JP2599373Y2 - 直線作動ユニット - Google Patents

直線作動ユニット

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JP2599373Y2
JP2599373Y2 JP1991108172U JP10817291U JP2599373Y2 JP 2599373 Y2 JP2599373 Y2 JP 2599373Y2 JP 1991108172 U JP1991108172 U JP 1991108172U JP 10817291 U JP10817291 U JP 10817291U JP 2599373 Y2 JP2599373 Y2 JP 2599373Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はロボットや測定装置に
使用される直線作動ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】簡単なロボットの作動アームや測定装置
等に使用するため案内レールに案内されたナットブロッ
クがモータによって駆動されるねじ軸の回転に応じて所
定量軸方向に移動するようにされた直線作動ユニットと
しては、例えば実開昭63−193637号公報に示さ
れるものが知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】2つの可動部材が基準
線に対して対称に左右動することが測定装置等において
必要となるが、1つのナットブロックをねじ軸により移
動可能とした従来の直線作動ユニットでこのような動作
を実現しようとすれば、このユニットを2つ直列に設け
て一方のユニットの可動部材を軸方向の一方向に移動さ
せるとき他方の可動部材を一方の可動部材に対して所定
の相対関係をもってそれとは逆方向に夫々対応させて動
かすことが必要となる。このようなものでは2つの可動
部材の直進方向の精密な平行度及び、調整された位置関
係を保つことが困難であり高速作動させた場合、振動及
び騒音が発生し、可動部材の停止時の安定性が良くな
く、特にストロークが長いものでは振動が出やすいとい
う問題がある。
【0004】また2つのユニットを使うと部品点数が多
くなりどうしても軽量、コンパクト化はできず、高価と
なる問題点がある。
【0005】そこでこの考案は、上述の問題点に鑑み2
つの可動部材が調整された位置関係で1つの駆動手段に
より駆動される直線作動ユニットであって取扱い簡単に
して精度が良く、長ストロークであっても高速作動時の
振動による騒音が少なく及び可動部材の停止安定性の良
いコンパクトで安価な直線作動ユニットを提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案の直線作動ユニ
ットは、軸方向の転動体転動溝を両側面に有する長尺の
案内レールと、前記案内レールの軸方向に配設されかつ
前記案内レールに対して軸方向の移動を不能にかつ回転
自在に軸支されたねじ軸と、該ねじ軸に対して少なくと
もラジアル方向に相対運動可能な部材が該ねじ軸の振動
によって他部材と衝突し得る隙間を有して該ねじ軸に固
定された制振手段と、前記案内レールの転動体転動溝に
対向する転動体転動溝を有しかつ肉厚内に形成された転
動体の戻り通路を有し前記ねじ軸に摺動自在に螺合され
た第1のナットブロックと、前記案内レールの転動体転
動溝に対向する転動体転動溝を有しかつ肉厚内に形成さ
れた転動体の戻り通路を有し前記ねじ軸に摺動自在に螺
合された第2のナットブロックと、前記案内レールの転
動体転動溝とこれと対向する前記第1のナットブロック
の転動体転動溝及び前記第2のナットブロックの転動体
転動溝との間に夫々転動自在に嵌合され前記第1のナッ
トブロック及び前記第2のナットブロックを夫々前記案
内レールに対して軸方向に摺動自在に支持させる多数の
転動体と、前記案内レールの転動体転動溝とこれと対向
する前記ナットブロックの転動体転動溝とにより形成さ
れた通路であって前記ナットブロックからの負荷を受け
て転動する転動体用の通路と前記ナットブロックの転動
体の戻り通路とを連通させる転動体循環用湾曲通路を有
するエンドキャップとを備えた構成とすることによって
前記目的を達成したものである。
【0007】
【作用】この考案の直線作動ユニットは、ねじ軸に対し
て少なくともラジアル方向に相対運動可能な部材を有す
る制振手段を該ねじ軸に設け、このねじ軸に2つのナッ
トブロックを独立して螺合させると共に、案内レールに
設けた転動体転動溝とナットブロックに設けた転動体転
動溝との間に転動体を嵌合し、この転動体の転動を介し
てナットブロックが軸方向に摺動自在とされているので
ねじ軸を回転させた場合に2つのナットブロックが調整
された相対位置関係で作動する直線作動ユニットが得ら
れ、ねじ軸は制振手段の慣性体によって慣性力を及ぼさ
れているからねじ軸の軸芯に対して直角な方向、軸方向
及び回転方向等に慣性力が得られねじ軸の急激な変位を
妨げるからねじ軸の振動を低減することができる。そし
て慣性体はねじ軸に対して固定されておらず、高加速度
の振動に対して慣性体の振動がねじ軸の振動とは異なる
からねじ軸と慣性体の衝突が生じると軸の振動を打消す
ことができる。慣性体と軸との間に粘性体を介在させた
ものにあっては軸が振動する場合上記の慣性の影響の
他、粘性体の粘性により軸の振動を妨げる抵抗を軸に与
えることができねじ軸の振動を低減できる。そしてこの
ナットブロックは案内レールの軸方向に加工された転動
体転動溝に案内されて動くから両ナットブロックの作動
方向の平行度が確保できる。また、同じ案内レールに組
込まれているからかさばらず部品点数も少なくてすむ。
【0008】
【実施例】以下、この考案の第1の実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0009】案内レール1は、図1に示すように長尺の
レール部材で、横断面は上方が開口したコ字状で底部1
Aの両端から上方にのびる両側壁部1B、1Bの内面に
は夫々軸方向に延びる一本の転動体転動溝であるボール
転動溝2が夫々対向して形成されている(図6参照)。
そして底部1Aには案内レール取付けボルト用の円形の
ボルト穴3が軸方向に所定間隔離間された状態で両側壁
部1Bに近い位置に設けられている。この案内レール1
の長さ方向の右方の端部には、軸受板4がボルト5によ
ってねじ止めして取付けられている。案内レール1の左
方の端部には軸受板6がボルト38によってねじ止めし
て取付けられている。
【0010】第1のねじ軸7は外周面のほぼ全長にわた
って右ねじ部7Aを有し案内レール1の長手方向に配さ
れ案内レールの両側壁部1B、1Bに設けたボール転動
溝2、2と平行とされ両側壁部1B、1Bの中間位置に
配設されている。第1のねじ軸7の一方の端部は軸受板
4にボルト8を用いて取付けられたサポートユニットの
ハウジング9に嵌合されたボールベアリング(不図示)
に挿通されロックナット10により軸方向の移動を不能
にかつ回転自在に軸支されている。ハウジング9の外方
の端面にはボールベアリングの外輪側を固定するための
押え蓋11がボルト12によって固定されている。第2
のねじ軸13は外周面のほぼ全長にわたって左ねじ部1
3Aを有し、第1のねじ軸7と同一軸芯を有して軸方向
に配設されている。サポートユニットに軸支された第1
のねじ軸の端部とは反対側の端部とこれと対向する第2
のねじ軸の一方の端部は第1のねじ軸7に対して第2の
ねじ軸13の回転方向の位相を調整した位置でカップリ
ング16を介して互いに固定されている。カップリング
16とねじ軸の端部との固定はカップリング16に螺合
された止めねじ39を締め付けることにより行われる。
第2のねじ軸13の他方の端部は軸受板6に嵌合された
ベアリングに挿通され軸端に止め輪14を係合させるこ
とによりベアリングの抜け止めがなされこの状態で第2
のねじ軸13の端部が支持されている。第1のねじ軸の
右ねじ部分7Aと第2のねじ軸の左ねじ部分13Aはほ
ぼ等しい長さを有している。第1のねじ軸の軸端7Bは
駆動モータと連結される継手を取付けるための軸部であ
り、その継手を介してモータにより第1のねじ軸7ガ回
転駆動される。
【0011】前記第1のねじ軸の右ねじ部7Aには第1
のナットブロック15が螺合しており、前記第2のねじ
軸の左ねじ部13Aには第2のナットブロック28が螺
合している。第1のナットブロック15の下側部分はコ
字状の案内レール1に入り込んでおり、案内レールのボ
ール転動溝2に対向する位置にボール転動溝17が形成
されている。第1のナットブロック15の肉厚内にはボ
ール転動溝17に対応させてボール戻り通路18が軸方
向の貫通穴として形成されている。第1のナットブロッ
ク本体15Aには第1のねじ軸の右ねじ部7Aに転動体
であるボール19を介して螺合される右ねじのねじ部2
0が形成されている。このナットブロック本体15Aの
両側端部は上方に延びておりその上面には使用に当って
ユーザーがテーブル等の部材を取付けるためのねじ穴2
1が設けられている(図7参照)。このナットブロック
本体15Aの上面中央部には凹所22が形成されており
その底部にはボール循環チューブを差し込む穴23が穿
設されている。この穴23にコ字状のボール循環チュー
ブ36が差し込まれ、このボール循環チューブ36によ
りボール19を循環させる通路が形成されている。この
ボール循環チューブ36は第1のナットブロック本体1
5Aに設けられたねじ穴24に螺合するボルト37によ
って金具25を介して固定されている。第1のナットブ
ロック本体15Aの端面に設けられたねじ穴26は後述
のエンドキャップ27を取り付けるためのものである。
第2のナットブロック28は第2のねじ軸のねじ部13
Aとボールを介して螺合するねじ部が左ねじとされてい
る点のみが異なるだけであり、第1のナットブロック1
5と同様の構成を有するものであるから詳しい説明は省
略する。
【0012】エンドキャップ27は第1のナットブロッ
ク本体15A及び第2のナットブロック本体28Aの夫
々の両端に設けられたねじ穴26の入口部分を大径に座
ぐった嵌合穴31にそれぞれエンドキャップの端面に筒
状に突出させた突出部30を嵌合させて位置決めされ、
このエンドキャップ27の外側にはサイドシール35が
当接された状態とされサイドシール35を介してねじ3
2によりエンドキャップ27は固定されている。このサ
イドシール35は案内レールのボール転動溝2又はねじ
軸のねじ部7A、13Aに付着したごみが内側のボール
の転動部分に入らないようにするものである。第1のナ
ットブロック本体15A及び第2のナットブロック本体
28Aに当接するエンドキャップ27の接合端面には案
内レールのボール転動溝2とこれに対向する第1のナッ
トブロック及び第2のナットブロックの夫々のボール転
動溝17とにより形成された負荷を受けて転動する転動
体用の通路と第1のナットブロック及び第2のナットブ
ロックの夫々のボールの戻り通路とを連通させるボール
循環用湾曲通路33が形成されている。ボール循環用湾
曲通路33の内側部分には転動するボールの内側部分の
案内となるリターンガイド34がはめ込まれている。
【0013】第1のナットブロックと第2のナットブロ
ックのボール転動溝17と案内レールのボール転動溝2
の間には夫々多数のボール29が転動自在に嵌合されて
いる。
【0014】サイドシール35は第1のナットブロック
15及び/又は第2のナットブロック28がモータの暴
走等により軸受板4及び/又は軸受板6又はカップリン
グ16に衝突するようなときの衝撃を吸収するゴム材か
らなる環状の突出部を有して構成され、この突出部はク
ッションとして機能する。
【0015】第1のナットブロック15は第1のねじ軸
の右ねじ部7Aと螺合しており、第2のナットブロック
28は第2のねじ軸の左ねじ部13Aと螺合しているか
ら、第1のねじ軸7を右回転させると第1のナットブロ
ック15と第2のナットブロック28は互いに遠ざかる
方向に移動する。この時ナットブロックのボール転動溝
17と案内レールのボール転動溝2との間にはボール2
9が転動自在に嵌合されており、ナットブロックはボー
ルの転動を介して支持されているからナットブロックの
摺動抵抗が小さくでき容量の小さなモータが使用でき
る。
【0016】ナットブロックの移動にともなってボール
29が転動しボール29はエンドキャップの湾曲通路3
3と戻り通路18からなる循環路内を循環する。ナット
ブロックのねじ部とねじ軸のねじ部の間にはボール19
が嵌合されてボールねじが構成され、ねじ軸の回転によ
りボール19はナットブロックの移動にともなってねじ
軸のねじ部とナットブロックのねじ部の間を転動しなが
ら移動しボール循環チューブ内に押し出されたボールは
ボール循環チューブ内を循環する。
【0017】また上述の回転とは逆に第1のねじ軸7を
左回転させると前記と逆の動きが得られ第1のナットブ
ロック15と第2のナットブロック28は互いに近づく
方向に移動する。この考案の直線作動ユニットは第1の
ねじ軸7と第2のねじ軸13が制振手段付きのカップリ
ング16により固定されている。このカップリング16
は中空円筒状の部材でこの中空の穴に第1のねじ軸7と
第2のねじ軸13が回動可能に嵌合している。このカッ
プリング16の両端部の外周面にはねじ穴40が設けら
れ、このねじ穴に止めねじ39が螺合されており、カッ
プリング16に対して両ねじ軸7、13を所定量回転さ
せた位置で固定することができる。したがって第1のね
じ軸7に対する第2のねじ軸13の位相の調整がねじ軸
のピッチより小さい任意の寸法について可能である。こ
のような構成とされているから第1のナットブロック1
5を案内レール1に対して所定の位置に設定したばあ
い、第2のナットブロック28が所定の位置からずれて
いてもカップリングの止めねじ39をゆるめねじ軸を回
転させ、第2のナットブロック28を第1のナットブロ
ック15に対して所定の関係位置となるように調整し、
この位置で止めねじ39を締め付けて第1と第2のねじ
軸を固定すればよい。この場合、第1のねじ軸7と第2
のねじ軸13の端部には六角穴41、42が設けられて
おり、この六角穴41、42に六角レンチを差し込んで
六角穴41側の六角レンチを手で押えて第1のねじ軸が
回転しないようにし、六角穴42側の六角レンチで第2
のねじ軸を回転させることにより第2のナットブロック
28の位置調整が容易におこなえる。
【0018】図11に於いてボールベアリング51の外
輪52の外周部を環状部材48に接着により固定して慣
性体53を形成し、ボールベアリングの複数のボール5
4と共にねじ軸7、13に対して相対運動可能とされて
おり、ボールベアリングの内輪50の内周部をカップリ
ング16の外周部に接着により固定して、制振手段49
を構成している。この制振手段のボールベアリング51
は内輪50と他の慣性体であるボール54又はボール5
4と外輪52との間にわずかな隙間が有り、その隙間の
分だけ慣性体53又はボール54が僅かに移動すること
ができる。低加速度の振動に対しては慣性体53及びボ
ール54がねじ軸7、13の軸芯に対して直角な方向、
軸方向及び回転方向等に慣性力を及ぼし慣性体53がカ
ップリング16に対して相対移動することなくねじ軸
7、13の振動を低減することができる。高加速度の振
動に対してはねじ軸7、13がねじ軸7、13の軸芯と
直角な方向に変位するとボール54A又は54Bを介し
て慣性体53が力を受け慣性体53はねじ軸7、13の
変位の方向と同じ方向に変位するがねじ軸7、13の振
動周期と慣性体53の振動周期は一般に異なるから慣性
体53はボール54A又はボール54Bを介してねじ軸
7、13に衝突してねじ軸7、13の振動が妨げられ
る。このねじ軸7、13に加わる振動の周期がほぼ一定
であるときにはねじ軸7、13の振動を打消すように慣
性体53の質量を決めてねじ軸7、13の軸芯と直角な
方向の振動を吸収させることができる。ねじ軸7、13
がねじ軸7、13の軸方向に振動する場合は慣性体53
がボール54を介して力を受けるが慣性体53はボール
54に衝突し、ねじ軸7、13の軸芯と直角な方向の振
動と同様な作用でねじ軸7、13の軸方向の振動が低減
される。また以上のように振動を低減した結果ナットブ
ロック15、28が完全に静止するまでの時間が極めて
短くできる。慣性体53の環状部材48の形状、質量は
直線作動ユニットの作動条件に合せて実験により適切な
ものを選定すれば良い。慣性体53は軸芯に対して不釣
合のないようにすることが必要であるがこの第1の実施
例では慣性体53がボールベアリング51により支持さ
れているから不釣合の調整が容易である。即ち不釣合が
あればその部分が常に下方に来て止まるから回転させて
見て不釣合があれば不釣合部分を切削により除去してバ
ランスを取ることが容易である。
【0019】この第1の実施例の場合ボールベアリング
の内輪50をカップリング16に、外輪52を環状部材
48に固定したが図12に示すようにボールベアリング
の内輪50とカップリング16との間にわずかな隙間を
設けて内輪50の両側を止め輪56により保持し、かつ
ボールベアリングの外輪52と慣性体57との間にわず
かな隙間を設けて外輪52の両側を止め輪58により保
持してもよい。この場合内輪50と外輪52の幅と止め
輪56及び58との間にもわずかな隙間が設けてある。
したがって図11の実施例に於いては内輪50とボール
54又は外輪52とボール54の2ヶ所で衝突が発生す
るのに対してこの実施例の場合にはさらに内輪50とカ
ップリング16及び外輪52と慣性体57の2ヶ所の衝
突が加わり4ヶ所の衝突となる。この4ヶ所の衝突にな
ることによってカップリング16により固定されたねじ
軸7、13の振動を2ヶ所の衝突の場合よりも広い周波
数範囲に亘って低減することができる。すなわち質量の
小さい部材は固有振動数が高く質量が大きくなると固有
振動数が低くなるというように部材の固有振動数はその
質量によって変ってくるので個々の部材が夫々ねじ軸に
対して慣性力を及ぼし質量の異なる部材が多ければナッ
トブロックの移動により変化する振動を低減できる。
【0020】図13に示した第2の実施例ではリング状
の慣性体59が挿通穴60にカップリング63を挿通し
た後止め輪56によって保持されている。挿通穴60の
径はカップリング63の外径よりもごくわずか大きくさ
れており、また慣性体59の幅と止め輪56との間に隙
間を設けている。このように慣性体59はカップリング
63に対して、すなわちカップリング61により固定さ
れた2つのねじ軸7、13に対して直角の方向及び軸方
向に隙間分だけ移動可能とされている。従ってカップリ
ング63と慣性体59との衝突によって第1の実施例と
同様な理由により制振作用が得られねじ軸7、13の軸
芯と直角な方向の振動が低減できる。また慣性体59と
止め輪56との衝突によっても同様に制振作用が得られ
ねじ軸7、13の軸方向の振動についても低減できる。
【0021】本実施例の直線作動ユニットの右ねじのピ
ッチと左ねじのピッチは等しくされており、夫々のナッ
トブロックは寸法的に同じものが用いられている。この
ため送りねじを回転させた時の夫々のナットブロックの
移動は方向が反対で速度が等しく、ナットブロックの重
量が等しいのでナットブロックの停止時の振動が相殺さ
れ短時間の位置決めが可能となる利点がある。
【0022】また、第1のナットブロック15を案内す
る案内レール1のボール転動溝の部分と第2のナットブ
ロック28を案内する案内レールのボール転動溝の部分
とを有するボール転動溝2は溝の加工におけるワークの
セットが同一セットのまま全長にわたって加工された溝
であるため真直度と平行度等が精密であり夫々のナット
ブロックの移動軸芯のずれが生じないから両ナットブロ
ックの移動精度が確保される。
【0023】なお、上記実施例においては送りねじとし
てボールねじを用いた場合について説明したがボールね
じの代りにすべりねじを用いてもよく又、この実施例で
は両内側面にボール転動溝を形成した案内レールを用い
た例を示したが、案内レールの両外側面にボール転動溝
を設けた案内レールを用いる構成とすることもできる。
【0024】また、上述の実施例では第1のねじ軸の右
ねじ部7A、第2のねじ軸の左ねじ部13Aのピッチを
等しくした例について述べたが必要に応じて両ねじ部の
ピッチを異ならせる構成とすることもできる他、第1の
ナットブロックに左ねじを用い第2のナットブロックに
右ねじを用いる構成とすることもできる。
【0025】またこの実施例ではねじ軸に右ねじと左ね
じを設けた例を示したが制振効果の面からすれば右ねじ
と左ねじの組合わせに限定されるものではない。
【0026】本実施例では2つのねじ軸をカップリング
により固定し、そのカップリングに制振手段を設けた例
を示したが図14に示すように1本のねじ軸90に直接
ボールベアリング96を固定し、そのボールベアリング
96の外輪に環状部材97を固定して制振手段98を構
成しても良い。また本実施例の場合、制振手段はねじ軸
の中央部に設けた例を示したが制振手段の取付位置は中
央部でなくても良い。
【0027】さらに、この実施例においてはボールねじ
として循環チューブを用いた外部循環式のボールねじの
例について説明したがコマを用いてボールを循環させる
内部循環式のボールねじとかエンドキャップを用いてナ
ットブロック内に設けたボール通路を循環させるボール
ねじを用いてもよい。
【0028】また、この実施例ではナットブロックの端
面にエンドキャップを固定してボールを循環させるよう
にした例を示したが、このようなエンドキャップに限ら
ずボールを循環させる公知の手段例えばチューブ等を用
いることもできる。
【0029】
【考案の効果】この考案の直線作動ユニットは、ねじ軸
に対して少なくともラジアル方向に相対運動が可能な部
が該ねじ軸の振動によって他部材と衝突し得る隙間
有する制振手段を該ねじ軸に設け、ねじ軸のねじ部に2
つのナットブロックを夫々独立して螺合させると共に、
案内レールに設けた転動体転動溝とナットブロックに設
けた転動体転動溝との間に転動体を嵌合し、この転動体
の転動を介してナットブロックを夫々軸方向に摺動する
ようにしておりねじ軸に対して少なくともラジアル方向
に相対運動可能な慣性体が該ねじ軸の振動によって他部
材と衝突し得る隙間を有する制振手段を設けたので2つ
のナットブロックが調整された相対位置関係を保って正
確に作動する直線作動ユニットが得られる。また、直線
作動ユニットの高速作動時や長ストロークの直線作動ユ
ニットの作動時に於いて発生しやすいねじ軸の振動を
突により抑制して、振動による騒音を低減できると共に
ねじ軸の振動を減少させたものであるのでナットブロッ
クが完全に静止するまでの時間が極めて短い直線作動ユ
ニットが得られ、またユニット化されているので手軽に
使用できる効果がある。そして、この考案の直線作動ユ
ニットは、ナットブロックの摺動抵抗が小さい為、小さ
いモータが使用出来、部品点数が少なく軽量であり、こ
の考案によりコンパクトで安価な直線作動ユニットを提
供することができる。また、この考案に係る直線作動ユ
ニットの2つのナットブロックは案内レールに設けられ
た同じ転動体転動溝に案内されて動くようになっている
から、両ナットブロックの作動時の平行度が確保でき、
2つのナットブロックの軸芯を一致させるのに苦労する
必要はない。さらにまた、カップリングを兼ねた制振手
段を用いた直線作動ユニットにあっては2つのナットブ
ロックの相対位置の調整がねじ軸のピッチより小さい任
意の寸法についてできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1の実施例を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】図2の右側面図である。
【図6】図1のB−B線断面図である。
【図7】図1の部品の斜視図である。
【図8】図1の部品の斜視図である。
【図9】図6のC−C線断面図である。
【図10】図1の部品の斜視図である。
【図11】図1の部分断面図である。
【図12】図1の制振手段の他の実施例を示す部分断面
図である。
【図13】この考案の第2の実施例を示す部分断面図で
ある。
【図14】第1の実施例の変形例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 案内レール 2 ボール転動溝 4 軸受板 6 軸受板 7 第1のねじ軸 7A 右ねじ部 7B 軸端 13 第2のねじ軸 13A 左ねじ部 15 第1のナットブロック 16 カップリング 17 ボール転動溝 18 ボール戻り通路 19 ボール 20 ねじ部 27 エンドキャップ 28 第2のナットブロック 29 ボール 34 リターンガイド 49 制振手段 50 内輪 52 外輪 53 慣性体 54 ボール 56 止め輪 58 止め輪

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の転動体転動溝を両側面に有する
    長尺の案内レールと、前記案内レールの軸方向に配設さ
    れかつ前記案内レールに対して軸方向の移動を不能にか
    つ回転自在に軸支されたねじ軸と、該ねじ軸に対して少
    なくともラジアル方向に相対運動可能な部材が該ねじ軸
    の振動によって他部材と衝突し得る隙間を有して該ねじ
    軸に固定された制振手段と、前記案内レールの転動体転
    動溝に対向する転動体転動溝を有しかつ肉厚内に形成さ
    れた転動体の戻り通路を有し前記ねじ軸に摺動自在に螺
    合された第1のナットブロックと、前記案内レールの転
    動体転動溝に対向する転動体転動溝を有しかつ肉厚内に
    形成された転動体の戻り通路を有し前記ねじ軸に摺動自
    在に螺合された第2のナットブロックと、前記案内レー
    ルの転動体転動溝とこれと対向する前記第1のナットブ
    ロックの転動体転動溝及び前記第2のナットブロックの
    転動体転動溝との間に夫々転動自在に嵌合され前記第1
    のナットブロック及び前記第2のナットブロックを夫々
    前記案内レールに対して軸方向に摺動自在に支持させる
    多数の転動体と、前記案内レールの転動体転動溝とこれ
    と対向する前記ナットブロックの転動体転動溝とにより
    形成された通路であって前記ナットブロックからの負荷
    を受けて転動する転動体用の通路と前記ナットブロック
    の転動体の戻り通路とを連通させる転動体循環用湾曲通
    路を有するエンドキャップとを備えた直線作動ユニッ
    ト。
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