JP3190244B2 - 並設型パレット式立体駐車設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数組の立体駐車
装置を並設した並設型パレット式立体駐車設備に関す
る。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】エレベータ装置の昇降
台の昇降空間の両側に複数階にわたって駐車室を設けた
立体駐車装置がある。図９および図１０に示すように、
敷地の有効利用からこの立体駐車設備Ａ，Ｂを２基縦列
に並設した場合、通常入口はａとｂか、またはｃが考え
られる。しかし、立地条件によりａまたはｂしか使用で
きない場合には、奥側の立体駐車装置Ｂに車を入出庫す
ることができず、従来では２基の立体駐車設備を並設す
ることができなかった。

【０００３】本発明のうち請求項１記載の発明は、上記
問題点を解決して出入口が制限される場合でも設置可能
となる並設型パレット式立体駐車設備を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１記載の発明は、エレベータ装置の昇降台の昇
降空間の側方に駐車室が複数階にわたって配設されると
ともに、前記昇降台に駐車室との間で車を搭載したパレ
ットを受渡し可能な移載装置を設けた立体駐車装置を複
数基、前記昇降空間が隣接するように並設した並設型パ
レット式立体駐車設備において、入出庫階の出入口側の
入出庫室に、出入口を駐車室側に形成し、パレットに、
両側部に沿って移送レールを設け、前記エレベータ装置
の昇降台を、空間部を有する矩形枠体形に形成し、出入
口側の入出庫室に、前記空間部を通過可能な旋回テーブ
ルによりパレットを旋回可能なターンテーブル装置を配
置し、入出庫階の出入口側の入出庫室と奥側の入出庫室
とを連通するとともに、車を搭載したパレットを出入口
側の入出庫室と奥側の入出庫室との間で移送可能なパレ
ット送り装置を設け、このパレット送り装置に、出入口
側の入出庫室で、前記昇降台の外側に配置されたローラ
フレームにパレットの移送レールに下方から当接して搬
送可能な複数の送り駆動ローラを有する入口側送りロー
ラ装置と、奥側の入出庫室で、前記昇降台の外側に配置
されたローラフレームにパレットの移送レールに下方か
ら当接して搬送可能な複数の送り駆動ローラを有して前
記入口側送りローラ装置との間でパレットを受け渡し可
能な奥側送りローラ装置とを具備し、入口側送りローラ
装置のローラフレームまたはターンテーブル装置の旋回
テーブルの一方を昇降してパレットを互いに受渡し可能
に構成したものである。

【０００５】また請求項２記載の発明は、上記構成に加
えて、出入口側の入出庫室と奥側の入出庫室の間に、奥
側送りローラ装置の送り駆動ローラと同一高さの搬送面
を形成する中間ローラを有する中間送りローラを設けた
ものである。

【０００６】上記構成によれば、出入口側の入出庫室で
駐車室側からの車の出入りが可能となり、並設式で立地
条件により出入口が制約される場合でも、設置が可能と
なる。また出入口側の入出庫室で、ターンテーブルの昇
降テーブルと昇降台の移載装置と入口側送りローラ装置
との間で車をスムーズに受け渡しすることができ、奥側
の駐車装置にスムーズに車を搭載したパレットを出し入
れすることができる。

【０００７】また入口送りローラ装置と奥側送りローラ
装置の間に中間送りローラを設けたので、出入口側の入
出庫室と奥側の入出庫室との間でスムーズに車を移動さ
せることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】ここで、本発明に係る並設型パレ
ット式立体駐車設備の実施の形態を図１〜図８に基づい
て説明する。

【０００９】この立体駐車設備は、図１〜図３に示すよ
うに、パレット９を介して車Ｍを駐車する２組の立体駐
車装置Ａ，Ｂが並設されたもので、１階の入出庫階１Ｆ
の入口側以外のフロア１Ｆ〜５Ｆでエレベータ装置１
Ａ，１Ｂの昇降台１ａ，１ｂの昇降空間２Ａ，２Ｂの両
側にそれぞれ駐車室３Ａ，３Ｂが設けられている。そし
て、入出庫階１Ｆには、図面右側の立体駐車装置Ａ側に
のみ車Ｍの駐車方向とは直角方向にシャッター付きの出
入口４が形成され、この立体駐車装置Ａの入出庫室５Ａ
にターンテーブル装置６が配置される。また立体駐車装
置Ａ，Ｂの入出庫室５Ａ，５Ｂは、隔壁の開口部５Ｃを
介して連通され、入出庫室５Ａ，５Ｂの間で車Ｍを搭載
したパレット９を移送ラインＬに沿って移動させて受渡
し自在なパレット送り装置７が設けられている。またエ
レベータ装置１，１の昇降台１ａ，１ｂには、移載装置
である移載用ローラ装置８が設けられており、駐車室３
Ａ，３Ｂの床面に配設された遊転ローラコンベヤ（図示
せず）との間で車Ｍを搭載したパレット９を受渡しする
ことができる。

【００１０】この立体駐車設備に使用されるパレット９
は、図８に示すように、中央堤部１１を介して一対の車
輪走行溝１２が互いに平行に設けられ、この車輪走行溝
１２には前輪および後輪を係止するための車輪止め１２
ａ，１２ｂが突設されている。また車輪走行溝１２の外
側縁部には、パレット送り装置７により案内される逆Ｌ
形移送レール１３が全長にわたって取り付けられてい
る。またパレット底面の前後位置には、移載用ローラ装
置８により案内される入出庫用レール１４がそれぞれ幅
方向にわたって設けられている。

【００１１】ターンテーブル装置６は、図５に示すよう
に、減速機付き旋回モータ２１に駆動ギヤ２２およびリ
ングギヤ２３を介して旋回される旋回テーブル２４を配
置したものである。

【００１２】パレット送り装置７は、出入口４側の入出
庫室５Ａに設けられた昇降式入口側送りローラ装置３１
と、奥側の入出庫室５Ｂに設けられた奥側送りローラ装
置３２と、入出庫室５Ａと入出庫室５Ｂの間に設けられ
た中間送りローラ３３とで構成されている。

【００１３】前記入口側送りローラ装置３１は、図３〜
図５に示すように、四隅位置に立設されたガイド架台３
４に、昇降レール３５Ａおよびリニアガイド３５Ｂを介
して昇降自在に案内された昇降柱３６Ａ，３６Ｂと、左
右の昇降柱３６Ａ，３６Ａと３６Ｂ，３６Ｂにそれぞれ
支持されたローラフレーム３７に、移送レール１３に下
方から係合する鍔付きの複数の送り駆動ローラ３８がそ
れぞれ長さ（左右）方向に所定間隔ごとに軸受を介して
回転自在に支持されている。そして、送り駆動ローラ３
８のローラ軸に設けられたスプロケット３９がチェーン
４０により連動連結され、送り駆動モータ４１により駆
動スプロケット３９ａを介して回転駆動される。昇降装
置４２は、昇降柱３６Ａにそれぞれ取り付けられたラッ
ク４３に昇降ピニオン４４が噛合され、左右の昇降ピニ
オン４４を連結する駆動軸４５が昇降モータ４６にスプ
ロケットおよびチェーンからなる伝導機構４７を介して
回転駆動される。また昇降柱３６Ａと昇降支柱３６Ｂと
は、スプロケット４８Ａ〜４８Ｃおよび連動チェーン４
９を具備した連動機構５０により連動連結されている。
すなわち連動機構５０は、昇降柱３６Ａの上部に基端部
が連結された連動チェーン４９をそのガイド架台３４下
部のスプロケット４８Ａを介して昇降支柱３６Ｂ側に導
き、長さ調整具４９ａを介装した後、ガイド架台３４の
下部のスプロケット４８Ｂから上部のスプロケット４８
Ｃを介して先端部が昇降支柱３６Ｂの下部に連結されて
いる。これにより昇降柱３６Ａの昇降駆動力を連動チェ
ーン４９を介して昇降支柱３６Ｂに伝達し、両側の送り
駆動ローラ３８を同期して昇降駆動することができる。

【００１４】前記奥側送りローラ装置３２は、図６，図
７に示すように、四隅位置に立設された左右の固定支柱
５１にローラフレーム５２がそれぞれ支持され、これら
ローラフレーム５２には、移送レール１３に下方から係
合する鍔付きの複数の送り駆動ローラ５３がそれぞれ長
さ（左右）方向に所定間隔ごとに軸受を介して回転自在
に支持されている。そして、この送り駆動ローラ５３の
パレット支持面は、前記入口側送りローラ装置３１の上
昇限のパレット支持面に一致されるとともに、送り駆動
ローラ５３のローラ軸に設けられたスプロケット５４が
チェーン５５により連動連結され、送り駆動モータ５６
により駆動スプロケット５４ａを介して回転駆動され
る。

【００１５】中間送りローラ３３は、図３，図４に示す
ように、前後一対の中間支柱５７上に遊転する中間ロー
ラ５８がそれぞれ配置され、奥側の送り駆動ローラ５３
と同一高さの搬送面を形成するように設定される。

【００１６】エレベータ装置１Ａ，１Ｂは、対角線上に
配置されたガイド柱６１に案内される昇降台１ａ，１ｂ
が、天井部に配設された昇降駆動装置１ｃ，１ｄにより
複数の索体（図示せず）を介して昇降駆動され、入出庫
階５Ａ，５Ｂおよび駐車室３Ａ，３Ｂに対向して停止さ
れる。前記昇降台１ａ，１ｂは、図３に示すように、ロ
ーラフレーム３７，５２間に平行に配置される左右フレ
ーム６２と、この左右フレーム６２の左右端部を連結す
る前後フレーム６３により、中間部に旋回テーブル２４
が通過可能な空間部６４が形成された矩形枠体形に形成
され、前後フレーム６３に移載用ローラ装置８が設けら
れている。そして入出庫室５Ａ，５Ｂでは、パレット９
の支持面が送りローラ装置３１，３２の支持面より下方
に停止される。前記移載用ローラ装置８は、パレット９
の入出庫用レール１４に係合する複数の駆動移載ローラ
６５が１列に配置され、目的の駐車室３Ａ，３Ｂに対向
して停止された後、昇降台１ａ，１ｂに設けられた出退
ローラ（図示せず）が駐車室３Ａ，３Ｂの遊転ローラコ
ンベヤとの間に突出され、駆動移載ローラ６５が駆動さ
れて昇降台１ａ，１ｂとの間でパレット９を受渡しされ
る。

【００１７】次に上記構成における入庫方法および出庫
方法を説明する。 １．空パレット９がターンテーブル装置６の旋回テーブ
ル２４上に配置されて出入口４方向に向く９０°旋回状
態で待機される。ここで奥側の駐車室３Ｂに駐車する車
Ｍを入庫する場合、出入口４のシャッターを開放して車
Ｍを侵入させパレット９上に乗り込ませる。そして所定
位置に停車させてサイドブレーキにより車輪をロックし
た後、運転者を外部に案内する。

【００１８】２．出入口４のシャッターを閉じ、ターン
テーブル装置６により車Ｍを搭載したパレット９を９０
°旋回させる。次いで入口側送りローラ装置３１の昇降
装置４２を駆動してローラフレーム３８を上昇させ、送
り駆動ローラ５３をパレット９の移送レール１３に係合
させ、さらにパレット９を旋回テーブル２４から上昇さ
せる。

【００１９】３．入口側および奥側送り装置３１，３２
の送り駆動ローラ３８，５３を駆動してパレット９を入
出庫室５Ａから中間送りローラ３３を介して入出庫室５
Ｂに移送する。

【００２０】４．エレベータ装置１Ｂにより昇降台１ｂ
を上昇させ、駆動移載ローラ６５を入出庫レール１４に
下方から係合させてパレット９を昇降台１ｂ上に受け取
り、さらに昇降台１ｂを所定の階まで上昇させて駐車室
３Ｂに対向して停止させる。

【００２１】この時、奥側の入出庫室５Ｂの駐車室３Ｂ
は、パレット支持面が、送り駆動ローラ５６の搬送面よ
り少し上位に設定されているため、昇降台１ｂによりパ
レット９を少し上昇させればよい。

【００２２】６．ついで駆動移載ローラ６５を駆動して
昇降台１ｂから駐車室３Ｂに入庫する。出庫の場合に
は、上記と逆の手順で車Ｍを搭載したパレット９が搬出
される。

【００２３】また入口側の駐車室３Ａに駐車する場合に
は、旋回テーブル２４上から直接昇降台１ａに載せられ
て上昇される。

【００２４】上記実施の形態によれば、この立体駐車装
置Ａ，Ｂが並設されたパレット式立体駐車設備におい
て、パレット９を入出庫室５Ａ，５Ｂ間で移送可能なパ
レット送り装置７を設けたので、立地条件に制約される
出入口４が入口側入出庫室５Ａにしか設けられなくて
も、奥側の駐車装置Ｂにスムーズに車Ｍを移送すること
ができ、複雑な立地条件に対応することができる。また
駐車室５Ａにターンテーブル装置６を設けることによ
り、出入口４の方向にも制約されることがない。

【００２５】なお、上記実施の形態では、入口側送りロ
ーラ装置３１の昇降機構に替えて、ターンテーブル装置
６に昇降機構を設けても、上記と同様に作用させること
ができる。

【００２６】

【発明の効果】以上に述べたごとく、請求項１記載の発
明によれば、出入口側の入出庫室で駐車室側からの車の
出入りが可能となり、並設式で立地条件により出入口が
制約される場合でも、設置が可能となる。また出入口側
の入出庫室で、ターンテーブルの昇降テーブルと昇降台
の移載装置と入口側送りローラ装置との間で車をスムー
ズに受け渡しすることができ、奥側の駐車装置にスムー
ズに車を搭載したパレットを出し入れすることができ
る。

【００２７】請求項２記載の発明によれば、入口送りロ
ーラ装置と奥側送りローラ装置の間に中間送りローラを
設けたので、出入口側の入出庫室と奥側の入出庫室との
間でスムーズに車を移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る並設型パレット式立体駐車設備の
実施の形態を示す入出庫室の概略平面断面図である。

【図２】同立体駐車設備の概略側面断面図である。

【図３】同立体駐車設備の入出庫室を示す平面断面図で
ある。

【図４】同立体駐車設備の入口側送りローラ装置を示す
正面図である。

【図５】同立体駐車設備の入口側送りローラ装置を示す
側面断面図である。

【図６】同立体駐車設備の奥側送りローラ装置を示す正
面図である。

【図７】同立体駐車設備の奥側送りローラ装置を示す側
面断面図である。

【図８】同立体駐車設備のパレットを示す斜視図であ
る。

【図９】従来のパレット式立体駐車装置を並設した場合
の入出庫室の概略平面断面図である。

【図１０】従来のパレット式立体駐車装置を並設した場
合の側面断面図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ 駐車装置 １Ａ，１Ｂ エレベータ装置 １ａ，１ｂ 昇降台 ２Ａ，２Ｂ 昇降空間 ３Ａ，３Ｂ 駐車室 ４ 出入口 ５Ａ，５Ｂ 入出庫室 ６ ターンテーブル装置 ７ パレット送り装置 ８ 移載ローラ装置 ９ パレット １２ａ，１２ｂ 車輪止め １３ 移送レール ３１ 入口側送りローラ装置 ３２ 奥側送りローラ装置 ３３ 中間送りローラ ３８ 送り駆動ローラ ４２ 昇降装置 ５３ 送り駆動ローラ ６５ 駆動移載ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−235269（ＪＰ，Ａ) 実開 平７−26531（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04H 6/18 - 6/20 E04H 6/28

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータ装置の昇降台の昇降空間の側方
   に駐車室が複数階にわたって配設されるとともに、前記
   昇降台に駐車室との間で車を搭載したパレットを受渡し
   可能な移載装置を設けた立体駐車装置を複数基、前記昇
   降空間が隣接するように並設した並設型パレット式立体
   駐車設備において、入出庫階の出入口側の入出庫室に、出入口を駐車室側に
   形成し、 パレットに、両側部に沿って移送レールを設け、前記エレベータ装置の昇降台を、空間部を有する矩形枠
   体形に形成し、 出入口側の入出庫室に、前記空間部を通過可能な旋回テ
   ーブルによりパレットを旋回可能なターンテーブル装置
   を配置し、 入出庫階の出入口側の入出庫室と奥側の入出庫室と を連
   通するとともに、車を搭載したパレットを出入口側の入
   出庫室と奥側の入出庫室との間で移送可能なパレット送
   り装置を設け、 このパレット送り装置に、出入口側の入出庫室で、前記
   昇降台の外側に配置されたローラフレームにパレットの
   移送レールに下方から当接して搬送可能な複数の送り駆
   動ローラを有する入口側送りローラ装置と、奥側の入出
   庫室で、前記昇降台の外側に配置されたローラフレーム
   にパレットの移送レールに下方から当接して搬送可能な
   複数の送り駆動ローラを有して前記入口側送りローラ装
   置との間でパレットを受け渡し可能な奥側送りローラ装
   置とを具備し、入口側送りローラ装置のローラフレームまたはターンテ
   ーブル装置の旋回テーブルの一方を昇降してパレットを
   互いに受渡し可能に構成した ことを特徴とする並設型パ
   レット式立体駐車設備。
2. 【請求項２】出入口側の入出庫室と奥側の入出庫室の間
   に、奥側送りローラ装置の送り駆動ローラと同一高さの
   搬送面を形成する中間ローラを有する中間送りローラを
   設けた ことを特徴とする請求項１記載の並設型パレット
   式立体駐車設備。