JP2597308B2 - 機械式立体格納庫 - Google Patents

機械式立体格納庫

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JP2597308B2
JP2597308B2 JP7436594A JP7436594A JP2597308B2 JP 2597308 B2 JP2597308 B2 JP 2597308B2 JP 7436594 A JP7436594 A JP 7436594A JP 7436594 A JP7436594 A JP 7436594A JP 2597308 B2 JP2597308 B2 JP 2597308B2
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公俊 十河
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横井鋼業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械式立体格納庫に関す
る。本発明はあらゆる産業分野の物品を格納する立体格
納庫に関し、格納される物品にはとくに制限されない。
代表的な適用例を例示すると、自動車を格納する立体駐
車場、各種産業製品を格納する立体倉庫、ボートやヨッ
トを格納する立体艇庫として適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な立体格納庫では、多層階に設け
た格納棚と、物品を積載するパレットと、昇降および横
行動作を組合わせてパレットを入出庫させる搬送装置と
から構成されている。入庫する場合、搬送装置は物品を
積載している実パレットを入庫位置から任意の格納位置
まで運搬し、入庫操作が完了すると搬送装置は定位置へ
復帰する。これが入庫操作のワンサイクルであるが、ワ
ンサイクルが終了しないと、つぎの入庫操作を行うこと
ができない。したがって、連続入庫させる場合のサイク
ルタイムが長いという欠点がある。出庫操作も同様で、
出庫位置から実パレットを取りに行き、実パレットを出
庫位置まで運んだ後、搬送装置が定位置へ復帰する。こ
れが出庫操作のワンサイクルで、このワンサイクルが完
了しないとつぎの出庫操作が行えないので、連続出庫時
のサイクルタイムが、やはり長くなるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑み、連続入庫、連続出庫および連続入出庫に短いサイ
クルタイムで対応できる機械式立体格納庫を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の立体格納庫は、
多層階に設けた格納棚を有する格納庫本体と、前記格納
庫本体の各格納棚に隣接する位置に設置した、物品を載
置した実パレットを支持するための複数のスラットビー
ム等間隔に取付けた索条体を格納庫本体の最下層から最
上層の間で循環させる昇降搬送装置と、前記各格納棚と
前記昇降搬送装置の各スラットビームとの間で実パレッ
トを引き込みまたは払い出し操作する実パレット移載装
置と、貯蔵されている空パレットを必要に応じて取り出
し、また回収されたパレットを貯蔵するためのパレット
ストッカーと、前記パレットストッカーと乗降位置にお
けるスラットビームとの間で、空パレットをスラットビ
ームに供給し、また空パレットを回収するパレット給排
装置とからなることを特徴とする。
【0005】
【作用】本発明では、複数の各格納棚の上下間隔に対応
した間隔で索条に取付けたスラットビームでパレットを
昇降させる。いま入庫位置の実パレットを任意の格納棚
まで昇降させると、実パレット移載装置で実パレットを
格納棚へ引き込む。これで格納は完了であり、その状態
で入庫位置には別のスラットビームが他の実パレットを
支持して昇降動作に移れる位置にある。したがって、従
来の復帰動作を待つことなく、つぎの入庫動作を開始す
ることができ、入庫サイクルタイムが早くなる。出庫操
作の場合は、前回の入出庫操作終了時の状態のままで出
庫すべき物品の格納棚から対応するスラットビームへ実
パレットを移載装置で払い出すと、スラットビームを昇
降させて出庫位置まで搬送する。その後、実パレットか
ら格納物を出庫させる。この場合もそのままの状態で別
のスラットビームが他の格納物の格納棚の前に位置して
いるので、従来の復帰動作を待つことなくつぎの出庫動
作を開始することができ、出庫サイクルタイムが早くな
る。入庫と出庫を連続的に繰り返す連続入出庫の場合も
同様の理由でサイクルタイムを短縮できる。なお、連続
入庫の際は、パレットストッカーから次々と入庫位置の
スラットビームに空パレットを供給すればよく、連続出
庫の際は、出庫位置のスラットビームから空パレットを
パレットストッカーに返却すればよい。この供給返却は
パレット給排装置にて行える。
【0006】
【実施例】つぎに、本発明を立体駐車場に適用した実施
例を図面に基づき説明する。なお、以下の説明にいう車
棚および駐車場はそれぞれ特許請求の範囲にいう格納棚
および格納庫に対応する概念である。まず、本実施例の
立体駐車場の基本構成を説明すると、これは最下層1Fを
入出庫層(入出庫位置ともいう)とし、それより上層全
てを格納層とした地上型立体駐車場であり、図1は本発
明の一実施例に係る立体駐車場の概略正面図、図2は同
概略側面図である。
【0007】車棚1が多層階に設けられており、これは
図示では2F〜8Fの7層であるが、建築技術の許す範囲内
で高層化が可能であり、現段階では20層位までが現実的
である。車棚1を多層階に設けた格納庫本体2は1列で
もよいが、後述する昇降搬送装置3の能力を限度一杯に
使うためには格納庫本体2を2列にし、それらの間に昇
降搬送装置3を設けることが好ましい。
【0008】前記昇降搬送装置3はパレットPの前端部
(長手方向の一端部をいう)を支持する前端機構部3Aと
パレットPの後端部(長手方向の他端部をいう)を支持
する後端機構部3Bとからなり、各機構部3A,3Bともスラ
ットビーム4の両端をそれぞれ支持するための一対のチ
ェーン循環機構から構成されている。そのチェーン循環
機構は、チェーンやワイヤロープなどの索条体(以下、
チェーン5という)を最下層に設けたスプロケット6と
最上層に設けたスプロケット7にエンドレスに掛け廻
し、チェーン5にスラットビーム4を等間隔で取付けた
ものである。このスラットビーム4の取付間隔は上下方
向に隣接する車棚1,1間の間隔に等しくなっている。
したがって、スプロケット7を適宜の駆動手段で回転さ
せるとチェーン5が循環し、スラットビーム4を上昇さ
せたり下降させることができる。
【0009】格納庫本体2の最下層において、昇降搬送
装置3の両側方にはパレットストッカー8が設けられて
おり、このパレットストッカー8に貯えられた空パレッ
トPの最上段の空パレットPは入出庫位置のスラットビ
ーム4と同レベルに位置している。そして、後述する空
パレット給排装置9により入出庫位置のスラットビーム
4に空パレットを供給したり、自動車が出庫した後の空
パレットを回収するようになっている。なお、図2で矢
印a,bは自動車の入庫方向と出庫方向を示している。
しかし、この入出庫方向はこの反対向きであってもよ
い。
【0010】つぎに、各部の詳細を説明する。図3は前
記昇降搬送装置3の駆動装置を示している。チェーン5
を巻き掛けた下側のスプロケット6と同軸にスプロケッ
ト31が取付けられており、一方、モータ32、減速機33が
連結された駆動側のスプロケット34が設けられており、
このスプロケット34と前記スプロケット31との間にチェ
ーン35が巻き掛けられている。かかる構成に基づきモー
タ32を駆動すると、スプロケット6が回転し、スラット
ビーム昇降用のチェーン5が前記スプロケット6と上方
のスプロケット7(図2参照)との間で循環する。これ
により、チェーン5に取り付けたスラットビーム4が昇
降させられる。
【0011】図3において、前記スプロケット6に直近
する位置にはガイドレール10が2本づつ立設されてい
る。すなわち、昇降搬送装置3のベースフレーム36の四
隅において2本づつ、合計8本立設しており、これは図
示を省略しているが、図1,2に示す上方のスプロケッ
ト7とほぼ同じ高さまで延びている。このガイドレール
10は後述するスラットビーム4のガイドローラ44,45 を
案内するガイド部材となるものである。
【0012】図4はスラットビーム4の正面図、図5は
同平面図、図6は同側面図である。これらの図に示すよ
うに、スラットビーム4のビーム本体41は断面箱状の長
尺部材であり、その長さはパレットPの前端部や後端部
を載置できる長さとなっている。ビーム本体41には適数
個、たとえば3個のローラ42が軸着されており、該ロー
ラ42の上面はビーム本体41の上面よりわずかに突出して
いる。これはパレットPをスラットビーム4上に導くた
めに設けられている。ビーム本体41の両端には、ガイド
プレート43がそれぞれ取付けられており、各ガイドプレ
ート43の内側には適宜の取付金具により昇降操作用の前
記チェーン5が取付けられている。またガイドプレート
43の上端部と下端部にはそれぞれガイドローラ44,45が
軸着され、さらに中間部にはサイドローラ46が取付けら
れている。図5の右側はガイドローラ44を示し、同左側
はサイドローラ46を示しているが、同図に示すように、
ガイドローラ44(45)はガイドレール10の幅方向をガイド
し、サイドローラ46はガイドレール10に対しその深さ方
向(スラットビーム4の長手方向)をガイドする。な
お、図6に示すように、パレットPの重量により上方の
ガイドローラ44はガイドレール10の内側の壁面に接し、
下側のガイドローラ45は外側の壁面に接して、転動しな
がら昇降する。
【0013】上記図4〜5に示すように、ビーム本体41
には積載したパレットPの落下を防止するための係止手
段50が取付けられている。この係止手段50は図7に示す
ように構成されている。51は支持ピンでその底端にはロ
ーラ52が軸着されており、ローラ52はカム棒53に接して
いる。カム棒53はボックス54内でバネ55で常時押されて
おり、常態ではカム棒53の大径部分にローラ52が当接し
て支持ピン51は上方に突出している。しかし、カム棒53
が引込められると支持ピン51は降下する。このような支
持ピン51がパレットPの前端部と後端部に形成されたピ
ン孔56に挿入すると、パレットPはスラットビーム4上
で落下しないように保持される。57は特許請求の範囲に
いう解除装置であるパワーシリンダで、そのロッド58が
矢印cで示すように伸長するとカム棒53が引き込めら
れ、係止ピン51を下降させることができる。このように
係止ピン51を下降させた状態で、スラットビーム4上に
パレットPを引き込んだり、払い出したりする。このよ
うなパレットPの給排は、入出庫位置および各車棚の移
載位置において行う必要があるため、前記入出庫位置お
よび移載位置に対応する梁59等の駐車場の構成部材に前
記パワーシリンダ57が取付けられている。
【0014】図8はパレットストッカー8を示してい
る。61はパレットストッカー8の外枠で、その内部で昇
降板62に多数のパレットPが積み重ねられている。昇降
板62を昇降させる機構は任意であり、パレットPをその
厚さに相当する距離づつ間欠的に上昇、下降させること
ができれば、どのような機構を用いてもよいが、たとえ
ば図8のような機構が用いられる。63はウインチで、主
ロープ64が巻取り繰出しされるようになっており、その
主ロープ64はガイドシーブ65で案内され、昇降板62の下
面の分配シーブ66に巻掛けられ、折り返されてストッカ
ー8の適所に止着されている。分配シーブ66には4本の
支持ロープ67が連結されており、4本の支持ロープ67を
一挙に折り返す4連ガイドシーブ68と、個々の支持ロー
プ67を案内すべく適所に取付けられた案内シーブ69で案
内されて、昇降板62の四隅に連結されている。したがっ
て、ウインチ63を駆動することにより、昇降板62を任意
に間欠昇降あるいは連続昇降させることができる。
【0015】また上記のほか、図9に示すように、モー
タ71で回転駆動される軸72の両端に取付けたシーブ73に
ロープ74を掛け廻し、その一端を昇降板62の前端側の両
端に連結し、その他端をバランスウエイト75に取付けた
シーブに掛け廻した上で、ストッカー8の適所に止着し
た構成でもよい。なお、かかる構成は昇降板62の後端側
にも同様に設けられる。この構成の場合、バランスウエ
イト75を用いるので、出力の小さいモータ71を用いうる
という利点がある。
【0016】図10はパレット給排装置9の斜視図であ
る。なお同図におけるスラットビーム4は入出庫位置に
位置している状態を示しており、8は前記パレットスト
ッカーを示している。パレット給排装置9はパレットス
トッカー8とスラットビーム4との間でパレットPを供
給し、また回収できるものであれば、どのような機構を
用いてもよいが、本実施例では図10に示すように送り装
置80と支持台90とから構成されている。送り装置80は、
パレットストッカー8の最上段のパレットPの前端部Pa
と後端部Pbを下面から支持して送りをかける装置である
が、パレットストッカー8内でのパレットPの昇降と干
渉しないよう矢印d方向に前後進し、送りをかけるとき
は前進し、送りをかけないときは後退するようになって
いる。
【0017】図11〜12に基づきさらに詳述すると、断面
箱状の長尺ビーム81に複数個、たとえば3個のローラ82
を軸支し、パレットPの送り出し側のローラ82には駆動
用のモータ83を取付ける。ビーム81の両端にはそれぞれ
断面コ形のスライドビーム84を取付け、昇降用ガイドレ
ール10(図10参照)の背面側に軸支した2個のローラ85
上で矢印d方向に前後進するようになっている。またス
ライドビーム84の背面側にはラック86が取付けられ、こ
のラック86にはピニオン87が噛合している。このピニオ
ン87をモータ88で回転駆動すると、図13(A)の退避位
置から同図(B)の進入位置に移動し、この状態でパレ
ットPの前端部Pa(後端部Pb)をローラ82で支持し、こ
のローラ82をモータ83で回転させるとパレットPに送り
をかけられるようになっている。またモータ88を逆転さ
せるとパレットPの昇降と干渉しないように同図(B)
から同図(A)の状態に送り装置80が退避する。図10に
は上記の送り装置80を一方(パレットPの前端側)しか
示していないが、パレットPの後端側にも当然備えてい
る。
【0018】つぎに、支持台90を図10に基づき説明する
と、支持台90は支柱91の上に長方形のフレーム92が載置
されている。フレーム92はパレットPの前端部Paを支持
するスラットビーム4と後端部Pbを支持するスラットビ
ーム(図示省略)との間に位置し、その長手方向の長さ
はパレットPより短くなっている。フレーム92のパレッ
ト送り方向の梁93にはローラ94が複数個、たとえば3個
づつ軸支され、そのうち中央のローラ94は駆動装置95に
よって回転される駆動ローラとなっている。この駆動ロ
ーラ94のレベルは入出庫位置のスラットビーム4のロー
ラと同レベルである。そして、駆動ローラ94を回転させ
ることにより、前記送り装置80で途中まで送りをかけら
れたパレットPにさらに送りをかけ、スラットビーム4
にパレットPを載置できるようになっている。また、パ
レットPをスラットビーム4上からパレットストッカー
8に払い出すときは、駆動ローラ94によってパレットス
トッカー8方向へ途中まで払い出し、途中からは前記送
り装置80によって引き取り、パレットストッカー8内へ
回収することができるようになっている。
【0019】図14は、自動車を載置した実車パレットP
を車棚へ引き込んだり、車棚から払い出したりする実パ
レット移載装置 100を示している。この実パレット移載
装置100は実車パレットPの引込み払出し機能さえ有し
ていればどのような機能のものでもよいが、本実施例で
はつぎのように構成されている。図14は、ある車棚1と
同レベルまでスラットビーム4が上昇してきた状態で、
スラットビーム4上のパレットPには自動車が積載され
ている。車棚1は駐車場を構成する横梁 101とそれに軸
支された複数個、たとえば3個のローラ 102により構成
されており、想像線で示すようにパレットPが格納され
る。またパレットPの両長辺にはL字形の係合金具 103
が片側に2個づつ取付けられている。一方、車棚1側に
は適宜の梁 110を用いてつぎのごとき押し引き機構 104
を設けている。 105は車棚1の奥側のスプロケット、 1
06は車棚1の前側のスプロケットで、両スプロケット10
5, 106にチェーン 107が掛け廻され、このチェーン 10
7の適所にL字形の引掛け金具 108が取付けられてい
る。この押し引き機構 104はパレットPの前方側と後方
側に1基づつ計2基設けられており、両方のスプロケッ
ト 105は共通の軸 109で連結し、適宜の駆動源で回転駆
動するようになっている。かかる構成に基づきチェーン
107を正転・逆転すると、パレットPを押し引きするこ
とができる。すなわち、引掛け金具 108は車棚1前端の
スプロケット 106上に位置させておくと、上昇してきた
パレットP側の係合金具 103が係合する。このとき、横
梁 101に取付けている解除シリンダ57でスラットビーム
4の係合ピン51(図7参照)を降下させておき、チェー
ン 107を引込み方向へ駆動すると、パレットPを想像線
で図示するように車棚1内に引込むことができ、車棚1
からスラットビーム4に払い出すときは、チェーン 107
を逆方向に移動させることがで、パレットPを払い出す
ことができる。上記の実車パレット移載装置 100は全て
の車棚1に設けられている。
【0020】つぎに本実施例の入出庫操作を説明する。 (入庫操作)いま、図2に示すように入出庫位置に入っ
てきた自動車を所望の車棚に入庫させる場合を説明す
ると、昇降搬送装置3を駆動して自動車を積載したパ
レットPを上昇させる。格納すべき車棚が図1の1Aであ
るとすると当該スラットビーム4を7Fまで上昇させて、
停止し、前述の移載装置(100) でパレットPを車棚1A内
へ引き込む。そして、その状態で格納しておく。これで
一連の入庫操作は終了である。この後入庫車両がある場
合も同様に入庫操作すればよい。連続入庫する場合も全
く同じ入庫操作を引き続き連続的に行えばよい。たとえ
ば図1に示す自動車が入庫完了した後、自動車を、
さらに自動車を連続入庫させる場合、自動車を入庫
完了させた状態で別のスラットビーム4が入出庫位置に
位置しているので、パレットストッカー8から空パレッ
トを供給し、自動車を進入させる。なお、空パレット
の供給は7Fで実車パレットの引込みを行っている間に行
えばロスタイムは生じない。ついで、スラットビーム4
を昇降装置3で6Fへ上昇させ、そこで自動車を積載し
ている実パレットPを移載する。また、この間、新たな
空パレットPが入出庫位置に循環してきたスラットビー
ム4上に供給し、そのパレットPに自動車を進入させ
る。この自動車は前記自動車,と同様にして入庫
させる。以上のように、連続入庫の場合に待ち時間やロ
スタイムが生じないので、短時間で連続入庫を行えると
いう利点がある。
【0021】(出庫操作)つぎに出庫操作を説明する。
いま図1に示す自動車を出庫させようとすると、まず
2Fのパレット移載装置(100) で自動車を積載している
パレットをスラットビーム4に移載し、昇降搬送装置3
で下降させ入出庫位置に位置させる。ここで自動車を
パレットP上から前進(または後退)させると出庫完了
である。残った空パレットはつぎの入庫に備えて、その
ままにしておいてよい。しかし、連続出庫させる場合は
パレット給排装置で空パレットを回収し、パレットスト
ッカー8に貯蔵しておく。そして、この間に、たとえば
自動車のパレットを実車パレット移載装置で6Fに位置
しているスラットビーム4上に払い出し、ついで昇降装
置3でパレットを下降させる。そして、自動車を入出
庫位置で出庫させている間に、つぎに出庫させる自動車
をスラットビーム4上に移載し、同様にして出庫させ
る。以上のように、連続出庫の場合も待ち時間やロスタ
イムが生じないので、短時間で連続出庫を行えるもので
ある。
【0022】(連続入出庫)入庫と出庫を繰り返す場合
は、入庫時に空パレットをスラットビームに供給する必
要がある外は、前記の入庫操作と出庫操作を繰り返せば
よい。しかし、前の出庫車が使った空パレットが入出庫
位置のスラットビーム上に残してあるときは、そのパレ
ットをそのまま使えばよく、空パレットの供給をする必
要がない。この場合も、入出庫が短時間で行えることは
いうまでもない。
【0023】つぎに、本発明の他の実施例を説明する。
前記実施例では、入出庫位置の支持台90は旋回台を有し
ないものであったが、旋回台を設けてもよい。この場
合、自動車の入出庫方向が一方向でなく他方向に自由に
選べることになる。旋回台付き支持台90としては、たと
えば図15に示すように構成される。同図において、支柱
91とフレーム92は図10と実質的に同一であり、このフレ
ーム92と支柱91の間に旋回台 120が設けられる。旋回台
120としては、旋回フレーム 121に旋回ローラ 122を取
付け、これを支柱91上に取付けた天板 123上に旋回自在
に載置する。そして、旋回駆動装置として、旋回フレー
ム 121に巻き掛けたワイヤロープ等を旋回フレーム 121
から少し離れた所に置いたプーリ 124にも巻き掛け、こ
のプーリ 124を回転するモータ 125を設けた構成とか、
あるいは図示しないが、旋回フレーム 121の外周または
内周に設けたギヤに噛合するピニオンとそれを回転する
モータからなる構成など、任意の装置を用いることがで
きる。
【0024】また、前記実施例では、入出庫位置を最下
層に設けたが、図16に示すように格納庫本体の上下方向
の途中に設けてもよく、また図示しないが最上層に設け
てもよい。図16のタイプは地上地下併用型に好適であ
り、最上層を入出庫層とするタイプは地下型として好適
である。このような中間層や最上層を入出庫層とする場
合は、パレットストッカー8と入出庫位置のスラットビ
ーム4との間で空パレットPを給排する給排装置は、パ
レットを積載したスラットビーム4の下降動作を妨げな
い構造のものにする必要がある。
【0025】さらに上記各実施例はいずれも駐車場に適
用した例であったが、本発明はこれを立体倉庫や立体艇
庫などにも適用できる。この場合、車棚は格納棚として
理解すれば、上記駐車場の構成はそのまま立体倉庫の構
成として理解してよいものである。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、連続入庫、連続出庫お
よび連続入出庫に迅速に対応できる立体格納庫を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる立体駐車場の概略正
面図である。
【図2】本発明の一実施例に係わる立体駐車場の概略側
面図である。
【図3】スラットビーム4の昇降装置3の要部斜視図で
ある。
【図4】スラットビーム4の正面図である。
【図5】スラットビーム4の平面図である。
【図6】スラットビーム4の側面図である。
【図7】係止装置50の断面図である。
【図8】パレットストッカー8の斜視図である。
【図9】パレットストッカー8の他の例の斜視図であ
る。
【図10】パレット給排装置9の斜視図である。
【図11】送り装置80の平面図である。
【図12】送り装置80の背面図である。
【図13】送り装置80の退避位置(A)と送り位置
(B)の説明図である。
【図14】実パレット移載装置100 の斜視図である。
【図15】支持台90の旋回構造の正面図である。
【図16】本発明の他の実施例に係わる立体駐車場の概
略正面図である。
【符号の説明】
1 車棚 2 格納庫本体 3
昇降搬送装置 4 スラットビーム 5 チェーン 8
パレットストッカー 9 パレット給排装置 10 ガイドレール 50
係止手段 51 係止ピン 57 解除シリンダ 80
送り装置 90 支持台 100 実車パレット移載装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層階に設けた格納棚を有する格納庫本体
    と、前記格納庫本体の各格納棚に隣接する位置に設置し
    た、物品を載置した実パレットを支持するための複数の
    スラットビームを等間隔に取付けた索条体を格納庫本体
    の最下層から最上層の間で循環させる昇降搬送装置と、
    前記各格納棚と前記昇降搬送装置の各スラットビームと
    の間で実パレットを引き込みまたは払い出し操作する実
    パレット移載装置と、貯蔵されている空パレットを必要
    に応じて取り出し、また回収されたパレットを貯蔵する
    ためのパレットストッカーと、前記パレットストッカー
    と乗降位置におけるスラットビームとの間で、空パレッ
    トをスラットビームに供給し、また空パレットを回収す
    るパレット給排装置とからなることを特徴とする機械式
    立体格納庫。
  2. 【請求項2】前記スラットビームに、積載したパレット
    を落下しないように係止しておくためパレットに形成さ
    れたピン孔に常時突入するよう付勢された係止ピンを有
    する係止装置が設けられ、かつスラットビームの各停止
    位置に対応する位置に前記係止ピンのピン孔からの抜去
    を操作する解除装置が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の立体格納庫。
  3. 【請求項3】前記実パレット移載装置が、格納棚の入口
    側と奥側にそれぞれ軸支されたスプロケットに掛け廻さ
    れたチェーンと、該チェーンに取付けられた引掛け金具
    と、該チェーンの循環駆動装置と、パレットの長辺側の
    側壁に取付けられた係合金具とからなることを特徴とす
    る請求項1記載の立体格納庫。
  4. 【請求項4】前記パレットストッカーが、昇降板に空パ
    レットを多段に積載し、該昇降パレットを昇降手段で昇
    降させるものである請求項1記載の立体格納庫。
  5. 【請求項5】前記パレット給排装置が、送り装置と支持
    台からなり、前記送り装置はパレットストッカーの最上
    段の空パレットの前端部と後端部の下面にそれぞれ進入
    した送り位置と、パレットストッカー内でのパレットの
    昇降に干渉しない位置に後退した退避位置との間で、前
    進後退が可能であり、かつパレットに送りをかける送り
    ローラが設けられているものであり、前記支持台は、入
    出庫位置におけるパレット前端部支持用のスラットビー
    ムと、パレット後端部支持用のスラットビームとの間に
    設置されており、かつその上面にパレットに送りをかけ
    る送りローラが設けられているものである請求項1記載
    の立体格納庫。
  6. 【請求項6】前記支持台が旋回台上に設置されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の立体格納庫。
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