0025】また、他の共重合体の例としては、線状低
密度ポリエチレン、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
等のポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エ
チレンー(アクリル酸あるいはメタクリル酸)エチル共
重合体(以下、「アクリル酸あるいはメタクリル酸」を
「(メタ)アクリル酸」と表記する。)等のポリオレフ
ィン系樹脂にラジカル重合開始剤の存在下で、一般式
〔I〕で示される化合物をグラフトしたグラフト変性ポ
リオレフィン系樹脂が挙げられる。本発明で使用する一
般式〔I〕で構成される単独重合体は、公知のラジカル
重合法、例えば塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、
懸濁重合法等で製造することができる。その重合度は1
0〜10,000、好ましくは200〜 5,000である。
【0026】本発明で使用する一般式〔I〕のモノマー
成分を含む共重合体において、前記一般式〔I〕で表わ
されるモノマーとラジカル重合可能な他のモノマー化合
物の混合割合は、重量比で1:0〜1:10,000、好まし
くは1:5〜1: 2,000である。重合体は、通常、均一
な組成物とし易いように粉砕して使用するが、乳化重
合、懸濁重合法等を採用する場合には、得られる粉また
は粒状の色素をそのまま使用することができる。
【0027】上記ラジカル重合可能なモノマー化合物と
しては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tーブチル等の(メ
タ)アクリル酸エステルや無水マレイン、クロトン酸、
クロトン酸メチル等のα,βー不飽和カルボン酸または
その誘導体;酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリロ
ニトリル、スチレンまたはその誘導体;ブタジエン、ア
クロレイン、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート等に代表される多官能性メ
タクリレートモノマー類;ジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ビニルブチ
ラート等に代表される多官能性ビニルモノマー類;N,
N′ーm−フェニレンビスマレイミド、N,N′−エチ
レンビスマレイミドに代表されるビスマレイミド類;p
−キノンジオキシム等のジオキシム類などの多官能モノ
マー類等が挙げられる。
【0028】上記ラジカル開始剤としては、アゾイソブ
チルニトリル、アゾビスー2,4ージメチルバレロニト
リル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビ
スー2ーアミジノプロパン・塩酸塩、ペルオキソ二硫酸
カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、tーブチル
クメンヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどが挙げられる。ラジカル重合開始剤は、
モノマー100重量部に対して、0.05〜5重量部の範囲
で添加使用される。
【0029】本発明の一般式〔I〕で示される化合物ま
たはその重合体(色素)を含有するポリオレフィン系樹
脂とは、(1)一般式〔I〕で示される化合物とオレフィ
ンとのランダム共重合体またはそれらとポリオレフィン
系樹脂との混合物、(2)一般式〔I〕で示される化合物
をポリオレフィン系樹脂にグラフトしたグラフト共重合
体またはそれらとポリオレフィン系樹脂との混合物、あ
るいは(3)一般式〔I〕で示される化合物またはその化
合物の重合体とポリオレフィン系樹脂との混合組成物等
を包含するものである。
【0030】上記本発明で使用するポリオレフィン系樹
脂とは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリブテン−1樹脂、ポリー4ーメチルー1ーペンテン
樹脂;、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン
・プロピレンージエン共重合体ゴム、エチレン・ブテン
−1共重合体ゴムなどのオレフィン系ゴム等を包含し、
これらの中でもポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂が、機械的強度や経済性、汎用性等の点で好まし
く、とりわけポリエチレン系樹脂が好ましい。ポリプロ
ピレン系樹脂とは、公知の技術によって重合されたプロ
ピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重
合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体を含む。
これらの中でもプロピレン単独重合体やプロピレン−エ
チレンランダム共重合体が透明性に優れて好ましいもの
である。
【0031】上記ポリオレフィン系樹脂の中ではエチレ
ンの単独重合体および/またはエチレンの共重合体(エ
チレン(共)重合体)が透明性、柔軟性、強度のバラン
スがよく、好ましく用いられる。エチレン(共)重合体
としては、チグラー系触媒、フィリップス系触媒等で重
合される線状ポリエチレン、高圧ラジカル重合法による
分岐状ポリエチレンが挙げられる。特に好ましいのは、
密度が0.94g/cm3 以下のエチレン・α−オレフィン
共重合体、高圧ラジカル重合法によるエチレン(共)重
合体、およびこれらの混合物である。
【0032】前記密度が0.94g/cm3 以下のエチレン
・α−オレフィン共重合体とは、チグラー系触媒あるい
はフィリップス系触媒を用い、高中低圧法およびその他
の公知の方法により得られるエチレンとα−オレフィン
との共重合体であり、密度が0.86〜0.91g/cm3 未満
の超低密度ポリエチレン(以下、VLDPEと略す。
0、密度が0.91〜0.94g/cm3 の線状低密度ポリエチ
レン(以下、LLDPEと略す。)、あるいはバナジウ
ム触媒で重合されるエチレン・プロピレン共重合体ゴム
(以下、EPRと略す。)、エチレン・プロピレンージ
エン共重合体ゴム(以下、EPDMとと略す。)あるい
はエチレン・ブテンー1共重合体ゴム等を包含する。
【0033】前記VLDPE、LLDPE等に用いられ
るα−オレフィンとしては炭素数3〜20、好ましくは
炭素数3〜12のαーオレフィンであり、具体的には、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4ーメチルー
1ーペンテン、1−ヘキセン、1ーオクテン、1ードデ
センなどを挙げることができる。これらαーオレフィン
の含有量は2〜40モル%の範囲で選択することが望ま
しい。
【0034】前記密度が0.94g/cm3 以下のエチレン
・α−オレフィン共重合体はMFRが0.01〜50g/1
0分、好ましくは 0.1〜20g/10分のものである。
MFRが0.01g/10分未満ではフイルム成形時に特別
な装置を必要し、50g/10分を超えるとフイルム強
度が不十分となるおそれが生じる。前記高圧ラジカル重
合法によるエチレン(共)重合体としては、低密度ポリ
エチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレ
ン・α、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共
重合体などが挙げられる。
【0035】前記高圧ラジカル重合法による低密度ポリ
エチレンとは、高圧ラジカル重合による分岐状の低密度
ポリエチレン(LDPE)であり、一般的には槽型反応
器もしくは管状反応器を用いて、ラジカル開始剤の存在
下、圧力500〜3000kg/cm2 、温度150〜33
0℃の範囲でエチレンを重合することによって得られ
る。その密度は0.91〜0.94g/cm3 、好ましくは、
0.915〜 0.935g/cm3の範囲、MFRは0.05〜60g
/10分、好ましくは 0.1〜50g/10分の範囲であ
る。
【0036】前記のエチレン・ビニルエステル共重合体
とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成
分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸
ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエ
ステル単量体との共重合体である。これらの中で特に好
ましいものとして、酢酸ビニルを挙げることができる。
この共重合体におけるエチレンとビニルエステル類との
割合は、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル
0.5〜50重量%であり、さらに他の共重合可能な不飽
和単量体を0〜49.5重量%含んでもよい。好ましいビニ
ルエステル含有量は3〜30重量%、特に5〜25重量
%の範囲である。これら共重合体はMFRが、 0.1〜6
0g/10分、好ましくは 0.1〜50g/10分の範囲
のものである。
【0037】前記のエチレンとα、βー不飽和カルボン
酸またはその誘導体との共重合体の代表的な具体例とし
ては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキ
ルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマーと
しては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル
酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等を挙げ
ることができる。この中でも好ましいものとして(メ
タ)アクリル酸のエステルを挙げることができる。特に
好ましいものとしてエチレンと(メタ)アクリル酸エス
テル等を挙げることができる。
【0038】エチレンと(メタ)アクリル酸エステルと
の割合は、エチレン50〜99.5重量%、(メタ)アクリ
ル酸エステル 0.5〜50重量%であり、さらに他の共重
合可能な不飽和単量体を0〜49.5重量%含んでもよい。
好ましい(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜30
重量%、好ましくは5〜25重量%の範囲である。これ
ら共重合体はMFRが、 0.1〜60g/10分、好まし
くは 0.1〜50g/10分の範囲のものである。
【0039】また、前記線状ポリエチレンあるいは分岐
状ポリエチレンは、それぞれ単独で用いてもよいが、こ
れらを混合して用いても差し支えない。例えば成形時の
安定性やフイルムの透明性を重視する場合は分岐状ポリ
エチレンを単独であるいは主要成分とし少量の線状ポリ
エチレンを配合することが望ましく、フイルムの強度を
重視する場合は線状ポリエチレンを単独であるいは主要
成分とし少量の分岐状ポリエチレンを配合して用いるこ
とが望ましい。
【0040】前記一般式〔I〕で示される化合物または
その重合体の配合量はポリオレフィン系樹脂成分に対し
て0.05〜15重量%、好ましくは 0.1〜12重量%であ
る。0.05重量%未満では植物の育成促進効果が顕著でな
く、15重量%を超えると効果が頭打ちとなり不経済で
あり、場合によると透明性が悪化したり強度が低下する
などの弊害が生じるおそれがある。
【0041】本発明において用いるヒンダードアミン系
化合物としては、フェニルー4ーピペリジニルカーボネ
ート、{4ー(4ーヒドロキシー3,5ージーtーブチ
ルフェニル)プロピオニル}ーN−(4ーヒドロキシー
3,5ージーtーブチルフェニル)メチルー2,2,
6,6ーテトラメチルピペリジン、1,1′ー(1,2
ーエタンジイル)ビス(3,3,5,5ーテトラメチル
ピペラジノン)、ビス(2,2,6,6ーテトラメチル
ー4ーピペリジニル)セバケート、ビスー{N−メチル
ー2,2,6,6ーテトラメチルーピペリジニル}セバ
ケート、ビス(1,2,2,6,6ーペンタメチルー4
ーピペリジニル)ー2ー(3,5−ジーtーブチルー4
ーヒドロキシベンジル)ー2ーnーブチルマロネート、
1,2,3,4−ブタンカルボン酸と2,2,6,6ー
テトラメチルー4ーピペリジノールとトリデシルアルコ
ールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンカルボン酸と
1,2,2,6,6ーペンタメチルー4ーピペリジノー
ルとトリアシルアルコールとの縮合物、テトラキス
(2,2,6,6ーテトラメチルー4ーピペリジニル)
ー1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テ
トラキス(1,2,2,6,6ーペンタメチルー4ーピ
ペリジニル)ー1,2,3,4−ブタンテトラカルボキ
シレート、ポリ{[6ー(1,1,3,3ーテトラメチ
ルブチル)アミノー1,3,5ートリアジンー2、4ー
ジイル][(2,2,6,6ーテトラメチルピペリジニ
ル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6ーテト
ラメチルピペリジニル)イミノ]}、ポリ{6ーモルフ
ォリノ−s−トリアジンー2,4ージイル[(2,2,
6,6ーテトラメチルピペリジル)イミノーヘキサメチ
レン][ (2,2,6,6ーテトラメチルピペリジニ
ル)イミノ]}、1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸と2,2,6,6ーテトラメチルー4ーピペリジノ
ールとβ,β,β’,β’ーテトラメチルー3,9ー
(2,4,8,10ーテトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン)ジエタノールとの縮合物、N,N′ービス
(3ーアミノプロピル)エチレンジアミン2,4ービス
[NーブチルーN(1,2,2,6,6ーペンタメチル
ー4ーピペリジル)アミノ]ークロロー1,3,5ート
リアジン縮合物、4ーヒドロキシー2,2,6,6ーテ
トラメチルー1ーピペリジンエタノールとコハク酸との
ポリエステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸と1,2,2,6,6ーペンタメチルー4ーピペリジ
ノールとβ,β,β′,β′ーテトラメチルー3,9
(2,4,8,10ーテトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン)ジエタノールとの縮合物、トリメチルプロピ
ルー3ーオキシー[4(2,2,6,6ーテトラメチ
ル)ピペリジニル]シロキサン等が挙げられ、中でも最
も好ましいものは4ーヒドロキシー2,2,6,6ーテ
トラメチルー1ーピペリジンエタノールとコハク酸との
縮合物等が挙げられる。
【0042】本発明の組成物においては、ヒンダードア
ミン系化合物をポリオレフィン系樹脂成分100重量部
に対して0.05〜2重量部配合する。0.05重量部未満の場
合は色素の蛍光強度保持率が改良されず波長変換能は長
期安定性がないものとなり、2重量部を超える場合はフ
イルム表面にブリードアウトし外観が悪化するだけでな
く、蛍光強度保持率の改良効果も頭打ちとなり不経済と
なる。上記ヒンダードアミン系化合物は、従来のフイル
ム等樹脂の耐光性を保持する機能と、一般式〔I〕で示
される化合物またはその重合体からなる色素の蛍光強度
を低下させず、その植物育成促進効果等を長時間保つと
いう相乗効果を有している。
【0043】色素が架橋共重合体の場合、この相乗効果
は充分に解明されてはいないが、エチレン系(共)重合
体に配合されたヒンダードアミン系化合物が架橋共重合
体粒子表面で特異な働きをすることにより、マトリック
スの光劣化によって発生した活性なラジカルが重合体粒
子中へ侵入するのを防ぐ効果によるものと考えられる。
前記本願の第1発明の波長変換能を有する組成物は、
前記の各成分を各々所望の割合でドライブレンド等のよ
うにヘンシェルミキサー、押出機等で単純にブレンドし
て調製してもよいが、好ましくは、予め高濃度に色素を
配合したマスターバッチとして供されることが望まし
い。
【0044】すなわち、本願の第2発明は、前記一般式
〔I〕で示される化合物またはその重合体、ヒンダード
アミン系化合物、エチレン(共)重合体及び/または分
散剤を、前記一般式〔I〕で示される化合物またはその
重合体の含有量が20重量%以上で可及的に高濃度(9
0重量%程度まで)となるように溶融混練し、ペレット
状化した波長変換能を有するポリオレフィン系樹脂組成
物用マスターバッチとするものである。このようなペレ
ット状化したマスタバッチとすることにより、取扱いや
運搬作業性が容易となり、かつ色素を均一に分散化する
ことができ、フイルムの色むらが生ぜず、透明性等光学
的性質を損なうことが回避されるので波長変換効率が飛
躍的に向上し、かつ安定性が長期に亘って維持されるこ
ととなる。
【0045】上記マスタバッチに使用されるエチレン
(共)重合体は、前記色素及び分散剤とブレンドされる
ものであるから、前記色素及び分散剤と相溶性を有し、
かつ色素を高濃度に配合できるものが望ましい。具体的
には、前記線状ポリエチレン及び/または分岐状ポリエ
チレン、望ましくは密度が0.94g/cm3 以下のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体、とりわけ、VLDPE、
EPR、EPDM等の軟質のポリエチレン、あるいはエ
チレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーア
クリル酸エチル共重合体(EEA)等のエチレンと極性
基含有モノマーとの共重合体などが好ましい。
【0046】本発明で使用する分散剤とは、マイクロリ
ンワックス、ポリエチレンワックス、アタクチックプロ
ピレン等のワックス類;石油樹脂;あるいはこれらワッ
クス類、石油樹脂を無水マレイン等で変性した変性物;
ポリブテン;鉱油等のオイル類、これらの混合物等が挙
げられる。これら分散剤と色素との配合は可及的高濃度
に調整されることが望ましく、一般に色素(顔料)を堅
いペースト状にするために必要な油(ボイル油、ワニス
等)の量で評価される吸油量(JIS K5500)を
調整したものをも包含する。しかし、取り扱いや作業性
等の観点から樹脂成分及び/または分散剤に対して色素
濃度を20〜90重量%の範囲に調整したマスターバッ
チが好ましい。
【0047】本願の第3発明は、前記組成物を含む農業
用フイルムである。ここでいう農業用フイルムには、単
層フイルムのほか、多層で構成されるフイルムを包含す
る。ハウス栽培、トンネル栽培、マルチ栽培等に使用さ
れる農業用フイルムにおいては、耐衝撃性、耐引裂性、
耐突き刺し性等の耐久性、耐寒性、透明性等の諸性質を
保持する必要がある。したがって、上記本発明の単層フ
イルムからなる農業用フイルムにおいて、これら諸性質
を維持するためには、前記ポリオレフィン系樹脂の中で
もエチレン(共)重合体、とりわけ、密度が0.94g/c
3 以下のエチレン・α−オレフィン共重合体及び/ま
たは高圧ラジカル重合法による分岐状エチレン(共)重
合体で構成したものが望ましい。
【0048】具体的には、前記LLDPE;LLDPE
とLDPEとの混合物;VLDPE;VLDPEとLL
DPEとの混合物;VLDPEとLDPEとの混合物;
VLDPEとEVA、EVAまたはEEA等との混合物
が挙げられる。上記フイルムは、インフレーション成形
法、Tダイ成形法等によって成形される厚さが約10〜
500μm程度の範囲のものであり、分散性を向上させ
るため、前記予めマスターバッチとポリオレフィン系樹
脂をともに押出機に投入して成形することが望ましい。
【0049】また、本発明の農業用フイルムには、前記
波長変換能や透明性などを損なわない範囲で、農業用フ
イルムに要求される他の機能を付与するために、防曇
剤、流滴剤、保温剤等の添加剤を配合することができ
る。さらにフイルム成形時の熱劣化を防止するための酸
化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤などの通例の添加剤を配
合することもできる。
【0050】本発明の多層構造から構成される農業用フ
イルムとは、前記波長変換能を有する組成物からなるフ
イルム層と他のフイルム層との少なくとも2層の積層フ
イルムから構成されるが、波長変換能を長期的に保持す
るために前記波長変換能を有する組成物からなるフイル
ム層を中間層として構成することが望ましい。また、前
記単層フイルムと同様に波長変換能の長期安定性と耐衝
撃性、耐引裂性、耐突き刺し性等の耐久性、耐寒性、透
明性等の諸性質を保持し、防曇性、流滴性、保温性等の
性能や酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤などの機能を維
持するためには、3層構造として外層に紫外線吸収剤、
防曇剤や流滴剤を配合し、中間層およびハウス室内側の
層に保温剤(シリカ、アルミニウムシリケート、アルミ
ノシリケート、チタニウムシリケート、ケイ酸カルシウ
ム、マイカ、タルク、クレー、カオリナイト、ゼオライ
ト、ガラス粉末、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム
等)等を配合することが好ましい。
【0051】例えば、3層の積層フイルムの中間層を波
長変換能を有する組成物からなるフイルム層とし、少な
くとも一方の外層に防曇剤を配合し、他の外層に紫外線
吸収剤を配合し、ハウス室内側に防曇剤配合層を配置す
ることにより、中間層の波長変換能に影響を及ぼさず、
植物育成促進効果をそのまま維持しながらハウス室内の
水分による水滴の付着を防止することが可能となる。
【0052】上記防曇剤とはフイルム表面へ水滴が付着
することによる透明性の低下による照射日光の低下を防
ぐものである。防曇剤に用いられる化合物としては、グ
リセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘレー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノベヘ
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンパル
ミチン酸エステル(エチレンオキサイド付加物)等が挙
げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて
用いられる。防曇剤の配合量はフイルムの厚さによって
異なるが一般的には0.01〜 0.5重量部の範囲である。
【0053】本発明の積層型の農業用フィルムにおいて
波長変換能層以外の層を構成する他のフィルムに用いら
れる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(PO)、ポ
リアミド系樹脂(PA)、ポリエステル系樹脂(PE
S)、ポリカーポネート系樹脂(PC)、ポリビニルア
ルコール系樹脂(PVA)、アクリル系樹脂(AN)等
が挙げられる。具体的な多層フイルムの構成例として
は、PO/色素含有PO/PO(3層構造)、PA/M
PO/色素含有PO/酸変性ポリオレフィン(MPO)
/PA(5層構造)、PES/MPO/色素含有PO/
MPO/PES(5層構造)、PC/MPO/色素含有
PO/MPO/PC(5層構造)、PVA/MPO/色
素含有PO/PO(4層構造)等が挙げられる。
【0054】特に好ましい本発明の積層型農業用フィル
ムはエチレン(共)重合体の組合わせからなる3層構造
のものである。具体例としてはLLDPE/LDPE/
LLDPE、LLDPE/LLDPE/LLDPE、L
LDPE/LDPEとLLDPEとの混合物/LLDP
E、LLDPE/EVA/LLDPE、LDPE/EV
A/LDPE、LDPE/LLDPE/LDPE、EV
A/LLDPE/EVA等が挙げられる。また、前記し
た添加剤を含有する層の組合わせとしては、例えば本発
明の色素含有層(SP)/防曇剤、紫外線吸収剤(U
V)/SP、UV/SP/防曇剤、防曇剤/SP/防曇
剤、保温剤(HO)/SP/防曇剤、ヒンダードアミン
(HALS)/SP/防曇剤、UV+防曇剤/SP/防
曇剤、UV+防曇剤/SP/防曇剤+UV等の種々の組
合わせが挙げられる。
【0055】本発明おいては、図1に一構成例を示すよ
うに積層フイルム(1)の最外層(3a,3b)の一つ
を粗面化加工し、この加工面(4)をハウスの植物栽培
側に向けて使用することが好ましい。すなわち、色素含
有層(2)における発光は樹脂の屈折率によって異なる
が、発光した光は空気との界面で全反射されてフィルム
内を伝わり、閉じ込められた光は吸収発光を繰り返す。
このときの発光した光を有効にフィルム内面から栽培植
物に放射(照射)できるように、フィルムの内面に凹凸
を設ける粗面化加工をするのが好ましい。粗面化加工
は、例えばワイヤーブラシ、サンドブラスト、エンボシ
ングなど通常実施されている方法で行なうことができ
る。
【0056】前記積層フイルムは予め成形した複数のフ
イルム基材を押出ラミネーション法、ドライラミネーシ
ョン法、サンドラミネーション法などによって積層する
方法、あるいは二層を同時に成形する共押出Tダイ法、
共押出インフレーション法などによって成形することが
できる。
【0057】フイルム成形時の熱劣化を防止するために
添加配合される酸化防止剤は、公知なもので差し支えな
いが、例えばブチルヒドロキシトルエン、テトラキス
[メチレンー3ー(3′,5′ージーtーブチルー4′
ーヒドロキスフェニル)プロピオネート]メタン、オク
タデシルジブチルヒドロキシハイドロシアナメイト等の
ヒンダードフェノール系、ジラウルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネート等のチオエーテ
ル系、ビス(2,4ージーtーブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、トリス(ジブチルフェ
ニル)ホスファイト、4,4′ービフェニレンジホスフ
ィン酸テトラキス(2,4ージーtーブチルフェニ
ル)、ビス(2,6ージーtーブチルー4メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系
等が好ましいものとして挙げられる。
【0058】本発明における農業用ポリオレフィンフイ
ルムは保温性、防塵性、遮水性、防曇性等があり、強
度、柔軟性のバランスがよく、焼却時に有毒ガスが発生
することがなく、ハウス栽培、トンネル栽培等の一次被
覆材などとして利用でき、植物の育成、遅行等の制御が
でき、色素の効果が長期間持続するフイルムとして有用
である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び実験例に
基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらによって
限定されるものではない。実施例及び比較例における試
験法は以下の通りである。
【0060】 [密度]:JIS K6760に準拠して測定した。 [MFR]:JIS K6760準拠して測定した。 [蛍光強度保持率]:反射型陽光ランプ(東芝ライテッ
ク(株)製,DR400/T(L))を使用し、試料フ
ィルムに90℃にて、20万ルックスを照射し、蛍光強
度を日立製850型蛍光分光光度計(励起波長500n
m)で測定し、蛍光強度の減少度合が照射前の強度の1
/2になった日数で評価した。 [フイルム外観]:後述の成形条件で成形したフイルム
の表面を目視により観察し以下の基準で判定した。 ○…良好、×…表面が白濁。
【0061】実施例及び比較例で使用した成分は下記の
通りである。 (1)LDPE:高圧ラジカル重合法による低密度ポリ
エチレン 商品名;ジェイレックスLD F22N(日本ポリオレ
フィン(株)製,MFR: 1.0g/10分、密度: 0.9
24g/cm3 )、
【0062】(2)EVA:高圧ラジカル重合法による
エチレン・酢酸ビニル共重合体 商品名;ジェイレックスEVA(日本ポリオレフィン
(株)製,MFR: 1.7g/10分)。 (3)LLDPE:チタン系触媒によるエチレン・1−
ブテン共重合体 商品名;ジェイレックスLL(日本ポリオレフィン
(株)製,MFR: 0.9g/10分、密度: 0.925g/
cm3 )。 (4)PVC:ポリ塩化ビニル SUNAR SA1000D(サンアロー化学(株))
を用いた軟質PVC。
【0063】(5)一般式〔I〕で示される化合物 3,6ージアミノー2,5ピラジンジカルボニトリルを
出発原料とし、(A)、(B)、(C)及び(D)の化
合物を経由する方法で製造した化合物(E)を使用し
た。 (i)一般式〔I〕でR1 1 =COC6 5 、R2 2
=R3 3 =R4 4 =Hである化合物(A)の合成
【0064】
【化8】
【0065】3,6ージアミノー2,5ピラジンジカル
ボニトリル(3.52)gをピリジン(60ml)に溶解し
氷冷下、ベンゾイルクロライド(5.06)gを30分で滴
下し同温度で4時間反応を行なった。反応液をろ過、濃
縮し酢酸エチル(60ml)、 0.5M HCl水溶液
(60ml)を加え、析出した結晶をろ取し、水、酢酸
エチルで洗浄後乾燥して、黄色結晶(2.26g)を得た。
収率45%、DSC測定値:270℃(吸熱ピーク)。
【0066】(ii)一般式〔I〕でR1 1 =COC6
5 、R2 2 =R3 3 =R4 4 =CH3 である化合
物(B)の合成
【0067】
【化9】
【0068】化合物(A)(1.98g)、ジメチルアセト
アミド(30ml)、ヨウ化メチル(9.77g)、無水炭
酸カリウム(4.15g)を混合し60〜70℃で4時間反
応を行なった。反応液に水(60ml)を加えジクロロ
メタン(60ml)で抽出し、水洗、乾燥、濃縮を行
い、酢酸エチル/n−ヘキサンから再沈殿させて黄色結
晶(B)(1.38g)を得た。収率60%、融点(mp)
159〜 159.5℃。
【0069】(iii) 一般式〔I〕でR1 1 =H、R2
2 =R3 3 =R4 4 =CH3 である化合物(C)
の合成
【0070】
【化10】
【0071】化合物(B)(1.38g)、メチルアルコー
ル(50ml)、10%HCl塩溶液(27ml)を混
合し、80〜90℃で20時間反応を行なった。反応液
を冷却して析出した結晶をろ取、水洗、乾燥して暗赤色
結晶(C)(0.25g)を得た。収率60%、mp208
〜 209.5℃。
【0072】(iv)一般式〔I〕でR1 1 =(CH2
6 I、R2 2 =R3 3 =R4 4=CH3 である化
合物(D)の合成
【0073】
【化11】
【0074】化合物(C)(3g)と1,6−ジヨード
ヘキサン( 9.7g)のジメチルアセトアミド(100m
l)溶液に撹拌しながら炭酸セシウム( 6.3g)を加え
室温下、30時間反応を行なった。反応液に水(200
ml)を加え不溶物をろ取しエーテルで抽出した。エー
テル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃
縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ(流出溶媒:ベ
ンゼン)で精製した。更にヘキサンで再結晶することに
より赤色結晶の目的物( 3.0g)を得た。収率49%、
mp55℃;1 HNMR(200MHz,CDCl3 )δppm: 1.
2〜 1.3(8H,m ),3.1〜 3.3(11H,m ), 3.4〜 3.6
(2H,t)。
【0075】(v)一般式〔I〕でR1 1 =(CH2
6 OCOC(CH3 )=CH2 、R22 =R3 3
4 4 =CH3 である化合物(E)の合成
【0076】
【化12】
【0077】化合物(D)(2.57g)とメタクリル酸
( 0.8g)のアセトニトリル(31ml)溶液に撹拌し
ながら1,8ージアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ
ー7ーエン(DBU)(1.14g)を滴下し、加熱環流下
4時間反応を行なった。放冷後水を加えエーテルで抽出
し、エーテル層を水洗、次いで無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧濃縮して赤色オイル状の目的物( 2.2g)
を得た。収率95%。1 HNMR(200MHz,CDCl3 )δppm: 1.
2〜 1.8(8H,m),1.95(3H,s),3.15(3H,s),3.16
(6H,s),3.51(2H,t),4.15(2H,t),5.55(1H,
m), 6.1(1H,s); 可視・赤外吸収スペクトル(CHCl3 ) λmax:
241,300,509nm; 蛍光スペクトル(CHCl3 )λem:592(λex
500nm)。
【0078】(6)一般式〔I〕で示される化合物の重
合体(F) 以下の方法で得た一般式〔I〕で示される化合物の重合
体(F)を使用した。前記(5)に記載した化合物
(E)(0.05g)、メチルメタクリレート(1.35g)、
アゾビスイソブチロニトリル(45mg)を混合した。
得られた均一な溶液を窒素置換後、封印し、70℃の湯
浴中で重合させた。3時間の重合硬化後、得られた重合
体をクロロホルムに溶解させ、メタノールで再沈し、減
圧乾燥した。得られた重合体は赤い蛍光色を呈してい
た。重合度を粘度式によって求めたところ2,200 であっ
た。収量1.23g(収率88%)。
【0079】(7)一般式〔I〕で示される化合物の架
橋重合体(G) 以下の方法で調製した一般式〔I〕で示される化合物の
架橋重合体(G)を使用した。前記(5)に記載した化
合物(E)(0.05g)、メチルメタクリレート(1.35
g)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(0.
12g)、アゾビスイソブチロニトリル(49mg)を混
合した。得られた均一な溶液を窒素置換後封印し、70
℃の湯浴中で3時間重合硬化させた。得られた重合体を
クロロホルムに浸したが、重合体は溶解しなかった。更
に20時間クロロホルムに浸し、砕いた後、ろ過し、ク
ロロホルムで洗浄した。クロロホルムで若干膨潤した重
合体を減圧乾燥した。得られた重合体は前記重合体と同
様に赤い蛍光色を呈していた。収量1.2g(収率78
%)。
【0080】(8)一般式〔I〕で示される化合物の重
合体を含有するマスターバッチ(MAB) 前記(1)のLDPE F22Nを70重量%、前記重
合体(F)を30重量%となるように配合し、二軸押出
機を用い、押出し温度180℃にてペレット化しマスタ
ーバッチ(MAB)とした。
【0081】(9)ヒンダードアミン系化合物(HAL
S):4ーヒドロキシ2,2,6,6ーテトラメチルー
1ーピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル 商品名;T−622(チバガイギー(株)製)。
【0082】(10) 紫外線吸収剤:2ーヒドロキシー
4ーnーオクトキシベンゾフェノン 商品名;V−130(共同薬品(株)製)。 (11) 防曇剤:グリセリンモノステアレート(SM
G)。
【0083】実施例1〜10:一般式〔I〕で示される
化合物またはその重合体を含有するポリオレフィン系樹
脂組成物の調製と物性評価 表1に示すように、LDPE、LLDPE、EVAの各
所定量、上記一般式〔I〕で示される化合物(E)、そ
の重合体(F)、その架橋重合体(G)または重合体
(F)を含有するマスターバッチ(MAB)の所定量、
ヒンダードアミン化合物(HALS)、及びUV吸収剤
を配合してヘンシェルミキサーで10種のペレットを得
た。これらの各ペレットを使用し、30mmφインフレ
ーション成形装置にて、成形温度160〜200℃、ブ
ローアップ比 1.9の条件で、厚み110μmのフイルム
試料(実施例1〜10)を調製した。各フィルムについ
て蛍光強度半減日数、引張破壊強さ、フイルムの外観を
測定乃至評価した。その結果を併せて表1に示す。表1
から蛍光強度半減日数、引張破壊強さ、フイルムの外観
のいずれも良好であることが分かる。
【0084】
【表1】
【0085】比較例1〜4 表2に示すように、LDPE、PVCの各所定量、上記
一般式〔I〕で示される化合物(E)の所定量、ヒンダ
ードアミン化合物(HALS)、及びUV吸収剤を配合
して実施例1〜10と同様にしてペレット化し、フィル
ム試料(比較例1〜4)を調製し、蛍光強度半減日数、
引張破壊強さ、フイルムの外観を測定乃至評価した。そ
の結果を併せて表2に示す。表2から前記表1(実施例
1〜10)の本発明によるフィルムに比較して、LDP
Eに一般式〔I〕で示される化合物(E)を配合しても
HALSを添加しないものでは蛍光強度半減日数が大幅
に短くなること(比較例1及び2)、HALSを上限を
超える量(3重量%)添加したものではフイルム表面に
白濁が生じること(比較例3)、ベース樹脂としてPV
Cを用い、HALSを添加したもの(比較例4)ではH
ALSを添加しても蛍光強度半減日数が著しく短くなる
ことが分かる。また比較例4のフィルムでは焼却時に有
害ガスを発生するという問題がある。
【0086】
【表2】
【0087】実験例1〜3 下記の成形条件で中間層を本発明の実施例1で使用の色
素 0.5重量部含有LDPEとし、外層を紫外線吸収剤
0.1重量部含有LLDPE、他の外層を防曇剤 0.1重量
部含有LLDPEとして下記の条件で3層インフレーシ
ョンフイルム成形により厚み構成を外層25μm/中間
層50μm/内層25μmの3層フイルムを成形した
(実験例1)。
【0088】比較のため中間層を色素無添加LDPEと
し、外層を紫外線吸収剤 0.1重量部含有LLDPE、他
の外層を防曇剤 0.1重量部含有LLDPEとして3層イ
ンフレーションフイルム成形により厚み構成を外層25
μm/中間層50μm/内層25μmの3層フイルムを
成形した(実験例2)。 〈多層インフレーションフイルム成形条件〉3層インフ
レーション成形装置、外層、中間層、内層各40mmφ
押出機を使用し、ダイス径100mm、成形成形温度1
60〜200℃、ブローアップ比 1.9にて成形し3層フ
ィルムを得た。
【0089】上記実験例1及び2の3層フイルムの防曇
剤含有フイルム面を内側にして各々約40m2 の小型ハ
ウスを組立てた。播種(培地:WEDGE OASIS 5631,日本
曹達(株))したキユウリ(天馬)の苗をポット(猪苗
代葉山土壌51、完熟堆肥51、ジシアン(昭和電工
(株))7g、過石51gを混合した土を用いた。)に
移植し、これを10ポットずつ、気温25〜30℃に維
持した各ハウスに12月12日に移動して実験を開始し
た。灌水は自動灌水装置をセットし、灌水を施した。な
お、施肥は適当な間隔を置いてOASIS液肥、フチン
ゴールド(日本曹達(株))等を用いて行い、キュウリ
栽培の成育状況を観察した。その結果(16周後までの
総収量(本数))を、従来のポリ塩化ビニル樹脂(カジ
ュホット,三菱化成ビニル(株)製)を用いた実験例3
の結果と共に下記の表3に示す。
【0090】
【表3】 フイルム 収量(16周後までの総収量;本数) 実験例1(本発明品) 630 実験例2(無添加品) 600 実験例3(PVC品) 567
【0091】実験例4〜6 上記実験例1〜3で使用したフイルムを用い、静岡県榛
原町坂口の水田で11月21日から翌年年2月22日ま
でレタスのトンネル栽培試験を行なった。すなわちウイ
ンダム種の苗をポット(猪苗代葉山土壌51、完熟堆肥
51、ジシアン(昭和電工(株))7g、過石51gを
混合した土を用いた。)に移植し、これを10ポットづ
つ各ハウスに移動して実験を開始し、自動灌水装置をセ
ットして灌水した。施肥は適当な間隔を置いてOASI
S液肥、フチンゴールド(日本曹達(株))等を用いて
行いレタスの収穫重量(全量、可食部重量、可食部重
率)を記録した。その結果を表4に示す。
【0092】
【表4】 フイルム 調 査 全 量(*) 可食部重量 可食部重率(**) 個体数 (g) (g) (%) 実験例4 20 562 ±75 452 ±77 79.9±4.48 実験例5 20 540 ±72 418 ±63 77.2±4.69 実験例6 20 480 ±68 373 ±65 77.4±4.28 * 結球していない葉を2枚残したレタスの重量 ** 個々のレタスの可食部重率の平均値
【0093】
【発明の効果】本発明による波長変換能を有する樹脂組
成物は、色素成分が高分子鎖に化学結合され、優れた耐
光性、耐水性を有し、かつ特定範囲の耐光性に優れるヒ
ンダードアミン化合物との相互作用により、飛躍的に光
変換能の長期の安定性の向上が図れ、エレクトロルミネ
ッセンス、波長変換能の機能性材料として有用である。
また、本発明の組成物を含む農業用フイルムは、ハウス
栽培、トンネル栽培等の一次被覆材として用いると、保
温性、防塵性、遮水性があり、強度、柔軟性のバランス
がよく、焼却時に有毒ガスが発生する虞がなく、長期に
わたって使用を行なっても植物の育成効果が低下せず、
野菜、果実等の品質と収穫量を大幅に向上させることが
できるものである。さらに防曇剤、帯電防止剤等の添加
剤を配合したフイルムと積層することにより、これら防
曇性、帯電防止性等の特性を保持した農業用フイルムを
提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による積層型農業用フィルムの構成例
を示す。
【符号の説明】
1 積層フィルム 2 色素含有層 3a,3b 外層 4 粗面化加工面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 B32B 27/18 27/32 27/32 Z C07D 241/10 C07D 241/10 241/20 241/20 C08J 3/22 CES C08J 3/22 CES 5/18 CES 5/18 CES C08K 5/3435 C08K 5/3435 5/3462 KFB 5/3462 KFB C08L 23/04 C08L 23/04 23/16 LCY 23/16 LCY //(C08L 23/02 39:04) B29K 23:00 B29L 7:00 (72)発明者 土田 哲男 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 日本 ポリオレフィン株式会社川崎研究所内 (72)発明者 三好 公弥 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 日本 ポリオレフィン株式会社川崎研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔Ι〕 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立
    して、二価の炭化水素基または次式 −Yt −A−Zu − (式中、YおよびZはそれぞれ独立して、二価の炭化水
    素基を表わし、Aはエーテル結合、エステル結合または
    アミド結合を表わし、tおよびuはそれぞれ独立して0
    または1である。)で示される二価の基を表わし、前記
    二価の炭化水素基および二価の基中の炭化水素基は置換
    基を有してもよく、X1 、X2 、X3 およびX4 はそれ
    ぞれ独立して、水素原子、アクリロイルオキシ基または
    メタクリロイルオキシ基を表わし、X1 、X2 、X3
    よびX4 のうち少なくともーつはアクリロイルオキシ基
    またはメタクリロイルオキシ基である。〕で示される化
    合物またはその重合体0.05〜15重量%を含有するポリ
    オレフィン系樹脂100重量部とヒンダードアミン系化
    合物0.05〜2重量部とを含むことを特徴とする波長変換
    能を有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂がエチレン
    (共)重合体である請求項1に記載の波長変換能を有す
    るポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エチレン(共)重合体が、線状ポリ
    エチレンおよび/または分岐状ポリエチレンである請求
    項2に記載の波長変換能を有するポリオレフィン系樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記線状ポリエチレンが密度が 0.94g
    /cm3 以下のエチレン・α−オレフィン共重合体であ
    り、分岐状ポリエチレンが高圧ラジカル重合法によるエ
    チレン(共)重合体である請求項3に記載の波長変換能
    を有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の一般式〔I〕で示され
    る化合物またはその重合体およびヒンダードアミン系化
    合物を、前記一般式〔I〕で示される化合物またはその
    重合体の含有量が20重量%以上で可及的に高濃度とな
    るようにエチレン(共)重合体および/または分散剤と
    溶融混練してなる波長変換能を有するポリオレフィン系
    樹脂組成物用マスターバッチ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の波長変換能を有するポ
    リオレフィン系樹脂組成物を含む農業用フイルム。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の波長変換能を有するポ
    リオレフィン系樹脂組成物のフイルムと他のフイルムと
    の積層フイルムである請求項6に記載の農業用フイル
    ム。
  8. 【請求項8】 積層フイルムの最外層の一つが粗面化加
    工されている請求項7に記載の農業用フイルム。
  9. 【請求項9】 積層フイルムの少なくとも1層が紫外線
    吸収剤、耐侯剤、防曇剤、防霧剤、流滴剤および保温剤
    から選択される少なくとも1種の添加剤を含有する請求
    項7または8に記載の農業用フイルム。
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