JP2601064Y2 - スナップリング組付け用工具 - Google Patents

スナップリング組付け用工具

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JP2601064Y2
JP2601064Y2 JP1993029594U JP2959493U JP2601064Y2 JP 2601064 Y2 JP2601064 Y2 JP 2601064Y2 JP 1993029594 U JP1993029594 U JP 1993029594U JP 2959493 U JP2959493 U JP 2959493U JP 2601064 Y2 JP2601064 Y2 JP 2601064Y2
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伸一 山寺
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、スナップリング組付け
用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来のスナップリング組付
け用工具として、中間部が揺動自在にピンにて結合さ
れ、一端部がそれぞれ把持部を形成し、他端部がそれぞ
れスナップリングの係合部に係合する突起部を形成する
一対のレバー部材を有するものが知られている。このス
ナップリング組付け用工具は、欠環状をなし、両端部に
それぞれ係合部を有するスナップリングをハウジングの
環状溝に組付ける際に使用するものであり、スナップリ
ングの各係合部にそれぞれ突起部を係合させ、両把持部
を把持してスナップリングを拡径又は縮径変形させた状
態でハウジングの環状溝に組付けている。
【0003】しかしながら、このような従来のスナップ
リング組付け用工具にあつては、スナップリングの周方
向の両端部の各係合部に各突起部を係合させただけで、
スナップリングに変形を与えるため、スナップリングの
両レバー部材に対する姿勢が不安定であり、スナップリ
ングをハウジングの環状溝に合致させさせることが困難
となるため、取付け作業性に劣るという技術的課題があ
つた。特に、スプリングシートとして使用されるスナッ
プリングを組付ける場合には、スナップリングの前面に
よつてスプリングを弾性的に圧縮させながら押し込むよ
うになり、スナップリングが大きく傾動するため、スナ
ップリングをハウジングの環状溝に組付ける作業が著し
く困難になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、欠環状をなし、両端部にそれぞれ係合部を有するス
ナップリング10をハウジング15の環状溝に組付ける
スナップリング組付け用工具であつて、中間部が揺動自
在にピン3にて結合され、一端部がそれぞれ把持部1
a,2aを形成し、他端部がそれぞれスナップリング1
0の係合部10a,10bに係合する突起部1b,2b
を形成する一対のレバー部材1,2を有すると共に、前
ピン3の中心軸線方向に移動自在に支持される支持脚
4と、ピン3に螺合するナット5と、支持脚4を弾性的
に付勢してナット5に押し付けるスプリング6とを有
し、各突起部1b,2bを各係合部10a,10bに係
合させた状態で、スナップリング10の周方向の中間部
10cが支持脚4によつて支持されることを特徴とする
スナップリング組付け用工具である。
【作用】
【0005】このようなスナップリング組付け用工具に
よれば、スナップリング10をハウジング15の環状溝
15aに組付ける際には、各突起部1b,2bを各係合
部10a,10bに係合させると共に、支持脚4の先端
部をスナップリング10の中間部10cに係合させる。
なお、支持脚4に切り欠き4aを有する場合には、切り
欠き4aをスナップリング10の中間部10cの内周縁
に係合させる。この状態から、把持部1a,2aを把持
し、把持部1a,2a間を狭め又は拡げれば、係合部1
0a,10bの間隔も同様に変動するので、スナップリ
ング10の周方向の中間部10cが支持脚4の先端部又
は切り欠き4aによつて支持されたままで、スナップリ
ング10が縮径又は拡径変形する。
【0006】スナップリング組付け用工具に保持され、
周方向の3箇所が支持されて姿勢が安定した状態のスナ
ップリング10は、一対のレバー部材1,2及び支持脚
4と共にハウジング15に内装又は外装する。このよう
にして、安定した姿勢のままでスナップリング10の外
周縁又は内周縁をハウジング15の環状溝15aに合致
させることができる。スナップリング10がハウジング
15の環状溝15aに合致したなら、把持部1a,2a
間を拡げ又は狭め、スナップリング10を弾性的に復元
させ、スナップリング10の外周縁又は内周縁を環状溝
15aに環着させる。次いで、スナップリング組付け用
工具を引き抜けば、各突起部1b,2bと各係合部10
a,10bとの係合及び支持脚4と中間部10cとの係
合がそれぞれ離脱する。かくして、スナップリング10
の装着作業が終了する。そして、ピン3に螺合させたナ
ット5の螺合量を増減調節することにより、スプリング
6によつてナット5に押し付けられた支持脚4が、ピン
3に沿つて中心軸線方向に進退移動する。しかして、支
持脚4の先端部と一対のレバー部材1,2の突起部1
b,2bとの間隔を、増減調節可能である。かくして、
支持脚4の先端部により、径の異なる各種のスナップリ
ング10の周方向の中間部10cを正確に支持すること
が可能である。
【0007】そして、スナップリング10がスプリング
シートとして使用される場合には、スプリングの弾発力
がスナップリング10に作用するが、スナップリング1
0は周方向の3箇所が支持されて姿勢が安定しているの
で、傾斜することがなく、スプリングを弾性的に圧縮さ
せながら、スナップリング10をハウジング15の環状
溝15aに合致させることができる。
【実施例】
【0008】以下、本考案の実施例について図面を参照
して説明する。図1〜図7は、本考案の第1実施例に係
るスナップリング組付け用工具を示し、スナップリング
10を図7に示すハウジング15の環状溝15aに組付
けるものである。スナップリング10は、図2に示すよ
うに欠環状をなし、両端部にそれぞれ円形孔からなる係
合部10a,10bを有する。ハウジング15は、例え
ばピストン組立体であり、ディスクブレーキ用のピスト
ンであるハウジング15の凹所15bに、間隙自動調整
装置の部品であるアジャスタロッド16が挿入され、ア
ジャスタロッド16の円錐クラッチ部16aに軸受16
b及びスプリングシート16cを配置し、スプリングシ
ート16cとスナップリング10との間にスプリング1
7を圧縮して介在させる。スナップリング組付け用工具
は、このスナップリング10をハウジング15の凹所1
5bの環状溝15aに組み込む際に使用される。
【0009】スナップリング組付け用工具は、図1,図
3に示すように一対のレバー部材1,2を有し、一対の
レバー部材1,2は、中間部がピン3にて揺動自在に結
合され、両側の鍔部3a,3bによつて挟装されてい
る。この一対のレバー部材1,2は、一端部がそれぞれ
把持部1a,2aを形成し、他端部がそれぞれスナップ
リング10の係合部10a,10bに係合すべき突起部
1b,2bを形成する。各レバー部材1,2の突起部1
b,2bの基端部内面は、それぞれ段面1c,2cを形
成し、スナップリング10の係合部10a,10bの周
縁部がこの段面1c,2cに係止して位置決め可能にな
つている。なお、段面1c,2cは、突起部1b,2b
の基端部外面にもそれぞれ形成することが可能である。
【0010】また、レバー部材1,2には、レバー部材
1,2、具体的にはピン3から延出し、スナップリング
10の周方向の中間部10cを支持する支持脚4を設け
る。支持脚4の基端部は、レバー部材1,2と共にピン
3にて結合され、レバー部材1,2との間(実際には、
ピン3の一方の鍔部3bとの間)に弾性体であるスプリ
ング6を介在させてあるので、ピン3に螺合させたナッ
ト5の螺合量を増減調節することにより、スプリング6
によつてナット5に押し付けられた支持脚4が、ピン3
に沿つて進退移動する。しかして、支持脚4の先端部と
一対のレバー部材1,2の突起部1b,2bとの間隔
を、増減調節可能である。この移動位置において、支持
脚4の基端部に螺着した止めねじ7をねじ込むことによ
り、支持脚4の取付け位置を固定することができる。か
くして、支持脚4の先端部により、径の異なる各種のス
ナップリング10の周方向の中間部10cを正確に支持
することが可能である。また、支持脚4の先端部には切
り欠き4aが形成されているので、各突起部1b,2b
を各係合部10a,10bに係合させた状態で、スナッ
プリング10の中間部10cの内周縁を切り欠き4aに
係合させることにより、更に安定した姿勢にて支持する
ことが可能である。
【0011】次に、上記実施例の作用について説明す
る。スナップリング10をハウジング15の環状溝15
aに組付ける際には、各突起部1b,2bを各係合部1
0a,10bに係合させると共に、図4,図6に示すよ
うに支持脚4の切り欠き4aをスナップリング10の中
間部10cの内周縁に係合させる。この状態から、把持
部1a,2aを把持し、把持部1a,2a間を狭めれ
ば、係合部10a,10bの間隔も狭まるので、スナッ
プリング10の周方向の中間部10cが切り欠き4aに
よつて支持されたままで、スナップリング10が縮径変
形する。
【0012】このようにしてスナップリング組付け用工
具に保持され、周方向の3箇所が支持されて姿勢が安定
した状態のスナップリング10は、一対のレバー部材
1,2及び支持脚4と共にハウジング15の円形断面の
凹所15bに挿入する。ハウジング15の凹所15bに
は、予めスプリング17が配置されている。一対のレバ
ー部材1,2及び支持脚4の挿入によつてスナップリン
グ10の前面がスプリング17に当接した後は、スプリ
ングシート16cに支持されるスプリング17の弾発力
がスナップリング10に作用するが、スナップリング1
0は周方向の3箇所が支持されて姿勢が安定しているの
で、傾斜することがなく、スプリング17を弾性的に圧
縮させながら、ハウジング15の環状溝15aに合致さ
せることができる。スナップリング10の外周縁がハウ
ジング15の環状溝15aに合致したなら、把持部1
a,2a間を拡げ、スナップリング10を弾性的に拡径
復元させ、スナップリング10の外周縁を環状溝15a
に環着させる。次いで、スナップリング組付け用工具を
引き抜けば、各突起部1b,2bと各係合部10a,1
0bとの係合及び支持脚4の切り欠き4aと中間部10
cの内周縁との係合がそれぞれ離脱するので、スナップ
リング10の装着作業が終了する。
【0013】ところで、上記の実施例にあつては、支持
脚4の先端部に切り欠き4aを形成し、切り欠き4aに
よつてスナップリング10の中間部10cの内周縁を支
持するようにしたが、図5に示すように切り欠き4aを
省略し、支持脚4の先端面によつてスナップリング10
の中間部10cの後側面を当接支持しても、スプリング
17を弾性的に圧縮させながら行うスナップリング10
の装着作業性の向上に関し、ほぼ同様の作用を得ること
ができる。また、ハウジング15の凹所15bの環状溝
15aにスナップリング10を組付けたが、軸状をなす
ハウジングの外周に形成した環状溝にスナップリング1
0を組付ける作業も可能である。すなわち、把持部1
a,2aを把持して把持部1a,2a間を拡げれば、係
合部10a,10b間も広がり、スナップリング10が
弾性的に拡径変形するので、スナップリング10をこの
状態にてハウジングに外装して、組付け可能である。但
し、支持脚4は、切り欠き4aを省略し、或いはスナッ
プリング10の中間部10cの外周縁を支持するように
切り欠きを形成する。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【考案の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本考案に係るスナップリング組付け用工具によれば、ハ
ウジングの環状溝へのスナップリングの組付け作業性が
著しく向上する。特に、スプリングシートとして使用さ
れるスナップリングを組付ける場合、スプリングを弾性
的に圧縮させながら押し込む際にスナップリングの姿勢
が安定するので、スナップリングをハウジングの環状溝
に組付ける作業が著しく能率的となる。加えて、ピンに
螺合させたナットの螺合量を増減調節して、径の異なる
各種のスナップリングの周方向の中間部を、支持脚の先
端部により正確に支持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施例に係るスナップリング組
付け用工具を一部切開して示す斜視図。
【図2】 同じくスナップリングを示す斜視図。
【図3】 同じくスナップリング組付け用工具の要部を
示す図。
【図4】 同じく作用説明図。
【図5】 同じく作用説明図。
【図6】 同じく作用説明図。
【図7】 同じく作用説明図。
【符号の説明】
1,2:レバー部材、1a,2a:把持部、1b,2
b:係合部、3:ピン、4:支持脚、4a:切り欠き、
5:ナット、6:スプリング、10:スナップリング、
10a,10b:係合部、10c:中間部、15:ハウ
ジング、15a:環状溝、15b:凹所。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 欠環状をなし、両端部にそれぞれ係合部
    を有するスナップリングをハウジングの環状溝に組付け
    るスナップリング組付け用工具であつて、中間部が揺動
    自在にピンにて結合され、一端部がそれぞれ把持部を形
    成し、他端部がそれぞれスナップリングの係合部に係合
    する突起部を形成する一対のレバー部材を有すると共
    に、前記ピンの中心軸線方向に移動自在に支持される支
    持脚と、ピンに螺合するナットと、支持脚を弾性的に付
    勢してナットに押し付けるスプリングとを有し、各突起
    部を各係合部に係合させた状態で、スナップリングの周
    方向の中間部が支持脚によつて支持されることを特徴と
    するスナップリング組付け用工具。
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