JP2599492B2 - リポソーム製剤の製造法 - Google Patents

リポソーム製剤の製造法

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    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1277Processes for preparing; Proliposomes

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、正又は負に荷電したリポソームの凍結乾燥
製剤又は噴霧乾燥製剤をそのリポソームの荷電とは逆に
荷電した薬物の水溶液と処理することを特徴とする薬物
保持率の高いリポソーム製剤の製造法に関する。
[従来の技術] リポソームの生体膜モデルとして広く利用されている
と共に、近年話題となっているドラッグ・デリバリー・
システム(Drug Delivery System,DDS)の代表例として
そのドラック・キャリヤーへの応用研究も精力的になさ
れている。
しかしながら、リポソームに薬物を保持させようとし
ても、その保持率は一般に低い(通常0.1〜20%)。
この理由としては、 i)低分子量の薬物のリポソームへの保持様式が、基本
的にはリポソーム内水相と外水相とで濃度が同一に分配
することによってなされていること、 ii)リポソームが個々の粒子として安定に水性溶媒中に
存在するには、必然的にリポソームの外側に分散媒とし
て水性溶媒の存在を必要とすることの2点が挙げられ
る。
以上から、薬物をリポソームに保持させた場合には、
その保持率を高率、特に100%近くすることは非常に困
難であると考えられてきた。
このような薬物あるいは膜親和性の小さい薬物の保持
率を上げる方法としては、 a)逆相蒸発法(プロシィーディング・ナショナル・ア
カデミィ・サイエンスィズ・ユーエスーエイ、75巻、41
94頁、1978年)、 b)薬物自身の化学修飾法(インターナショナル・ジャ
ーナル・オブ・ファーマシューティスク、14巻、191
頁、1983年、ジャーナル・オブ・ファーマコバイオ・ダ
イナミクス、7巻、120頁、1984年;ケミカル・アンド
・ファーマシューティカル・ブレタン、36巻、3574頁、
1988年)、 c)他の助剤等を用いる方法(ジャーナル・オブ・ファ
ーマシューティカル・サイエンスィズ、71巻、958頁、1
982年;ドラッグ・ディベロプメント・アンド・インダ
ストリアル・ファーマシー、10巻、613頁、1984年)、 d)リポソームあるいはリポソーム膜自身の性質を変え
る方法(バイオキミカ・エト・バイオフィジカ・アク
タ、812巻、66頁、1985年;バイオキミカ・エト・バイ
オフィジカ・アクタ、857巻、123頁、1986年)、 e)薬物の荷電と対となる荷電を有するリン脂質を利用
する方法(バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル
・リサーチ・コミュニケーションズ107巻136頁1982年;
インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシュ
ーティスク、17巻、135頁、1983年;特開昭62−87514号
公報) などの例がある。
しかしながら、以上の如き従来の方法については、薬
物をリポソームに高率に保持すものとして満足し得るも
のとは云えなかった。
更に、あらかじめ薬物を含有しないリポソームの凍結
乾燥製剤あるいは噴霧乾燥製剤に単に薬物の水溶液を加
えるだけで高率に薬物をリポソームに保持させる方法に
未だ見出されていない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、本発明を完成した。
[発明の構成] 本発明は、正又は負に荷電したリポソームの凍結乾燥
製剤又は噴霧乾燥製剤をそのリポソームの荷電とは逆に
荷電した薬物の水溶液と処理することを特徴とする薬物
保持率の高いリポソーム製剤の製造法に関する。
本発明にかかわる正又は負に荷電したリポソームの凍
結乾燥製剤又は噴霧乾燥剤は、一旦荷電したリポソーム
の水分散液を調製し、これを凍結乾燥又は噴霧乾燥した
ものを意味する。
正に荷電したリポソームの水分散液を調製するには、
リポソームの膜成分として正に荷電する脂質(カチオン
性脂質)を使用すればよく、その例としては、ステアリ
ルアミン等の塩基性脂質、Nα−アシル−L−アルギニ
ン等の塩基性アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。
これらカチオン性脂質は、リポソーム膜の他の主成分物
質、例えばホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン
等とともに一定量添加して用いればよく、その添加比率
は何ら限定されるべきものではないが、好ましくはリポ
ソーム膜構成成分の合計量に対し、モル分率10〜30%加
えるのが適している。
一方、負に荷電したリポソームの水分散液を調製する
には、リポソームの膜成分として負に荷電する脂質(ア
ニオン性脂質)を使用すればよく、その例としては、ホ
チファチジルセリン、天然由来のホチファチジルグリセ
ロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、
ジバルミトイルホスファチジルグリセロール、カルジオ
リピン、ホチファチジルイノシトール、ホチファチジン
酸等の酸性リン脂質、ガングリオシドGM1、ガングリオ
シドGM3等のシアル酸を有するガングリオシド類、ジセ
チルリン酸等の酸性脂質、N−アシル−L−グルタミン
酸等の酸性アミノ酸系界面活性剤、オレイン酸、ステア
リン酸等の脂肪酸などが挙げられる。これらアニオン性
脂質は、他のリポソーム膜の主成分物質、例えばホスフ
ァチジルコリン、スフィンゴミエリン等とともに一定量
添加して用いればよく、その添加比率は何ら限定される
べきものではないが、好ましくはリポソーム膜構成成分
の合計量に対し、モル分率で10〜30%加えるのが適して
いる。又、ホスファチジルセリン、ホチファチジルグリ
セロール、ホチファチジルイノシトール等の酸性リン脂
質は、単独でもリポソームを形成することが可能であ
り、この場合にはリポソーム膜構成成分の合計量に対
し、モル分率で10〜100%用いてもよい。
なお、リポソーム膜の主成分物質として用いられるホ
スファチジルコリン、スフィンゴミエリンなどは、その
分子内の近傍部位にカチオンであるコリン基とアニオン
であるリン酸基の両方を有しているが、分子全体として
は中性領域において電荷を有していないので、本発明に
おけるアニオン性脂質あるいはカチオン性脂質(以後、
“荷電脂質”と略)の中には一般的に含めないことが望
ましい。
また、リポソーム膜成分としては、上記の荷電脂質や
膜主成分物質としてのホチファチジルコリン、スフィン
ゴミエリン以外に、更に膜安定化剤としてコレステロー
ル等のステロール類や抗酸化剤としてα−トコフェロー
ル等を加えもよい。このような添加物質の添加比率も何
ら限定されるべきものではないが、リポソーム膜構成成
分の合計量に対し、安定化剤として用いられるステロー
ル類はモル分率で0〜60%、好ましくは30〜55%、抗酸
化剤として用いられるα−トコフェロール等はモル分率
で0〜20%、好ましくは1%前後それぞれ加えるのが適
している。
上記の如きカチオン性脂質及びアニオン性脂質を共に
使用してリポソームを形成させてもよく、この場合に
は、リポソーム全体としての荷電量から正又は負の荷電
のリポソーム水分散液とすればよい。
次に、正又は負に荷電したリポソームの水分散液の製
造法を説明する。
即ち、種々の公知の方法例えば、ジャーナル・オブ・
モレキュラー・バイオロジー、13巻238頁(1965年)に
開示された方法に従い、上記の如き組成のリポソームの
膜成分物質をクロロホルム、メタノール等の適当な有機
溶媒にまず溶解させ、溶媒を留去することによりリピッ
ドフィルムを形成させることができる。次に、このリピ
ッドフィルムに、水性溶媒を加えてリピッドフィルムを
水和、膨潤させ、更にボルテックスミキサーやアジホモ
ミキサーなどの乳化機を用いて懸濁させることにより薬
物を含有せず正又は負に荷電したリポソームの水分散液
を製造することができる。この時、水性溶媒の温度は高
いほど乳化の効率は良い。又、このようなリポソームの
水分散液は、他の公知のリポソームの製造方法例えば、
アニュアル・レビュー・オブ・バイオフィジックス・ア
ンド・エンジニアリング、9巻、467頁(1980年)に開
示された操作方法に従って製造してもよい。
上記水性溶媒のpHはリポソームや薬物の安定性から通
常3〜8程度であり、リポソームの安定性からすると6
〜8が好ましい。このようなpHの調整に用いる酸として
は、塩酸、硝酸、臭化水素酸等の一価の無機酸、あるい
は乳酸、グリセリン酸、酢酸等の一価の有機酸を、好ま
しくは塩酸、乳酸を例示することができ、また塩基とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム等の一価の水酸化物、あるいはトリエチルアミン、
トリメチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルア
ミン、トリスアミノメタン等の一価のアミン類を、好ま
しくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムをあげること
ができ、更には二価あるいは三価イオンを含む酸である
第一リン酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム等も使用することができる。
また、水性溶媒の電解質イオン濃度は可及的少量にす
ることが望ましく、一般的にはイオンの総量で約40mM以
下にすることが好適である。
更に、本発明にかかわるリポソームの凍結乾燥製剤ま
たは噴霧乾燥製剤に薬物水溶液を加えた後では、その浸
透圧は体液と同程度の浸透圧となるように制御されるの
が好ましく、一般的には該水溶性溶媒についても等張化
剤としてのグリセロール、プロピレングリコール等の多
価アルコール類やマンニトール、ショ糖、ブドウ糖、乳
糖等の糖類を添加すればよい。
このようにして得られたリポソームの粒子径は特に限
定されないが、一般的には50〜1000nm、好ましくは60〜
300nm、特に好ましくは70〜200nmとすればよく、その制
御については、通常の方法に従って行えば良い。
更に、本発明にかかわるリポソームの膜枚数について
も特に限定されず、一枚膜から多重枚膜まで自由に選ぶ
ことができ、その制御についても通常の既知の方法に従
えば良い。
このようにして得られたリポソームの水分散液は、通
常の方法により凍結乾燥製剤あるいは噴霧乾燥製剤とす
ることができる。例えば、凍結乾燥製剤を目的とした場
合には、上記のリポソームの水分散液をバイアル等の容
器に小分け充填した後通常の凍結乾燥操作を行えば良
い。凍結乾燥における望ましい操作としては凍結温度が
−5〜−80℃好ましくは−30℃で急速に凍結させること
及び0.1Torr以下の減圧条件で水を昇華させることをあ
げることができる。また、噴霧乾燥製剤を目的とする場
合には、上記のリポソーム水分散液を噴霧乾燥にて溶媒
を除去した後、無菌的にバイアル等に粉末小分け、密封
すれば良く、噴霧乾燥における望ましい操作としては、
入り口温度を110〜200℃、好ましくは120〜150℃にする
ことをあげることができる。
以上のようにして得られたリポソームの凍結乾燥製剤
あるいは噴霧乾燥製剤に、該リポソームと逆に荷電した
薬物の水溶液を加えることにより、薬物保持率の高いリ
ポソームの水分散液を製造することができる。ここで加
える薬物水溶液の薬物量は、それと逆の荷電を有するリ
ポソーム、更に詳しくはそのリポソームの荷電にかかわ
る荷電脂質量に対し、イオン当量換算で2分の1以下、
好ましくは3分の1以下とすることにより、更に保持率
を高めることができる。また、薬物水溶液の電解質イオ
ン濃度は可及的少量であることが望ましく、薬物水溶液
を加えた後のリポソーム水分散液中において、電解質イ
オン濃度が総量で40mM以下とすることが特に望ましい。
本発明において、正に荷電する薬物、即ちカチオン基
を有する薬物としては特に制限はなく、その例として
は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシ
ン、4−O−テトラハイドロピラニル−アドリアマイシ
ン、4−エピアドリアマイシン、4−デメトキシダウノ
マイシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、メトト
レキサート等の制癌剤、アンピシリン、アモキシシリ
ン、セファレキシン、セファクロル、ゲンタマイシン、
シソマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、ア
ミカシン、アムホテリシンB等の抗生物質、スルフィソ
ミジン、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシ
ン、イソニアジド、オフロキサシン等の化学療法剤、ト
ラネキサム酸、グルタチオン等の一般薬剤、ネオカルチ
ノスタチン、インシュリン等の分子内に塩基性アミノ酸
を有するポリペプチドや、インターフェロン、腫瘍壊死
因子(TNF)、上皮成長因子(EGF)、インターロイキン
等の分子内に塩基性アミノ酸を有する生理活性物質など
が挙げられる。これらの薬物が有するカチオン基の種類
としては、特に制限はされず、第一級アミン、第二級ア
ミン、第三級アミン、環式アミンなどが挙げられる。
また、本発明において、負に荷電する薬物、即ち、ア
ニオン基を有する薬物についても特に制限はなく、その
例としては、メトトレキサート等の制癌剤、ベンジルペ
ニシリン、アンピシリン、アモキシシリン、ピペラシリ
ン、セファロリジン、セファロチン、セファゾリン、セ
ファマンドール、セファタキシム、セファレキシン、セ
ファキシチン、セフメタゾール、セファテタン等の抗生
物質、スルフィソミジン、スルファジメトキシン、スル
ファモノメトキシン、ナリジクス酸、オフロキサシン、
エノキサシン等の化学療法剤、トラネキサム酸、グルタ
チオン、アスピリン等の一般薬剤、ネオカルチノスタチ
ン、インシュリン等の分子内に酸性アミノ酸を有するポ
リペプチド、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TN
F)、上皮成長因子(EGF)、インターロイキン等の分子
内にシアル酸や酸性アミノ酸を有する生理活性物質、あ
るいはヘパリン、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫
酸等の硫酸化糖を含む多糖類が挙げられる。上記薬物が
有するアニオン基の種類としては特に制限はされず、カ
ルボキシル基、炭酸基、リン酸基、スルフォンアミド
基、硫酸基、亜硫酸基、硝酸基、亜硝酸基などが挙げら
れる。
上記の如き薬物については例えば、ダウノルビシン、
ドキソルビシン(アドリアマイシン)等のアントラサイ
クリン系抗癌性抗生物質やナリジクス酸などの場合に
は、その分子内に1個のアミノ基だけ(前者)あるいは
1個のカルボキシル基だけ(後者)を有するので、これ
らはそれぞれ一価のカチオン基を有する薬物あるいは一
価のアニオン基を有する薬物とみなすことができ、ホス
ホマイシンの場合には、その分子内に二価アニオンであ
るリン酸基を1個有するので二価のアニオン基を有する
薬物とみなすことができ、またゲンタマイシンの場合に
は、その分子内に3個のアミノ基を有するので三価のカ
チオン基を有する薬物、デキストラン硫酸の場合には、
多くの硫酸基(単位グルコースあたり0〜2個の硫酸基
を持つ平均分子量7500前後の多糖)を有するので多価の
アニオン基を有する薬物とみなすことができる。
更に、アンピシリン、スルファジメトキシン、メトト
レキサート、メトトレキサートなどの場合には、その分
子内の離れた部位に同じ数の同価のカチオン基とアニオ
ン基(前2者は1個ずつ、メトトレキサートは2個ずつ
の同価のカチオン基とアニオン基とを持つ)を有する
が、この種の薬物については、本発明における分類上カ
チオン基を有する薬物あるいはアニオン基を有する薬物
のどちらにみなして用いてもよい。
例えば、アンピシリン、スルファジメトキシンの場合
は、一価のカチオン基を有する薬物あるいは一価のアニ
オン基を有する薬物とみなせばよいし、メトトレキサー
トの場合は、二価のカチオン基を有する薬物あるいは2
価のアニオン基を有する薬物とみなせばよい。
同様に、ネオカルチノスタチン、インシュリン等のポ
リペプチドや、インターフェロンなどのように、その分
子内に塩基性アミノ酸等のカチオンとシアル酸や酸性ア
ミノ酸等のアニオンの両方を有する薬物の場合には、本
発明における分類上は、カチオン基を有する薬物あるい
はアニオン基を有する薬物のどちらにみなして用いても
よい。ただし分子全体としてみたときに、分子の荷電状
態に対しカチオン基の寄与が大きくカチオン性薬物とし
てみなされる場合にはカチオン基を有する薬物の分類
に、逆の場合にはアニオン基を有する薬物の分類に、そ
れぞれみなした方が望ましい。また何価のイオン基を有
する薬物とみなすかについては、寄与の大きな荷電側の
イオン当量合計数を採用すれば良い。
更に、アニオン性またはカチオン性脂質(荷電脂質)
使用量の効果と荷電脂質の種類に基づく効果について、
より詳細に説明する。例えば、ドキソルビシン(一価カ
チオン)の場合には、ホスファチジルグリセロール(一
価アニオン)、ホスファチジルセリン(一価アニオン)
などのアニオン性一価荷電脂質をモル比で薬物に対し2
倍以上、好ましくは3倍以上、ホスホマイシン(二価ア
ニオン1個)の場合には、ステアリルアミン(一価カチ
オン)などのカチオン性一価荷電脂質をモル比で薬物に
対し4倍以上、好ましくは6倍以上、また、ゲンタマイ
シン(一価カチオン3個)の場合には、ホスファチジル
グリセロールをモル比で薬物に対し6倍以上、好ましく
は、9倍以上使用すれば良い。
このように、一般的には添加荷電脂質量をイオン当量
換算した当量比でイオン性薬物量に対し2倍以上好まし
くは3倍以上用いることによりリポソーム中への薬物保
持率を高めることができる。
[発明の効果] 本発明により従来のものには見られなかったような薬
物高保持率のリポソームを製造することができ、本発明
は薬物高保持率リポソームの製造法として極めて優れた
ものである。
又、本発明の製造法は極めて簡便である為、ネオカル
チノスタチン、インシュリン等のポリペプチド医薬、イ
ンターフェロン、腫瘍壊死因子、上皮成長因子、インタ
ーロイキン等の熱や乳化・撹拌などの機械的せん断力に
対し不安定な薬物を高率に保持するリポソームの製造法
としても優れたものである。
[実施例] 次に、本発明を実施例により説明するが、これらは本
発明を限定するものではない。なお、基本的な調製方
法、分析方法等は同じなので、始めにまとめて例示して
おく。
(1)空リポソーム水分散液の調製方法 脂質膜成分をガラス製容器にとり、一旦クロロホルム
−メタノール混液で完全に溶解させた後、窒素ガス気流
下あるいは減圧下で有機溶媒を留去し、デシケータ(減
圧)中で更に乾燥させた。次に、ほぼ生体の浸透圧に等
張化させた緩衝液を加え、穏やかに加温しながらボルテ
ックスミキサーあるいはアジホモミキサーにて撹拌後、
リポソーム粗分散液を得た。
つぎに、このリポソーム粗分散液を更に一定孔径のポ
リマーボネート製メンブランフィルターで高圧下濾過
し、粒子径が一定のリポソーム水分散液とした。
(2)凍結乾燥空リポソーム製剤の製造法 (1)で得たリポソーム水分散液をバイアルに一定量
ずつ小分け充填し半打栓後、あらかじめ棚温度を−40℃
に冷却しておいた凍結乾燥器に入れ、通常の凍結乾燥条
件により試料を凍結乾燥させた。乾燥後、窒素置換して
打栓をし、空リポソームの凍結乾燥製剤とした。
(3)噴霧乾燥空リポソーム製剤の製造法 (1)で得たリポソーム水分散液を噴霧乾燥機にて溶
媒を留去後、その乾燥粉末を一定量ずつ小分け充填し打
栓をしてリポソームの噴霧乾燥製剤とした。
(4)薬物含有リポソームの製造法 上記で得たリポソームの凍結乾燥製剤又は噴霧乾燥製
剤に一定濃度の薬物水溶液を加えて復水させ、薬物含有
リポソーム水分散液を得た。
(5)粒子径の測定 上記(2)又は(3)で得たリポソームの凍結乾燥製
剤又は噴霧乾燥製剤に注射用蒸留水を加えて復水させた
リポソーム水分散液及び上記(4)の薬物含有リポソー
ム水分散液につき準弾性光散乱法によりリポソームの粒
子径を測定した。結果を表1に示した。
(6)薬物保持率の測定 上記(4)の薬物含有リポソーム水分散液につき超遠
心分離法によりリポソーム分画を得、薬物のリポソーム
への保持率を分光光度計を用いて測定した。結果を表1
に示した。
表1から明らかなように、本発明の製造法により薬物
保持率の高いリポソーム製剤を製造することができ、し
かもそのリポソーム製剤の粒子径は非常に良く制御され
ていることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−50912(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正又は負に荷電したリポソームの凍結乾燥
    製剤又は噴霧乾燥製剤をそのリポソームの荷電とは逆に
    荷電した薬物を含有し該薬物以外のイオン濃度が40mM以
    下の水溶液と処理することを特徴とするリポゾーム水分
    散液の製造法。 但し、該製造法において、正に荷電したリポソームにお
    いては該リポソームの膜構成成分の合計量に対してカチ
    オン性脂質をモル分率で10〜30%使用し、又負に荷電し
    たリポソームにおいては該リポソームの膜構成成分の合
    計量に対して酸性リン脂質以外のアニオン性脂質をモル
    分率で10〜30%使用するか或いは該合計量に対し酸性リ
    ン脂質をモル分率で10〜100%使用し、且つ薬物の使用
    量に対するリポソームの荷電脂質の使用量はイオン当量
    比で2倍以上である。
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