JP2600341Y2 - 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造 - Google Patents
油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造Info
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- JP2600341Y2 JP2600341Y2 JP1993049910U JP4991093U JP2600341Y2 JP 2600341 Y2 JP2600341 Y2 JP 2600341Y2 JP 1993049910 U JP1993049910 U JP 1993049910U JP 4991093 U JP4991093 U JP 4991093U JP 2600341 Y2 JP2600341 Y2 JP 2600341Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車等の車輌のサ
スペンション装置に用いられる油圧緩衝器の減衰力発生
バルブ構造に関する。
スペンション装置に用いられる油圧緩衝器の減衰力発生
バルブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車輌走行中において、油圧緩衝器
の高速作動域における発生減衰力を適度に抑制して、当
該油圧緩衝器自体或いは取付部の破損を防止しつつかつ
高速作動域での乗心地を向上させるために、例えば、図
3にみられるような減衰力発生バルブ構造をもつベース
バルブ1が用いられている。
の高速作動域における発生減衰力を適度に抑制して、当
該油圧緩衝器自体或いは取付部の破損を防止しつつかつ
高速作動域での乗心地を向上させるために、例えば、図
3にみられるような減衰力発生バルブ構造をもつベース
バルブ1が用いられている。
【0003】すなわち、このものは、バルブケース3の
中心部にスプリング座金22を挟んでバルブガイド4を
挿入し、このバルブガイド4の挿入端側に圧側減衰力発
生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6を順次に積
層して嵌装する。
中心部にスプリング座金22を挟んでバルブガイド4を
挿入し、このバルブガイド4の挿入端側に圧側減衰力発
生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6を順次に積
層して嵌装する。
【0004】そして、この状態においてバルブガイド4
の先端を加締め、バルブケース3との間でこれら圧側減
衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6の内
周端を挟持することにより、圧側減衰力発生バルブ2で
バルブケース3における内側の圧側ポート7のバルブシ
ート面8を閉鎖するようにしている。
の先端を加締め、バルブケース3との間でこれら圧側減
衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6の内
周端を挟持することにより、圧側減衰力発生バルブ2で
バルブケース3における内側の圧側ポート7のバルブシ
ート面8を閉鎖するようにしている。
【0005】また、上記圧側減衰力発生バルブ2と対向
して、バルブケース3とバルブガイド4の基端部との間
にノンリターンスプリング11を挟んでチェックバルブ
12を介装し、このチェックバルブ12でバルブケース
3における外側の伸側ポート13のバルブシート面14
を閉鎖するようにしている。
して、バルブケース3とバルブガイド4の基端部との間
にノンリターンスプリング11を挟んでチェックバルブ
12を介装し、このチェックバルブ12でバルブケース
3における外側の伸側ポート13のバルブシート面14
を閉鎖するようにしている。
【0006】これにより、油圧緩衝器が低速域から中速
域で動作する間は、下部油室B内の作動油を圧側ポート
7から減衰力発生バルブ2を押し開きつつ、バルブケー
ス3とボトムキャップ17との間の油室Dを通して作動
シリンダ15とアウタシェル16との間のリザーバ室C
に押し出し、このとき圧側減衰力発生バルブ2を押し開
いて流れる作動油の流動抵抗で油圧緩衝器の作動速度に
応じた圧側減衰力を発生する。
域で動作する間は、下部油室B内の作動油を圧側ポート
7から減衰力発生バルブ2を押し開きつつ、バルブケー
ス3とボトムキャップ17との間の油室Dを通して作動
シリンダ15とアウタシェル16との間のリザーバ室C
に押し出し、このとき圧側減衰力発生バルブ2を押し開
いて流れる作動油の流動抵抗で油圧緩衝器の作動速度に
応じた圧側減衰力を発生する。
【0007】また、油圧緩衝器が逆の方向に動作すると
きには、リザーバ室C内の作動油を油室Dから伸側ポー
ト13を通してチェックバルブ12を開きつつ殆ど抵抗
なく下部油室Bへと吸い込む。
きには、リザーバ室C内の作動油を油室Dから伸側ポー
ト13を通してチェックバルブ12を開きつつ殆ど抵抗
なく下部油室Bへと吸い込む。
【0008】それに対し、油圧緩衝器の作動速度が高速
域に入ると、下部油室B内の発生油圧によりバルブガイ
ド4が、スプリング座金22を撓ませつつ油室D側に押
し動かされ、このバルブガイド4の移動に伴って圧側減
衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6も共
に移動し、圧側減衰力発生バルブ2の撓み量にスプリン
グ座金22の撓み量が加わって圧側減衰力発生バルブ2
とバルブシート面8との間の開口面積が大きくなる。
域に入ると、下部油室B内の発生油圧によりバルブガイ
ド4が、スプリング座金22を撓ませつつ油室D側に押
し動かされ、このバルブガイド4の移動に伴って圧側減
衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ6も共
に移動し、圧側減衰力発生バルブ2の撓み量にスプリン
グ座金22の撓み量が加わって圧側減衰力発生バルブ2
とバルブシート面8との間の開口面積が大きくなる。
【0009】これにより、油圧緩衝器の高速域での発生
減衰力を抑制して当該油圧緩衝器自体或いは取付部の破
損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を向上さ
せることになる。
減衰力を抑制して当該油圧緩衝器自体或いは取付部の破
損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を向上さ
せることになる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のものにあっては、スプリング座金22を限られた狭い
スペース内に設置しなければならないため、当該スプリ
ング座金22のセット荷重の細かい設定が困難で適用範
囲が限られてしまうという欠点をもつ。
のものにあっては、スプリング座金22を限られた狭い
スペース内に設置しなければならないため、当該スプリ
ング座金22のセット荷重の細かい設定が困難で適用範
囲が限られてしまうという欠点をもつ。
【0011】また、バルブガイド4の加締めに際して
は、当該加締力をスプリング座金22のセット荷重以下
で行う必要があるので確実な加締め作業が困難であり、
実際にはねじ締結とならざるを得ないことになってコス
トアップにつながるという欠点をも有する。
は、当該加締力をスプリング座金22のセット荷重以下
で行う必要があるので確実な加締め作業が困難であり、
実際にはねじ締結とならざるを得ないことになってコス
トアップにつながるという欠点をも有する。
【0012】さらに、スプリング座金22のバネ定数
は、圧側減衰力発生バルブ2のばね定数に比べて大きく
なりがちであり、高速域での発生減衰力の抑制効果が充
分でないという不都合を生じる。
は、圧側減衰力発生バルブ2のばね定数に比べて大きく
なりがちであり、高速域での発生減衰力の抑制効果が充
分でないという不都合を生じる。
【0013】したがって、この考案の目的は、簡単な構
成で高速域における発生減衰力の抑制効果を充分に大き
く、かつ、広範囲に亙って所望の値に設定することので
きる油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造を提供すること
である。
成で高速域における発生減衰力の抑制効果を充分に大き
く、かつ、広範囲に亙って所望の値に設定することので
きる油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の手段は、バルブケースにポートを設け、こ
のポートの出口端にバルブシート面を介して減衰力発生
バルブが開閉自在に設けられている油圧緩衝器に於て、
上記バルブケースには上記減衰力発生バルブの外周端を
囲繞すると共に上記バルブシート面より高さが高い環状
突起を突設し、更に上記環状突起と減衰力発生バルブの
外周端との間に環状隙間を形成し、低速域から中速域の
動作範囲では上記減衰力発生バルブの外周側が環状突起
の高さ範囲内で撓み、高速域では環状突起の高さを越え
て撓むようにしたことを特徴とするものである。
め、本考案の手段は、バルブケースにポートを設け、こ
のポートの出口端にバルブシート面を介して減衰力発生
バルブが開閉自在に設けられている油圧緩衝器に於て、
上記バルブケースには上記減衰力発生バルブの外周端を
囲繞すると共に上記バルブシート面より高さが高い環状
突起を突設し、更に上記環状突起と減衰力発生バルブの
外周端との間に環状隙間を形成し、低速域から中速域の
動作範囲では上記減衰力発生バルブの外周側が環状突起
の高さ範囲内で撓み、高速域では環状突起の高さを越え
て撓むようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
【0016】
【作用】すなわち、上記の構成により、油圧緩衝器が低
速域から中速域の間で動作しているときには、作動油室
内の作動油が減衰力発生バルブを押し開きつつ当該減衰
力発生バルブとその外周にある環状突起との間の環状隙
間を通してリザーバ室へと押し出され、このとき減衰力
発生バルブを押し開きつつ環状隙間を通して流れる作動
油の流動抵抗で油圧緩衝器の作動速度に応じた減衰力を
発生する。
速域から中速域の間で動作しているときには、作動油室
内の作動油が減衰力発生バルブを押し開きつつ当該減衰
力発生バルブとその外周にある環状突起との間の環状隙
間を通してリザーバ室へと押し出され、このとき減衰力
発生バルブを押し開きつつ環状隙間を通して流れる作動
油の流動抵抗で油圧緩衝器の作動速度に応じた減衰力を
発生する。
【0017】また、油圧緩衝器が逆の方向に動作すると
きには、減衰力発生バルブに関係なくリザーバ室内の作
動油を吸い込み用チェックバルブから殆ど抵抗なく作動
油室へと吸い込む。
きには、減衰力発生バルブに関係なくリザーバ室内の作
動油を吸い込み用チェックバルブから殆ど抵抗なく作動
油室へと吸い込む。
【0018】それに対し、油圧緩衝器の作動速度が高速
域に入って減衰力発生バルブが環状突起を越えて大きく
開くようになると、上記環状隙間がなくなって当該環状
隙間以上の充分な作動油の流路面積が確保される。
域に入って減衰力発生バルブが環状突起を越えて大きく
開くようになると、上記環状隙間がなくなって当該環状
隙間以上の充分な作動油の流路面積が確保される。
【0019】これにより、油圧緩衝器の高速域での発生
減衰力は抑制され、当該油圧緩衝器自体或いは取付部の
破損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を向上
させることになる。
減衰力は抑制され、当該油圧緩衝器自体或いは取付部の
破損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を向上
させることになる。
【0020】
【実施例】図1は本考案をベースバルブ1の圧側減衰力
発生バルブ2に適用した場合の実施例を示す。この減衰
力発生バルブ構造は、バルブケース3にポートたる圧側
ポート7を設け、このポート7の出口端にバルブシート
面8を介して減衰力発生バルブ2が開閉自在に設けられ
ているものである。そして、上記バルブケース3には上
記減衰力発生バルブ2の外周端を囲繞すると共に上記バ
ルブシート面8より高さが高い環状突起9を突設し、更
に上記環状突起9と減衰力発生バルブ2の外周端との間
に環状隙間10を形成し、低速域から中速域の動作範囲
では上記減衰力発生バルブ2の外周側が環状突起9の高
さ範囲内で撓み、高速域では環状突起9の高さを越えて
撓むようになっている。以下詳しく述べる。
発生バルブ2に適用した場合の実施例を示す。この減衰
力発生バルブ構造は、バルブケース3にポートたる圧側
ポート7を設け、このポート7の出口端にバルブシート
面8を介して減衰力発生バルブ2が開閉自在に設けられ
ているものである。そして、上記バルブケース3には上
記減衰力発生バルブ2の外周端を囲繞すると共に上記バ
ルブシート面8より高さが高い環状突起9を突設し、更
に上記環状突起9と減衰力発生バルブ2の外周端との間
に環状隙間10を形成し、低速域から中速域の動作範囲
では上記減衰力発生バルブ2の外周側が環状突起9の高
さ範囲内で撓み、高速域では環状突起9の高さを越えて
撓むようになっている。以下詳しく述べる。
【0021】すなわち、図2にみられるように、バルブ
ケース3の中心部にバルブガイド4を頭部4aがバルブ
ケース3の上面に当る位置まで挿入し、このバルブガイ
ド4の挿入端側から圧側減衰力発生バルブ2とシム5お
よびバルブストッパ6を順次に積層して嵌装する。
ケース3の中心部にバルブガイド4を頭部4aがバルブ
ケース3の上面に当る位置まで挿入し、このバルブガイ
ド4の挿入端側から圧側減衰力発生バルブ2とシム5お
よびバルブストッパ6を順次に積層して嵌装する。
【0022】そして、この状態においてバルブガイド4
の先端を加締め、バルブケース3の下面との間でこれら
圧側減衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ
6の内周端を挟持することにより、圧側減衰力発生バル
ブ2でバルブケース3における内側の圧側ポート7のバ
ルブシート面8を閉鎖するようにしている。
の先端を加締め、バルブケース3の下面との間でこれら
圧側減衰力発生バルブ2とシム5およびバルブストッパ
6の内周端を挟持することにより、圧側減衰力発生バル
ブ2でバルブケース3における内側の圧側ポート7のバ
ルブシート面8を閉鎖するようにしている。
【0023】これにより、圧側減衰力発生バルブ2は、
シム5を介してバルブストッパ6により支持され、かく
して、所定の直径をもつシム5の外周端部分が圧側減衰
力発生バルブ2の撓み支点となる。
シム5を介してバルブストッパ6により支持され、かく
して、所定の直径をもつシム5の外周端部分が圧側減衰
力発生バルブ2の撓み支点となる。
【0024】上記圧側減衰力発生バルブ2の開口部分で
ある外周端を囲繞してバルブケース3には、バルブシー
ト面8よりも高くかつ圧側減衰力発生バルブ2の最大開
口寸法よりも低い環状突起9が突設してある。
ある外周端を囲繞してバルブケース3には、バルブシー
ト面8よりも高くかつ圧側減衰力発生バルブ2の最大開
口寸法よりも低い環状突起9が突設してある。
【0025】この実施例の場合、上記環状突起9は、バ
ルブケース3におけるバルブシート面8を囲繞して形成
することにより、圧側減衰力発生バルブ2の開口部外周
端を囲っている。
ルブケース3におけるバルブシート面8を囲繞して形成
することにより、圧側減衰力発生バルブ2の開口部外周
端を囲っている。
【0026】そして、これら環状突起9と圧側減衰力発
生バルブ2の開口部外周端とで両者の間に環状隙間10
を形成している。
生バルブ2の開口部外周端とで両者の間に環状隙間10
を形成している。
【0027】また、上記圧側減衰力発生バルブ2と対向
してバルブケース3とバルブガイド4の基端鍔部4bと
の間には、ノンリターンスプリング11を挟んでチェッ
クバルブ12を介装し、このチェックバルブ12でバル
ブケース3における外側の伸側ポート13のバルブシー
ト面14を閉鎖するようにしている。
してバルブケース3とバルブガイド4の基端鍔部4bと
の間には、ノンリターンスプリング11を挟んでチェッ
クバルブ12を介装し、このチェックバルブ12でバル
ブケース3における外側の伸側ポート13のバルブシー
ト面14を閉鎖するようにしている。
【0028】上記の構成からなるベースバルブ1は、バ
ルブケース3を作動シリンダ15の下端に嵌着し、か
つ、アウタシェル16の下部を閉塞するボトムキャップ
17との間に挟まれて装着される。
ルブケース3を作動シリンダ15の下端に嵌着し、か
つ、アウタシェル16の下部を閉塞するボトムキャップ
17との間に挟まれて装着される。
【0029】また、従来からよく知られているように、
上記作動シリンダ15内には、図1の如くピストンロッ
ド18を担うピストン19が摺動自在に挿入してあり、
このピストン19によって作動シリンダ15内を上部油
室Aと下部油室Bに区画している。
上記作動シリンダ15内には、図1の如くピストンロッ
ド18を担うピストン19が摺動自在に挿入してあり、
このピストン19によって作動シリンダ15内を上部油
室Aと下部油室Bに区画している。
【0030】なお、これら上部油室Aと下部油室Bは、
ピストン19に設けた伸側減衰力発生バルブ20と圧側
吸い込み用のチェックバルブ21を通してそれぞれ通じ
ており、かつ、下部油室Bは、ベースバルブ1の圧側減
衰力発生バルブ2とチェックバルブ12を通してバルブ
ケース3とボトムキャップ17との間の油室Dから作動
シリンダ15とアウタシェル16との間のリザーバ室C
に通じている。
ピストン19に設けた伸側減衰力発生バルブ20と圧側
吸い込み用のチェックバルブ21を通してそれぞれ通じ
ており、かつ、下部油室Bは、ベースバルブ1の圧側減
衰力発生バルブ2とチェックバルブ12を通してバルブ
ケース3とボトムキャップ17との間の油室Dから作動
シリンダ15とアウタシェル16との間のリザーバ室C
に通じている。
【0031】上記したこの考案の実施例によるベースバ
ルブ1によれば、ピストン19が伸長動作する油圧緩衝
器の伸び行程時には、作動シリンダ15の上部油室Aか
らピストン19の伸側減衰力発生バルブ20を押し開い
て下部油室Bに流れる作動油の流動抵抗で伸側減衰力を
発生する。
ルブ1によれば、ピストン19が伸長動作する油圧緩衝
器の伸び行程時には、作動シリンダ15の上部油室Aか
らピストン19の伸側減衰力発生バルブ20を押し開い
て下部油室Bに流れる作動油の流動抵抗で伸側減衰力を
発生する。
【0032】また、これと同時に、ピストンロッド18
の退出体積分に相当する量の作動油が、リザーバ室Cか
ら油室Dおよびベースバルブ1の伸側ポート13を通し
てチェックバルブ12を開きつつ下部油室Bに補給され
る。
の退出体積分に相当する量の作動油が、リザーバ室Cか
ら油室Dおよびベースバルブ1の伸側ポート13を通し
てチェックバルブ12を開きつつ下部油室Bに補給され
る。
【0033】一方、ピストン19が圧縮動作する油圧緩
衝器の圧行程時にあっては、下部油室B内の作動油をピ
ストン19のチェックバルブ21を開いて上部油室Aに
流すと共に、ピストンロッド18の侵入体積分に相当す
る量の作動油を、ベースバルブ1の圧側ポート7から圧
側減衰力発生バルブ2を押し開きつつ油室Dを通してリ
ザーバ室Cに押し出し、このとき圧側減衰力発生バルブ
2の部分を通る作動油の流動抵抗で圧側減衰力を発生す
る。
衝器の圧行程時にあっては、下部油室B内の作動油をピ
ストン19のチェックバルブ21を開いて上部油室Aに
流すと共に、ピストンロッド18の侵入体積分に相当す
る量の作動油を、ベースバルブ1の圧側ポート7から圧
側減衰力発生バルブ2を押し開きつつ油室Dを通してリ
ザーバ室Cに押し出し、このとき圧側減衰力発生バルブ
2の部分を通る作動油の流動抵抗で圧側減衰力を発生す
る。
【0034】上記において、当該圧側減衰力発生バルブ
2を通る作動油の流れは、図2において下部油室Bの油
圧が油室Dの油圧よりも所定圧力だけ高くなったとき
に、圧側減衰力発生バルブ2の外周側がシム5の外周端
部分を支点として下方に撓み、バルブシート面8を開い
て作動油の流動を許容する。
2を通る作動油の流れは、図2において下部油室Bの油
圧が油室Dの油圧よりも所定圧力だけ高くなったとき
に、圧側減衰力発生バルブ2の外周側がシム5の外周端
部分を支点として下方に撓み、バルブシート面8を開い
て作動油の流動を許容する。
【0035】そして、このとき油圧緩衝器の圧縮速度が
低・中速であれば流動する作動油量が比較的少ないため
に、圧側減衰力発生バルブ2の撓み量は環状突起9の高
さaの範囲内となり、したがって、作動油は環状隙間1
0を通して流れることになって、当該環状隙間10の通
路面積bによる流動抵抗で圧側減衰力を発生する。
低・中速であれば流動する作動油量が比較的少ないため
に、圧側減衰力発生バルブ2の撓み量は環状突起9の高
さaの範囲内となり、したがって、作動油は環状隙間1
0を通して流れることになって、当該環状隙間10の通
路面積bによる流動抵抗で圧側減衰力を発生する。
【0036】したがって、圧側減衰力発生バルブ2の先
端外周と対向する環状突起9の面の形状を適宜に選ぶこ
とにより、環状隙間10の通路面積bの変化量を選定し
て所望の圧側減衰力特性を得ることが可能になる。
端外周と対向する環状突起9の面の形状を適宜に選ぶこ
とにより、環状隙間10の通路面積bの変化量を選定し
て所望の圧側減衰力特性を得ることが可能になる。
【0037】それに対し、油圧緩衝器の圧縮速度が高速
域に入ったとすると、圧側減衰力発生バルブ2の外周端
が環状突起9を越えて開くようになり、上記環状隙間1
0による通路面積b以上の充分な作動油流路が確保され
ることになって圧側減衰力の上昇を抑える。
域に入ったとすると、圧側減衰力発生バルブ2の外周端
が環状突起9を越えて開くようになり、上記環状隙間1
0による通路面積b以上の充分な作動油流路が確保され
ることになって圧側減衰力の上昇を抑える。
【0038】これにより、油圧緩衝器の高速域での圧側
発生減衰力は抑制され、当該油圧緩衝器自体或いは取付
部の破損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を
向上させることになる。
発生減衰力は抑制され、当該油圧緩衝器自体或いは取付
部の破損を防止しつつ、かつ、高速作動域での乗心地を
向上させることになる。
【0039】なお、上記の実施例にあっては、圧側減衰
力発生バルブ2として内周固定の撓みバルブを例にとっ
て説明してきたが、外周固定の撓みバルブ或いはリター
ンスプリングに抗して開閉動作する形式のバルブであっ
ても同様にして実施し得ることは言うまでもない。
力発生バルブ2として内周固定の撓みバルブを例にとっ
て説明してきたが、外周固定の撓みバルブ或いはリター
ンスプリングに抗して開閉動作する形式のバルブであっ
ても同様にして実施し得ることは言うまでもない。
【0040】また、この考案は、ピストン19における
伸側減衰力発生バルブ20にも同様にして適用可能であ
ることは明らかである。
伸側減衰力発生バルブ20にも同様にして適用可能であ
ることは明らかである。
【0041】
【考案の効果】以上のように、この考案によれば、バル
ブケースに形成した環状突起と減衰力発生バルブの開口
部外周端とで形成する環状隙間を利用して油圧緩衝器の
高速域における発生減衰力の抑制を行うようにしたの
で、これら環状突起の高さおよび環状隙間の大小を選択
することによって、油圧緩衝器の高速域における発生減
衰力の抑制効果を充分に大きく、かつ、広範囲に亙って
所望の値に設定することが可能となる。
ブケースに形成した環状突起と減衰力発生バルブの開口
部外周端とで形成する環状隙間を利用して油圧緩衝器の
高速域における発生減衰力の抑制を行うようにしたの
で、これら環状突起の高さおよび環状隙間の大小を選択
することによって、油圧緩衝器の高速域における発生減
衰力の抑制効果を充分に大きく、かつ、広範囲に亙って
所望の値に設定することが可能となる。
【0042】これにより、油圧緩衝器の高速作動域にお
ける発生減衰力を効果的に抑制して当該油圧緩衝器自体
或いは取付部の破損を防止することができるばかりか、
高速作動域での急激な発生減衰力の立ち上がりもなくな
るので、ゴツゴツ感による乗員の不快感を除去して乗心
地の向上を図ることができることになるのである。
ける発生減衰力を効果的に抑制して当該油圧緩衝器自体
或いは取付部の破損を防止することができるばかりか、
高速作動域での急激な発生減衰力の立ち上がりもなくな
るので、ゴツゴツ感による乗員の不快感を除去して乗心
地の向上を図ることができることになるのである。
【図1】ベースバルブに対してこの考案による減衰力発
生バルブ構造を適用した場合の一実施例を示す縦断正面
図である。
生バルブ構造を適用した場合の一実施例を示す縦断正面
図である。
【図2】同上の減衰力発生バルブ構造部分のみを取り出
して詳細に示す拡大縦断正面図である。
して詳細に示す拡大縦断正面図である。
【図3】従来から使用されているベースバルブの構造例
を示す縦断正面図である。
を示す縦断正面図である。
1 ベースバルブ 2 減衰力発生バルブ 3 バルブケース 8 バルブシート面 9 環状突起 10 環状隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−76937(JP,A) 実開 昭61−64536(JP,U) 実開 平4−27234(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/348 B60G 13/08
Claims (1)
- 【請求項1】 バルブケースにポートを設け、このポー
トの出口端にバルブシート面を介して減衰力発生バルブ
が開閉自在に設けられている油圧緩衝器に於て、上記バ
ルブケースには上記減衰力発生バルブの外周端を囲繞す
ると共に上記バルブシート面より高さが高い環状突起を
突設し、更に上記環状突起と減衰力発生バルブの外周端
との間に環状隙間を形成し、低速域から中速域の動作範
囲では上記減衰力発生バルブの外周側が環状突起の高さ
範囲内で撓み、高速域では環状突起の高さを越えて撓む
ようにしたことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生バ
ルブ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993049910U JP2600341Y2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993049910U JP2600341Y2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714242U JPH0714242U (ja) | 1995-03-10 |
JP2600341Y2 true JP2600341Y2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=12844174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993049910U Expired - Lifetime JP2600341Y2 (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2600341Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-20 JP JP1993049910U patent/JP2600341Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0714242U (ja) | 1995-03-10 |
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