JP2003164788A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2003164788A
JP2003164788A JP2001368113A JP2001368113A JP2003164788A JP 2003164788 A JP2003164788 A JP 2003164788A JP 2001368113 A JP2001368113 A JP 2001368113A JP 2001368113 A JP2001368113 A JP 2001368113A JP 2003164788 A JP2003164788 A JP 2003164788A
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coating
bead
support
bent portion
tip
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JP2001368113A
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English (en)
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Yutaka Kashiwabara
豊 柏原
Shuichi Endo
修一 遠藤
Yasuto Naruse
康人 成瀬
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布後の製品に微細なスジやムラが発生するこ
とを抑制できる塗布装置を提供する。 【解決手段】本発明を用いたエクストルージョン型の塗
布装置10は、塗布ヘッド12の上流ブロック22の端
部22Bが100°以下の角度α1で屈曲している。端
部22Bの屈曲部22Cは、曲率半径R1が0.1mm
以下で形成され、屈曲部22Cに連続する側面22D
は、先端面22Aからの距離L1が0.1〜10mmの
範囲で平面状に形成されている。また、上流ブロック2
2は、スリット20から屈曲部22Cまでの距離D1が
0.5〜20mmの範囲となるように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布装置に係り、特
に、走行するシート状または帯状の支持体と、塗布ヘッ
ドの先端面との間に塗布液のビードを形成し、このビー
ドを介して支持体に塗布液を塗布するエクストルージョ
ン型、或いはスライドビード型の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シートやウェブなどの支持体に塗布を行
う塗布装置としては、ロールコーター、スライドビード
塗布装置、エクストルージョン塗布装置、バー塗布装
置、グラビア塗布装置などが知られている。なかでも、
エクストルージョン塗布装置は、ポンプ等で計量された
塗布液全量を、シートまたはウェブにそのまま塗布する
装置として多くの用途に用いられている。このエクスト
ルージョン塗布装置は、特開平4−190870号公報
や特開昭56−17661号公報に記載されているよう
に、塗布液のビードを介して塗布液を支持体に塗布する
装置である。具体的には、図5に示すように、塗布ヘッ
ド1のスリット2から塗布液を押し出して、走行する支
持体3と塗布ヘッド1の先端面1Aとの間にビードを形
成し、このビードを介して塗布液を支持体3に塗布す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エクストルージョン型の塗布装置は、塗布ヘッド1に振
動が伝わることによって、塗布後の製品に微細なスジや
ムラが発生するおそれがあった。このような微細なスジ
やムラは、エクストルージョン型の塗布装置だけでな
く、スライドビード型の塗布装置でも発生するおそれが
あった。すなわち、スライドビード型の塗布装置は、図
6に示すように、塗布ヘッド4の先端面4Aと支持体3
との間に、スライド面4Bを介して塗布液を流し込む
が、この場合にも、塗布ヘッド4に振動が伝わることに
よって、塗布後の製品に微細なスジやムラが発生するお
それがあった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、塗布後の製品に微細なスジやムラが発生するこ
とを抑制できる塗布装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は
前記目的を達成するために、走行するシート状または帯
状の支持体と、塗布ヘッドの先端面との間に塗布液を供
給してビードを形成し、該ビードを介して前記支持体に
前記塗布液を塗布する塗布装置において、前記先端面
は、前記支持体の走行方向に対して上流側の端部が、1
00°以下の角度で屈曲していることを特徴としてい
る。
【0006】本願発明の発明者は、塗布面状に生じるス
ジやムラの原因が、塗布ヘッドに振動が伝わった際に、
支持体の走行方向に対してビードの上流側部分が変形す
るためであるとの知見を得た。本願発明は、この知見に
基づいて成されたもので、ビードが変形しにくい形状の
塗布ヘッドを提供することによって、スジやムラのない
塗布面状を得るようにしたものである。
【0007】請求項1に記載の発明によれば、塗布ヘッ
ドの先端面の上流側の端部が100°以下の角度で屈曲
しているので、ビードは、端部の屈曲部を越えて拡がり
にくくなり、ビードの上流側にはメニスカスが安定して
形成される。したがって、ビードは、塗布ヘッドが振動
しても変形しなくなるので、スジやムラのない塗布面状
を得ることができる。
【0008】本発明は、塗布液のビードを形成して塗布
を行う塗布装置であれば適用することができるが、請求
項2に記載の如く、エクストルージョン型、又はスライ
ドビード型の塗布装置に適用すると、特に効果的であ
る。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、屈曲部の
曲率半径を0.1mm以下として屈曲部を角張らせたの
で、屈曲部によるビードの拡がり防止効果が大きくな
り、ビードをより安定させることができる。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、屈曲部に
連続する側面が先端面から0.1〜10mmの範囲で平
面状に形成されるので、ビードが屈曲部を超えて側面に
乗り上がりにくくなり、ビードの拡がりを屈曲部によっ
て確実に抑えることができる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、先端面の
ビード形成部の長さを0.5〜20mmとしたので、ビ
ードの上流部分にメニスカスが安定して形成される。特
に、ビード形成部の長さを0.5mm以上としたことに
よって、塗布ヘッドに所定の強度を持たせることができ
る。ここで、先端面のビード形成部とは、エクストルー
ジョン型の場合には、塗布液の吐出口から屈曲部までの
長さであり、スライドビード型の場合には、スライド面
との接続部から屈曲部までの長さ(すなわち、先端面の
全長)である。
【0012】請求項6記載の発明によれば、塗布ヘッド
の先端面の表面粗さを0.3S以下としたので、ビード
と塗布ヘッドの上流側の接触線は、塗布ヘッドの幅方向
に直線状に形成される。これにより、塗布ヘッドの幅方
向に均一なビードが形成されるので、塗布精度のよい塗
布面状を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る塗布装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】図1に示すように、前計量系のエクストル
ージョン型の塗布装置10は主として、塗布ヘッド1
2、バックアップローラ14で構成され、バックアップ
ローラ14には、連続走行する支持体16が巻き掛けら
れている。支持体16としては、シート状のものやウェ
ブ(可撓性帯状体)状のものが用いられる。また、支持
体16の材料としては、例えば、各種のプラスチックフ
ィルム(PET、PEN、TAC)、ポリエチレンなど
のフィルム、アルミや鉄などの薄層金属材料、各種の
紙、これらの複合材料などが用いられる。なお、支持体
16の材料は、上記のものに限定されるものではなく、
ガラスやセラミックなどを用いてもよい。また、支持体
16の走行速度としては、5〜200m/分が好適であ
る。
【0015】塗布ヘッド12は、支持体16に対して所
定寸法(例えば、0.01〜0.5mm)の隙間をあけ
て配設されている。
【0016】塗布ヘッド12の内部には、塗布液が供給
されるポケット18と、このポケット18に連通される
所定幅(例えば、0.1〜1mm)のスリット20が形
成されている。ポケット18に供給された塗布液は、ス
リット20を介して塗布ヘッド12の先端部から押し出
され、塗布ヘッド12と支持体16の間にビード(液溜
まり)を形成する。これにより、ビードを介して支持体
16に塗布液が塗布される。塗布液としては、水や溶剤
に溶解したポリマー液、感光材料、記録材料、分散液な
どが用いられる。また、塗布液の性質としては、粘度
0.7〜1000cp、表面張力20〜50dyne/
cm、比重0.8〜1.3程度のものが一般的に使用さ
れる。なお、ウェブ12の走行方向に対して、塗布ヘッ
ド12の上流側には、サクションチャンバ(不図示)を
設けることが好ましく、このサクションチャンバを減圧
することによりビードが上流側に引っ張られて安定す
る。
【0017】図2は、塗布ヘッド12の先端部を示す側
面図である。
【0018】同図に示すように、塗布ヘッド12の先端
部は、支持体16の走行方向に対して上流側のブロック
(以下、上流ブロック)22と、下流側のブロック(以
下、下流ブロック)24とで構成されている。上流ブロ
ック22と下流ブロック24との間には、スリット20
が形成されており、このスリット20から塗布液が押し
出される。
【0019】上流ブロック22と下流ブロック24はそ
れぞれ、支持体16の走行方向と略平行に形成された先
端面22A、24Aを有し、その最大表面粗さは0.3
S(すなわち0.3μm)以下に加工されている。
【0020】上流ブロック22の先端面22Aは、支持
体16の走行方向に対して上流側の端部22Bが100
°以下の角度α1で屈曲している。すなわち、端部22
Bの屈曲部22Cは、角度α1が100°以下となるよ
うに形成されている。このように角度α1を100°以
下に形成することによって、ビードは、屈曲部22Cを
越えにくくなり、ビードの拡がりが屈曲部22Cによっ
て防止される。すなわち、ビードは、上流ブロック22
との接触線を屈曲部22Cに沿って形成するようにな
り、安定したメニスカスが形成される。なお、角度α1
は、強度的に許容される範囲であれば小さいほど好まし
く、特に鋭角(90°未満)にするとビードの拡がり防
止の著しい効果が得られる。
【0021】また、屈曲部22Cは、曲率半径R1が
0.1mm以下になるように形成されている。このよう
に曲率半径R1を小さくして、屈曲部22Cを角張らせ
ることによって、ビードの拡がり防止効果が高まり、よ
り安定したメニスカスが形成される。
【0022】また、屈曲部22Cに連続する側面22D
は、先端面22Aからの距離L1が0.1〜10mmの
範囲で平面状に形成されている。このように側面22D
の平面部分を、先端面から0.1〜10mmの範囲で形
成すると、ビードが側面22Dに乗り上げにくくなり、
屈曲部22Cによるビードの拡がり防止効果が十分に得
られる。
【0023】また、上流ブロック22の先端面22A
は、スリット20から屈曲部22Cまでの距離D1が
0.5〜20mmの範囲で形成されている。距離D1を
この範囲にすると、ビードは、さらに安定したメニスカ
スを形成するようになる。すなわち、距離D1が0.5
〜20mmの範囲を超えると、支持体16の速度や塗布
液の粘度などによっては、メニスカスの形成が不安定に
なる。また、距離D1が小さ過ぎると、上流ブロック2
2の強度が低下し、振動が伝わりやすくなるおそれがあ
る。したがって、距離D1を0.5〜20mmとしたこ
とによって、安定したメニスカスを形成することができ
る。
【0024】次に上記の如く構成された塗布装置10の
作用について説明する。
【0025】塗布液がスリット20から押し出される
と、塗布ヘッド12の先端面22A、24Aと支持体1
6との間には塗布液のビードが形成され、このビードを
介して塗布液が支持体16に塗布される。その際、ビー
ドと塗布ヘッド12の接触線(境界線)が塗布ヘッド1
2の幅方向に乱れると、塗布後の製品にスジやムラが発
生する。
【0026】例えば、図5に示した従来例は、塗布ヘッ
ド1の屈曲部1Bの角度α3が150°で形成されてお
り、ビードが屈曲部1Bを越えて拡がりやすい。例え
ば、支持体2の幅方向においてビードの一部のみが屈曲
部1Bを越えた場合には、スジ状のムラが発生する。ま
た、ビードが幅方向にわたって全体的に越えた場合に
は、振動によって接触線が移動するので、段階状の濃淡
ムラが発生する。このようにムラが発生すると、その製
品は、製品規格から外れるので、製造得率が低下する。
【0027】そこで、本実施の形態では、図2に示す如
く、支持体16の走行方向に対して上流側の屈曲部22
Cの角度α1を100°以下とした。従来、150°程
度であった屈曲部22Cを100°以下と小さくしたこ
とによって、屈曲部22Cが従来より鋭角になり、ビー
ドは屈曲部22Cを越えて拡がりにくくなる。したがっ
て、ビードは、塗布ヘッド12との接触線が屈曲部22
Cに沿って安定して形成されるようになるので、ビード
の形状も安定するようになる。これにより、ビードが塗
布ヘッド12の振動の影響を受けにくくなるので、スジ
やムラのない塗布面状を得ることができる。
【0028】また、上述した実施の形態では、屈曲部2
2Cの曲率半径R1を0.1mm以下とすることによっ
て屈曲部22Cを角張らせ、ビードの拡がりを屈曲部2
2Cで確実に防止するようにしている。すなわち、曲率
半径R1を0.1より大きくして屈曲部22Cに丸みを
持たせた場合には、ビードが屈曲部22Cを越えやすく
なるが、曲率半径を0.1以下とすることによってこれ
を防止することができる。
【0029】また、上述した実施の形態は、先端面22
Aからの距離L1が0.1〜10mmの範囲において側
面22Dを平面状に形成したので、屈曲部22Cによる
ビードの拡がり防止が十分に得られる。
【0030】また、上述した実施の形態は、スリット2
0から屈曲部22Cまでの距離D1が0.5〜20mm
の範囲で形成されているので、ビードのメニスカスが安
定して形成され、塗布面状の精度を向上させることがで
きる。
【0031】さらに、上述した実施の形態は、塗布ヘッ
ドの先端面22A、24Aの表面粗さを0.3μm以下
と小さくしたので、ビードの接触線が直線になりやす
い。すなわち、表面粗さを0.3、μmよりも大きくし
た場合は、ビードの接触線が凸凹になりやすいが、表面
粗さを0.3μm以下とすることによって、これを防止
することができる。
【0032】なお、上述した実施の形態は、塗布液の吐
出口(スリット)を一つのみ備えた塗布装置10の例で
あるが、複数の吐出口を備えた塗布装置に本発明を適用
してもよい。その場合には、支持体16の走行方向に対
して最も上流側の吐出口を構成するブロックを上記の如
く形成すればよい。
【0033】また、上述した実施の形態は、エクストル
ージョン型の塗布装置の例であるが、これに限定するも
のではなく、塗布液のビードを形成して塗布を行う塗布
装置であれば本発明を適用することができる。以下に、
本発明をスライドビード型の塗布装置に適用した第2の
実施の形態について説明する。
【0034】図3はスライドビード型の塗布装置26の
全体構成を示す概念図である。
【0035】同図に示すように、塗布装置26は主とし
て、塗布ヘッド28と、バックアップローラ14とから
成り、塗布ヘッド28は、先端面28Aがバックアップ
ローラ14に対して所定の間隔となるように配置されて
いる。塗布ヘッド28の内部には、塗布液が供給される
ポケット30と、このポケット30に連通されるスリッ
ト32が形成されている。また、塗布ヘッド28には、
先端面28Aに向けて傾斜したスライド面28Bが形成
されており、このスライド面28Bに前述したスリット
32が開口されている。これにより、ポケット30に供
給された塗布液はスリット32を介してスライド面28
Bに押し出され、このスライド面28Bを流れ落ちて先
端面28Aと支持体16との間に供給される。供給され
た塗布液は、先端面28Aと支持体16との間にビード
を形成し、このビードを介して塗布が行われる。なお、
塗布ヘッド28の上流側には、サクションチャンバ(不
図示)を設けることが好ましく、このサクションチャン
バを減圧することによってビードが上流側に引っ張られ
て安定する。
【0036】図4は、塗布ヘッド28の先端部を示す側
面図である。
【0037】同図に示すように、塗布ヘッド28の先端
面28Aは、支持体の走行方向(例えば垂直)と平行に
形成されており、その最大表面粗さは、0.3S以下に
加工されている。
【0038】先端面28Aの下端、すなわち、支持体1
6の走行方向に対する上流側の端部には、角度α2が1
00°以下となるような屈曲部28Cが形成されてい
る。このように屈曲部28Cの角度α2を100°以下
にすることによって、ビードは、屈曲部28Cを越えに
くくなり、ビードの拡がりが屈曲部28Cによって防止
される。すなわち、ビードは、塗布ヘッド28との接触
線を屈曲部28Cに沿って幅方向に形成するようにな
り、安定したメニスカスが形成される。なお、角度α2
は、強度的に許容される範囲であれば小さいほど好まし
く、特に鋭角(90°未満)にすると、著しいビード拡
がり防止効果が得られる。
【0039】また、屈曲部28Cは、曲率半径R2が
0.1mm以下になるように形成されている。このよう
に曲率半径R2を小さくして、屈曲部28Cを角張らせ
ることによって、ビードの拡がり防止効果が高まり、よ
り安定したメニスカスが形成される。
【0040】また、屈曲部28Cに連続する側面28D
は、先端面28Aからの距離L2が0.1〜10mmの
範囲で平面状に形成されている。このように側面28D
の平面部分を、先端面28Aから0.1〜10mmの範
囲で形成すると、ビードが側面28Dに乗り上げにくく
なり、屈曲部28Cによるビードの拡がり防止効果が十
分に得られる。
【0041】また、先端面28Aは、支持体16の走行
方向における距離D2が、0.5〜20mmの範囲で形
成されている。これにより、ビードが安定したメニスカ
スを形成するようになる。すなわち、距離D2が0.5
〜20mmの範囲を超えたときには、支持体16の速度
や塗布液の粘度などによってメニスカスの形成が不安定
になるが、距離D2を0.5〜20mmとすることによ
ってこれを防止できる。また、距離D2が小さ過ぎて塗
布ヘッド28の強度が低下することを防止できる。
【0042】次に上記の如く構成された第2の実施の形
態の塗布装置26について説明する。
【0043】従来のスライドビード型塗布装置は、図6
に示す如く、塗布ヘッド4の先端面4Aの下端が110
°よりも大きな角度α4で屈曲していた。このため、ビ
ードが屈曲部4Cを越えて拡がりやすく、塗布ヘッド4
の振動によってスジやムラが発生していた。
【0044】これに対し、塗布装置26は、図4に示す
如く、塗布ヘッド28の先端面28Aの下端を100°
以下の角度α2で屈曲させたので、ビードの拡がり防止
効果を得ることができる。また、塗布装置26では、ビ
ードの拡がり防止効果をより確実に得るために、屈曲部
28Cの曲率半径R2を0.1mm以下とするととも
に、側面28Dの平面部分の距離L2を0.1〜10m
mとし、さらに先端面28Aの距離D2を0.5〜20
mmとしたので、ビードをより安定させることができ
る。これにより、塗布ヘッド28が振動した場合であっ
ても、製品に微細なシワやムラが発生することを抑制す
ることができ、製造得率を向上させることができる。
【0045】
【実施例】表1、表2は、図1に示したエクストルージ
ョン型の塗布装置において、角度α1、距離D1、距離
L1、曲率半径R1、表面粗さを変えて実験を行った結
果である。
【0046】表1に関する実験では、液粘度3mPa・
s、表面張力25mN/mの塗布液を、厚さ100μm
のPETフィルムに、50cc/m2 、30m/min
で塗布を行った。そして、塗布ヘッド12に加振機(不
図示)を設置し、この加振機で、周波数40Hz、振幅
0.1μmの振動を加え、得られる塗布面状を検査し
た。なお、検査は、サクションチャンバの吸引圧を−2
0〜−60mmAqの範囲で調節しながら行った。
【0047】表2に関する実験では、液粘度2mPa・
s、表面張力20mN/mの塗布液を、厚さ100μm
のPETフィルムに、40cc/m2 、20m/min
で塗布を行った。そして、塗布ヘッド12の下方のチャ
ンバー内に音波発生機(不図示)を接続し、周波数30
Hz、振幅1mmAqで振動させ、得られる塗布面状を
検査した。なお、検査は、サクションチャンバの吸引圧
を−10〜−50mmAqの範囲で調節しながら行っ
た。
【0048】表1、表2において、塗布面状の評価基準
は、○:均一な塗布面状が得られた、△:サクションチ
ャンバの吸引圧によっては均一な塗布面状が得られた、
×:吸引圧に依らずムラが発生した、を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 表1から分かるように、角度α1を120°とした比較
例1では濃淡ムラが発生したのに対し、角度α1を80
°と小さくした実施例1では、濃淡ムラが発生しなかっ
た。また、実施例1では、加振機で発生する振動の振幅
を0.1μmから0.3μmに上昇させても濃淡ムラが
発生せず、均一な塗布面状を得ることができた。
【0051】また、表2から分かるように、角度α1を
110°とした比較例2では濃淡ムラが発生したのに対
し、角度α1を75°とした実施例2では、濃淡ムラが
発生しなかった。また、実施例2では、出力をあげて振
幅3mmAqで振動させた際にも濃淡ムラが発生しなか
った。そこで、濃淡ムラが発生しない角度α1を調べた
ところ、角度α1が100°である実施例3においても
濃淡ムラが発生しなかった。これにより、角度α1が1
00°以下のときに、濃淡ムラを抑制する効果が得ら
れ、その効果は、角度α1が小さいほど大きくなること
が分かった。
【0052】また、実施例2に対して曲率半径Rを0.
3と大きくした比較例3では、濃淡ムラが発生しやすく
なった。具体的には、吸引圧が−40〜−50mmAq
の範囲でのみ均一な塗布面状が得られ、それ以外の範囲
では濃淡ムラが発生した。そこで、濃淡ムラが発生しな
い曲率半径R1の範囲を調べたところ、曲率半径R1が
0.1mm以下の時に、濃淡ムラを抑制する効果が得ら
れ、その効果は、曲率半径R1が小さいほど大きくなっ
た。
【0053】また、実施例2に対して表面粗さを0.5
Sと粗くした比較例4では、濃淡ムラが発生しやすくな
った。具体的には、吸引圧が−35〜−50mmAqの
範囲でのみ均一な塗布面状が得られ、それ以外の場合に
は、振幅1.5mmAq以上の振動を与えたときに濃淡
ムラが発生した。そこで、濃淡ムラの発生を抑制できる
表面粗さの範囲を調べたところ、実施例2の如く、0.
3S以下のときに濃淡ムラを効果的に抑制することがで
きた。
【0054】また、実施例2に対して距離L1を0.0
5mmと小さくした比較例5では、濃淡ムラが発生しや
すくなった。具体的には、吸引圧が−25〜−50mm
Aqの範囲でのみ均一な塗布面状が得られ、それ以外の
範囲では濃淡ムラが発生した。そこで、濃淡ムラの発生
を効果的に抑制できる距離L1の範囲を調べたところ、
実施例4に示す如く、距離L1が0.1mmのときに濃
淡ムラの抑制効果が得られた。
【0055】また、実施例2に対して距離D1の値を
0.4と小さくした比較例6では、濃淡ムラが発生しや
すくなった。具体的には、吸引圧が−30〜−50mm
Aqの範囲でのみ均一な塗布面状が得られ、それ以外の
範囲では濃淡ムラが発生した。そこで、濃淡ムラを抑制
できる距離D1の範囲を調べたところ、実施例2の如
く、0.5mmのとき、濃淡ムラの抑制効果が得られ
た。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る塗布装
置によれば、塗布ヘッドの先端面の上流側の端部が10
0°以下の角度で屈曲しているので、ビードは、端部の
屈曲部を越えて拡がりにくくなり、ビードの上流側のメ
ニスカスが安定して形成される。したがって、塗布ヘッ
ドが振動してもビードが変形しなくなるので、スジやム
ラのない塗布面状を得ることができる。
【0057】さらに、本発明に係る塗布装置によれば、
屈曲部の曲率半径を0.1mm以下として屈曲部を角張
らせたり、屈曲部に連続する側面を先端面から0.1〜
10mmの範囲で平面状に形成したり、塗布ヘッドの吐
出口から屈曲部までの長さを0.5〜20mmとした
り、塗布ヘッドの先端面の表面粗さを0.3S以下とし
たので、屈曲部によるビード拡がり防止効果が向上し、
塗布精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗布装置を示す側面図
【図2】図1の塗布ヘッドの先端部形状を示す側面図
【図3】第2の実施の形態の塗布装置の構成を示す概念
【図4】図3の塗布ヘッドの先端部形状を示す側面図
【図5】従来のエクストルージョン型の塗布ヘッドの先
端形状を示す側面図
【図6】従来のスライドビード型の塗布ヘッドの先端形
状を示す側面図
【符号の説明】
10…塗布装置、12…塗布ヘッド、14…バックアッ
プローラ、16…支持体、18…ポケット、20…スリ
ット、22…上流ブロック、22A…先端面、22B…
端部、22C…屈曲部、22D…側面、24…下流ブロ
ック、24A…先端面、26…塗布装置、28…塗布ヘ
ッド、28A…先端面、28B…スライド面、28C…
屈曲部、28D…側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成瀬 康人 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4F041 AA11 AA12 AB02 BA12 BA17 CA03 CA06 CA25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行するシート状または帯状の支持体と、
    塗布ヘッドの先端面との間に塗布液を供給してビードを
    形成し、該ビードを介して前記支持体に前記塗布液を塗
    布する塗布装置において、 前記先端面は、前記支持体の走行方向に対して上流側の
    端部が、100°以下の角度で屈曲していることを特徴
    とする塗布装置。
  2. 【請求項2】前記塗布ヘッドは、前記塗布液を前記先端
    面と前記支持体との間に直接押し出すエクストルージョ
    ン型、又は、前記塗布液をスライド面を介して前記先端
    面と前記支持体との間に流し込むスライドビード型であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】前記先端面の端部に設けた屈曲部は、曲率
    半径が0.1mm以下であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】前記屈曲部に連続する側面は、前記先端面
    から0.1〜10mmの範囲で平面状に形成されること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の塗布装
    置。
  5. 【請求項5】前記先端面は、ビード形成部の長さが前記
    支持体の走行方向に0.5〜20mmであることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1に記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】前記塗布ヘッドの先端面は、表面粗さが
    0.3S以下であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1に記載の塗布装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020080355A1 (ja) 2018-10-17 2020-04-23 富士フイルム株式会社 投映像表示用部材、ウインドシールドガラスおよびヘッドアップディスプレイシステム
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