JP2601588C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、もやしが合成樹脂フィルムの包装袋により包装された後も、もやし
が適正な酸素雰囲気下で呼吸作用を継続させることによって、鮮度保持をさせる
ための包装体に関するものである。さらに詳しくはもやしの呼吸作用に起因する
低酸素状態での嫌気呼吸をさせないような酸素雰囲気を保持しつつ、しかも酸素
による酸化に起因する品質の劣化を抑えるような条件を保持する包装体に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】 もやしは収穫された後も呼吸作用を持続する。このため収穫後の貯蔵・流通の
間および食するまでは、もやしの品質劣化を防止することが必要である。また、
もやしの生産形態として、工場による集中栽培、消費地への配送、スーパー等で
の販売などと工業製品と同様な流通形態をとりつつあり、生産から販売まで種々
の流通経路がとられ、このためもやし(製品)の保護のためパック包装が必要と
なってきている。このような情況のもとにおいて、現在、市場で販売されている
もやしはただ単に無延伸ポリプロピレン等からなる包装袋に入れられて流通、販 売されている。もやしに用いられているこれらの包装袋は無孔であり、しかも密
封されているものが殆どである。このため、もやしは包装された後、無酸素状態
の雰囲気中にさらされ、嫌気呼吸せざるをえない状態に置かれてしまっており、
この嫌気呼吸によってもやし中の糖分が消化され、アルコールやアルデヒド等の
発生のため、袋を開けた時には異臭がするものが殆どであった。 【0003】 また、一般の野菜等の植物資材に関して、酸素を供給し、鮮度を保つ方法とし
て有孔フィルムを用いる方法が提案されている(特開昭62−148247号公
報、特開昭63−119647号公報等)が、これらのフィルムは開孔面積比率
が2×10~2〜2×10%と極めて大きく、これらのフィルムで包装しても袋内
の酸素は殆ど大気状態と変わらず、オープン状態と同じである。もやしについて
も、このようなフィルムを用いて包装することが考えられてきたが、これらのオ
ープンに近い包装では、空気中の酸素量と同等となってしまい、もやしが、製造
工程や流通過程等で受けた傷口が褐変してしまうという問題や、酸素量が多いた
めもやしの呼吸作用が活発となってしまい、もやしがさらに生育して葉部が緑化
してしまうという問題、さらには水分の蒸散により萎れやすいといった問題があ
る。 したがって、もやし本来の味を残し、新鮮な状態を保ったままで食卓に供せる
ような包装材料や包装方法は、いまだ発見されていない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、もやしの鮮度を長時間保つための望ましい酸素濃度雰囲気を
形成し、異臭が発生せず、褐変も、萎れもない商品を供給するため、鋭意研究し
た結果なされたものであり、もやしの生存に必要な最低量の酸素を供給し、もや
しをいわば冬眠状態に保つことにより、高酸素量の障害である褐変と緑化を抑え
て、鮮度の高いもやしを供給するためのもやし用包装袋およびもやし入り包装体
を提供する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、もやしを密封した有孔合成樹脂フィルムよりなるもやし入り包装体
において、有孔合成樹脂フィルムの開孔面積比率が4×10~6〜8×10~5%で
あり、もやし100gあたりの袋内表面積が300〜600cm2であることを
特徴とするもやし入り包装体であり、とくに、その孔の平均孔径が20μ〜15
0μであり、またその孔の個数が1包装袋あたり複数個であることが好ましい。 【0006】 本発明に用いる有孔フィルムとしては、もやしの包装に用いることのできるも
のであればどのようなものであっても差し支えはないが、一般には無延伸ポリプ
ロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、等が用いら
れるが、これ等以外のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィル
ム、さらにはこれらの複合フィルムであっても良く、さらには、これらのフィル
ム表面にシーラント層を設けたものでも、防曇処理したフィルムであっても何等
差し支えはない。また、これらのフィルムの厚さは通常20〜40μのものが用
いられる。さらに、これらのフィルムは透明であっても、不透明であっても良く
、また表面に印刷を付したものであっても何等差し支えはない。 【0007】 本発明の有孔フィルムを用いた包装袋は、包装するもやしの量によってその開
孔面積比率が決められ、その開孔面積比率は4×10~6〜8×10~5%であるこ
とが必要である。この理由は包装袋中の酸素量および炭酸ガス量をもやしの鮮度
保持に適した条件に保持するためのものであり、本発明者等の実験結果からは酸
素濃度が3%以上15%以下が望ましく、これらの条件を満たすための開孔面積
比率は4×10~6〜8×10~5%となる。開孔面積比率が4×10~6%以下とな
ればもやしは包装後の呼吸作用により、流通過程中で無酸素状態となり嫌気呼吸
を始めてしまい、異臭を発生する。また、開孔面積比率が8×10~5%以上とな
れば包装袋中の酸素量が多くなりすぎ、この酸素の影響を受けて、もやしの製造
工程、包装工程あるいは流通過程で受けた傷口が酸素のため褐変現象を引き起こ
して、さらには酸素量が多いため、もやしの呼吸作用が活発化し、もやしが必要 以上に生育して葉部が緑化してしまうという問題が発生する。従ってもやしの包
装袋として用いられる有孔フィルムの開孔面積比率としては4×10~6〜8×1
0~5%、望ましくは6×10~6〜5×10~5%の範囲にあることが必要である。 【0008】 また、有孔フィルムにおける孔部の平均径は出来るだけ小さいことが望ましく
、一般的には20〜150μ程度、好ましくは30〜100μである。孔径は出
来るだけ小さいことが望ましいが、20μ以下では有孔フィルムの生産性が低下
する。また、平均孔径が150μ以上であれば、適正な開孔面積比率を得るに必
要な孔数が減少して、鮮度保持の品質精度に不安が生じる。また、孔の形状は、
円形や四角または三角形など、どのような形状であってもよく、長径方向の平均
径が150μ以下であれば何等差し支えはないが、円形が開孔作業性等の面より
望ましい。 【0009】 また、もやし包装袋に用いる有孔フィルムの袋当たりの孔の個数は開孔面積比
率と平均孔径より算出されるが、できる限り複数個とすることが望ましい。内容
物の付着や外的条件たとえば値段表の添付等で孔がふさがれてしまう場合がある
ので、鮮度を保証するには複数個の孔が好ましく、さらに袋あたり5個以上の孔
をもち、孔1個あたりの影響度を20%以下にすることが望ましい。また、もや
しの包装袋としては、三方シール袋、四方シール袋またはガゼット袋などの形態
の袋であっても何等差し支えなく、さらには、トレー、カップ等にもやしを充填
し、これを包装袋で包装する形態のものであってもよい。 【0010】 もやし用包装袋の大きさはもやし100gあたり袋内表面積が300〜600
cm2である必要がある。袋の内表面積で規定しているのは、シール部分すなわ
ちとじ代が計算に含まれないようにするためである。もやし100gあたり袋内
表面積が300cm2以下であると、袋内のもやしの密度が高くなり、もやし同
士での接触により傷が付き、褐変しやすくなり、前記の開孔面積比率では酸素不
足になり嫌気呼吸に陥り好ましくない。更に、もやし100gあたり袋内表面積
が600cm2以上になると、袋内のもやしの密度が低くなり、袋内の初期の酸 素量も多く、前記の開孔面積比率では酸素供給量も多く、もやしの呼吸作用が活
発になり褐変しやすくなり、もやしの葉部が成長し黄化又は緑化しやすくなり、
またフィルムの使用量が多いため袋のコストも高くなってしまう。 【0011】 なお、もやしの包装に限るものではないが、野菜等の鮮度保持には、当然なが
ら、その流通過程、および店頭における温度管理が重要なポイントであり、もや
しの呼吸量も当然これらの温度に依存し、これらの温度が高くなるにつれてその
呼吸量も増加するが、本発明はこれらの温度を5〜15℃を想定したものである
。 【0012】 【実施例】 《実施例1》 内寸が200mm×240mmの、厚さ35μの延伸ポリプロピレンからなる
包装袋に、開孔面積比率が7.0×10~5%となるように平均孔径30μの孔を
95個あけた三方シール型の包装袋に、水洗、水切り処理をしたもやしを250
g充填し(袋内表面積は200×240×2=96000mm2であるから、も
やし100gあたりの袋内表面積は38400mm2すなわち384cm2である
)、10℃で保存し、その3日および5日後の鮮度を臭気発生状況、褐変および
緑化状況をもって観察した結果を表1に示す。 【0013】 《実施例2》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μ厚の延伸ポリプロピレンを用
い、開孔面積比率が2.0×10~5%となるよう平均孔径が50μの孔を10個
開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施
例1と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0014】 《比較例1》 内寸が200mm×240mmの厚さ20μの無延伸ポリプロピレンからなる
無孔の包装袋に、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施例1
と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0015】 《比較例2》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μの厚の延伸ポリプロピレンを
用い、開孔面積比率が2.2×10~6%となるよう平均孔径が30μの孔を3個
開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施
例1と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0016】 《比較例3》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μ厚の無延伸ポリプロピレンを
用い、開孔面積比率が7.4×10~4%となるよう平均孔径が100μの孔を9
0個開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、
実施例1と同様3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0017】 【表1】 【0018】 【発明の効果】 本発明の包装袋を使用することによって、もやしの嫌気呼吸のため発生する臭
気を防ぎ、しかも嫌気呼吸による糖分の消化を防止し、一方、過剰の酸素による
褐変および緑化を防ぎ、もやしの鮮度を保った状態で永く保存することができる
。
が適正な酸素雰囲気下で呼吸作用を継続させることによって、鮮度保持をさせる
ための包装体に関するものである。さらに詳しくはもやしの呼吸作用に起因する
低酸素状態での嫌気呼吸をさせないような酸素雰囲気を保持しつつ、しかも酸素
による酸化に起因する品質の劣化を抑えるような条件を保持する包装体に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】 もやしは収穫された後も呼吸作用を持続する。このため収穫後の貯蔵・流通の
間および食するまでは、もやしの品質劣化を防止することが必要である。また、
もやしの生産形態として、工場による集中栽培、消費地への配送、スーパー等で
の販売などと工業製品と同様な流通形態をとりつつあり、生産から販売まで種々
の流通経路がとられ、このためもやし(製品)の保護のためパック包装が必要と
なってきている。このような情況のもとにおいて、現在、市場で販売されている
もやしはただ単に無延伸ポリプロピレン等からなる包装袋に入れられて流通、販 売されている。もやしに用いられているこれらの包装袋は無孔であり、しかも密
封されているものが殆どである。このため、もやしは包装された後、無酸素状態
の雰囲気中にさらされ、嫌気呼吸せざるをえない状態に置かれてしまっており、
この嫌気呼吸によってもやし中の糖分が消化され、アルコールやアルデヒド等の
発生のため、袋を開けた時には異臭がするものが殆どであった。 【0003】 また、一般の野菜等の植物資材に関して、酸素を供給し、鮮度を保つ方法とし
て有孔フィルムを用いる方法が提案されている(特開昭62−148247号公
報、特開昭63−119647号公報等)が、これらのフィルムは開孔面積比率
が2×10~2〜2×10%と極めて大きく、これらのフィルムで包装しても袋内
の酸素は殆ど大気状態と変わらず、オープン状態と同じである。もやしについて
も、このようなフィルムを用いて包装することが考えられてきたが、これらのオ
ープンに近い包装では、空気中の酸素量と同等となってしまい、もやしが、製造
工程や流通過程等で受けた傷口が褐変してしまうという問題や、酸素量が多いた
めもやしの呼吸作用が活発となってしまい、もやしがさらに生育して葉部が緑化
してしまうという問題、さらには水分の蒸散により萎れやすいといった問題があ
る。 したがって、もやし本来の味を残し、新鮮な状態を保ったままで食卓に供せる
ような包装材料や包装方法は、いまだ発見されていない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、もやしの鮮度を長時間保つための望ましい酸素濃度雰囲気を
形成し、異臭が発生せず、褐変も、萎れもない商品を供給するため、鋭意研究し
た結果なされたものであり、もやしの生存に必要な最低量の酸素を供給し、もや
しをいわば冬眠状態に保つことにより、高酸素量の障害である褐変と緑化を抑え
て、鮮度の高いもやしを供給するためのもやし用包装袋およびもやし入り包装体
を提供する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、もやしを密封した有孔合成樹脂フィルムよりなるもやし入り包装体
において、有孔合成樹脂フィルムの開孔面積比率が4×10~6〜8×10~5%で
あり、もやし100gあたりの袋内表面積が300〜600cm2であることを
特徴とするもやし入り包装体であり、とくに、その孔の平均孔径が20μ〜15
0μであり、またその孔の個数が1包装袋あたり複数個であることが好ましい。 【0006】 本発明に用いる有孔フィルムとしては、もやしの包装に用いることのできるも
のであればどのようなものであっても差し支えはないが、一般には無延伸ポリプ
ロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、等が用いら
れるが、これ等以外のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィル
ム、さらにはこれらの複合フィルムであっても良く、さらには、これらのフィル
ム表面にシーラント層を設けたものでも、防曇処理したフィルムであっても何等
差し支えはない。また、これらのフィルムの厚さは通常20〜40μのものが用
いられる。さらに、これらのフィルムは透明であっても、不透明であっても良く
、また表面に印刷を付したものであっても何等差し支えはない。 【0007】 本発明の有孔フィルムを用いた包装袋は、包装するもやしの量によってその開
孔面積比率が決められ、その開孔面積比率は4×10~6〜8×10~5%であるこ
とが必要である。この理由は包装袋中の酸素量および炭酸ガス量をもやしの鮮度
保持に適した条件に保持するためのものであり、本発明者等の実験結果からは酸
素濃度が3%以上15%以下が望ましく、これらの条件を満たすための開孔面積
比率は4×10~6〜8×10~5%となる。開孔面積比率が4×10~6%以下とな
ればもやしは包装後の呼吸作用により、流通過程中で無酸素状態となり嫌気呼吸
を始めてしまい、異臭を発生する。また、開孔面積比率が8×10~5%以上とな
れば包装袋中の酸素量が多くなりすぎ、この酸素の影響を受けて、もやしの製造
工程、包装工程あるいは流通過程で受けた傷口が酸素のため褐変現象を引き起こ
して、さらには酸素量が多いため、もやしの呼吸作用が活発化し、もやしが必要 以上に生育して葉部が緑化してしまうという問題が発生する。従ってもやしの包
装袋として用いられる有孔フィルムの開孔面積比率としては4×10~6〜8×1
0~5%、望ましくは6×10~6〜5×10~5%の範囲にあることが必要である。 【0008】 また、有孔フィルムにおける孔部の平均径は出来るだけ小さいことが望ましく
、一般的には20〜150μ程度、好ましくは30〜100μである。孔径は出
来るだけ小さいことが望ましいが、20μ以下では有孔フィルムの生産性が低下
する。また、平均孔径が150μ以上であれば、適正な開孔面積比率を得るに必
要な孔数が減少して、鮮度保持の品質精度に不安が生じる。また、孔の形状は、
円形や四角または三角形など、どのような形状であってもよく、長径方向の平均
径が150μ以下であれば何等差し支えはないが、円形が開孔作業性等の面より
望ましい。 【0009】 また、もやし包装袋に用いる有孔フィルムの袋当たりの孔の個数は開孔面積比
率と平均孔径より算出されるが、できる限り複数個とすることが望ましい。内容
物の付着や外的条件たとえば値段表の添付等で孔がふさがれてしまう場合がある
ので、鮮度を保証するには複数個の孔が好ましく、さらに袋あたり5個以上の孔
をもち、孔1個あたりの影響度を20%以下にすることが望ましい。また、もや
しの包装袋としては、三方シール袋、四方シール袋またはガゼット袋などの形態
の袋であっても何等差し支えなく、さらには、トレー、カップ等にもやしを充填
し、これを包装袋で包装する形態のものであってもよい。 【0010】 もやし用包装袋の大きさはもやし100gあたり袋内表面積が300〜600
cm2である必要がある。袋の内表面積で規定しているのは、シール部分すなわ
ちとじ代が計算に含まれないようにするためである。もやし100gあたり袋内
表面積が300cm2以下であると、袋内のもやしの密度が高くなり、もやし同
士での接触により傷が付き、褐変しやすくなり、前記の開孔面積比率では酸素不
足になり嫌気呼吸に陥り好ましくない。更に、もやし100gあたり袋内表面積
が600cm2以上になると、袋内のもやしの密度が低くなり、袋内の初期の酸 素量も多く、前記の開孔面積比率では酸素供給量も多く、もやしの呼吸作用が活
発になり褐変しやすくなり、もやしの葉部が成長し黄化又は緑化しやすくなり、
またフィルムの使用量が多いため袋のコストも高くなってしまう。 【0011】 なお、もやしの包装に限るものではないが、野菜等の鮮度保持には、当然なが
ら、その流通過程、および店頭における温度管理が重要なポイントであり、もや
しの呼吸量も当然これらの温度に依存し、これらの温度が高くなるにつれてその
呼吸量も増加するが、本発明はこれらの温度を5〜15℃を想定したものである
。 【0012】 【実施例】 《実施例1》 内寸が200mm×240mmの、厚さ35μの延伸ポリプロピレンからなる
包装袋に、開孔面積比率が7.0×10~5%となるように平均孔径30μの孔を
95個あけた三方シール型の包装袋に、水洗、水切り処理をしたもやしを250
g充填し(袋内表面積は200×240×2=96000mm2であるから、も
やし100gあたりの袋内表面積は38400mm2すなわち384cm2である
)、10℃で保存し、その3日および5日後の鮮度を臭気発生状況、褐変および
緑化状況をもって観察した結果を表1に示す。 【0013】 《実施例2》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μ厚の延伸ポリプロピレンを用
い、開孔面積比率が2.0×10~5%となるよう平均孔径が50μの孔を10個
開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施
例1と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0014】 《比較例1》 内寸が200mm×240mmの厚さ20μの無延伸ポリプロピレンからなる
無孔の包装袋に、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施例1
と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0015】 《比較例2》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μの厚の延伸ポリプロピレンを
用い、開孔面積比率が2.2×10~6%となるよう平均孔径が30μの孔を3個
開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、実施
例1と同様に3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0016】 《比較例3》 実施例1と同様な大きさの包装袋であり、35μ厚の無延伸ポリプロピレンを
用い、開孔面積比率が7.4×10~4%となるよう平均孔径が100μの孔を9
0個開けた包装袋を用い、実施例1で用いたと同様のもやしを250g充填し、
実施例1と同様3日および5日後の鮮度を調べた結果を表1に示す。 【0017】 【表1】 【0018】 【発明の効果】 本発明の包装袋を使用することによって、もやしの嫌気呼吸のため発生する臭
気を防ぎ、しかも嫌気呼吸による糖分の消化を防止し、一方、過剰の酸素による
褐変および緑化を防ぎ、もやしの鮮度を保った状態で永く保存することができる
。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 もやしを密封した有孔合成樹脂フィルムよりなるもやし入り包
装体において、有孔合成樹脂フィルムの開孔面積比率が4×10~6〜8×10~5
%であり、もやし100gあたりの袋内表面積が300〜600cm2であるこ
とを特徴とするもやし入り包装体。 【請求項2】 有孔合成樹脂フィルムの有する孔の平均孔径が20〜150μ
である請求項1記載のもやし入り包装体。 【請求項3】 1つの包装体に有する前記孔の数が複数個である請求項1又は
2記載のもやし入り包装体。
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