JPH083895Y2 - 自動製氷機の未氷結水回収構造 - Google Patents

自動製氷機の未氷結水回収構造

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JPH083895Y2
JPH083895Y2 JP9360389U JP9360389U JPH083895Y2 JP H083895 Y2 JPH083895 Y2 JP H083895Y2 JP 9360389 U JP9360389 U JP 9360389U JP 9360389 U JP9360389 U JP 9360389U JP H083895 Y2 JPH083895 Y2 JP H083895Y2
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秀敏 岡田
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、第1製氷室および第2製氷室を備えて、
球状氷等の異形氷を製造する自動製氷機において、その
製氷運転の初期段階に両製氷室中で氷結し得なかった製
氷水(以下「未氷結水」という)が、水皿の上面に一部
漏洩して滞留し、氷結するに至るのを有効に阻止し得る
未氷結水回収構造に関するものである。
従来技術 各種の産業分野で、サイコロ状の角氷や所要厚みの板
氷その他フレーク状の氷片等を大量に連続製造する自動
製氷機が、その用途に応じて好適に使い分けられてい
る。しかるに最近の喫茶店やレストラン等の飲食施設で
は、同種営業に対し種々の面で優位に立って顧客を吸引
するべく、他社との差別化を図る懸命な努力が払われて
いる。その一環として、従来からの角氷に替えボール状
(球体状)の氷塊を使用して、顧客に目先の新しい変化
を提供する試みがなされている。
そこで出願人は、このような動向に鑑み、透明な球状
氷に代表される異形氷を大量に製造し得る製氷機を新た
に開発し、その基本構造につき昭和63年1月29日付けで
発明「自動製氷機」として特許出願を行なった。本考案
は、この発明「自動製氷機」に関連して提案されるもの
であるので、理解に資するため球状氷の製氷機を例に挙
げて、その基本構造を先ず説明する。
第4図に示す主要製氷構造において、多数の球状氷を
製造するための製氷室10は、製氷機の内部上方に水平に
配設固定した第1製氷室11と、この第1製氷室11を下方
から閉成および開放可能な第2製氷室12とから基本的に
構成される。この第1製氷室11は熱良導性金属を材質と
し、下向きに開口する半球状の第1製氷小室13が所要の
整列パターンで多数凹設されている。また第1製氷室11
の上面には、冷凍系(図示せず)に接続する蒸発器14が
蛇行状に密着固定されると共に、夫々の第1製氷小室13
と連通する空気孔39が穿たれている。
第2製氷室12も熱良導性金属を材質とし、軸16を中心
として傾動自在に枢支されて、第1製氷室11の直下に配
設されている。この第2製氷室12の上面には、半球状凹
部からなる第2製氷小室15が上向きに所要の整列パター
ンで多数凹設されている。そして、製氷運転時に、第
2製氷室12は第1製氷室11を下方から閉成して、両製氷
小室間に球形の製氷空間を形成し、また除氷運転時
に、第2製氷室12は軸16を支点として斜め下方に傾動
し、第1製氷室11を開放するようになっている。なお第
2製氷室12における各第2製氷小室15の底部には、第5
図に示す如く、やや大径の噴水孔25が穿設されて、後述
する製氷水の供給を許容する。
この第2製氷室12の外底部には、両製氷小室13,15に
製氷水を供給する水皿38が一体的に固定され、また該水
皿38の各第2製氷小室15と対応する部位には、小径の噴
水孔27が夫々穿設されている。更に水皿38の外底部に
は、製氷水供給路として機能する分配管24が蛇行配置さ
れ、この分配管24は前記小径噴水孔27の夫々と対応的に
連通するようになっている。また水皿38の下方に製氷水
タンク19が一体的に設けられ、分配管24は該タンク19に
圧力室23を介して連通している。従って製氷運転に際し
タンク19中の製氷水は、ポンプ22により圧力室23および
分配管24を圧送され、小径噴水孔27および大径噴水孔25
を介して両製氷小室13,15に噴射供給される。
また水皿38には、夫々の小径噴水孔27を挟み、かつ前
記大径噴水孔25の開孔直下に位置して2つの戻り孔29,2
9が、第2製氷小室15の画成数に対応して穿設されてい
る。これらの戻り孔29,29は、製氷運転に際し両製氷小
室13,15中で氷結するに到らなかった未氷結水を、タン
ク19に向け排出するべく機能する。
なお、多数の第2の製氷小室15が画成される第2製氷
室12の外底部(水皿38に対向する面)には、第5図に示
す如く、各第2製氷小室15の突出輪郭によって、縦横に
延在する溝部71が形成されている。この溝部71は、第2
製氷室12に水皿38を取付けることにより、該水皿38で密
閉されて溝通路72を形成する。また水皿38には、その両
側部に側板61,61が形成されると共に、該水皿38の前方
開放端に側部61より僅かに低く設定した堰止め部62が配
設されている。従って前記溝部71は、これら堰止め部62
および両側部61,61により囲い込まれていることにな
る。
更に、水皿38の第2製氷室12から外れた開放端近傍
で、かつ前記堰止め部62より内側の部位に、多数の水逃
し孔63が所要間隔で整列的に穿設されている。従って後
述の除氷運転に際し、給水管31から供給される水道水
は、この溝通路72に充満して流れ、第2製氷小室15の加
熱促進を行なった後、水逃し孔63から下方の製氷水タン
ク19に落下回収される。
この基本構成に係る製氷機の製氷運転を開始すると、
第4図において蒸発器14に冷媒が循環供給され、第1お
よび第2製氷室11,12が冷却される。またタンク19中の
製氷水は分配管24に圧送され、水皿38の小径噴水孔27お
よび第2製氷室12の大径噴水孔25を介して両製氷小室1
3,15中に噴射される。噴射された製氷水は、両製氷小室
13,15の内壁に接触して冷却され、その一部は凍結して
次第に球状氷を形成する。また凍結するに至らなかった
製氷水(未氷結水)は、大径噴水孔25および戻り孔29,2
9を介してタンク19に排出される。
製氷の進行に伴い第1製氷室11が所要温度まで低下す
ると、除氷運転に移行して製氷水の供給を停止し、給水
弁WVを開放して水皿38への水道水の供給が開始される。
供給された水道水は、溝通路72を流れて第2製氷室12を
温度上昇させ、第2製氷小室15の壁面と球氷との氷結力
を低下させる。これにより第2製氷室12の温度は次第に
上昇するので、これを適宜のセンサにより検出して給水
弁WVを閉じると共に、図示のアクチュエータAMを動作さ
せて、第6図に示すように、水皿38および第2製氷室12
を下方に強制的に傾動させて第1製氷室11を開放する。
また冷凍系のホットガス弁を開いて蒸発器14にホットガ
スを供給し、第1製氷室11の加温を促がし、第1製氷小
室13と球状氷1との氷結を解除して球状氷1を自重落下
させ、貯氷庫(図示せず)に回収する。
球状氷1が全て第1製氷小室13から離脱すると、前記
モータAMが逆回転して第2製氷室12および水皿38を水平
状態に復帰させ、第1製氷室11を再び下方から閉成す
る。そして前記冷凍系の弁を切換え、蒸発器14に冷媒を
供給すると共に、給水弁WVを開放してタンク19に製氷水
を供給し次の製氷運転に移行する。
考案が解決しようとする課題 先に述べた如く、製氷室が上方の第1製氷室および下
方の第2製氷室に分割され、後者の第2製氷室に水皿が
設けられる製氷構造では、製氷運転の初期段階に未氷結
水が該水皿の上面に漏洩して滞留し、除氷運転時に供給
される水道水の円滑な流れを損う等の欠点を有してい
る。すなわち、先に説明した型式の製氷機では、第1製
氷室11は機内に水平姿勢で固定配置され、これを下方か
ら閉成する第2製氷室12および水皿38も水平姿勢を保持
して製氷運転を待機している。
この状態で製氷運転に入ると、両製氷小室13,15に噴
射供給された製氷水の一部は、第1製氷室11と第2製
氷室12との間の細間隙、第2製氷室12と水皿38との間
の細間隙その他第1製氷室11に穿設した前記空気孔39
等から漏れる現象がみられる。この漏れた未氷結水は、
水皿38の上面に流れ落ち、殆どは該水皿38の開放端側に
穿設した前記水逃し孔63からタンク19に落下して回収さ
れる。
しかしながら、水皿38の上面に漏れた未氷結水の更に
一部は、当該水皿38が水平に位置している結果として、
その上面に滞留してしまい、第2製氷室12により冷却さ
れるに至る。このため該未氷結水は、第2製氷室12の周
囲および第5図に関連して述べた前記溝通路72の内部で
氷結してしまう。なお、未氷結水が漏洩するのは、製氷
運転の初期の間だけであって、該運転が進行するにつ
れ、前記、およびの部位は氷結して塞がれ、以後
の水漏れは停止される。
そして、第2製氷室12の周囲および溝通路72の内部で
形成された氷は、除氷運転時に以下の如き弊害を持たら
す。すなわち除氷運転に入ると、給水弁WVが開放し、水
皿38へ常温の水道水が供給される。この水道水は、第1
製氷室11と第2製氷室12との間での氷結、第2製氷室12
と水皿38との間での氷結を融解させて除氷を促進する
が、更に前述した溝通路72をも流れて第2製氷室12を裏
側から温度上昇させるものである。しかるに、先に述べ
たように一部漏洩した未氷結水は、溝通路72の内部で氷
結してしまっているために、この溝通路72での水道水の
円滑な流れを損ってしまう。このため、除氷運転に要す
る時間が長くなって、除氷水の浪費を招く欠点がある。
また除氷の進行が不均一となるために、両製氷小室13,1
5中で形成された球状氷も、一方では過剰に溶かされる
と共に、他方では過剰に氷結したままとなって、変形し
た氷が多量に製造される欠点もある。
考案の目的 この考案は、前述した課題に鑑み、これを好適に解決
するべく提案されたものであって、第1製氷室および第
2製氷室を備えて、球状氷等の異形氷を製造する自動製
氷機において、その製氷運転の初期段階で両製氷室中で
氷結し得なかった未氷結水が、水皿の上面に一部漏洩し
て滞留し、氷結するに至るのを有効に阻止し得る未氷結
水回収構造を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成する
ため本考案は、機内に固定配置され、下方に開放する第
1製氷小室を多数画成した第1製氷室と、この第1製氷
室の直下に開閉自在に配設され、上方に開放する第2製
氷小室を第1製氷小室と対応的に多数画成した第2製氷
室と、この第2製氷室の下部に配設され、各第2製氷小
室に連通する噴水孔と戻り孔および第2製氷室から外れ
た開放端近傍に穿設した多数の水逃し孔を備える水皿
と、この水皿の下方に一体的に設けた製氷水タンクとか
らなり、前記タンク中の製氷水を前記噴水孔から噴射し
て両製氷小室内に球状氷を形成すると共に、未氷結水は
前記戻り孔および水逃し孔を介してタンクに回収する自
動製氷機において、 前記水皿の上面をその開放端側に向け斜め下方に傾斜
させて、製氷運転の初期段階に両製氷小室から水皿上面
に一部漏洩する未氷結水を前記水逃し孔に案内し得るよ
う構成したことを特徴とする。
実施例 次に、本考案に係る自動製氷機の未氷結水回収構造に
つき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら
以下説明する。なお、実施例に示す自動製氷機の基本構
造は、第4図に関して既に説明した通りのものであるか
ら、同一部材については同じ符号で示すに止める。本実
施例では、製氷機構における水皿38の上面を、その開放
端側に向け斜め下方に傾斜させる構成として、製氷運転
の初期段階に水皿38の上面に一部漏洩する未氷結水を、
前記水逃し孔63に円滑に案内して回収し、未氷結水が残
留するのを極力抑えるようにしたことを内容とする。
(第1実施例について) 第1図は、本考案の好適な第1実施例を示すものであ
って、第1製氷室11、第2製氷室12および水皿38からな
る製氷機構を、全体的に該水皿38の開放端側が僅か下方
に傾斜するよう配置してある。この場合において、製氷
運転の初期段階に両製氷小室13,15に噴射された製氷水
の一部は、第1製氷室11と第2製氷室12との細間隙、第
2製氷室12と水皿38との細間隙および第1製氷室11の空
気孔39から一部漏れることは前述した通りである。そし
て漏れた後に水皿38の上面に流れ落ちた未氷結水は、そ
の殆どが前記水逃し孔63からタンク19に落下して回収さ
れることも先に述べた通りである。
しかし、従来水皿38の上面に漏れてそのまま水皿上面
に滞留していた一部の未氷結水は、本実施例によれば、
第1製氷室11、第2製氷室12および水皿38からなる製氷
機構を全体的に僅か下方に傾斜するよう配置した結果と
して、その殆ど全部が前記水逃し孔63に円滑に案内され
る。従って、水皿上面に滞留する未氷結水が第2製氷室
12により冷却されて、前記溝通路72の内部で氷結すると
いう好ましくない事態を確実に回避することができる。
このため、除氷運転に移行して前記水道水を水皿38の
上面に供給する際にも、溝通路72の内部に氷結は生じて
いないから、該水道水の円滑な流れが確保され、除氷に
要する時間を短縮し得ると共に、除氷水の消費を抑える
ことができる。また、除氷は均一に進行するので、球状
氷が変形することがなく、均質な氷が得られる利点があ
る。なお、前記製氷機構における傾斜の程度は軽微であ
るから、製氷運転に際し製氷水の噴射供給に弊害を及ぼ
すことはない。
(第2実施例について) 第2図に示す本考案の第2実施例では、製氷機構にお
ける第1製氷室11および第2製氷室12は水平に配設され
ているが、水皿38の上面は、全体として開放端側に向け
斜め下方に傾斜するよう構成してある。このように構成
することによっても、水皿38の上面に漏れた未氷結水
は、その殆ど全部が水逃し孔63に円滑に案内される。
(第3実施例について) 第3図に示す本考案の第3実施例では、製氷機構を構
成する第1製氷室11、第2製氷室12および水皿38は、水
平姿勢を保持するよう配設されている。しかし水皿38の
上面には、図示の如く、当該水皿38の開放端側に向け斜
め下方に傾斜する複数の溝部40が形成してある。この場
合も、水皿38の上面に漏れた未氷結水は、これら複数の
溝部40を速やかに流れて、その殆ど全部が水逃し孔63に
案内される。
考案の効果 以上に説明したように、本考案に係る自動製氷機の未
氷結水回収構造によれば、第1製氷室および第2製氷室
を備えて、球状氷等の異形氷を製造する自動製氷機にお
いて、その製氷運転の初期段階に水皿の上面に一部漏洩
した未氷結水は、該水皿の上面に形成した傾斜部を速や
かに流れて、水皿の開放端側に設けた水逃し孔に案内さ
れる。従って、この未氷結水が水皿上面に滞留して氷結
するに至るのを有効に阻止し得る。
従って、溝通路の内部で未氷結水が氷結する事態を確
実に回避でき、除氷運転に移行した際にも、除氷水とし
ての水道水の円滑な流れが確保される。このため、除氷
時間を短縮し得ると共に、除氷水の消費を抑えることが
でき、また除氷は均一に進行する結果として、均質な異
形氷が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る自動製氷機の未氷結水回収構造
の好適な第1実施例を示す縦断面図、第2図は、本考案
の第2実施例を示す縦断面図、第3図は、本考案の第3
実施例を示す斜視図、第4図は、第1製氷室および第2
製氷室を備えて、球状水等の異形氷を製造する従来の自
動製氷機の縦断面図、第5図は、第4図に示す自動製氷
機の主要製氷機構の概略斜視図、第6図は、第4図に示
す自動製氷機において第2製氷室を第1製氷室に対して
開放した状態で示す縦断面図である。 11……第1製氷室、12……第2製氷室 13……第1製氷小室、14……蒸発器 15……第2製氷小室、27……噴水孔 29……戻り孔、63……水逃し孔 71……溝、72……溝通路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】機内に固定配置され、下方に開放する第1
    製氷小室(13)を多数画成した第1製氷室(11)と、こ
    の第1製氷室(11)の直下に開閉自在に配設され、上方
    に開放する第2製氷小室(15)を第1製氷小室(13)と
    対応的に多数画成した第2製氷室(12)と、この第2製
    氷室(12)の下部に配設され、各第2製氷小室(15)に
    連通する噴水孔(27)と戻り孔(29)および第2製氷室
    (12)から外れた開放端近傍に穿設した多数の水逃し孔
    (63)を備える水皿(38)と、この水皿(38)の下方に
    一体的に設けた製氷水タンク(19)とからなり、前記タ
    ンク(19)中の製氷水を前記噴水孔(27)から噴射して
    両製氷小室(13,15)内に球状氷を形成すると共に、未
    氷結水は前記戻り孔(29)および水逃し孔(63)を介し
    てタンク(19)に回収する自動製氷機において、 前記水皿(38)の上面をその開放端側に向け斜め下方に
    傾斜させて、製氷運転の初期段階に両製氷小室(13,1
    5)から水皿上面に一部漏洩する未氷結水を前記水逃し
    孔(63)に案内し得るよう構成した ことを特徴とする自動製氷機の未氷結水回収構造。
JP9360389U 1989-08-09 1989-08-09 自動製氷機の未氷結水回収構造 Expired - Lifetime JPH083895Y2 (ja)

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