JP2602070B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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恵一 内川
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、薬剤のもつ効果を十分発揮させた化粧料に
関する。更に詳しくは、アニオン性界面活性剤の一種又
は二種以上と、アニオン性界面活性剤以外で分子内に窒
素原子を有する界面活性剤の一種又は二種以上と、美白
剤の群から選ばれる一種又は二種以上とを含有すること
を特徴とする化粧料に関する。
[従来の技術] 皮膚の表面は皮膚角質層と呼ばれ、本来、体外からの
異物の侵入を防御するバリヤーとしての生理的機能を有
するものであるため、ただ単に従来化粧料に常用されて
きた基剤中に薬効成分を配合しただけでは、充分な薬剤
の効果が得られない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等は上記問題点に鑑み、薬効成分の持つ効果
を充分発揮される化粧料を開発すべく鋭意研究した結
果、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、アニオン性界面活性剤の一種又は
二種以上と、アニオン性界面活性剤以外で分子内に窒素
原子を有する界面活性剤の一種又は二種以上と、美白剤
の群から選ばれる一種又は二種以上とを含有することを
特徴とする化粧料である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられるアニオン性界面活性剤としては、
カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸
エステル基を分子内に一種又は二種以上有するものであ
れば何でも良く、カルボン酸基を有するものとしては脂
肪酸セッケン、エーテルカルボン酸およびその塩、アミ
ノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩等を、又、スル
ホン酸塩を有するものとしては、アルキルスルホン酸
塩、スルホコハク酸、エステルスルホン酸塩、アルキル
アリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシ
ルスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩等を、
硫酸エステル基を有するものとしては、硫酸化油、エス
テル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテル硫酸塩、アルキ
ルアリルエーテル硫酸塩、アミド硫酸塩等を、リン酸エ
ステル基を有するものとしては、アルキルリン酸塩、ア
ミドリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエー
テルリン酸塩等を挙げることができる。これらの中から
一種または二種以上が任意に選択される。
本発明に用いられるアニオン性界面活性剤以外で分子
内に窒素原子を有する界面活性剤としては、窒素原子を
分子内に有する両性界面活性剤、半極性界面活性剤、非
イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等を挙げる
ことができる。両性界面活性剤としては、カルボキシベ
タイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダ
ゾリン誘導体等を、半極性界面活性剤としては、アミン
オキシド等を、非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸
アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、アルカノールアミンのエステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン等を、カチオン性界面活性剤として
は、脂肪酸アミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳
香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウ
ム塩等を挙げることができる。これらの中から一種又は
二種以上が任意に選択され用いられる。
本発明で用いられるアニオン性界面活性剤と、アニオ
ン性界面活性剤以外で分子内に窒素原子を有する界面活
性剤との配合割合は、分子比で20:1〜1:20が好ましく、
さらに好ましくは10:1〜1:10である。
本発明に用いられる美白剤としては、アスコルビン
酸、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸2−
硫酸、ユキノキタ抽出物、プラセンタ抽出物、コウジ酸
等が挙げられる。
本発明で用いられる美白剤は、本発明の界面活性剤と
混合して用いて皮膚に塗布することにより、薬剤の持つ
効果が充分発揮される。局所作用を目的とする薬効成分
ならびに全身作用を目的とする薬効成分とも同様に優れ
た効果を発揮する。
本発明で用いられる美白剤の配合量は、所望の薬効を
奏するに充分な量であればよく、それは薬効成分の種
類、使用者の肌質、症状等によって異なるものであり、
一概にはいえないが、概ね薬効成分1重量%に対して、
本界面活性剤0.001〜50重量%である。
上記の界面活性剤は、薬効成分を適宜混合してそのま
ま用いてもよいが、使用感触や適用のしやすさ等を勘案
して、一般的には構成成分を適当な化粧料中、例えばク
リーム、ゲル、ローション、乳液等の基剤中に混合して
用いられる。
その場合の各々の構成成分の配合量は、同じく薬効成
分の種類等によって異なるが、概ね以下の範囲が好まし
い配合量範囲である。すなわち、アニオン性界面活性剤
及びアニオン性界面活性剤以外で分子内に窒素原子を有
する界面活性剤の合計配合量は化粧料中0.001〜10重量
%が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%であり、
薬効成分は0.001〜10重量%が好ましく、より好ましく
は0.01〜5重量%である。また、アニオン性界面活性剤
と、アニオン性界面活性剤以外で分子内に窒素原子を有
する界面活性剤との割合は前述した割合、すなわち分子
比で20:1〜1:20、好ましくは10:1〜1:10の割合が、その
まま適用される。
本発明に係る化粧料中には、上記の必須構成成分の他
に一般的に化粧料等に配合される成分を配合することが
できる。それらの成分としては、コウホネ、オウバク抽
出物、オウゴン抽出物、アイビー抽出物、セイヨウノコ
ギリソウ抽出物、センブリ抽出物、シラカバ抽出物、マ
ロニエ抽出物、ビワ抽出物、グルチルリチン酸、β−グ
リチルレチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、
グリチルレチン酸ステアリル、ヒノキチオール、D−カ
ンフル、L−メントール、酸化亜鉛、カラミン、アラン
トイン、塩酸ジフェンヒドラミン等の消炎剤、ニンジン
抽出物、ゼニアオイ抽出物、ニンニク抽出物、アイリス
抽出物、ヨクイニン抽出物、ブドウ抽出物、ヘチマ抽出
物、モモ抽出物、酵母抽出物、ローヤルゼリー、銅クロ
ロフィリンナトリウム、γ−オリザノール、ヒノキチオ
ール、β−カロチン、尿素、アラントイン、カラギーナ
ン、エチニルエストラジオール、L−アラニン、DL−セ
リン、アデノシン三リン酸二ナトリウム、パントテニル
エチルエーテル、ビオチン、イノシット、エルゴカルシ
フェロール、ニコチン酸アミド等の賦活剤、クロバナヒ
キオコシ、γ−オリザノール、DL−カンフル、デキスト
ラン硫酸ナトリウム、リノレイン酸DL−α−トコフェロ
ール、酢酸DL−α−トコフェロール等の血行促進剤、レ
ゾルシン、乳酸等の角質軟化剤、スギナ抽出物、クワ、
コウホネ、オドリコソウ抽出物、マロニエ抽出物、ブド
ウリース抽出物、ヨモギ抽出物、酸化亜鉛、カラミン等
の収斂剤、アロエ抽出物、ユリ抽出物、クインスシー
ド、キサンタンガム、デキストラン硫酸ナトリウム、コ
ンドロイチン硫酸ナトリウム、カラギーナン、ヒアルロ
ン酸ナトリウム、ウロカニン酸等の保湿剤、オリブ油、
ローヤルゼリー、カキ抽出物、酵母抽出物、アスコルビ
ン酸、イノシット等の栄養剤、アボカド油、サフラワー
油、茶実油、ホホバ油、オノニス抽出物、尿素、リノー
ル酸、コレステロール、デヒドロコレステロール、ジヒ
ドロコレステロール、ラノステロール、ステアリン酸グ
リチルレチニル等の柔軟剤、多価アルコール、油分、ワ
ックス、酸、アルカリ、その他の界面活性剤、粉末、顔
料、染料、防腐防ばい剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
キレート剤、水溶性高分子、モンモリロナイト、アルコ
ール、溶媒、香料等が挙げられる。
[実施例] つぎに実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
配合量は重量%である。
実施例1 クリーム (1) アルコルビン酸2−硫酸 1.0 (2) プロピレングリコール 8.0 (3) グリセリン 5.0 (4) 流動パラフィン 1.0 (5) アジピン酸ジイソプロピル 3.0 (6) ドデシル硫酸ナトリウム 0.08 (7) ドデシルジメチルアミンオキサイド 0.16 (8) グリセリンモノ脂肪酸エステル 1.5 (9) 防腐剤 適量 (10) 粘土鉱物(ベントナイト) 6.0 (11) 精製水 残余 比較例1 クリーム (1) アルコルビン酸2−硫酸 1.0 (2) プロピレングリコール 8.0 (3) グリセリン 5.0 (4) 流動パラフィン 1.0 (5) アジピン酸ジイソプロピル 3.0 (6) グリセリンモノ脂肪酸エステル 1.5 (7) 防腐剤 適量 (8) 粘土鉱物(ベントナイト) 6.0 (9) 精製水 残余 実施例1及び比較例1で調整したクリームについて、
美白効果を比較した。試験方法及び評価方法を以下に示
す。
すなわち、肝斑患者女子各20名の顔部に、実施例1及
び比較例1で調整したクリームを4週間連用し、その前
後において判定した。
判定基準は、 「肝斑の著明な改善効果」(スコア2) 「明らかな改善効果」(スコア1) 「微弱な改善効果」(スコア0.5) 「変化なし」(スコア0) として各基剤別に平均スコアを求めた。
表−1より明らかな様に実施例1のクリームが美白作
用に優れていることがわかる。
実施例2 クリーム (1) コウジ酸 2.0 (2) デヒドロコレステロール 0.5 (3) 茶実油 0.2 (4) グリセリンモノ脂肪酸エステル 1.4 (5) ドデシル硫酸ナトリウム 0.5 (6) ドデシルリン酸ナトリウム 0.6 (7) ソジウムラウリルイソチオネート 0.2 (8) ドデシルジメチルアミンオキサイド 1.14 (9) ラウリン酸ジエタノールアミド 0.2 (10) 流動パラフィン 4.0 (11) セタノール 1.0 (12) 防腐剤 適量 (13) 粘土鉱物(ベントナイト) 5.0 (14) 香料 適量 (15) イオン交換水 残余 比較例3クリーム (1) コウジ酸 2.0 (2) デヒドロコレステロール 0.5 (3) 茶実油 0.2 (4) グリセリンモノ脂肪酸エステル 1.4 (5) 流動パラフィン 4.0 (6) セタノール 1.0 (7) 防腐剤 適量 (8) 粘土鉱物(ベントナイト) 5.0 (9) 香料 適量 (10) イオン交換水 残余 実施例2、比較例2の美白効果も同様な方法で試験し
た。結果を表−2に示した。
表−2より明らかな様に実施例2のクリームが美白作
用に優れていることがわかる。また皮膚柔軟性において
も優れた効果を示した。
実施例3 化粧水 (1)アルコルビン酸2−硫酸 0.3 (2 プラセンタ抽出物 0.2 (3)パントテニルエチルエーテル 0.2 (4)ラウロイルグルタメートモノナトリウム 0.5 (5)ラウリルジメチルアミンオキサイド 0.6 (6)グリセリン 2.0 (7)1,3−ブチレングリコール 1.0 (8)エチルアルコール 10.0 (9)防腐剤 適量 (10)緩衝剤 適量 (11)イオン交換水 残余 本実施例3の化粧水は、すぐれた美白作用を示し、か
つ皮膚賦活作用も示した。
[発明の効果] 本発明に係る化粧料は、薬効成分の持つ効果を充分発
揮させ、かつ安全性、使用感触も良好な化粧料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉置 修哉 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−78711(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン性界面活性剤の一種又は二種以上
    と、アニオン性界面活性剤以外で分子内に窒素原子を有
    する界面活性剤の一種又は二種以上と、美白剤の一種又
    は二種以上とを含有することを特徴とする化粧料。
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