JP2599390B2 - 安定なリポソーム水分散液 - Google Patents

安定なリポソーム水分散液

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JP2599390B2 JP62158466A JP15846687A JP2599390B2 JP 2599390 B2 JP2599390 B2 JP 2599390B2 JP 62158466 A JP62158466 A JP 62158466A JP 15846687 A JP15846687 A JP 15846687A JP 2599390 B2 JP2599390 B2 JP 2599390B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、多価アルコール及び糖類を含有しイオン濃
度が20mM以下であるリポソームの水分散液に関する。本
発明の水分散液はリポソームの安定性に優れたものであ
る。
<従来の技術> 主として脂質よりなる二分子膜を有し、その内部に水
層を有する閉鎖小胞、即ち、リポソームは、広く生体膜
モデルとしてその物理化学的諸性質の研究に利用されて
きた。一方、リポソームはその内水層又は膜内に種々の
薬剤を保持することが可能であるためにドラッグキャリ
ヤーとしての応用研究が数多くなされてきた。更に近年
は、リポソーム自身が持つ保水、保湿効果を利用して化
粧品への利用も試みられている。
しかしながら、リポソームの構造は熱力学的には安定
なものではない場合が多く、懸濁液として調製しても通
常はリポソーム粒子同士の凝集、融合、更には沈殿物の
生成や不溶物の析出が比較的速やかに生じてしまうこと
が知られている。このような外観変化現象はリポソーム
製剤の商品としての価値を下げ、又、薬効発現に対して
もマイナスの効果を及ぼしかねない。即ち、凝集や融合
などにより、リポソームのみかけの粒子径が変化すれ
ば、それに伴って体内動態の変化、薬効発現の変化など
が起こることが当然予想される。従って、多くの研究者
によりリポソームの臨床への応用研究がなされているに
もかかわらず、いまだかつて大規模なリポソーム製剤が
商品化されえない一つの大きな要因が、このリポソーム
の製剤としての不安定さにある。
今までにもリポソームの保存状態における安定性につ
いて検討した報告はいくつかなされている。リポソーム
が水系溶媒中に分散した水分散系保存については、Crom
melin等の報告[インターナショナル・ジャーナル・オ
ブ・ファーマシューティクス、17、135−144(1983)]
がある。彼らは制癌剤ドキソルビシン含有リポソームを
0.01Mトリス−塩酸緩衝化生理食塩水(pH4)中で調製、
冷蔵庫(4〜6℃)保存、2ケ月間の安定性を薬物保持
率及び吸光度(粒子径変化のめやす)で検討した結果、
薬物保持率が徐々に減少したものの吸光度の変化はほと
んどなかったとしている。この他には、リポソームを標
的化製剤などのドラッグキャリヤーとして用いる際に動
物実験期間中の製剤の安定性を保証するものとして、せ
いぜい1週間程度の安定性(薬物のリポソームからの漏
れでチェック)をみている報告が散見されるにすぎな
い。このように従来リポソームは、水分散系保存におい
ては非常に不安定であり、長くても数ケ月程度の安定性
しか保証できない状況にあった。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、本発明を完成した。
<発明の構成> 本発明は、多価アルコール及びは糖類を含有したリポ
ソームの水分散液に関する。
本発明に係わる多価アルコールとしては、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、1,3−ブチレングリコール、ペンタエリスリトール
等を、好ましくは、グリセリン、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール400,ポリエチレングリコー
ル600等を例示することができる。これらの多価アルコ
ールの使用量については特に限定されず、通常リポソー
ムの水分散液1重量部に対し0.001〜2重量部、特にプ
ロピレングリコール、グリセリン等の場合には0.01〜0.
05重量部程度が好ましい。
又、糖類としては、ブドウ糖、ガラクトース、マンノ
ース、フルクトース、イノシトール、リボース、キシロ
ース等の単糖類、乳糖、ショ糖、セロビオース、トレハ
ロース、マルトース等の二糖類、ラフィノース、メレジ
トース等の三糖類、シクロデキストリン等の多糖類、キ
シリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトー
ル等の糖アルコールを、好ましくは乳糖、トレハロー
ス、マルトース、マンニトール等を例示することができ
る。これらの糖類の使用量は通常リポソームの水分散液
1重量部に対し、0.001〜0.3重量部、特に単糖類を使用
した場合には0.01〜0.15重量部程度が好ましい。
次に、本発明のリポソームの水分散液の製造法を説明
する。即ち、種々の公知の方法、例えば,ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジーVol 13,238頁(196
5)に開示された方法に従い、リポソームの膜成分物質
をクロロホルム等の適当な有機溶媒に溶解後、溶媒を減
圧留去してリピッドファイルを形成させ、これを水に懸
濁させ次いで、多価アルコール及び/又は糖類を添加す
ることにより本発明のリポソームの水分散液を製造する
ことができる。又、上記のようにして製したリピッドフ
ィルムを、多価アルコール及び/又は糖類を水に添加し
た水溶液に懸濁させることによっても本発明のリポソー
ムの水分散液を製造することができる。
上記膜成分物質については、ホスファチジルコリン、
ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジル
コリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシ
チン等に代表されるリン脂質の他、糖脂質、ジアルキル
型合成界面活性剤等の一種以上の混合物が主体となる。
そして、これに膜安定化剤としてコレステロール、コレ
スタノール等のステロール類を、荷電物質としてジセチ
ルホスフェート、ホスファチジン酸、ガングリオシド、
ステアリルアミン等を、更に酸化防止剤としてα−トコ
フェロール等を加えて膜成分物質を形成させても良い。
このようなリポソーム膜成分物質の成分の比率は何ら限
定されるべきものではないが、好ましくは脂質1重量部
に対し、ステロール類を0〜1重量部程度、荷電物質を
0〜0.2重量部程度加えるのが適している。
これらの膜成分物質の使用量は特に限定されず通常水
1重量部に対し、0.0001〜0.05重量部、好ましくは0.00
1〜0.008重量部である。
このようにして製されたリポソームの水分酸液につい
ては、そのpHを一価の塩基又は酸を用いて中性付近、好
ましくは6.0〜8.0程度に調節することがリポソームの安
定性から好ましい。
上記一価の塩基としては水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム等の水酸化物、トリエチルアミ
ン、トリメチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアミン等のアミン類を、好ましくは水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等を例示することができる。又、一価
の酸としては塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等
を、好ましくは塩酸、硝酸等を例示することができる。
又、リポソームの水分散液中に存在するリポソーム以外
のイオンについては一価のものが望ましく、その濃度は
可及的少量にすることがリポソームの安定性から望まし
く、具体的には約20mM濃度以下にすることが好ましい。
このようにして得られたリポソームの水分散液は必要
に応じて限外濾過膜法、例えば、ポリカーボネート製メ
ンブランフィルターを用いて粒径分布をコントロールす
ることも可能である。
本発明のリポソーム製剤に保持させる薬剤としては特
に制限はなく、シトシンアラビノシド、メトトレキセー
ト、アドリアマイシンに代表される制癌剤、アムホテリ
シンB、ゲンタマイシン、ピペラシリンなどの抗生物
質、グルタチオンなどの肝臓病薬、スーパーオキシドジ
スムターゼ、グルコアミラーゼなどの酵素、インターフ
ェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF)、上
皮成長因子(EGF)、エリスロポエチンなどの生理活性
物質、プロスタグランジン、ステロイドなどのホルモン
類、ムラミルジペプタイド、ムラミルトリペプタイド、
リンホカイン、レンチナンなどの免疫賦活剤、DNA、RNA
の如き核酸類、ビタミンA、C、Kに代表されるビタミ
ン類などの他、サリチル酸ナトリウムなどの一般薬剤を
あげることができる。これらの薬剤をリポソーム内に保
持させるには以下のようにすればよい。即ち、薬剤を水
に溶解させ、次いでこれにリピッドフィルムを懸濁させ
ればよく、又クロロフィル、グラミシジンS、ビタミン
A等に代表される膜親和性薬剤については、これを膜成
分物質と一緒に有機溶媒中に混合せしめ、次いで溶媒を
留去させ、得られるリピッドフィルムを水に懸濁させる
と薬剤の保持効率がよいリポソームの水分散液を得るこ
とができる。
<発明の効果> 本発明のリポソームの水分散液は、従来のものにはみ
られなかったような長期間のリポソームの安定性を示す
ものである。従って、本発明はリポソーム製剤として優
れたものである。
<実施例> 次に、本発明を対照例、参考例、実施例及び試験例に
より説明するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
対照例1 完全水添精製卵黄レシチン(IV=1、リン脂質99%以
上)31.2gを秤取し、アジホモミキサー内で、クロロホ
ルム100mlに溶解せしめた後、パドルミキサーによる撹
拌を行いながら、窒素ガスを送り溶媒を除去した。この
時、液体窒素で冷却したトラップを用いて溶媒をほぼ完
全に回収した。この時のアジホモミキサー内の温度は50
〜60℃の間であった。得られた乾燥ペースト状均一混合
物に、安息香酸ナトリウムを0.6%塩化ナトリウム水溶
液に0.5%の濃度になるように溶解させた水溶液2000ml
を60℃に保温して加え、充分に膨潤せしめた。温度を50
〜60℃の間に保ったまま、ホモミキサー及びパドルミキ
サーにより充分に撹拌し室温に房したところ、安息香酸
ナトリウムを保持した乳白色のリポソームの水分散液
(pH6.24)が得られた。得られたリポソームの水分散液
2をセロハンチューブ(直径12cm、長さ60cm、加熱処
理剤)2本を用いて透析(生理食塩水、10×4回5
℃、24時間)し、リポソームに保持されなかった安息香
酸ナトリウムを除去した。
対照例2 未水添精製大豆レシチン(リン酸脂質95%以上)0.92
g、コレステロール0.2g、ジセチルホスフェート0.0935
g、DL−α−トコフェロール0.149gを秤取し、ビーカー
内でクロロホルム50mlに溶解せしめた後、50〜60℃に加
温しながら窒素ガスで溶媒を除去した。得られた乾燥ペ
ースト状均一系混合物に、あらかじめ60℃に保温したリ
ン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)300mlを加え、充分に膨
潤せしめた。温度を50〜60℃の間に保ったまま、T.K.ホ
モミキサー(特殊機化工業社製)により充分に撹拌し、
この液を更に0.22μmのミリポア社製のメンブランフィ
ルターで押出濾過を行い、乳白色のリポソームの水分散
液を得た。
対照例3 完全水添精製大豆レシチン(リン脂質99%以上)7.37
g、コレステロール1.58g、ジセチルホスフェート0.74g
を秤取し、ビーカー内でクロロホルム50mlに溶解せしめ
た後、50〜60℃に加温しながら窒素ガスで溶媒を除去し
た。得られた乾燥ペースト状均一系混合物に、あらかじ
め60℃に保温したリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)300
mlを加え、充分に膨潤せしめた。温度を50〜60℃の間に
保ったまま、T.K.ホモミキサーにより充分に撹拌し、更
に0.6μmのミリポア社製メンブランフィルターで押出
濾過を行い、乳白色のリポソームの水分散液を得た。
参考例1 安息香酸ナトリウムを0.6%塩化ナトリウム水溶液に
0.5%の濃度になるように溶解させた水溶液の代りに、
安息香酸ナトリウムを1.77%プロピレングリコール水溶
液に0.5%の濃度になるように溶解させた水溶液を用い
る以外は、対照例1と同様に操作し、安息香酸ナトリウ
ムを保持した乳白色のリポソームの水分散液(pH6.2)
を得た。得られたリポソームの水分散液2を生理食塩
水の代りに2.3%プロピレングリコール水溶液を用いる
以外は対照例1と同様に透析を行い、リポソームに保持
されなかった安息香酸ナトリウムを除去した。
参考例2 リン酸緩衝化生理食塩水の代りに、0.28Mマンニット
水溶液を用い、T.K.ホモミキサーにより撹拌後、1Nの水
酸化ナトリウム水溶液1ml、0.1N水酸化ナトリウム水溶
液0.4mlと1N塩酸0.4mlでpH6.91に調整する以外は、対照
例2と同様に操作し、乳白色のリポソームの水分散液を
得た。
参考例3 リン酸緩衝化生理食塩水の代りに、2.2%プロピレン
グリコール水溶液を用い、T.K.ホモミキサーによる撹拌
後、0.1N水酸化ナトリウム12mlでpHを6.80にする以外
は、対照例2と同様に操作し、乳白色のリポソームの水
分散液を得た。
参考例4 参考例3で得たリポソームの水分散液50mlに0.22%プ
ロピレングリコール水溶液50mlを加え充分に撹拌し、白
色澄明のリポソームの水分散液を得た。
参考例5 参考例4で得たリポソームの水分散液50mlに0.22%プ
ロピレングリコール水溶液50mlを加え充分に撹拌し、青
白色澄明のリポソームの水分散液を得た。
参考例6 参考例5で得たリポソームの水分散液50mlに0.22%プ
ロピレングリコール水溶液50mlを加え充分に撹拌し、青
白色澄明のリポソームの水分散液を得た。
実施例1 参考例3で得たリポソームの水分散液50mlに0.28Mマ
ンニット水溶液50mlを加え充分に撹拌し、白色澄明のリ
ポソームの水分散液を得た。
実施例2 実施例1で得たリポソームの水分散液50mlに0.28Mマ
ンニット水溶液50mlを加え充分に撹拌し、青白色澄明の
リポソームの水分散液を得た。
実施例3 実施例2で得たリポソームの水分散液50mlに0.28Mマ
ンニット水溶液50mlを加え充分に撹拌し、青白色澄明の
リポソームの水分散液を得た。
実施例4 参考例3で得たリポソームの水分散液50mlに0.22%プ
ロピレングリコール水溶液50ml及び0.28Mマンニット水
溶液100mlを加え充分に撹拌し、青白色澄明のリポソー
ムの水分散液を得た。
実施例5 参考例3で、0.22%プロピレングリコール水溶液の代
りに、0.28Mマンニット水溶液を用いた以外は、参考例
3と同様に操作し、乳白色のリポソームの水分散液を得
た。この液50mlに0.29%グリセリン水溶液350mlを加
え、充分に撹拌し、青白色澄明のリポソームの水分散液
を得た。
試験例1 対照例1及び参考例1で得られたリポソームの水分散
液を無色ガラス製アンプルに5mlずつ窒素置換しながら
充填し、5℃及び25℃の恒温室内に水分散系状態のまま
保存し、外観変化を観察した。
対照例1で得られたリポソームの水分散液は、調製1
日後にはいずれの保存温度においても凝集沈降してい
た。又、これを再分散した後、広視野顕微鏡により観察
したところ、リポソームの粒子の凝集がみられた。これ
に対し、参考例1で得られたリポソームの水分散液は調
製後1日経時しても、いずれの保存温度でも沈降はみら
れず、均一な乳白色の懸濁状態であった。又、1年経時
後は沈降が認められたが、再分散させると元通りの均一
な乳白色の懸濁状態を呈し、広視野顕微鏡による観察で
もリポソームの凝集はみられず、プロピレングリコール
の添加が有効であることが示された。
試験例2 対照例2及び参考例2で得られたリポソームの水分散
液を無色ガラス製バイアルに2mlずつ窒素置換しながら
充填し、5℃の恒温室内に水分散系状態のまま保存し、
外観変化及び粒径変化を試験した。
対照例2で得られたリポソームの水分散液は、調製直
後は均一で、準弾性光散乱計による等加重平均粒子径
は、181±85nmであった。これを水分散系状態で1週間
保存したところ、凝集沈降が起こり、粒子径も大きすぎ
て準弾性光散乱計では測定不可能であった。
これに対し、参考例2で得られたリポソームの水分散
液は、調製直後は均一で、準弾性光散乱計による等加重
平均粒子径は166±61nmであった。これを水分散系状態
で2年7ケ月保存したところ、外観上保存開始時と比べ
まったく変化がなく、等加重平均粒子径も153±138nmで
ほとんど変化がなく、マンニットの添加が有効であるこ
とが示された。
試験例3 対照例3及び参考例3、4、5、6及び実施例1、
2、3、4で得られたリポソームの水分散液を無色ガラ
ス製バイアルに2mlずつ窒素置換しながら充填し、5℃
の恒温室内に水分散状態のまま保存し、外観変化及び粒
径変化を試験した。
対照例3で得られたリポソームの水分散液は、調製直
後は均一で、準弾性光散乱計による等加重平均粒子径
は、204±96nmであった。これを水分散系状態で1週間
保存したところ、凝集沈降が起こり、粒子径も大きすぎ
て準弾性光散乱計では測定不可能であった。
これに対し、参考例3で得られたリポソームの水分散
液は、外観上均一で、準弾性光散乱計による等加重平均
粒子径は、162±70nmであった。これを1年9カ月保存
したものは、外観上全く変化がなく、等加重平均粒子径
は268±240nmでリポソームの安定性に影響を及ぼすもの
ではなかった。又、参考例4、5、6及び実施例1、
2、3、4で得られたリポソームの水分散液は、実施例
3をただ単に希釈したものであり、調整直後の等加重平
均粒子径は参考例3のリポソーム液と同一であり、外観
上も均一であった。これらの経時後の実測値を表1に示
した。
これらの結果から明らかなように、いずれの実施例に
おいてもプロピレングリコール及び/又はマンニットの
添加が、リポソームの安定性に有効であることが示され
た。
試験例4 実施例5で得られたリポソームの水分散液を、無色ガ
ラス製バイアルに2mlずつ窒素置換しながら充填し、5
℃の恒温室内に水分散状態のまま保存し、外観変化及び
粒径変化を試験した。対照には、対照例3を用いた。
対照例3の安定性の結果は試験例3で示した通りであ
った。これに対し、実施例5で得られたリポソームの水
分散液は、青白色澄明で、かつ均一であり、準弾性光散
乱計による等加重平均粒子径は、157±77nmであった。
これを1年9ケ月保存したものは、外観上全く変化がな
く、等加重平均粒子径は199±154nmでリポソームの安定
性に影響を及ぼすものではなかった。
この結果から明かなように、グリセリンの添加がリポ
ソームの安定性に有効であることが示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−254523(JP,A) 特開 昭57−82310(JP,A) 特開 昭59−89620(JP,A) 特開 昭59−152321(JP,A) 特開 昭61−27918(JP,A) 特開 昭62−30708(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価アルコール及び糖類を含有しイオン濃
    度が20mM以下であるリポソームの水分散液
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