JP2597129B2 - ウエブ振動吸収装置 - Google Patents

ウエブ振動吸収装置

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JP2597129B2 JP63032020A JP3202088A JP2597129B2 JP 2597129 B2 JP2597129 B2 JP 2597129B2 JP 63032020 A JP63032020 A JP 63032020A JP 3202088 A JP3202088 A JP 3202088A JP 2597129 B2 JP2597129 B2 JP 2597129B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は走行する可撓性帯状長尺支持体(以下ウエブ
という)に塗布液を塗布し搬送する製造工程に関し、詳
しくは気体搬送におけるウエブの振動吸収装置に関す
る。
[従来の技術] 従来、プラスチックフイルム、紙、金属シート及びそ
れらの塗工物の製造工程において、ウエブの振動を吸収
するためには、ローラ又はドラム等に該ウエブを抱かせ
て搬送する方法がとられてきた。この方法は片面づつ塗
布する場合、すなはち塗布の反対面をこれらローラある
いはドラムに接触しても良い場合には有効であるが、両
面同時塗布のごとくローラ、ドラム等に対して無接触搬
送が必要な場合には適用することが出来ない。
近時、生産性向上、コスト低減等への要請から両面無
接触搬送の必要性が高まってきている。このような無接
触搬送においては種々な原因からウエブ搬送において振
動が起こりうる。例えば塗布にひきつづいて該塗工物の
乾燥を行う場合には乾燥風による振動がおこる。又この
ような無接触両面搬送の場合の塗布方式としては、一般
にエクストルージョン方式、特にスライドホッパー装置
が使用されることが多いが、このようなビード塗布方法
の場合ウエブの振動は塗布品質に大きな影響を与える。
このように無接触両面搬送における厳しいウエブの振動
吸収についてはまだ満足すべきウエブ振動吸収装置は開
発されてない。
[発明が解決しようとする問題点」 上記のごとき問題点に対して、本発明の目的は走行す
るウエブを気体により無接触搬送する場合、ウエブの振
動を効果的に吸収し、かつ、しわの発生を抑えることの
出来るウエブ振動吸収装置を低コストで提供することで
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、連続的に搬送されるウエブに対
して気体を噴出する気体噴出円筒のウエブ導入部及び導
出部にウエブの幅手方向と平行に堰を設けるとともに、
前記ウエブを前記円筒の周囲を90゜以上抱かせるように
配置した事を特徴とするウエブ振動吸収装置により達成
される。
また、連続的に搬送されるウエブに対して気体を噴出
する気体噴出円筒のウエブ導入部及び導出部にウエブの
幅手方向と平行に堰を設け、該気体噴出円筒をウエブの
搬送方向に連続的に2つ以上配置し、該2つ以上の気体
噴出円筒に対し、それぞれウエブを前記円筒の周囲を90
゜以上抱かせるように配置した事を特徴とするウエブ振
動吸収装置によっても達成される。
さらに、上記気体噴出円筒への供給圧が200〜800mmaq
間のある圧力に保持されるように、気体噴出孔径及び円
筒の肉厚を選定することが本発明の目的達成に有効であ
る。
以下本発明の装置につき図により具体的に説明する。
第1図は本発明の実施態様の1例を示す説明図である。
振動しているウエブ1が矢印方向に進行し、気体噴出孔
を有する気体噴出円筒2及び続いて同2′を図に示すご
とく抱きながら搬送させる事により振動を消すことがで
きる。尚該気体吹出円筒は、必要に応じて1つ以上設け
ることができる。但し本構成のままでは上記円筒からウ
エブとの間に噴き出された気体が円筒から逃げる際に急
激に拡散されるために、この円筒からの排風自体による
ウエブ振動が発生してしまう。これに対しては噴出円筒
の1例の断面図である第2図中の堰3を円筒部のウエブ
導入部5、導出部6にウエブの幅手方向と平行に設ける
ことにより円筒自体から発生するウエブ振動を打ち消
し、かつ振動を上流側に伝播させない効果を更に高める
ことができる。この場合ウエブと堰との間隔hは3mm以
下が望ましい。堰3は上記円筒からウエブとの間に噴き
出された気体が円筒から逃げる際の抵抗となり、ウエブ
長手方向への排風量が大幅に減少されかつ整流される。
また円筒とウエブの間をより密閉系(静圧系)に近付け
るため、ウエブと円筒間のクッション圧を安定にし、ウ
エブ張力の変動に対する浮上量変化も軽減し、円滑な搬
送を可能とする。
本発明者等は上記のごとく、種々検討の結果、ウエブ
を円弧状に保持することにより、ウエブの剛性が向上し
て振動しずらくなる事に加え、気体噴出円筒への供給圧
が200〜800mmaq間のある圧力に保持されるように気体噴
出孔径、円筒の肉厚を選定したため、円筒からの噴き出
し噴流の風速は小さくなり、結果的にウエブの浮上量は
少なくなって、該円筒とウエブ間のクツション圧は安定
し、非常に剛性の高い空気層が形成され、ウエブの振動
を吸収する形になっている。更に堰を設けた事によりウ
エブと堰から噴出する流れを整流し、気体噴出円筒自体
からの排出噴流の乱れによるウエブの振動が抑えられる
ことを見出だしたのである。
該円筒の外径は100〜700mmΦが好ましい。またウエブ
に対する抱き角は90゜以上とることが好ましく、さらに
好ましくは180゜以上である。
円筒への供給圧が200〜800mmaqに保たれるようにする
には開孔部全体の平均開孔面積率をPとすると Pは1%以下とし、好ましくは0.1%〜0.8%にする必
要がある。
また円筒の肉厚は加工し易さから5〜20mm程度にとる
ことが好ましい。
また円筒への供給圧が200〜800mmaqに保たれるならば
第4図のごとく目の細かい金網を被せた形でも効果は変
わらない。本円筒のかわりに第3図のごとくつり鐘状で
あっても効果は変わらない。つまり本条件構成が達成で
きれば、気体噴出円筒の形状にこだわることなく効果は
発揮される。また開孔断面形状は、例えば本装置を塗布
直後に設置した場合等で塗布面が噴出気体により表面に
吹きあれむらが発生するおそれがある時は、該円筒への
供給圧が200〜800mmaq間のある圧力に保たれる条件が満
たされる範囲内で噴出孔の1断面図である第5図に示す
ごとく噴出孔にポケット8を設けることにより、その噴
出速度を抑え、該むらの発生を防止することが出来る。
第2図に示す堰3とウエブ1との距離すなはち両者の
間隙hが3mm以内であれば堰の断面形状は三角形、四角
形、円形、半円形、多角形等いずれの形状であっても良
く、大きさも大小を問わない。またウエブ幅手に一様で
なく切り欠きが入っていても効果は変わらない。
該円筒は上記条件が保てるようであれば円筒度の精度
はさほど必要ではなく、市販のPVCパイプで良く容易に
孔加工出来、低コストで製作される事も特徴の1つとい
うことが出来る。
[実施例] 以下実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
第1図において、ウエブ1は矢印の方向に搬送され
る。4は乾燥装置であり、ここでウエブは振動される。
ついで該ウエブは気体噴出円筒2および2′に抱かれて
搬送され、振動が吸収される。このウエブの振動の強度
を第1図のA点及びB点において、レーザー変位形で測
定し、更に周波数分析により振動エネルギーを測定し
た。
ウエブは175μm、1110mm幅のポリエチレンテレフタ
レートフイルムベースを使用し、張力10kg/m、搬送速度
40m/minとした。
噴出円筒は2個使用し、第1図に示すごとく、ウエブ
を180゜抱かせた。円筒の外径は318mm、肉圧15mmで、気
体噴出孔は孔径1.0mm、開孔率0.6%、とした。
上記振動周波数に対する振動レベルの測定結果を第6
図に示す。同図(a)は第1図におけるA点、同図
(b)は第1図B点の測定結果である。同図より、振動
エネルギーは実効値でA点で1.5V、B点では0.1Vであ
り、本発明の噴出円筒通過後のB点ではA点の1/15に減
少した事が分かる。
[発明の効果] 本発明により、走行するウエブを気体により無接触搬
送する場合、ウエブの振動を効果的に吸収し、かつ、し
わの発生を抑えることの出来るウエブ振動吸収装置を提
供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の気体噴出円筒の配置の1例を示す説明
図である。第2図は本発明の噴出円筒の1例を示す断面
図であり、堰の配置を示す。第3図、第4図はそれぞれ
本発明の他の実施例の断面図、斜視図で、第5図は噴出
孔の形態を変えた1例を示す断面図である。第6図
(a)は実施例におけるA点(本発明適用前)の振動レ
ベルを示し、同図(b)は同じくB点(本発明適用後)
の振動レベルを示す図である。 1:ウエブ、2,2′:気体噴出円筒 3:堰、4:乾燥装置 5:ウエブ導入部、6:ウエブ導出部 7:目の細かい金網、9:つり鐘形状筒 8:ポケット

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続的に搬送されるウエブに対して気体を
    噴出する気体噴出円筒のウエブ導入部及び導出部にウエ
    ブの幅手方向と平行に堰を設けるとともに、 前記ウエブを前記円筒の周囲を90゜以上抱かせるように
    配置した事を特徴とするウエブ振動吸収装置。
  2. 【請求項2】連続的に搬送されるウエブに対して気体を
    噴出する気体噴出円筒のウエブ導入部及び導出部にウエ
    ブの幅手方向と平行に堰を設け、 該気体噴出円筒をウエブの搬送方向に連続的に2つ以上
    配置し、 該2つ以上の気体噴出円筒に対し、それぞれウエブを前
    記円筒の周囲を90゜以上抱かせるように配置した事を特
    徴とするウエブ振動吸収装置。
  3. 【請求項3】上記気体噴出円筒への供給圧が200〜800mm
    aq間のある圧力に保持されるように、気体噴出孔径及び
    円筒の肉厚を選定したことを特徴とする請求項1または
    2記載のウエブ振動吸収装置。
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