JP2609183B2 - リポソーム製剤 - Google Patents

リポソーム製剤

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JP2609183B2
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清人 谷内
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第一製薬株式会社
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膜成分がアニオン性リ
ン脂質及びコレステロールからなり、カチオンを有する
水溶性薬物を含有することを特徴とするリポソーム製剤
に関する。本発明のリポソーム製剤は薬物の保持率及び
血中での安定性、更には保存時での安定性に優れたもの
である。
【0002】
【従来の技術】リポソームは生体膜モデルとして広く利
用されているとともに、近年話題となっているドラッグ
・デリバリー・システム(Drug Delivery
System,DDS)の代表例としてそのドラッグ
・キャリヤーへの応用研究も精力的になされている。
【0003】しかしながら、リポソームに水溶性薬物を
保持させようとしても、その保持率は一般に低い(通常
0.1〜20%)。この理由としては、i)低分子量の
水溶性薬物のリポソームへの保持様式が、基本的にはリ
ポソーム内水相と外水相とで濃度が同一に分配すること
によってなされていること、かつii)リポソームが個
々の粒子として安定に水性溶媒中に存在するには、必然
的にリポソームの外側に分散媒として水性溶媒の存在を
必要とすること、の2点が挙げられる。
【0004】以上から、水溶性薬物をリポソームに保持
させた場合には、その保持率を高率、特に100%近く
することは非常に困難であると考えられてきた。このよ
うな水溶性薬物あるいは膜親和性の小さい薬物の保持率
を上げる方法としては、a)逆相蒸発法(プロシィーデ
ィング・ナショナル・アカデミィ・サイエンスィズ・ユ
ーエスーエイ、75巻、4194頁、1978年)、
b)薬物自身の化学修飾法(インターナショナル・ジャ
ーナル・オブ・ファーマシューティクス、14巻、19
1頁、1983年;ジャーナル・オブ・ファーマコバイ
オ・ダイナミクス、7巻、120頁、1984年;ケミ
カル・アンド・ファーマシューティカル・ブレタン、3
6巻、3574頁、1988年)、c)他の助剤等を用
いる方法(ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル
・サイエンスィズ、71巻、958頁、1982年;ド
ラッグ・ディベロプメント・アンド・インダストリアル
・ファーマシー、10巻、613頁、1984年)、
d)リポソームあるいはリポソーム膜自身の性質を変え
る方法(バイオキミカ・エト・バイオフィジカ・アク
タ、812巻、66頁、1985年;バイオキミカ・エ
ト・バイオフィジカ・アクタ、857巻、123頁、1
986年)、e)薬物の荷電と対となる荷電を有するリ
ン脂質を利用する方法(バイオケミカル・アンド・バイ
オフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ、10
7巻136頁、1982年;インターナショナル・ジャ
ーナル・オブ・ファーマシューティクス、17巻、13
5頁、1983年:特開昭62−87514号公報)な
どの例がある。
【0005】以上の如き従来の方法については、カチオ
ンを有する水溶性薬物をリポソームに効率的に保持させ
るものとして満足し得るものとは云えず、且つ医療用製
剤としての観点からの血中での安定性という点では全く
満足し得ないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、上記
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成し
た。
【0007】
【発明の構成】本発明は、膜成分がアニオン性リン脂
質、コレステロール及び所望により中性リン脂質からな
り、カチオンを有する水溶性薬物を含有する多重層のリ
ポゾーム製剤であって、前記膜成分中のコレステロール
及び中性リン脂質のモル分率がそれぞれ30〜60%、
0〜40%で、前記アニオン性リン脂質と薬物とのモル
比が2以上で、水性溶媒中の薬物以外の電解質の総濃度
が40mM以下であることを特徴とするリポソーム製剤
に関する。
【0008】本発明にかかわるアニオン性リン脂質とし
ては、フォスファチジン酸、フォスファチジルグリセロ
ール等を、更に詳しくはジミリストイルフォスファチジ
ルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセ
ロール、卵黄、大豆のごとき天然物質由来のホスファチ
ジルグリセロール、完全水素添加ホスファチジルグリセ
ロール、ジステアロイルホスファジルグリセロール等の
炭素数10〜30程度の飽和又は不飽和の直鎖状又は分
枝状の脂肪酸残基を、好ましくは炭素数14〜16程度
の飽和の直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基及び炭素数14
〜20程度の不飽和の直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を
有するアニオン性リン脂質を、好適な例としてはジミリ
ストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイル
ホスファチジルグリセロール、卵黄由来のホスファチジ
ルグリセロール等をあげることができる。該アニオン性
リン脂質の使用量は薬物に対し通常2倍モル以上、好ま
しくは3倍モル〜20倍モルの範囲である。
【0009】又、本発明にかかわるリポソーム膜の構成
成分であるコレステロールの使用量は、通常使用した膜
構成成分の合計量に対し、モル分率で30〜60、好ま
しくは40〜55%程度の範囲である。
【0010】本発明にかかわるリポソーム膜の構成成分
については、上記二成分以外にホスファチジルコリン、
スフィンゴミエリン等の中性リン脂質、α−トコフェロ
ール等の抗酸化物を添加してもよく、前記中性リン脂質
の使用量は通常使用した膜構成成分の合計量に対し、モ
ル分率で0〜40の範囲であり、又、前記抗酸化剤の使
用量は使用した膜構成成分の合計量に対し、モル分率で
通常5%程度以下にするのが適当である。
【0011】次に、本発明にかかわるリポソーム製剤の
水性溶媒について説明する。本水性溶媒のpHはリポソ
ームや薬物の安定性から通常3〜8程度であり、リポソ
ームの安定性からすると6〜8が好ましいが、薬物が安
定性を示すpHは各々異なる為、リポソーム自体が安定
なpH領域と薬物の安定なpH領域から適宜本発明にか
かわるリポソーム製剤の水性溶媒のpHを決定すればよ
く、例えば塩酸ドキソルビシンの如き薬物を使用した場
合には、得られるリポソーム製剤の水性溶媒のpHは4
程度でよい。
【0012】このようなpHの調整に用いる酸として
は、塩酸、硝酸、臭化水素酸等の一価の無機酸、あるい
は乳酸、グリセリン酸、酢酸等の一価の有機酸を、好ま
しくは塩酸、乳酸を例示することができ、また塩基とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム等の一価の水酸化物、あるいはトリエチルアミン、
トリメチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルア
ミン、トリスアミノメタン等の一価のアミン類を、好ま
しくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムをあげること
ができ、更には二価あるいは三価イオンを含む酸である
第一リン酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム等も、使用することができる。
【0013】又、本水性溶媒の電解質イオン濃度は可及
的少量にすることが望ましく、一般的には薬物を除いた
イオンの総量で約40mM以下にすることが好適であ
る。更に、本水性溶媒の浸透圧については、体液と同程
度の浸透圧が好ましく、それに使用される等張化剤とし
ては、グリセロール、プロピレングリコール等の多価ア
ルコール類やマンニトール、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等
の糖類が好ましい。
【0014】次に、本発明にかかわるリポソームについ
て説明する。本発明にかかわるリポソームの粒子径は血
液中での安定性という観点から通常50〜1000n
m、好ましくは60〜300nm、特に好ましくは70
〜200nm前後のものをあげることができる。このよ
うなリポソームのサイジングについては超音波乳化機に
よる乳化処理やポリカーボネート製メンブランフィルタ
ーで高圧下濾過するイクストルージョン法等の通常の方
法を使用すればよい。又、本発明にかかわるリポソーム
は、血液中での安定性という観点から、その膜の枚数は
複数であることが望ましく、その枚数については特に限
定されない。このようなリポソームは通常上記の如きサ
イジングの方法、特にイクストルージョン法を適宜使用
することにより、製造することができる。
【0015】本発明にかかわるカチオンを有する水溶性
の薬物とは、水溶液中でカチオンを形成する水溶性の薬
物を意味し、その具体例としては、塩酸ドキソルビシ
ン、塩酸ダウノルビシン、エピルビシン、ピラルビシン
の如きアントラサイクリン系抗腫瘍剤、ゲンタマイシ
ン、ナイスタチン、アミカシン、ストレプトマイシンの
如き抗菌剤等をあげることができる。
【0016】次に、本発明のリポソーム製剤の製造法に
ついて説明する。即ち、種々の公知の方法例えば、ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー、13巻、
238頁(1965年)に開示された方法に従い、上述
の如きリポソームの膜成分物質をクロロホルム、メタノ
ール等の適当な有機溶媒にまず溶解させ、溶媒を留去し
てリピッドフィルムを形成させる。ここで、上記の如き
薬物はあらかじめ膜成分物質とともに加えておく方が効
率の面からは都合が良いが、後から加える水性溶媒にあ
らかじめ溶解させておいても良い。次に、このリピッド
フィルムに、上記の電解質イオン濃度を総量40mM以
下とした水性溶媒を加えてリピッドフィルムを水和、膨
潤させ、更にボルテックスミキサーやアジホモミキサー
などの乳化機を用いて懸濁させリポソームの粗分散液を
製造する。この時、水性溶媒の温度は高いほど乳化の効
率は良いが、極端に高い場合には主薬の化学的分解を生
ずる場合もあるので留意する必要があり、好ましくは5
0〜70℃の温度が使用され得る。ここで加える水性溶
媒については、リン酸、乳酸の如き緩衝化剤を含んでも
よく、その電解質イオン濃度は上述の如く薬物を除いた
総量で40mM以下とした上でpHを通常3〜8の範囲
で適宜選択すればよく、例えば薬物として塩酸ドキソル
ビシンを使用した場合4程度に調整したものを用い、他
の成分としては等張化剤として上述の如く多価アルコー
ルまたは糖類を添加すればよい。なお、ここで得られる
リポソームの粗分散液は、他の公知のリポソーム製造方
法(アニュアル・レビュー・オブ・バイオフィジックス
・アンド・エンジニアリング、9巻、467頁、198
0年;特開昭60−7932号;特開昭60−7933
号;特開昭60−7934号;特開昭60−12127
号;特開昭62−152531号)に従って製造しても
良い。
【0017】このようにして得られる粗分散液中のリポ
ソーム粒子径は通常1μm前後であることから、所望に
より次に示すサイジンクの工程を経て、更に粒子径が小
さく均一化されたリポソーム分散液とすればよい。具体
的には上述の如き超音波乳化機、マントンガウリン型乳
化機、マイクロフルイダイザー等の乳化機による乳化処
理及び/または一定孔径のポリカーボネート製メンブラ
ンフィルターで高圧下濾過するイクストルージョン法処
理によってサイジングを行なえば良い。
【0018】通常、本発明に係るリポソーム膜の処方で
あれば、孔径0.2μmのポリカーボネート製メンブラ
ンフィルターにリポソームの粗分散液を1ないし2回高
圧下で通すことにより、目的とする膜枚数で粒子径が5
0〜200nmのリポソームを得ることができる。尚、
フィルター上には残渣がほとんど残らないことは容易に
観察可能であり、又膜枚数が複数であることは、電子顕
微鏡による観察や、水溶性モデル薬物で得た保持容量L
(リットル)/M(モル)と粒子径から計算で求めた推
定値によって確認することができる。更に、孔径0.2
μmのフィルターに通す前に、より大孔径(例えば0.
6μm)のフィルターに一度通すことにより、粗大粒子
の予備サイジングや異物・不溶物等の除去等をあらかじ
め行っておけば一層好ましい。前記のサイジングの際
の、水性溶媒の温度は、一般に高いほど効率が良いが、
極端に高い場合には主薬の化学的分解を生ずることがあ
るので留意する必要があり、好ましくは50〜70℃が
適している。
【0019】このようにして得られたリポソーム分散液
はそのまま最終製剤工程に入るが、その前に、前記の如
き水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの低濃度水溶液を
用いて所望のpHに調整しなおしても良い。なお、薬物
を除いた電解質イオン濃度は総量で40mM以下にする
ことが望ましいことは云うまでもない。最終工程の始め
としては、通常濾過除菌操作が行なわれる。具体的に
は、上記の如くして得られたリポソーム水分散液を0.
4μmないし0.2μm孔径のメンブランフィルターに
通せば良い。次に、本発明にかかわるリポソーム製剤が
水分散製剤を目的とする場合には、このまま一定量ずつ
アンプル等の容器に小分け充填した後密封すれば良く、
凍結製剤を目的とする場合には、密封後凍結温度が−5
〜−80℃、好ましくは−30〜−40℃で凍結すれば
良く、更に、凍結乾燥製剤を目的とする場合には、バイ
アル等の容器に小分け充填した後通常の凍結乾燥操作を
行えば良い。凍結乾燥における望ましい操作としては凍
結温度が−5〜−80℃、好ましくは−30〜−40℃
で急速に凍結させること及び0.1Torr以下の減圧
条件で水を昇華させることをあげることができる。また
噴霧乾燥製剤を目的とする場合には、上記のリポソーム
水分散液を噴霧乾燥にて溶媒を除去した後、無菌的にバ
イアル等に粉末小分け、密封すれば良く、噴霧乾燥にお
ける望ましい操作としては、入り口温度を110〜20
0℃、好ましくは120〜150℃にすることをあげる
ことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明により極めて薬物の保持率の高い
リポソーム製剤を再現性良く得ることができ、更に本発
明のリポソーム製剤は血中での安定性が非常に高く、し
かも、水分散製剤や凍結乾燥製剤に拘わらず保存時での
リポソームの安定性及び薬物の保持率に優れていた。し
たがって、本発明はリポソーム製剤として極めて優れた
ものである。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、こ
れらは本発明を限定するものではない。なお、基本的な
調製方法、分析方法等は同じなので、始めにまとめて例
示しておく。
【0022】使用薬物:塩酸ドキソルビシン、硫酸アミ
カシン、硫酸ストレプトマイシン。リポソーム粗分散液
の調製方法 1.有機溶媒法a 脂質膜成分と薬物をガラス製容器にとり、いったんクロ
ロホルム−メタノール混液で完全に溶解させた後、窒素
ガス気流下あるいは減圧下で有機溶媒を留去しデシケー
ター(減圧)中で更に乾燥させた。次に、ほぼ生体の浸
透圧に等張化させた乳酸緩衝液(9mM)を加え、穏や
かに加温しながらボルテックスミキサーあるいはアジホ
モミキサーにて攪拌後、リポソーム粗分散液を得た。 2.有機溶媒法b 脂質膜成分をガラス製容器にとり、いったんクロロホル
ム−メタノール混液で完全に溶解させた後、窒素ガス気
流下あるいは減圧下で有機溶媒を留去しデシケーター
(減圧)中で更に乾燥させた。次に、薬物を溶解させた
ほぼ生体の浸透圧に等張の前記緩衝液を加え、穏やかに
加温しながらボルテックスミキサーあるいはアジホモミ
キサーにて攪拌後、リポソーム粗分散液を得た。 3.多価アルコール法 ガラス製容器にグリセリンを一定量とり、これを加熱し
た後、脂質膜成分を膨潤、溶解せしめた。次に、この液
を50〜70℃に冷却せしめた後、これに薬物の濃縮水
溶液を加えて練合、混和した。次に、混和物に糖を含有
する前記緩衝液を加え、50〜70℃にて、アジホモミ
キサーにより攪拌した。なお、この時、最終水溶液の浸
透圧は生体の浸透圧にほぼ等しくなるよう調製した。リポソーム分散液の調製方法 1.超音波法a リポソーム粗分散液の入った容器にチップ型超音波乳化
機のチップを挿入し、リポソーム粒子径が50nm以下
となるまで乳化してリポソーム水分散液を得た。 2.超音波法b リポソーム粗分散液の入った容器にチップ型超音波乳化
機のチップを挿入し、リポソーム粒子径が50〜200
nmとなるまで乳化してリポソーム水分散液を得た。 3.マイクロフルイダイザー法a リポソーム粗分散液をマイクロフルイダイザーにかけ、
リポソーム粒子径が50nm以下となるまで乳化し、リ
ポソーム水分散液を得た。 4.マイクロフルイダイザー法b リポソーム粗分散液をマイクロフルイダイザーにかけ、
リポソーム粒子径が50〜200nmとなるまで乳化
し、リポソーム水分散液を得た。 5.イクストルージョン法a リポソーム粗分散液を孔径0.05μmのポリカーボネ
ート製メンブランフィルターで高圧下濾過し、粒子径が
50nm以下のリポソーム水分散液とした。 6.イクストルージョン法b リポソーム粗分散液を孔径0.2μmのポリカーボネー
ト製メンブランフィルターで高圧下濾過し、粒子径が5
0〜200nmのリポソーム水分散液とした。 分析方法 1.粒子径及び膜の枚数 薬物含有リポソームの水分散液、並びに凍結乾燥且つそ
の復水した分散液につき、準弾性光散乱法により、リポ
ソーム粒子径を測定した。又、各実施例で得られたリポ
ソーム膜の枚数が複数であることは電子顕微鏡及び水溶
性モデル薬物で得た保持容量(L/M)と粒子径から求
めた推定値によって確認した。 2.主薬保持率 薬物含有リポソームの水分散液、並びに凍結乾燥且つそ
の復水した分散液につき、超遠心分離法により、薬物の
リポソームへの保持率を測定した。 3.血中での安定性 薬物含有リポソームにつき凍結乾燥して復水した分散液
を1.5mlを、ラット血漿中に5.8ml加え、37
℃1時間インキュベーション後の薬物のリポソームへの
保持率を上記と同様にして求めた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】1)DMPG :ジミリストイルホスファ
チジルグリセロール、DPPG :ジパルミトイルホス
ファチジルグリセロール、DSPG :ジステアロイル
ホスファチジリルグリセロール、水添PG :水素添加
ホスファチジルグリセロール、eggPC:卵黄由来ホ
スファチジリルコリン、DSPC :ジステアロイルホ
スファジルコリン、 2)ショ糖乳酸:9%ショ糖添加9mM乳酸緩衝液
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】表1〜表5に示すように、本発明のリポソ
ーム最終製剤は、塩酸ドキソルビシンや、硫酸アミカシ
ン、硫酸ストレプトマイシンを90%以上リポソームに
保持し、しかも血中でも安定であることが確認された。
【0030】なお、実施例3のリポソームの抗腫瘍効果
は、in vitro細胞増殖抑制効果(腫瘍細胞:P
388マウス白血病細胞、QG56ヒト肺偏平上皮癌細
胞、HOC−21ヒト卵巣癌細胞、MKN−28ヒト胃
癌細胞)、in vivo抗腫瘍効果(MH−134担
癌マウス)とも、フリーの塩酸ドキソルビシンと同等と
の結果が得られた。
【0031】また、ラットを用いた安全性試験では、心
電図上、臨床症状、血液化学検査等により、実施例3の
リポソームは、フリーの塩酸ドキソルビシンに比べ明ら
かに、心毒性、脱毛、下痢、血液毒性等を軽減すること
が確認できた。
【0032】以上、本発明のリポソーム製剤は、薬物を
再現性良く、その処方量の90%以上を保持し、血中で
の安定性が非常に高いことが明かとなり、しかも塩酸ド
キソルビシンを含有する場合には薬物自身が有する種々
の毒性を軽減できるものであることも明らかとなった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜成分がアニオン性リン脂質、コレステ
    ロール及び所望により中性リン脂質からなり、カチオン
    を有する水溶性薬物を含有する多重層のリポソーム製剤
    であって、前記膜成分中のコレステロール及び中性リン
    脂質のモル分率がそれぞれ30〜60%、0〜40%
    で、前記アニオン性リン脂質と薬物とのモル比が2以上
    で、水性溶媒中の薬物以外の電解質の総濃度が40mM
    以下であることを特徴とするリポソーム製剤。
  2. 【請求項2】 リポソームの粒子径が50〜1000n
    mである特許請求の範囲第1項記載のリポソーム製剤。
  3. 【請求項3】 リポソームの膜成分がアニオン性リン脂
    質、コレステロール及び所望により中性リン脂質からな
    り、該膜成分中のコレステロール及び中性リン脂質のモ
    ル分率がそれぞれ30%〜60%、0〜40%で、前記
    アニオン性リン脂質とカチオンを有する水溶性薬物との
    モル比が2以上で、水性溶媒中の薬物以外の電解質の総
    濃度が40mM以下であることを特徴とするリポソーム
    中でのカチオンを有する水溶性薬物の保持率改善法。
  4. 【請求項4】 リポソームの膜成分がアニオン性リン脂
    質、コレステロール及び所望により中性リン脂質からな
    り、カチオンを有する水溶性薬物を含有するリポソーム
    であって、前記膜成分中のコレステロール及び中性リン
    脂質のモル分率がそれぞれ30%〜60%、0〜40%
    で、前記アニオン性リン脂質と薬物とのモル比が2以上
    で、水性溶媒中の薬物以外の電解質の総濃度が40mM
    以下であることを特徴とするリポソーム製剤の血中での
    安定化法。
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