JP2598223Y2 - 型枠兼用断熱ボード - Google Patents
型枠兼用断熱ボードInfo
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- JP2598223Y2 JP2598223Y2 JP1993072690U JP7269093U JP2598223Y2 JP 2598223 Y2 JP2598223 Y2 JP 2598223Y2 JP 1993072690 U JP1993072690 U JP 1993072690U JP 7269093 U JP7269093 U JP 7269093U JP 2598223 Y2 JP2598223 Y2 JP 2598223Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、建築現場で鉄骨鉄筋又
は鉄筋コンクリート製の建造物を製造する場合に、生コ
ンクリートを打設する際のコンクリート型枠を兼ねた断
熱ボードに関するものである。
は鉄筋コンクリート製の建造物を製造する場合に、生コ
ンクリートを打設する際のコンクリート型枠を兼ねた断
熱ボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】鉄骨鉄筋又は鉄筋コンク
リート製の建物では、省エネルギーのためにコンクリー
ト壁面等を断熱化することが広く行われており、そのた
めに断熱用の合成樹脂製発泡ボードをコンクリート壁面
等に貼合せることが一般化している。また、特開昭61
−294048号公報には、前記の断熱用発泡ボード
(断熱ボード)にコンクリート型枠の役割も持たせる方
法が開示されている。そして、これらの開示方法では生
コンクリートを打設した際の強い圧力に耐えられるよう
に、硬質樹脂発泡体層の両面に合成樹脂シート等の補強
層を積層した断熱ボードを使い、該補強層の表面には両
面ともコンクリートとの接着性が良い表面層を積層する
のが一般的である。
リート製の建物では、省エネルギーのためにコンクリー
ト壁面等を断熱化することが広く行われており、そのた
めに断熱用の合成樹脂製発泡ボードをコンクリート壁面
等に貼合せることが一般化している。また、特開昭61
−294048号公報には、前記の断熱用発泡ボード
(断熱ボード)にコンクリート型枠の役割も持たせる方
法が開示されている。そして、これらの開示方法では生
コンクリートを打設した際の強い圧力に耐えられるよう
に、硬質樹脂発泡体層の両面に合成樹脂シート等の補強
層を積層した断熱ボードを使い、該補強層の表面には両
面ともコンクリートとの接着性が良い表面層を積層する
のが一般的である。
【0003】コンクリート型枠組立て方法の一例を示す
と図3のとおりである。この図で、1は前記の断熱ボー
ドを兼ねた型枠、2はベニヤ板等で製造される外面(又
は内面)形成用型枠、3は型枠を支持している縦方向の
金属パイプ、4は型枠を支持している横方向の金属パイ
プ、5は型枠の接続部分から生コンクリートが洩れない
ように該部分を支持している木材(桟木)、6は型枠を
桟木5に固定している釘、7はセパレーター、8はコン
クリートを打設する空間である。図3から分るように、
コンクリート型枠は生コンクリートが生コンクリート打
設部分から洩れないように注意深く固定されており、打
設された生コンクリートが硬化後には型枠を支持してい
る金属パイプが解体除去される。また、コンクリート壁
の外面(又は内面)形成に使われている型枠2や、型枠
の接続部分を支持している桟木5も除かれる。
と図3のとおりである。この図で、1は前記の断熱ボー
ドを兼ねた型枠、2はベニヤ板等で製造される外面(又
は内面)形成用型枠、3は型枠を支持している縦方向の
金属パイプ、4は型枠を支持している横方向の金属パイ
プ、5は型枠の接続部分から生コンクリートが洩れない
ように該部分を支持している木材(桟木)、6は型枠を
桟木5に固定している釘、7はセパレーター、8はコン
クリートを打設する空間である。図3から分るように、
コンクリート型枠は生コンクリートが生コンクリート打
設部分から洩れないように注意深く固定されており、打
設された生コンクリートが硬化後には型枠を支持してい
る金属パイプが解体除去される。また、コンクリート壁
の外面(又は内面)形成に使われている型枠2や、型枠
の接続部分を支持している桟木5も除かれる。
【0004】釘6は、断熱ボードの接続部分から生コン
クリートが洩れないように断熱ボードを桟木5に固定し
ている。そして、コンクリート打設空間8に打設された
生コンクリートが硬化して桟木5を除く際に、釘6も脆
弱な発泡体層に釘の頭程度の大きさの穴が形成されるよ
うに断熱ボード外に除かれるが、該除去時に補強層部分
を釘の頭が通過する際には補強層を剥離する強い力が働
き、生コンクリート打設面とは反対側に位置する補強層
はこの力で断熱ボードから引き剥がされてしまう。断熱
ボードの生コンクリート打設面とは反対側は、最終的に
は内装仕上げ又は外装仕上げされることになるが、補強
層が断熱ボードから引き剥がされると、それに伴ってコ
ンクリート等との接着性に優れた表面層も引き剥がされ
ることになり、上記仕上げ工程等の施工が困難になると
いった問題があった。
クリートが洩れないように断熱ボードを桟木5に固定し
ている。そして、コンクリート打設空間8に打設された
生コンクリートが硬化して桟木5を除く際に、釘6も脆
弱な発泡体層に釘の頭程度の大きさの穴が形成されるよ
うに断熱ボード外に除かれるが、該除去時に補強層部分
を釘の頭が通過する際には補強層を剥離する強い力が働
き、生コンクリート打設面とは反対側に位置する補強層
はこの力で断熱ボードから引き剥がされてしまう。断熱
ボードの生コンクリート打設面とは反対側は、最終的に
は内装仕上げ又は外装仕上げされることになるが、補強
層が断熱ボードから引き剥がされると、それに伴ってコ
ンクリート等との接着性に優れた表面層も引き剥がされ
ることになり、上記仕上げ工程等の施工が困難になると
いった問題があった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、コンクリー
ト型枠を兼ねた補強層付き断熱ボードにおいて、コンク
リート型枠の支持体を解体する際に前記した断熱ボード
からの補強層剥離が起らず、そのためにコンクリート型
枠の組立てや解体時に特別な配慮が不要な上に、コンク
リート壁面等の仕上げ等の後工程を支障なく行うことが
できる型枠兼用断熱ボードを提供することをその課題と
する。
ト型枠を兼ねた補強層付き断熱ボードにおいて、コンク
リート型枠の支持体を解体する際に前記した断熱ボード
からの補強層剥離が起らず、そのためにコンクリート型
枠の組立てや解体時に特別な配慮が不要な上に、コンク
リート壁面等の仕上げ等の後工程を支障なく行うことが
できる型枠兼用断熱ボードを提供することをその課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本考案を完成する
ことができた。すなわち、本考案によれば、硬質樹脂発
泡体層の少なくとも生コンクリート打設面とは反対の面
に補強層が積層されている型枠兼用断熱ボードにおい
て、生コンクリート打設面とは反対の面に積層されてい
る補強層が、発泡体層の対応する両側端部付近を除いて
形成されていることを特徴とする型枠兼用断熱ボードが
提供される。また、本考案によれば、硬質樹脂発泡体層
の少なくとも生コンクリート打設面とは反対の面に補強
層が積層されている型枠兼用断熱ボードにおいて、生コ
ンクリート打設面とは反対の面に積層されている補強層
が、発泡体層の対応する両側端部付近では引裂強度が弱
くなるように形成されていることを特徴とする型枠兼用
断熱ボードが提供される。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本考案を完成する
ことができた。すなわち、本考案によれば、硬質樹脂発
泡体層の少なくとも生コンクリート打設面とは反対の面
に補強層が積層されている型枠兼用断熱ボードにおい
て、生コンクリート打設面とは反対の面に積層されてい
る補強層が、発泡体層の対応する両側端部付近を除いて
形成されていることを特徴とする型枠兼用断熱ボードが
提供される。また、本考案によれば、硬質樹脂発泡体層
の少なくとも生コンクリート打設面とは反対の面に補強
層が積層されている型枠兼用断熱ボードにおいて、生コ
ンクリート打設面とは反対の面に積層されている補強層
が、発泡体層の対応する両側端部付近では引裂強度が弱
くなるように形成されていることを特徴とする型枠兼用
断熱ボードが提供される。
【0007】本発明の型枠兼用断熱ボードは、コンクリ
ート壁面の断熱性向上とコンクリート型枠を兼ねたボー
ドなので、厚みは断熱性を勘案して適宜定めればよく、
一般に厚み10〜100mm、好ましくは15〜50m
mに形成される。また、該断熱ボードはコンクリート壁
の両面に設けても良いが、片面に設けるだけで充分な断
熱効果が得られるから、通常は片面に設けられる。そし
て、該ボードはコンクリート壁の内面に設けても外面に
設けても良いが、日本国内では北海道以外は通常内面に
設けられる。本発明の断熱ボードに使われる発泡体は、
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−p−
メチルスチレン等のスチレン系樹脂発泡体、或いはスチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル系
共重合体、スチレン−不飽和ポリエステル系共重合体等
のスチレン系共重合体樹脂発泡体が好ましいが、これら
に限定されない。また、発泡倍率は10〜50倍、好ま
しくは12〜40倍であり、発泡倍率が小さすぎると断
熱能が低下し、大きすぎると強度が低下する。
ート壁面の断熱性向上とコンクリート型枠を兼ねたボー
ドなので、厚みは断熱性を勘案して適宜定めればよく、
一般に厚み10〜100mm、好ましくは15〜50m
mに形成される。また、該断熱ボードはコンクリート壁
の両面に設けても良いが、片面に設けるだけで充分な断
熱効果が得られるから、通常は片面に設けられる。そし
て、該ボードはコンクリート壁の内面に設けても外面に
設けても良いが、日本国内では北海道以外は通常内面に
設けられる。本発明の断熱ボードに使われる発泡体は、
ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−p−
メチルスチレン等のスチレン系樹脂発泡体、或いはスチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル系
共重合体、スチレン−不飽和ポリエステル系共重合体等
のスチレン系共重合体樹脂発泡体が好ましいが、これら
に限定されない。また、発泡倍率は10〜50倍、好ま
しくは12〜40倍であり、発泡倍率が小さすぎると断
熱能が低下し、大きすぎると強度が低下する。
【0008】本考案の型枠兼用断熱ボードに使われる補
強層は、公知品のすべてを使うことができる。例えば、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロ
ン6、ナイロン6・6、芳香族ナイロン、ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン等の合成樹脂シート;ガラス
繊維、炭素繊維、ボロン繊維等の無機繊維製織布又は該
繊維で強化された樹脂シート;鉄、チタン、アルミニウ
ム等の金属を含むシート;等で形成することができる。
補強層は、断熱ボードがコンクリート打設時の強い圧力
に耐えられるように、該ボードの曲げ強さがJISA9
511−1979に規定されている16kg/cm2以
上になるように積層される。従って、補強層を断熱ボー
ドの両面に存在させる必要はなく、コンクリート打設面
と反対の面だけに設けても良い。なお、生コンクリート
打設面にも補強層が設けられている場合には、必ずしも
コンクリート打設面と反対の面に設けられている補強層
と同じ補強層を積層させる必要はない。つまり、硬質樹
脂発泡体層の生コンクリート打設面側の全面に傷のない
補強層が積層されていても良い。しかし、断熱ボードの
表裏を間違えて施工する危険性がある場合は、発泡体ボ
ードの両面とも同一の補強層を積層しておくのが望まし
い。
強層は、公知品のすべてを使うことができる。例えば、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロ
ン6、ナイロン6・6、芳香族ナイロン、ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン等の合成樹脂シート;ガラス
繊維、炭素繊維、ボロン繊維等の無機繊維製織布又は該
繊維で強化された樹脂シート;鉄、チタン、アルミニウ
ム等の金属を含むシート;等で形成することができる。
補強層は、断熱ボードがコンクリート打設時の強い圧力
に耐えられるように、該ボードの曲げ強さがJISA9
511−1979に規定されている16kg/cm2以
上になるように積層される。従って、補強層を断熱ボー
ドの両面に存在させる必要はなく、コンクリート打設面
と反対の面だけに設けても良い。なお、生コンクリート
打設面にも補強層が設けられている場合には、必ずしも
コンクリート打設面と反対の面に設けられている補強層
と同じ補強層を積層させる必要はない。つまり、硬質樹
脂発泡体層の生コンクリート打設面側の全面に傷のない
補強層が積層されていても良い。しかし、断熱ボードの
表裏を間違えて施工する危険性がある場合は、発泡体ボ
ードの両面とも同一の補強層を積層しておくのが望まし
い。
【0009】補強層が設けられていない場合、生コンク
リート打設面の硬質樹脂発泡体層表面は、微細な凹凸を
持つ気泡面を露出させておくとコンクリートとの接着性
を大幅に高めることができる。すなわち、表皮層を残し
たままの発泡体表面に生コンクリートを打設した場合
は、両者の接着力が0.3kg/cm2程度にすぎない
が、生コンクリート打設面に形成されている発泡体の表
皮層をサンダーやスライサー等で削り取ると、コンクリ
ートとの接着力を2.5〜4.0kg/cm2に向上さ
せることができる。しかし、断熱ボードの表裏を間違え
て施工する場合もあるから、補強層は断熱ボードの両面
に設けるのが望ましい。
リート打設面の硬質樹脂発泡体層表面は、微細な凹凸を
持つ気泡面を露出させておくとコンクリートとの接着性
を大幅に高めることができる。すなわち、表皮層を残し
たままの発泡体表面に生コンクリートを打設した場合
は、両者の接着力が0.3kg/cm2程度にすぎない
が、生コンクリート打設面に形成されている発泡体の表
皮層をサンダーやスライサー等で削り取ると、コンクリ
ートとの接着力を2.5〜4.0kg/cm2に向上さ
せることができる。しかし、断熱ボードの表裏を間違え
て施工する場合もあるから、補強層は断熱ボードの両面
に設けるのが望ましい。
【0010】前記の補強層が片面に設けられている断熱
ボードでは、補強層の外側にコンクリート等との接着性
が良い表面層が積層されていると、その後の内装や外装
仕上げの自由度が高まるから好ましい。また、断熱ボー
ドの両面に補強層がある場合は両方の表面に前記表面層
を積層しておくと、コンクリート打設面ではコンクリー
トとの接着強度が増加し、コンクリート打設面と反対の
面では前記と同じ効果が得られるから好ましい。そし
て、このような表面層としては、ポリプロピレン繊維、
ポリエステル繊維、ガラス繊維等で形成される不織布が
特に好ましい。以上に詳記した補強層は、前記の理由で
硬質樹脂発泡体ボードに積層されるから厚みは該ボード
の曲げ強さとの兼ね合いで定まり、一般的には150〜
250μm程度である。
ボードでは、補強層の外側にコンクリート等との接着性
が良い表面層が積層されていると、その後の内装や外装
仕上げの自由度が高まるから好ましい。また、断熱ボー
ドの両面に補強層がある場合は両方の表面に前記表面層
を積層しておくと、コンクリート打設面ではコンクリー
トとの接着強度が増加し、コンクリート打設面と反対の
面では前記と同じ効果が得られるから好ましい。そし
て、このような表面層としては、ポリプロピレン繊維、
ポリエステル繊維、ガラス繊維等で形成される不織布が
特に好ましい。以上に詳記した補強層は、前記の理由で
硬質樹脂発泡体ボードに積層されるから厚みは該ボード
の曲げ強さとの兼ね合いで定まり、一般的には150〜
250μm程度である。
【0011】本考案では、生コンクリート打設面と反対
の面に積層されている補強層が、発泡体層の対応する両
側端部付近には存在しない(CASE 1)か、又はこ
の部分に引裂強度が低い補強層を備えている(CASE
2)ことを特徴にしている。すなわち、本考案ではコ
ンクリート型枠の組立て時に釘が打たれる型枠兼用断熱
ボードの両側端部(図3参照)が、生コンクリート打設
面と反対の面では補強層不在で、又は該部分の補強層引
裂強度を下げて形成される。そして、この部分は型枠兼
用断熱ボードの大きさや形状等でも異なるが桟木に釘打
ちされる箇所であり、発泡体層の両側端部から幅1〜1
0cm、好ましくは2〜5cmの範囲が一般的である。
なお、形成場所は該断熱ボードの縦方向でも横方向でも
良く、その両者であっても良い。前記の部分が存在する
と、コンクリート型枠の支持体を解体する際に釘の頭が
補強層を通過しても前記の補強層剥離が起らない。これ
は、CASE 1の断熱ボードでは釘の頭が通過する際
に剥離するような補強層が存在せず、CASE2の断熱
ボードでは該当する補強層の引裂強度が低下しているた
めである。
の面に積層されている補強層が、発泡体層の対応する両
側端部付近には存在しない(CASE 1)か、又はこ
の部分に引裂強度が低い補強層を備えている(CASE
2)ことを特徴にしている。すなわち、本考案ではコ
ンクリート型枠の組立て時に釘が打たれる型枠兼用断熱
ボードの両側端部(図3参照)が、生コンクリート打設
面と反対の面では補強層不在で、又は該部分の補強層引
裂強度を下げて形成される。そして、この部分は型枠兼
用断熱ボードの大きさや形状等でも異なるが桟木に釘打
ちされる箇所であり、発泡体層の両側端部から幅1〜1
0cm、好ましくは2〜5cmの範囲が一般的である。
なお、形成場所は該断熱ボードの縦方向でも横方向でも
良く、その両者であっても良い。前記の部分が存在する
と、コンクリート型枠の支持体を解体する際に釘の頭が
補強層を通過しても前記の補強層剥離が起らない。これ
は、CASE 1の断熱ボードでは釘の頭が通過する際
に剥離するような補強層が存在せず、CASE2の断熱
ボードでは該当する補強層の引裂強度が低下しているた
めである。
【0012】
【実施例】次に、本考案の型枠兼用断熱ボードを実施例
で更に具体的に説明するが、本考案はこの実施例によっ
て限定されるものではない。図1は、CASE 1の型
枠兼用断熱ボードを示しており、Aは補強層、Bは発泡
体層、Cは桟木に断熱ボードを固定している釘を表して
いる。図1の(a)は断熱ボードの縦方向に補強層欠落
部分がある場合、(b)は断熱ボードの横方向に補強層
欠落部分がある場合、(c)は縦方向及び横方向の両者
に補強層欠落部分がある場合を示している。図から分る
ように、釘Cは断熱ボードの前記した補強層欠落部分に
打たれる。そして、図1(c)のように断熱ボードの外
周部全部の補強層が欠落している場合は、図に示したよ
うに縦方向と横方向の両者に釘が打たれていても良い
が、縦方向又は横方向のいずれか一方の対応する部分だ
けに釘を打って該断熱ボードを桟木に固定しても良い。
で更に具体的に説明するが、本考案はこの実施例によっ
て限定されるものではない。図1は、CASE 1の型
枠兼用断熱ボードを示しており、Aは補強層、Bは発泡
体層、Cは桟木に断熱ボードを固定している釘を表して
いる。図1の(a)は断熱ボードの縦方向に補強層欠落
部分がある場合、(b)は断熱ボードの横方向に補強層
欠落部分がある場合、(c)は縦方向及び横方向の両者
に補強層欠落部分がある場合を示している。図から分る
ように、釘Cは断熱ボードの前記した補強層欠落部分に
打たれる。そして、図1(c)のように断熱ボードの外
周部全部の補強層が欠落している場合は、図に示したよ
うに縦方向と横方向の両者に釘が打たれていても良い
が、縦方向又は横方向のいずれか一方の対応する部分だ
けに釘を打って該断熱ボードを桟木に固定しても良い。
【0013】図2はCASE 2の型枠兼用断熱ボード
の一例を示し、Dは補強層の引裂強度を下げるための
穴、Eは前記の目的で設けられた切り込み、Fは前記の
目的で設けられた傷である。なお、A、B、Cは図1の
場合と同じである。図2の(a)は、CASE 1の型
枠兼用断熱ボードでは補強層が欠落している場所に、引
裂強度を下げるために穴をあけた補強層が設けられてい
る断熱ボードである。補強層の穴は、該補強層の引裂強
度を下げるための穴であるから、この目的が達成できる
なら穴の大きさや形状及び数は限定されず、形状や大き
さの異なる穴が設けられていても良いし、穴と切り込み
及び/又は傷が設けられていても良い。そして、引裂強
度を下げるためには、補強層の該当する部分に全面積の
10〜80%、好ましくは30〜60%となるように穴
が形成され、その穴は一つの大きさが面積0.1〜2m
m2、好ましくは0.2〜1mm2で、該当する部分にほ
ぼ均等に分布しているのが望ましい。
の一例を示し、Dは補強層の引裂強度を下げるための
穴、Eは前記の目的で設けられた切り込み、Fは前記の
目的で設けられた傷である。なお、A、B、Cは図1の
場合と同じである。図2の(a)は、CASE 1の型
枠兼用断熱ボードでは補強層が欠落している場所に、引
裂強度を下げるために穴をあけた補強層が設けられてい
る断熱ボードである。補強層の穴は、該補強層の引裂強
度を下げるための穴であるから、この目的が達成できる
なら穴の大きさや形状及び数は限定されず、形状や大き
さの異なる穴が設けられていても良いし、穴と切り込み
及び/又は傷が設けられていても良い。そして、引裂強
度を下げるためには、補強層の該当する部分に全面積の
10〜80%、好ましくは30〜60%となるように穴
が形成され、その穴は一つの大きさが面積0.1〜2m
m2、好ましくは0.2〜1mm2で、該当する部分にほ
ぼ均等に分布しているのが望ましい。
【0014】図2の(b)は、(a)で穴が設けられて
いる部分に切り込みを設け、これによって引裂強度を下
げている型枠兼用断熱ボードである。この切り込みは、
補強層の引裂強度を下げるために設けられているから、
この目的が達成できるなら切り込みの長さや数等は限定
されず、一部が長方形等の穴となっていたり傷となって
いても良い。また、この切り込みは該当する帯状の部分
に所望の方向に形成させればよいが、図2(b)に示し
たように長手方向に形成するのが望ましい。補強層の引
裂強度を下げるための切り込みは、長さ0.5〜5c
m、好ましくは1〜3cmに形成するのが良い。また、
切り込みの分布状況や数は切り込みの長さ等によっても
異なるが、該当する部分の長手方向に幅2〜20mm、
好ましくは5〜10mmの間隔で、0.5〜5cm、好
ましくは1〜3cmの間隔をあけて直線上に形成するの
が望ましい。
いる部分に切り込みを設け、これによって引裂強度を下
げている型枠兼用断熱ボードである。この切り込みは、
補強層の引裂強度を下げるために設けられているから、
この目的が達成できるなら切り込みの長さや数等は限定
されず、一部が長方形等の穴となっていたり傷となって
いても良い。また、この切り込みは該当する帯状の部分
に所望の方向に形成させればよいが、図2(b)に示し
たように長手方向に形成するのが望ましい。補強層の引
裂強度を下げるための切り込みは、長さ0.5〜5c
m、好ましくは1〜3cmに形成するのが良い。また、
切り込みの分布状況や数は切り込みの長さ等によっても
異なるが、該当する部分の長手方向に幅2〜20mm、
好ましくは5〜10mmの間隔で、0.5〜5cm、好
ましくは1〜3cmの間隔をあけて直線上に形成するの
が望ましい。
【0015】図2の(c)は、切り込みの代りに傷を付
けて引裂強度を下げている型枠兼用断熱ボードである。
この傷は、補強層の引裂強度を所望値まで下げることが
できればどのように形成しても良いが、傷は穴や切り込
みより引裂強度を低下させる能力が少ないから、図に示
した直線状の傷を設ける場合は、幅方向に3〜15m
m、好ましくは5〜10mmの間隔で設けるのが望まし
い。なお、傷を格子状に設けたり曲線状に設けても良い
し、傷の一部が完全に切断されていて該部分が切り込み
状となっていても良い。引裂強度の低い補強層は、以上
のほか該当部分の層厚を薄くしたり該当部分に引裂強度
の低い材料を使う等の方法で設けても良いが、コスト的
には前記の方法が大幅に有利である。特に、規則的な穴
や切り込みを設ける方法は、樹脂シートを補強層の大き
さに切断する際に同時に加工できるから有利である。
けて引裂強度を下げている型枠兼用断熱ボードである。
この傷は、補強層の引裂強度を所望値まで下げることが
できればどのように形成しても良いが、傷は穴や切り込
みより引裂強度を低下させる能力が少ないから、図に示
した直線状の傷を設ける場合は、幅方向に3〜15m
m、好ましくは5〜10mmの間隔で設けるのが望まし
い。なお、傷を格子状に設けたり曲線状に設けても良い
し、傷の一部が完全に切断されていて該部分が切り込み
状となっていても良い。引裂強度の低い補強層は、以上
のほか該当部分の層厚を薄くしたり該当部分に引裂強度
の低い材料を使う等の方法で設けても良いが、コスト的
には前記の方法が大幅に有利である。特に、規則的な穴
や切り込みを設ける方法は、樹脂シートを補強層の大き
さに切断する際に同時に加工できるから有利である。
【0016】本考案の型枠兼用断熱ボードは、公知の種
々の方法で製造することができる。例えば、発泡体ボー
ドの生コンクリート打設面と反対の面に、前記の側端部
が欠落した補強層あるいは該部分の引裂強度を低下させ
た補強層を張合せ、これを本考案の型枠兼用断熱ボード
にすることができる。また、前記の部分的に欠落したり
引裂強度が低下している補強層を張合せた発泡体ボード
の補強層面と反対の面に、コンクリートとの接着性を高
めた表面層を持つ補強層を張合せ、補強層を2層とした
断熱ボードを得ることができる。なお、この場合の生コ
ンクリート打設面の補強層は、前記の理由によって欠落
部分や低引裂強度部分を有する補強層であることが望ま
しい。また、発泡体ボードの生コンクリート打設面と反
対の面に通常の補強層を張合せ、この側端部に傷を付け
たり切り込みを入れたりして本考案の型枠兼用断熱ボー
ドを製造することもできる。
々の方法で製造することができる。例えば、発泡体ボー
ドの生コンクリート打設面と反対の面に、前記の側端部
が欠落した補強層あるいは該部分の引裂強度を低下させ
た補強層を張合せ、これを本考案の型枠兼用断熱ボード
にすることができる。また、前記の部分的に欠落したり
引裂強度が低下している補強層を張合せた発泡体ボード
の補強層面と反対の面に、コンクリートとの接着性を高
めた表面層を持つ補強層を張合せ、補強層を2層とした
断熱ボードを得ることができる。なお、この場合の生コ
ンクリート打設面の補強層は、前記の理由によって欠落
部分や低引裂強度部分を有する補強層であることが望ま
しい。また、発泡体ボードの生コンクリート打設面と反
対の面に通常の補強層を張合せ、この側端部に傷を付け
たり切り込みを入れたりして本考案の型枠兼用断熱ボー
ドを製造することもできる。
【0017】
【考案の効果】本考案の型枠兼用断熱ボードは、該ボー
ドの生コンクリート打設面と反対の面に積層されている
補強層が、発泡体層の対応する両側端部付近では欠落し
ているか又は引裂強度が下げられており、このために通
常の型枠兼用断熱ボードで見られる型枠支持体解体時の
補強層剥離が起らない。従って、該型枠兼用断熱ボード
を使うと型枠を組立てたり型枠支持体を解体する際に特
別な配慮が不要な上に、コンクリート壁面等の仕上げ等
の後工程も円滑に行うことができるから、断熱ボード付
コンクリート壁等を製造する際の作業性の大幅向上が可
能になる。
ドの生コンクリート打設面と反対の面に積層されている
補強層が、発泡体層の対応する両側端部付近では欠落し
ているか又は引裂強度が下げられており、このために通
常の型枠兼用断熱ボードで見られる型枠支持体解体時の
補強層剥離が起らない。従って、該型枠兼用断熱ボード
を使うと型枠を組立てたり型枠支持体を解体する際に特
別な配慮が不要な上に、コンクリート壁面等の仕上げ等
の後工程も円滑に行うことができるから、断熱ボード付
コンクリート壁等を製造する際の作業性の大幅向上が可
能になる。
【図1】本考案の補強層が部分的に欠落している型枠兼
用断熱ボードを説明する図である。
用断熱ボードを説明する図である。
【図2】本考案の補強層が部分的に引裂強度を弱められ
ている型枠兼用断熱ボードを例示している説明図であ
る。
ている型枠兼用断熱ボードを例示している説明図であ
る。
【図3】型枠兼用断熱ボードを使ったコンクリート型枠
組立て方法の一例を示す説明図である。
組立て方法の一例を示す説明図である。
A 補強層 B 発泡体層 C 釘 D 穴 E 切り込み F 傷 1 型枠兼用断熱ボード 2 コンクリート型
枠 3,4 金属パイプ 5 桟木 6 釘 7 セパレーター 8 生コンクリート打設部分
枠 3,4 金属パイプ 5 桟木 6 釘 7 セパレーター 8 生コンクリート打設部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/86 601Q (72)考案者 成田 圭吾 栃木県宇都宮市西川田町1067−5 コー ポラスII202 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 2/86 601 B32B 3/02 B32B 5/18 B32B 27/06
Claims (2)
- 【請求項1】 硬質樹脂発泡体層の少なくとも生コンク
リート打設面とは反対の面に補強層が積層されている型
枠兼用断熱ボードにおいて、生コンクリート打設面とは
反対の面に積層されている補強層が、発泡体層の対応す
る両側端部付近を除いて形成されていることを特徴とす
る型枠兼用断熱ボード。 - 【請求項2】 硬質樹脂発泡体層の少なくとも生コンク
リート打設面とは反対の面に補強層が積層されている型
枠兼用断熱ボードにおいて、生コンクリート打設面とは
反対の面に積層されている補強層が、発泡体層の対応す
る両側端部付近では引裂強度が弱くなるように形成され
ていることを特徴とする型枠兼用断熱ボード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993072690U JP2598223Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 型枠兼用断熱ボード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993072690U JP2598223Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 型枠兼用断熱ボード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0738432U JPH0738432U (ja) | 1995-07-14 |
JP2598223Y2 true JP2598223Y2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=13496622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993072690U Expired - Fee Related JP2598223Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 型枠兼用断熱ボード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598223Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP1993072690U patent/JP2598223Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0738432U (ja) | 1995-07-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |