JP2600520Y2 - 電動スクリュドライバの防塵構造 - Google Patents

電動スクリュドライバの防塵構造

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JP2600520Y2
JP2600520Y2 JP1993068245U JP6824593U JP2600520Y2 JP 2600520 Y2 JP2600520 Y2 JP 2600520Y2 JP 1993068245 U JP1993068245 U JP 1993068245U JP 6824593 U JP6824593 U JP 6824593U JP 2600520 Y2 JP2600520 Y2 JP 2600520Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、電動スクリュドライ
バの防塵構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動スクリュドライバにおけるド
ライバビット装着部周辺の防塵構造は、例えば実公昭5
1−3119号公報あるいは実開平1−66979号公
報に開示されているような構成のものであった。前者の
ものは、モータにより回転するソケットの前部に取付け
られて同ソケットと一体で回転するフリンガと、ソケッ
トとスリーブとの間に隙間なく装着されたダストシール
とを主体として構成されていた。一方、後者のものは上
記フリンガとダストシールとを一体化してなる防塵リン
グを備えた構成となっていた。このような従来の防塵構
造によれば、機体内部に侵入しようとする塵埃はフリン
ガによって円周方向に吹き飛ばされてそのほとんどがス
トッパの排出孔を経て外部に排出されるとともに、外部
に吹き出されることなくストッパの内部に残った塵埃も
フリンガおよびダストシールにより機体内に入り込まな
いようになっていた。また、ドライバビットの装着孔に
対する防塵を行うものとしては、実公昭48−4517
1号等に記載されたものが知られている。この防塵構造
では、軟質ゴム等の弾性物質により形成されるフリンジ
ャをドライブビットに嵌合することによりドライブビッ
トの装着孔に対する防塵を行っていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防塵構造にあっては、ソケットとスリーブとの間に
対する防塵機構、または、ドライバビットの装着孔に対
する防塵機能のみのどちらか一方であった。したがっ
て、従来の防塵構造では、ソケットとスリーブとの間と
ドライバビットの装着孔の両者に、別々の防塵構造を施
す必要があった。両者を一つの部材により防塵しようと
すると、以下の問題があった。 すなわち、従来からソケ
ットとスリーブとの間の防塵を行う部材は、ソケットと
スリーブの間に配設されて軸方向に移動不能に設けられ
ていた。これに対して、ドライバビットの装着孔に対す
る防塵を行うフリンジャ等の部材は、ドライバビットの
装着孔を良好に防塵するため、ドライバビットにきつく
嵌合される。したがって、ドライバビットが軸方向に移
動するとドライバビットと一体となって移動してしま
う。 このようにソケットとスリーブとの間の防塵を行う
部材は軸方向に移動しないのに対して、ドライブビット
の装着孔を防塵する部材は軸方向に移動するため、両者
を一つの部材で作成することが困難であった。
【0004】本考案は、この問題に鑑みなされたもの
で、ソケットとスリーブとの間及びドライバビットの装
着孔の両者に対して一つの部材により防塵機能を発揮す
ることができる電動スクリュドライバの防塵構造を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本考案は、先
端にドライバビットを装着するための装着孔が設けられ
たスピンドルと、このスピンドルを支持するハウジング
との間に装着された防塵リングにより両者間のシールを
なす防塵構造であり、前記防塵リングは、弾性素材によ
り略円筒状に形成され、その先端部は前記スピンドルの
先端より前方に張り出され、この張り出し先端部の内周
側にシール縁が全周に渡って形成され、このシール縁が
前記装着孔に装着された前記ドライバビットに弾性圧接
され、前記シール縁が前記ドライバビットと共に軸方向
に移動することにより前記装着孔のシールがなされる構
成としたことを特徴とする。
【0006】
【作用】この構成によれば、防塵リングによってスピン
ドルとハウジングとの間のシールがなされ、これにより
電動スクリュドライバの機体内に塵埃が入り込むことが
阻止される。この点は従来と同じである。ところが、こ
の防塵リングの先端はスピンドルの先端よりも前方に張
り出され、この張り出した先端の内周側にはドライバビ
ットに弾性圧接されるシール縁が形成されている。この
ため、ドライバビットを装着孔に装着した状態において
この装着孔の前方がシール縁によってシールされ、これ
により装着孔に対しても防塵がなされる。また、防塵リ
ングは弾性素材によって形成されるため、ドライブビッ
トが軸方向に移動し上記シール縁がドライバビットと共
に軸方向に移動しても、防塵リングのスピンドル先端か
ら張り出した部分が変形し、防塵リング後端は軸方向に
移動する必要がない。
【0007】このようにドライバビットの装着時におい
て装着孔周辺の防塵がなされるので、ドライバビットの
脱着時等に装着孔に塵埃が入り込むことはない。また、
上記シール縁はドライバビットに弾性圧接されるのであ
り、逆に言えばドライバビットの非装着時においてこの
シール縁の内周側に形成される挿通孔はドライバビット
の径よりも十分に小さな径の孔で足りる。このことか
ら、ドライバビットの非装着時において、装着孔の前方
は小さな径の挿通孔を除いてほぼ遮蔽された状態とな
り、従って電動スクリュドライバの非使用時においても
装着孔の防塵がなされ、当該防塵リングのシール効果が
格段に高まる。
【0008】
【実施例】次に、本考案の実施例を図1に基づいて説明
する。図1には、電動スクリュドライバ1の先端部だけ
が示されている。図中2は、電動スクリュドライバ1の
ハウジングであり、3はこのハウジング2に内装された
モータ14により回転するピニオンギヤである。このピ
ニオンギヤ3にはギヤ4が噛み合わされ、このギヤ4の
回転はクラッチ機構5を経てスピンドル6に伝達され
る。スピンドル6は、軸受7,8によってハウジング2
の先端部に回転可能かつ軸方向に移動可能に支持されて
いる。このスピンドル6の先端面に、ドライバビット9
を装着するための装着孔10が所定の深さで形成されて
いる。
【0009】この装着孔10には、差し込まれたドライ
バビット9の抜け止めをするためのストッパ機構13が
設けられている。このストッパ機構13は、スピンドル
6の径方向に変位可能に支持されたスチールボール13
aと、このスチールボール13aを装着孔10の内周側
に突き出す方向へ付勢するためのリーフスプリング13
bとから構成されている。
【0010】一方、ハウジング2の先端小径部2aには
アジャストスリーブ11が装着されている。このアジャ
ストスリーブ11は、回転させると一定寸法だけ軸方向
へ変位するようになっており、これによりねじの締め込
み深さを任意に設定できるようになっている。このアジ
ャストスリーブ11の先端には、さらにストッパスリー
ブ12が着脱可能に装着されている。このストッパスリ
ーブ12の先端にはドライバビット9を挿通するための
先端孔12aが形成され、側面には当該ストッパスリー
ブ12の内部に入り込んだ塵埃を外部に排出するための
排出孔12bが形成されている。
【0011】さて、スピンドル6の先端部とハウジング
2の先端小径部2aとの間には防塵リング15が介装さ
れている。この防塵リング15はゴム等の弾性材料を素
材として略円筒状に一体形成されたもので、円筒形状の
本体部15bとこの本体部15bの先端(図示左端)に
形成されたシール縁15aとから構成されている。この
防塵リング15は、本体部15bの図示右側の後端部が
スピンドル6とハウジング2の先端小径部2aとの間に
挟まれた状態で装着されている。なお、この防塵リング
15の本体部15bの後端部には先端小径部2aの内周
面に対して凹凸係合する溝部15dが設けられているの
で、当該防塵リング15は軸方向へ移動不能となってい
る。
【0012】一方、図示するようにこの防塵リング15
の先端部はスピンドル6の先端よりもさらに前方(図示
左方)に張り出されており、この張出し先端に上記した
シール縁15aが内周側へ張り出した状態で一体に形成
されている。このシール縁15aは、図示するように中
心(スピンドル6の軸線)に向かって前方へ傾斜して略
円錐形状に形成されている。このシール縁15aの内周
側(円錐形状の先端部)には、ドライバビット9の抜け
止め溝9aの径よりもわずかに小さな径の挿通孔15c
が形成されている。ドライバビット9は、この挿通孔1
5cをシール縁15aの弾性力に抗して押し広げながら
挿通され、然る後、装着孔10に差し込まれる。
【0013】装着孔10に差し込まれて所定の状態に装
着されたドライバビット9には、上記シール縁15aが
弾性圧接される。すなわち、このドライバビット9の装
着状態において、シール縁15aの先端部は図示するよ
うに断面円形をなす抜け止め溝9aに弾性圧接されるよ
う当該防塵リング15の長さ等の寸法が設定されてい
る。このようにして、シール縁15aがドライバビット
9の抜け止め溝9aに弾性圧接されることにより、スピ
ンドル6の先端面および装着孔10さらにはドライバビ
ット9のシール縁15aよりも図示右側の差し込まれた
部分(以下、ドライバビット9の「装着部周辺」とい
う)が外部から遮蔽され、ひいては当該ドライバビット
9の装着部周辺のシールがなされるようになっている。
【0014】本例は以上のように構成したことから次の
ような作用効果を奏する。防塵リング15は、円筒形状
の本体部15bとこの本体部15bの先端に形成された
シール縁15aとから構成され、本体部15bは、スピ
ンドル6とハウジング2の先端小径部2aとの間に挟ま
れた状態で装着されているので、この本体部15bによ
ってスピンドル6とハウジング2との間のシールがなさ
れ、これにより当該電動スクリュドライバ1の機体内
(ハウジング2の内部)に塵埃が入り込むことはない。
【0015】しかも、スピンドル6の前方にはシール縁
15aが張り出した状態に位置されるので、ドライバビ
ット9の装着部周辺が外部から遮蔽され、従って当該装
着部周辺の防塵が確実になされる。
【0016】このように、本例の防塵構造によれば、機
体内の防塵がなされるばかりでなく、従来特に防塵がな
されていなかった装着孔10等ドライバビット9の装着
部周辺の防塵もなされるので、従来の防塵構造に比して
防塵効果は格段に高まる。すなわち、従来スピンドルの
先端やドライバビットに付着した塵埃が、ドライバビッ
ト9を取り外す際あるいは取り外した状態の時に装着孔
に入り込み、これによりドライバビットの装着に支障を
来していたのであるが、本例の防塵構造によれば、ドラ
イバビット9の装着部周辺に塵埃が付着しないのでこの
ような問題は発生しない。
【0017】さらに、防塵リング15のシール縁15a
はドライバビット9の抜け止め溝9aに弾性圧接される
のであり、逆に言えばドライバビット9の非装着時にお
いてこのシール縁15aの内周側に形成される挿通孔1
5cはドライバビット9の抜け止め溝9aの径よりも十
分に小さな径の孔で足りる。このことから、ドライバビ
ット9の非装着時において、装着孔10の前方は小さな
径の挿通孔15cを除いてほぼ遮蔽された状態となり、
従って電動スクリュドライバ1の非使用時においても装
着孔10の防塵が十分になされる。
【0018】また、ドライバビット9を装着する際に、
このドライバビット9はシール縁15aの挿通孔15c
を押し広げながら装着孔10に差し込まれるので、ドラ
イバビット9に塵埃が付着していてもシール縁1aに
よって除去され、この点でも装着部周辺に塵埃が入り込
むことはない。
【0019】さらに、シール縁15aの先端部は、断面
円形の抜け止め溝9aに弾性圧接されるのでドライバビ
ット9が軸方向に移動すると、シール縁15aはドライ
ブビット9と一体となって軸方向に移動し、また、ドラ
イバビット9が回転しても当該シール縁15cの先端部
が摩耗するといった問題はなく、耐久性の点でも優れて
いる。
【0020】
【考案の効果】本考案によれば、機体内部に対する防塵
とドライバビット装着孔の防塵を一つの防塵リングによ
り防塵することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示し、電動スクリュドライバ
の一部断面側面図である。
【符号の説明】
1…電動スクリュドライバ 2…ハウジング、2a…先端小径部 6…スピンドル 9…ドライバビット 10…装着孔 11…アジャストスリーブ 12…ストッパスリーブ 15…防塵リング 15a…シール縁、15b…本体、15c…挿通孔

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端にドライバビットを装着するための
    装着孔が設けられたスピンドルと、このスピンドルを支
    持するハウジングとの間に装着された防塵リングにより
    両者間のシールをなす防塵構造であり、前記防塵リング
    は、弾性素材により略円筒状に形成され、その先端部は
    前記スピンドルの先端より前方に張り出され、この張り
    出し先端部の内周側にシール縁が全周に渡って形成さ
    れ、このシール縁が前記装着孔に装着された前記ドライ
    バビットに弾性圧接され、前記シール縁が前記ドライバ
    ビットと共に軸方向に移動することにより前記装着孔の
    シールがなされる構成としたことを特徴とする電動スク
    リュドライバの防塵構造。
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