JP2575690Y2 - 製氷機の離氷装置 - Google Patents

製氷機の離氷装置

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JP2575690Y2
JP2575690Y2 JP1992048690U JP4869092U JP2575690Y2 JP 2575690 Y2 JP2575690 Y2 JP 2575690Y2 JP 1992048690 U JP1992048690 U JP 1992048690U JP 4869092 U JP4869092 U JP 4869092U JP 2575690 Y2 JP2575690 Y2 JP 2575690Y2
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勝信 三成
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Hoshizaki Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、製氷機の離氷装置に
関し、更に詳細には、斜め下方に開口する多数の製氷小
室を画成した製氷室を略垂直に配置し、この製氷室に製
氷水を散布供給して各製氷小室に角氷を生成するよう構
成した縦形製氷機において、製氷室に生成された角氷
を、該製氷室から強制的に放出させることにより、除氷
時間を短縮し得るようにした製氷機の離氷装置に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】多数の角氷を連続的に製造する自動製氷機
として、水平に配置した製氷室に画成した多数の製氷小
室を水皿により開閉自在に下から閉成し、前記水皿の噴
水孔からこの製氷小室に製氷水を噴射供給して、当該製
氷小室中に角氷を除々に形成するクローズドセル型の製
氷機が広く普及している。この方式の製氷機では、均質
で寸法の揃った高品質の角氷を製造することができる
が、除氷運転時に水皿を傾動させる必要があるため、こ
れを駆動する手段が別途必要となり、全体として機構が
複雑になると共に製造コストが嵩む欠点がある。
【0003】また傾斜配置した製氷機の一側面に、冷凍
系に連通する蒸発管を配設し、この製氷板の製氷面に製
氷水を散布供給して板氷を製造し、得られた板氷を製氷
機の斜め下方に配設した格子状電熱線に落下させて、多
数の角氷として融断するよう構成した水循環式の製氷機
も使用されている。
【0004】しかしこの循環式の製氷機は、前記格子状
電熱線を製氷機の斜め下方の板氷落下軌跡上に水平配置
することを必要とすることから、その配設スペースが大
きくなり、製氷機構部が大型化する欠点がある。また、
氷融断時に電力消費が嵩む点も指摘される。
【0005】前述した構成に係る製氷機の欠点を解消し
得る製氷機として、斜め下方に開口する多数の製氷小室
を画成した製氷室を垂直に配置し、この製氷室の上方に
配設した散水器から製氷水を散布供給することにより、
各製氷小室に角氷を生成するよう構成した製氷機が知ら
れている。
【0006】本考案は、この縦形水循環式製氷機の離氷
装置に関するので、先ず水循環式製氷機の概略構造につ
き説明する。製氷機の筐体(図示せず)の内部上方に、図
4に示す如く、斜め下方に開口した多数の製氷小室12
aを画成した製氷室12が垂直に配置されている。この
製氷室12の裏面側に、図示しない冷凍系に接続する蒸
発管15が密着的に蛇行配置され、製氷運転時に該蒸発
管15に冷媒が循環されることにより、製氷室12は氷
点下に冷却される。この製氷室12の直下には、後述の
製氷運転時に製氷室12に散布供給される製氷水を回収
貯留する水タンク19が配設されている。
【0007】この水タンク19には、図に示す如く、所
定量の製氷水を貯留し得る貯水タンク21を介して、常
時一定の製氷水が貯留される。また水タンク19中に製
氷水循環ポンプ23が配設され、このポンプ23の吐出
側に接続する製氷水送水管25は、製氷室12の上方に
水平に延在するよう配設した製氷水散水器27の一端部
に接続されている。この散水器27には、図に示すよう
な散水孔27aが、その長手方向に沿って所定間隔で穿
設されており、製氷運転時に水タンク19から圧送され
た製氷水は、この散水孔27aから散布される。
【0008】また散水器27と製氷室12との間には、
散水器27から散布供給した製氷水を、製氷室12に画
成した最上段の製氷小室12aに案内するためのガイド
29が配設されている。このガイド29を介して最上段
の製氷小室12aに案内された製氷水は、該製氷小室1
2aの内壁を伝って下段の製氷小室12aに案内され、
全ての製氷小室12aを流下した後、前記水タンク19
に落下して回収される。
【0009】このように構成した製氷機は、その製氷運
転を開始すると、製氷室12の裏面に取付けられた前記
蒸発管15に冷媒が循環供給される。また水タンク19
に貯留された製氷水は、ポンプ23により吸引され、図
示の送水管25を経て散水器27中に圧送される。従っ
て製氷水は、図4に示す如く、散水孔27aを介して前
記ガイド29に散布され、このガイド29から最上段の
製氷小室12aの内壁に導かれる。この時、製氷水は、
製氷室12の頂面から下方へ流下するが、製氷室12
は、斜め下方に傾斜を付した横仕切板12cにより横方
向に画成されると共に、この仕切板12cは、各製氷小
室12aの天板および底板を構成している。従って流下
する製氷水は、表面張力の作用により水膜を形成して、
頂面端部から下方に傾斜した天板を遡って製氷小室12
aの内壁全体を潤流しつつ底板を流下して次段の製氷小
室12に流入し、このように各製氷小室12を隈なく潤
流して流下する。
【0010】前記製氷小室12aは、前記冷凍系の運転
により氷点下に冷却されているので、該小室中に循環供
給される製氷水の一部は、製氷小室12aの内壁面に層
状に氷結し始める。また氷結するに至らなかった製氷水
は、製氷室12の下端から落下して、前記水タンク19
に回収され再び循環に供される。そして製氷運転が進行
し製氷小室12aに所要の角氷が生成されると、センサ
(図示せず)がこれを検知し、弁の切換えにより前記蒸発
管15にホットガスが供給される。これにより、角氷と
製氷小室12aとの氷結面が融解し、該角氷は自重によ
り製氷小室12aから放出され、図示しない貯氷庫内に
貯留される。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】前述した構成に係る縦
形製氷機では、その除氷運転に際し、製氷室12から角
氷を短時間で放出落下させるために、各製氷小室12a
で成長する氷層が、前記横仕切板12cの開放端を跨い
で各角氷を相互に連結させるまで製氷運転を継続するよ
うになっている。すなわち、除氷運転に際して製氷小室
12aと角氷との氷結面が融解すると、相互に連結する
全ての角氷の重量が、当該角氷群を製氷室12から剥離
する方向に作用し、これにより除氷が促進される。
【0012】この場合において、図4に示す如く、前記
横仕切板12cを同一厚みでその上下面を同一方向に傾
斜させた型式では、製氷室10からの角氷群のスムーズ
な放出が行なわれないと云う難点があった。そこで、図
5に示す如く、前記横仕切板12cの上面と下面の傾斜
角度を変えて、その断面形状を略台形状に形成すること
により、製氷室10からの角氷群の円滑な放出を達成す
るものが提案されている。しかるにこの場合は、横仕切
板12cの厚み寸法が大きくなるため、各製氷小室12
aの体積が小さくなり、結果的に製氷量が減少する欠点
があった。また何れにしても、製氷室10からの角氷群
の放出は、当該角氷群の自重に頼っているので、角氷群
が横仕切板12cに引掛かった場合は、角氷が必要以上
に融解されてしまう問題があった。
【0013】そこで前述した問題に対処するものとし
て、製氷室に形成された角氷を、製氷小室から強制的に
放出する機構を設けた製氷機が提案されている。この製
氷機は、図6(a)に示すように、矩形状に成形された多
数の製氷小室12aを有する製氷室12が、その前面側
(製氷小室12aの開放側)を下方に向けるよう所要の角
度で筐体(図示せず)に傾斜配置されると共に、この製氷
室12の裏面側中央に、取付け板32を介して氷押出し
装置34が取付けられている。この氷押出し装置34
は、図に示すように、角氷11の押出し面34aを形成
した可動部材36が、製氷室12の中央に位置する製氷
小室12aの内部に臨んでおり、角氷放出時には、図6
(b)に示す如く、該角氷を製氷小室12aの外部に押出
すよう構成されている。
【0014】図7は、前記氷押出し装置34の可動部材
36を延出させた状態で示す縦断面図であって、該可動
部材36は、常には第2コイル発条46の弾力作用下
に、製氷小室12a内に臨む状態に保持されるようにな
っている。また可動部材36の内部に、その長手方向に
沿って可動軸38が一体的に形成され、該可動軸38に
形状記憶合金を材質とする第1のコイル発条40が巻装
されている。このコイル発条40は、製氷機の除氷運転
時に、前記可動軸38に接続された給電線42を介して
通電されるようになっている。そして、該コイル発条4
0が発熱して所定温度まで上昇した際に、その成形時に
予め記憶された長さにまで伸びて、前記第2コイル発条
46の弾力に抗して可動部材36を製氷小室12aから
外方に押出すよう設定されている。
【0015】前記氷押出し装置34では、前記第1のコ
イル発条40が伸びることにより、図6(b)に示す如
く、可動部材36を介して相互に連結している角氷11
を製氷小室12aから強制的に放出させることができ
る。従って、角氷11の自重によって放出させるものに
比べて、除氷時間を大幅に短縮することができる。しか
しながら、押出し装置34の構造が極めて複雑であると
共に、形状記憶合金等の特殊な材料を必要とするので、
製造コストが嵩む欠点があった。また押出し装置34に
取付けられた可動部材36が製氷小室12a内に臨んで
いるため、該小室12aには角氷11を生成することが
できず、結果的に製氷能力が低下してしまう難点も指摘
される。更に、第1のコイル発条40を作動させるた
め、前記給電線42を介して該発条40に所定時間に亘
って給電する必要があり、消費電力量が嵩む問題もあ
る。
【0016】
【考案の目的】この考案は、前述した従来技術に内在す
る前記課題に鑑み、これを好適に解決するベく提案され
たものであって、製氷室に生成された角氷を確実かつ短
時間で放出させ得る簡単な構造の離氷装置を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本考案は、筐体内に略垂直に配設
され、斜め下方に傾斜開口する多数の製氷小室を画成し
た製氷室と、前記製氷室の下方に配置され、給水管を介
して水が供給される水タンクと、前記製氷室の上方に配
設され、水タンクから循環ポンプを介して製氷水が供給
される散水器とからなり、除氷運転に際して前記給水管
を介して水タンクに所要量の水を供給するよう構成した
水循環式製氷機において、前記製氷室の裏面側に臨むよ
う配設され、前記給水管を介して供給される水を貯留可
能なフロートタンクと、前記フロートタンクの内部に臨
み、該タンク内の水位に応じて昇降するフロートと、前
記フロートに配設され、その一端を前記製氷小室に穿設
した孔に摺動自在に挿通した氷押出し部材とからなり、
除氷運転に際して給水管から供給される水がフロートタ
ンクに貯留されて前記フロートが上昇した際に、前記氷
押出し部材を製氷小室の内部に突出させるよう構成した
ことを特徴とする。
【0018】
【実施例】次に、本考案に係る製氷機の離氷装置につ
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以
下説明する。なお、本考案が実施される製氷機の基本的
な構成は、図4に関連して説明した従来技術の水循環式
製氷機と同一であるので、その詳細説明は省略する。ま
た先に説明した部材と同一の部材については、同一の符
号で指示することとする。
【0019】図1は、実施例に係る離氷装置10を備え
た製氷機の一部を概略的に示すものであって、多数の製
氷小室12aが設けられた製氷室12の裏面から所定間
隔離間する位置に、前記水タンク19の上方に臨むよう
にフロートタンク13が配設されている。このフロート
タンク13の上方には、外部給水系(図示せず)に接続す
る給水管22が開口し、該給水管22に配設した給水弁
24の開放により当該フロートタンク13に水を供給す
るようになっている。またフロートタンク13の底部に
排水穴13aが形成され、該タンク13に供給された水
は、排水穴13aを介して水タンク19に落下し、該タ
ンク中に貯留される。
【0020】なお、前記給水弁24は、製氷運転から除
氷運転に切換わった際に開放すると共に、フロートタン
ク13に所定量(次回の製氷運転に必要な製氷水の量)の
水を供給した際に閉成するよう制御される。また排水穴
13aを介して水タンク19に落下する水量は、給水管
22を介して供給される水量よりも少なくなるよう設定
され、給水管22を介して供給される水がタンク内に次
第に貯留されるよう設定してある。
【0021】前記フロートタンク13の内部には、所要
形状のフロート14が配設され、該フロート14は、フ
ロートタンク13内の水位の変化に応じて昇降移動する
よう構成されている。またフロートタンク13の上方に
は、図示しない筐体に上下方向に所定間隔離間して2個
の支持部材17,17が配設され、両支持部材17,17
にロッド16が昇降自在に支持されている。そしてこの
ロッド16の下端がフロート14に配設固定され、該ロ
ッド16は、フロート14の昇降移動に伴って支持部材
17,17に案内されつつ昇降移動するよう構成されて
いる。
【0022】前記製氷室12とフロートタンク13との
間に臨む筐体に支持部材45が配設され、該支持部材4
5に氷押出し棒20が水平方向に摺動自在に支持され、
その前端を製氷小室12aに穿設した孔12bに摺動自
在に挿通している。この氷押出し棒20の後端に、接続
部材18の一端が回動自在に枢支されると共に、該接続
部材18の他端は、前記ロッド16における両支持部材
17,17の間に臨む部位に回動自在に枢支されてい
る。そしてロッド16が上昇した際に、図2に示す如
く、接続部材18を介して氷押出し棒20を孔12bか
ら製氷小室12aの内部に突出する方向に水平移動させ
るよう設定される。これにより、当該製氷小室12aに
生成された角氷11は、氷押出し棒20を介して加わる
フロート14の浮力によって、該小室12aから放出さ
れる方向に押圧される。なお、氷押出し棒20,接続部
材18およびロッド16は、図1に示す如く、前記フロ
ートタンク13が空の状態において、氷押出し棒20の
前端面が製氷小室12aの内部垂直面に整列する位置関
係で連結されている。
【0023】図1において符号26は、製氷室12の温
度上昇を検出するサーミスタを示し、該サーミスタ26
が設定温度を検出した際に、除氷運転から製氷運転に切
換えるよう設定されている。
【0024】
【実施例の作用】次に、このように構成した離氷装置の
作用につき説明する。前記水タンク19に所定量の製氷
水が貯留された状態で、製氷機の製氷運転を開始する
と、前記製氷室12の裏面に取付けられた蒸発管15に
冷媒が循環供給されると共に、水タンク19に貯留され
ている製氷水が循環ポンプ23に吸引され、送水管25
を介して散水器27に圧送される。この製氷水は、散水
孔27aを介して前記ガイド29に散布され、該ガイド
29から最上段の製氷小室12aの内壁に導かれる。そ
して各製氷小室12aの内壁全体を潤流しつつ流下す
る。
【0025】各製氷小室12aは、前記冷凍系の運転に
より氷点下に冷却されているので、該小室中に循環供給
される製氷水の一部は、製氷小室12aの内壁面に層状
に氷結し始める。また氷結するに至らなかった製氷水
は、製氷室12の下端から落下して、前記水タンク19
に回収され再び循環に供される。そして製氷運転が進行
し製氷小室12aに角氷11が生成されると、センサ
(図示せず)がこれを検知し、弁の切換えにより前記蒸発
管15にホットガスが供給される。これにより、角氷1
1と製氷小室12aとの氷結面が融解する。なお、前記
氷押出し棒20の前端面は、製氷小室12aの垂直面と
一致するよう設定されているので、当該製氷小室12a
にも正常な角氷11が生成され、製氷量が低下すること
はない。
【0026】前記製氷運転から除氷運転に切換わると、
前記給水弁24が開放され、給水管22を介してフロー
トタンク13に水が供給される。この水の一部は、タン
ク13に穿設された排水穴13aを介して水タンク13
に落下するが、該落下水よりも給水管22から供給され
る水の方が多くなるよう設定されているので、該フロー
トタンク13には次第に水が貯留される。そしてタンク
13内の水位の上昇に伴って、前記フロート14および
ロッド16が垂直に上昇移動する。
【0027】前記ロッド16に接続部材18を介して連
結された氷押出し棒20は、図2に示す如く、ロッド1
6の上昇に伴って製氷小室12aに向けて水平に移動
し、当該小室12aに生成されている角氷11を放出す
る方向に押圧する。前記除氷運転により角氷11と製氷
小室12aとの氷結面の融解が進行し、角氷群と製氷室
12との氷結力が、前記氷押出し棒20を介して角氷群
に加わるフロート14の浮力よりも小さくなると、該氷
押出し棒20が製氷小室12aの内部に突出し、角氷群
が強制的に放出されるに至る。すなわち、製氷室12か
ら短時間で角氷群を放出することができ、除氷時間を短
縮し得ると共に、角氷11が必要以上に融解して痩せて
しまうのを有効に防止することができる。
【0028】前記角氷群の放出による製氷室12の温度
上昇を前記サーミスタ26が検出すると、前記蒸発管1
5へのホットガスの供給が停止されると共に冷媒が供給
されて、製氷運転に移行する。なお前記給水弁24は、
フロートタンク13に所定量の水を供給したときに閉成
され、該タンク13に貯留されている水は、前記排水穴
13aを介して前記水タンク19に落下し、この水は次
の製氷運転における製氷水として利用される。また前記
フロート14は、フロートタンク13内の水位が低下す
るにつれて下降し、これにより前記氷押出し棒20は製
氷小室12aから裏面側に退出し、その前端面が垂直面
と一致する位置で停止する(図1参照)。
【0029】
【別実施例について】図3は、離氷装置の別実施例を示
す概略図であって、基本的には図1に示す実施例と同一
の構成を備えているが、該実施例では給水管による給水
が停止した以後においても、フロートタンク内の水位を
一定に保持し得るよう構成してある。
【0030】すなわち、前記給水弁24はフロートタン
ク13に所定量の水を供給したときに閉成されて給水を
停止するよう制御されるため、以後はフロートタンク1
3内の水は排水穴13aを介して水タンク19に落下す
ることにより水位が低下し、前記フロート14は下降す
る。この場合において、給水管22からの給水が停止し
たときに、前記製氷室12と角氷群との氷結力がフロー
ト14の浮力よりも大きい場合は、以後はフロート14
の下降に伴ってその浮力は徐々に小さくなるので、氷押
出し棒20による角氷11の放出が不能となってしまう
おそれがある。
【0031】そこで別実施例では、前記循環ポンプ23
と散水器27とに接続される送水管25の途中に、切換
弁28を配設すると共に、該切換弁28と前記給水管2
2との間にバイパス管30を接続してある。そしてこの
切換弁28は、給水弁24が閉成された際に作動して、
ポンプ23を介して送水管25を圧送される製氷水をバ
イパス管30を介してフロートタンク13に供給すると
共に、前記サーミスタ26が除氷完了を検出した際に作
動して、ポンプ23を介して送水管25を圧送される製
氷水を前記散水器27に供給するよう設定されている。
また循環ポンプ23は、前記給水弁24が閉成された際
に作動するよう設定される。更に、バイパス管30を介
してフロートタンク13に供給される水量と、該タンク
13に穿設した排水穴13aから落下する水量とが略等
しくなるよう設定されており、フロートタンク13内の
水位を一定に保持し得るようになっている。なお、送水
管25からの製氷水を、該送水管25に分岐接続した管
体により給水管22を介することなくフロートタンク1
3に直接供給するようにしてもよい。
【0032】これにより、前記給水弁24が閉成されて
給水管22を介しての給水が停止した以後も、フロート
タンク13にはポンプ23により圧送される製氷水が供
給されるのでその水位は一定に保持され、前記氷押出し
棒20に加わる押圧力(フロート14の浮力)が一定に保
たれる。従って、除氷運転が進行して製氷室12と角氷
群との結氷力がフロート14の浮力よりも小さくなった
際に、氷押出し棒20を介して角氷11の放出が確実に
行なわれる。そして、前記サーミスタ26が製氷室12
の温度上昇を検出した際に、前記切換弁28が切換えら
れて、送水管25を介して圧送される製氷水は散水器2
7に供給される。
【0033】なお実施例では、製氷室に隣設して離氷装
置を1基配設した場合につき説明したが、本願はこれに
限られるものでなく、製氷室の寸法に応じて離氷装置を
複数設けるようにしてもよい。また、フロートの浮力に
より氷押出し棒を移動させる機構としては、前述したロ
ッドと接続部材との組合わせに限定されるものでなく、
その他の機構も適宜採用可能である。
【0034】
【考案の効果】以上説明した如く、本考案に係る製氷機
の離氷装置は、フロートタンクに配設されるフロートの
浮力を利用して製氷室から角氷群を強制的に放出させる
よう構成したので、除氷時間を短縮することができ、製
氷能力を向上させ得る。また、構造が極めて簡単でかつ
信頼性が高く、しかも電力を必要とないので、製造コス
トおよびランニングコストを低く抑えることができる。
【0035】更に、循環ポンプを介して水タンクに貯留
されている製氷水をフロートタンクに供給し得るよう構
成したことにより、給水管からの給水が停止した以後
も、フロートタンク内の水位を一定に保持することがで
きる。これにより、製氷室から角氷を放出させるまでの
間は、フロートを介して氷押出し部材に加わる力を一定
に保つことができ、角氷群の確実な放出を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の好適な実施例に係る製氷機の離氷装置
において、製氷小室内に角氷が生成された状態を示す縦
断面図である。
【図2】実施例に係る製氷機の離氷装置において、該離
氷機構が作動して製氷室から角氷を放出させる状態を示
す縦断面図である。
【図3】本考案に係る離氷装置の別実施例を示す縦断面
図である。
【図4】従来技術に係る水循環式の製氷機を示す縦断面
図である。
【図5】従来技術に係る製氷室を構成する横仕切板の別
例を示す要部縦断面図である。
【図6】従来技術に係る角氷の離氷装置を備えた別の製
氷機を示す概略縦断面図である。
【図7】図6に示す離氷装置の内部構造を示す要部拡大
縦断面図である。
【符号の説明】
12 製氷室 12a 製氷小室 12b 孔 13 フロートタンク 14 フロート 19 水タンク 20 氷押出し棒 22 給水管 23 循環ポンプ 25 送水管 27 散水器 28 切換弁 30 バイパス管

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内に略垂直に配設され、斜め下方に
    傾斜開口する多数の製氷小室(12a)を画成した製氷室(1
    2)と、前記製氷室(12)の下方に配置され、給水管(22)を
    介して水が供給される水タンク(19)と、前記製氷室(12)
    の上方に配設され、水タンク(19)から循環ポンプ(23)を
    介して製氷水が供給される散水器(27)とからなり、除氷
    運転に際して前記給水管(22)を介して水タンク(19)に所
    要量の水を供給するよう構成した水循環式製氷機におい
    て、 前記製氷室(12)の裏面側に臨むよう配設され、前記給水
    管(22)を介して供給される水を貯留可能なフロートタン
    ク(13)と、 前記フロートタンク(13)の内部に臨み、該タンク内の水
    位に応じて昇降するフロート(14)と、 前記フロート(14)に配設され、その一端を前記製氷小室
    (12a)に穿設した孔(12b)に摺動自在に挿通した氷押出し
    部材(20)とからなり、 除氷運転に際して給水管(22)から供給される水がフロー
    トタンク(13)に貯留されて前記フロート(14)が上昇した
    際に、前記氷押出し部材(20)を製氷小室(12)の内部に突
    出させるよう構成したことを特徴とする製氷機における
    離氷装置。
  2. 【請求項2】 前記散水器(27)と循環ポンプ(23)とを接
    続する送水管(25)に管体(30)を分岐接続し、送水管(25)
    に配設した切換弁(28)の切換えにより循環ポンプ(23)か
    ら圧送される製氷水を管体(30)を介して前記フロートタ
    ンク(13)に供給するよう構成した請求項1記載の製氷機
    の離氷装置。
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