JP2597203Y2 - 噴射式自動製氷機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、水皿に穿設した噴水孔から対応の製氷小
室に製氷水を噴射供給して角氷を生成するようにした噴
射式自動製氷機に関するものである。

従来の技術 第９図及び第７図に示す如く、従来技術に斯かる水皿
（１）は、上下が開放した枠体（10）と、この枠体（1
0）により画成された空間に水平に配設した受け板
（９）と、該受け板（９）の裏面に配設した圧力室
（５）及び分配管（６）とから基本的に構成されてい
る。

この水皿（１）は、好適には合成樹脂等の可塑性材料
を金型中に射出して一体成形される。前記受け板（９）
には、製氷室（８）の各製氷小室（２）の中心に対応
し、かつ前記分配管（６）に連通する位置に噴水孔
（３）が所定間隔で穿設され、また受け板（９）の各噴
水孔（３）に隣接し、かつ分配管（６）を回避した位置
に戻り孔（４）が穿設されている。

考案が解決しようとする問題点 上述した噴射式自動製氷機の水皿は、ユーザーからの
要請によって、生成される角氷の寸法を変化させるに必
要のある場合が少なくない。この場合に角氷の寸法は製
氷小室（２）の内部寸法と略同一であることから、当該
製氷小室（２）の成形寸法を変化させることによりこれ
に対応している。例えば第８図に示す製氷小室（２）か
らえら得られる角氷よりも大きい寸法の角氷を得る必要
があるとき、第２図に示すように、製氷小室（２）の寸
法の大きい製氷室（８）に交換しなければならない。

ところで水皿に穿設される噴水孔（３）は、各製氷小
室（２）の略中央直下に位置することが重要であり、こ
の中心位置から製氷水を噴射することによって、対応の
製氷小室（２）内に均質な角氷を生成することができ
る。しかるに前述した如く、ユーザーの要請によって、
大きな製氷小室（２）を画成した製氷室（８）に交換し
たような場合、この交換後の製氷小室（２）の中心と、
既存の受け板（９）に穿設した噴水孔（３）の対応関係
は中央直下に位置せず、第10図の如く、成長してきた氷
によって噴水孔（３）が閉鎖されて製氷用水が供給不可
能となり、以後の空洞が白氷・欠氷の原因となってしま
う。すなわち従来の製氷小室（２）と水皿（１）とは、
噴水孔（３）の穿設位置に関して常に対応関係があり、
異なる寸法の製氷小室（２）に交換する場合は、これに
伴って対応する間隔で噴水孔（３）を穿設した水皿
（１）に交換する必要があった。

本考案は、噴射式自動製氷機に内在している前述した
諸種の欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案され
たものであって、製氷小室の寸法を変化させるに際し
て、水皿全体を交換することなく経済的に対応し得るよ
うにした新規な噴射式自動製氷機を提供することを目的
とする。

問題点を解決するための手段 前記問題点を克服し、所期の目的を好適に達成するた
めの本考案は、同じ内部寸法に夫々設定されて下向きに
開口する多数の製氷小室を碁盤目状に画成した第１製氷
室と、 外形寸法が前記第１製氷室の外形寸法と同じに設定さ
れ、同じ内部寸法に夫々設定されて下向きに開口する多
数の製氷小室を碁盤目状に画成すると共に、各製氷小室
の内部寸法を第１製氷室における製氷小室の内部寸法と
異なるよう設定した第２製氷室と、 これら第１製氷室および第２製氷室を選択的に取付け
可能であって、その選択された製氷室の製氷小室を下方
から傾動開放可能に閉塞すると共に、前記第２製氷室の
各製氷小室に対応する噴水孔および戻り孔を穿設した水
皿と、 製氷水タンク中の製氷水を分配管を介して前記水皿の
噴水孔に供給する循環ポンプとを備えた噴射式自動製氷
機において、 前記水皿の受け板には、隣り合う前記噴水孔と噴水孔
の中心の各位置に分岐噴水孔が穿設され、 前記第１製氷室を前記水皿に取付けた際には、その製
氷小室の中心に前記噴水孔の夫々が位置して、該噴水孔
から製氷水を該製氷小室に供給し、 前記第２製氷室を前記水皿に取付けた際には、その製
氷小室の中心に前記分岐噴水孔が位置し、この分岐噴水
孔と前記分配管とを連通することで、該分岐噴水孔から
製氷水を該製氷小室に供給し得るように構成したことを
特徴とする。

実施例 次に本考案に係る噴射式自動製氷機につき、好適な実
施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。

第11図の如く噴射式自動製氷機の製氷機構は、図示し
ない筐体内部に、下方に開口する多数の製氷小室（２）
を仕切板（23）により基盤目状に画成した製氷室（８）
が水平に配置されている。この製氷室（８）の上面に
は、冷凍系に連通する蒸発管（15）が密着的に蛇行配置
され、製氷運転時に冷媒をこれに循環させることによ
り、前記製氷小室（２）を強制冷却するようになってい
る。

製氷室（８）の直下には、製氷水タンク（７）を備え
た水皿（１）が、支軸（16）により傾動可能に枢支され
ている。この水皿には、製氷運転時には水平に位置して
前記製氷室（８）と平行に保持され、脱氷運転に際して
は、アクチュエータ（図示せず）により付勢されて、支
軸（16）を中心に時計方向に傾動して、製氷小室（２）
を開放するようになっている。

第１図の水皿（１）の受け板（９）には、従来の各製
氷小室（２）の中心に対応し、且つ分配管（６）に連通
する位置に噴水孔（３）が所定間隔で穿設され、また受
け板（９）の各噴水孔（３）に隣接し、かつ分配管
（６）を回避した位置に戻り孔（４）が穿設されてい
る。受け板（９）裏面には前記噴水孔（３）に製氷水を
供給できるよう、分配管（６）が圧力室（５）が長手方
向に対して垂直方向に平行で等間隔に配設され、従来の
受け板（９）裏面に隣合う分配管（６）及び（６′）の
噴水孔（３）と噴水孔（３′）の中心の各位置に分岐噴
水孔（11）が穿設され、分岐噴水孔（11）に隣接し、か
つ分岐噴水パイプ（14）を回避した位置に戻り孔（12）
が穿設されている。該分岐噴水孔（11）は、必要に応じ
て製氷小室（２）の中央に対向する位置の分岐噴水孔
（11）を第４図及び第５図に示す分岐噴水パイプ（14）
によって分配管（６）と連通させ、第６図の如く分岐噴
水孔（11）から製氷小室（２）の天井面の中央に製氷水
を噴水させるよう構成されている。なお水皿（１）の上
方には外部水道系に接続する散水器（17）が配設され、
この散水器（17）から水皿（１）表面に散布された水
は、前記戻り孔（４）及び水皿（１）の前後開放端から
落下して製氷水タンク（７）中に貯留され、以後は製氷
水として使用される。

タンク（７）に貯留された製氷水は、吸入管（18）を
介してポンプ（19）により吸引され、図示の吐出管（2
0）・管体（21）及びパイプ（22）を経て圧力室（５）
中に圧送される。圧力室（５）は前記分配管（６）に連
通しており、従って製氷水は、分配管（６）を介して前
記受け板（９）に穿設した多数の噴水孔（３）から対応
の製氷小室（２）内に噴射供給される。

製氷小室（２）は、前記冷凍系の運転により氷点下に
冷却されているので、該製氷小室（２）中に循環供給さ
れる製氷水の一部は製氷小室（２）の内壁面に層状に氷
結し始める。また氷結するに至らなかった製氷水は、水
皿（１）の受け板（９）に穿設した戻り孔（４）から落
下して、製氷タンク（７）に回収され再び循環に供され
る。製氷運転が進行して製氷小室（２）に所要の角氷が
生成されると、センサがこれを検知し、弁の切換えによ
り前記蒸発管（15）にホットガスを供給すると共に、ア
クチュエータを付勢し、水皿（１）及び製氷小室（２）
から放出され、前記水皿（１）上を斜め下方に滑落し、
図示しない貯氷庫内に貯留される。

第２図の如く製氷小室（２）が従来の製氷小室（２）
の寸法Ｌ×Ｍより大きな寸法2L×2Mで形成されている。
この場合、第３図の如く製氷小室（２）の中央に対向す
る位置の分岐噴水孔（11）を分配管（６）に設けられた
分配孔（13）と分岐噴水パイプ（14）によって連通する
ことで、製氷小室（２）の中央に製氷水を供給すること
ができる。

考案の効果 以上説明したように、本考案に係る噴射式自動製氷機
によれば、角氷の寸法を変更する場合であっても水皿全
体を交換する必要がなく、このため寸法の異なる製氷室
に対応する水皿を夫々製造し、また多数保管したりする
という必要がなくなるので、製造コスト及び在庫管理の
諸経費を低減し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る噴射式自動製氷機の好適実施例の
平面図、 第２図は本考案に係る噴射式自動製氷機の製氷室の斜視
図、 第３図は本考案に係る噴射式自動製氷機の好適実施例の
斜視図、 第４図は本考案に係る噴射式自動製氷機の分岐噴水パイ
プの斜視図、 第５図は本考案に係る噴射式自動製氷機の別実施例の分
岐噴水パイプの斜視図、 第６図は本考案に係る噴射式自動製氷機の分岐噴水パイ
プ使用時の要部拡大断面図、 第７図は従来の水皿の平面図、 第８図は従来の製氷室の斜視図、 第９図は従来の水皿の斜視図、 第10図は分岐噴水パイプ未使用時の製氷状態を示す縦断
面図、 第11図は従来の噴射式自動製氷機の製氷機構を示す概略
断面図である。 １……水皿 ２……製氷小室 ３……噴水孔 ３′……噴水孔 ４……戻り孔 ５……圧力室 ６……分配管 ６′……分配管 ７……製氷水タンク ８……製氷室 ９……受け板 10……枠体 11……分岐噴水孔 12……戻り孔 13……分配孔 14……分岐噴水パイプ 15……蒸発管 16……支軸 17……散水器 18……吸入管 19……ポンプ 20……吐出管 21……管体 22……パイプ 23……仕切板

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F25C 1/04 301 B

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】同じ内部寸法に夫々設定されて下向きに開
   口する多数の製氷小室（２）を碁盤目状に画成した第１
   製氷室（８）と、 外形寸法が前記第１製氷室（８）の外形寸法と同じに設
   定され、同じ内部寸法に夫々設定されて下向きに開口す
   る多数の製氷小室（２）を碁盤目状に画成すると共に、
   各製氷小室（２）の内部寸法を第１製氷室（８）におけ
   る製氷小室（２）の内部寸法と異なるよう設定した第２
   製氷室（８）と、 これら第１製氷室（８）および第２製氷室（８）を選択
   的に取付け可能であって、その選択された製氷室（８）
   の製氷小室（２）を下方から傾動開放可能に閉塞すると
   共に、前記第２製氷室（８）の各製氷小室（２）に対応
   する噴水孔（3,3′）および戻り孔（４）を穿設した水
   皿（１）と、 製氷水タンク（７）中の製氷水を分配管（６）を介して
   前記水皿（１）の噴水孔（3,3′）に供給する循環ポン
   プ（19）とを備えた噴射式自動製氷機において、 前記水皿（１）の受け板（９）には、隣り合う前記噴水
   孔（３）と噴水孔（３′）の中心の各位置に分岐噴水孔
   （11）が穿設され、 前記第１製氷室（８）を前記水皿（１）に取付けた際に
   は、その製氷小室（２）の中心に前記噴水孔（3,3′）
   の夫々が位置して、該噴水孔（3,3′）から製氷水を該
   製氷小室（２）に供給し、 前記第２製氷室（８）を前記水皿（１）に取付けた際に
   は、その製氷小室（２）の中心に前記分岐噴水孔（11）
   が位置し、この分岐噴水孔（11）と前記分配管（６）と
   を連通することで、該分岐噴水孔（11）から製氷水を該
   製氷小室（２）に供給し得るよう構成したことを特徴と
   する噴射式自動製氷機。
2. 【請求項２】前記分岐噴水孔（11）と分配管（６）と
   は、分岐噴水パイプ（14）を介して連通される請求項１
   記載の噴射式自動製氷機。