JP2596053B2 - エチレン重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

エチレン重合体組成物及びその製造方法

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JP2596053B2 JP63068878A JP6887888A JP2596053B2 JP 2596053 B2 JP2596053 B2 JP 2596053B2 JP 63068878 A JP63068878 A JP 63068878A JP 6887888 A JP6887888 A JP 6887888A JP 2596053 B2 JP2596053 B2 JP 2596053B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエチレン重合体組成物に関する。
更に詳しくは、高結晶性の3−メチルブテン−1重合
体をチーグラー・ナッタ触媒の存在下に製造されたエチ
レン重合体に配合する事により得られる、結晶化速度の
高いエチレン重合体組成物に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
チーグラー・ナッタ触媒の存在下に製造されたエチレ
ン重合体は、成形性、機械的強度、耐衝撃性等に優れ、
各種成型品、フィルム、シート等の形で広く用いられて
いるが、その用途分野によっては、エチレン重合体が本
来持っている諸特性を損う事なく、下記の様な特性を改
良する事が望まれている。
この様な特性としては、剛性、透明成、射出成形にお
けるハイサイクル性、寸法安定性、成形物の均一性等が
挙げられるが、これらの特性はエチレン重合体の結晶化
速度を上げる事により改良される事が知られている。
結晶化速度を向上する為の添加剤に関しては既に多く
の提案があり、市販されているものとしては、芳香族カ
ルボン酸のアルミニウム塩、ジベンジリデンソルビトー
ル、置換ジベンジリデンソルビトール等が挙げられてい
る。
これらの添加剤(以下核剤と呼ぶ)は、いずれも低分
子量物であり、核剤として用いようとする場合、臭気が
あるので食品用途には使用出来ない、成形時に分解、或
いは昇華する為、ガス発生、金型汚染がある、エチレン
重合体への分散性が良くないので場合によっては、分散
性を上げる為、二軸混練機が必要である、等々の欠点が
ある。
一方、これらの現行核剤の持つ欠点を改良する方法と
して高分子化合物を核剤として用いる方法があり、特に
プロピレン重合体に対して高分子化合物を核剤として用
いる方法が幾つか提案されている。例えば特開昭60−13
9731号公報においては、プロピレン重合体に対して炭素
数6以上のビニルシクロアルカン重合体を用いる方法が
提案されており、その他特公昭45−32430号公報、特開
昭62−275111号公報等では特定の触媒系を用い、これを
3−メチルブテン−1で予備重合した後、プロピレンを
重合する事によりプロピレン重合体の剛性等を改良しよ
うとする提案がある。
また、特開昭61−151204号公報においては、3−メチ
ルブテン−1を含む特定のオレフィンモノマーを固体チ
タン触媒成分1g当たり0.02〜10g予備重合した後、プロ
ピレンを始めとするモノマーを本重合して結合して結晶
性、剛性の優れた重合体を得る方法が提案されている。
同公報記載の方法はプロピレンの重合に対し最も有効
とされているが、その効果発現の機構は、同公報によれ
ば、予備重合量をチタン系固体触媒成分1g当たり0.02〜
10gとした時に生ずる特異な重合体粉体形状により、重
合体に洗浄操作を施こした時、低結晶性成分が除去され
やすいという事に基く。即ち同公報記載の結晶性の向上
には、重合体の洗浄操作が必須である。また、用いられ
るチタン系固体触媒成分としては、三塩化チタン系触媒
が好適であるとされている。同公報には本重合に使用可
能なモノマーとしてエチレンが挙げられているが、当該
業界においては周知の如く、現在工業的に実施されてい
るエチレンの重合では、三塩化チタン系触媒は殆んど採
用されておらず、また高活性触媒が用いられる為洗浄操
作も行なわれていない。この傾向は、溶液重合、気相重
合、或いは低沸点用溶媒を用いたスラリー重合等のプロ
セスで重合される線状低密度ポリエチレンの領域では一
層顕著である。
従って工業的なレベルにおいては、同公報に記載の発
明方法のエチレン重合体製造への適用は不可能である。
即ち、高分子核剤のチーグラー・ナッタ触媒の存在下に
製造されたエチレン重合体への工業的な適用は未だ例を
見ないとう事が出来る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、チーグラー・ナッタ触媒の存在下に製
造されたエチレン重合体に関する上述の様な高分子核剤
の現状に鑑み鋭意検討した結果、結晶化度が高く、高融
点の3−メチルブテン−1重合体を配合した場合、結晶
化速度が高く、高い結晶化温度を持つエチレン重合体組
成物が工業的に有利に得られる事を見出し、本発明に到
達した。
即ち本発明の要旨は、3−メチルブテン−1重合体を
3−メチルブテン−1単位で0.05wt ppm〜100,000wt pp
m含有するチーグラー・ナッタ触媒の存在下に製造され
たエチレン重合体であるエチレン重合体組成物及びその
製造方法に存する。
本発明において用いられる3−メチルブテン−1重合
体は、結晶性を有する3−メチルブテン−1単独重合
体、または3−メチルブテン−1と炭素数2〜18の他の
α−オレフィンとの共重合体である。炭素数2〜18の他
のα−オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ
る。
本発明においては、用いられる3−メチルブテン−1
重合体の結晶化度が高いもの程、核剤効果が高い。
本発明で用いられる3−メチルブテン−1重量合体の
結晶化度は示差走査型熱量計で測定される融点、或いは
溶解熱で表わされるが、本発明で用いられる3−メチル
ブテン−1重合体は、好ましくは250℃より高い融点、
及び3cal/g以上の融解熱を持つ事が好ましく、更に好ま
しくは3−メチルブテン−1重合体の融点は295℃より
高く、融解熱は9cal/g以上、最も好ましくは3−メチル
ブテン−1重合体の融点は303℃より高く、融解熱は15c
al/g以上である。
3−メチルブテン−1重合体の融点が高いものを用い
る場合は、所望の核剤効果を得るに必要な3−メチルブ
テン−1重合体の量は少量でも良く、一方、融点が比較
的低い3−メチルブテン−1重合体を用いる場合には、
従来の低分子核剤と同程度、即ち0.1〜10重量%レベル
の比較的多量の3−メチルブテン−1重合体の添加が必
要となる。
この様な3−メチルブテン−1重合体を得るために
は、チーグラー・ナッタ触媒として特に高度な立体規則
性を持つ重合体を与えるものを用いる。
この様な触媒としては、例えば、特開平1−54007、
特開昭63−297404、同63−108008、同63−277204、同64
−54007、同63−277203、同63−275604、同64−54007、
同63−69805、同63−69804、同63−108008各号公報等に
記載のマグネシウムジアルコキシド、ケイ素アルコキシ
ド、チタン化合物、電子供与体より作られる触媒を始め
とするマグネシウム化合物担持型チタン系触媒、及び、
例えば特公昭54−27871号公報、同55−8451号公報、同5
5−8452号公報、同55−8003号公報、同55−39165号公
報、同55−14054号公報等に記載されている、アルミニ
ウム含有量がチタンに対するアルミニウムの原子比で0.
15以下であって、かつ錯化剤を含有する固体三塩化チタ
ン触媒錯体と有機アルミニウムあるいは更に第三成分と
してエーテル、エステル、アミン、アミドの如き電子供
与性化合物から成る触媒系が好適に使用される。
重合反応は気相重合、スラリー重合、溶液重合、重合
モノマー自身を溶媒とするバルク重合体等の方法を用い
る事が出来る。
反応温度0〜200℃、圧力は常圧から100kg/cm2、反応
時間は0.1〜20時間の範囲から選ばれる。
また、以下に述べるエチレン等の重合体の製造条件も
上記範囲の中から選ばれる。
本発明の3−メチルブテン−1重合体を含有するエチ
レン重合体組成物の製造方法としては、次の(1)〜
(3)の方法が挙げられる。
(1) 3−メチルブテン−1重合体を10wt ppmから10
0wt%を含有する3−メチルブテン−1重合体含有オレ
フィン重合体組成物を製造し、それをマスターバッチと
して、チーグラー・ナッタ触媒の存在下に製造されたエ
チレン重合体と混合する方法。
同方法においては、3−メチルブテン−1重合体その
ものを用いてもよいが、3−メチルブテン−1重合体を
10wt ppm〜20wt%含む3−メチルブテン−1重合体含有
オレフィン重合体組成物を用いる事がより好ましい。更
に好まくは、同組成物中の3−メチルブテン−1重合体
含有量は100wt ppmから10wt%である。
またオレフィン重合体としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレ
フィンの単独重合体、或いはこれらのα−オレフィンと
他の炭素数2〜18のα−オレフィンとの共重合体等が挙
げられる。
これらα−オレフィン重合体のうちでは、エチレン重
合体、或いはエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン
との共重合体が好ましい。また、プロピレン重合体も好
適に用いられる。
該α−オレフィン重合体としてエチレン重合体を用い
る場合、3−メチルブテン−1重合体含有エチレン重合
体組成物中のエチレン重合体の分子量は、混合されるエ
チレン重合体の分子量と近い事が望ましく、エチレン重
合体他のα−オレフィンとの共重合体であれば、両者の
α−オレフィン含有量が近い事が好ましい。エチレン重
合体との混合に供され3−メチルブテン−1重合体含有
オレフィン重合体組成物の製法は、後述の(2)、
(3)のエチレン重合体組成物の製法と同様に行なわれ
ることが好ましい。即ち、高立体規制性触媒の存在下、
第一の段階で3−メチルブテン−1を重合し、次いで他
のオレフィンを重合するか、或いは、第一の段階で他の
オレフィンを重合し、次いで3−メチルブテン−1を重
合する。
この場合、最終重合体組成物中の3−メチルブテン−
1重合体含有量が上述の10wt ppmから100wt%の値とな
る様に各段階の重合量を調節する。
3−メチルブテン−1重合体含有オレフィン重合体組
成物と、エチレン重合体の混合は、ブラベンダー混練
機、ロール、一軸混練押出機、二軸混練押出機等任意の
ものが用いられる。混練温度は用いられている3−メチ
ルブテン−1重合体の融点以下とすることが好ましい。
(2) 前述の3−メチルブテン−1重合体の製造に用
いられる触媒を用いて3−メチルブテン−1を予備重合
し、引き続きエチレンの単独重合、或いはエチレンと他
のC3〜C18のα−オレフィンの共重合を行う。この場
合、3−メチルブテン−1の予備重合量は固体触媒成分
1g当たり10〜5000g、更には10〜1000gが好まく、その
後、全体の組成物中の3−メチルブテン−1重合体の含
有量が後述する様に、0.05wt ppm〜100,000wt ppm、好
ましくは0.5wt ppm〜10,000wt ppmとなる様にエチレン
重合量を調節する。
(3) (2)の方法と重合の順序を逆に行い、エチレ
ン重合体を製造した後、3−メチルブテン−1を重合す
る。各重合体の重合量は(2)と同様とする。
(2)、(3)の方法は、3−メチルブテン−1重合
体の分散性という点では好ましいが、本願にとって必要
である高結晶性を有する3−メチルブテン−1重合体を
与える触媒系は、エチレン重合にとっては必らずもしも
高活性であるわけではなく、生産性の点において(1)
の方法が好ましい。
前述の方法(1)で混合に供されるエチレン重合体と
しては、公知の高活性チーグラー・ナッタ触媒により重
合されるエチレンと炭素数2〜18の他のα−オレフィン
との共重合体が用いられる。該重合体は、実質的に洗浄
操作を経ずに製造される。
この様な重合体としては、密度が0.890〜0.970g/cc、
好ましくは0.910〜0.940g/ccの重合体が用いられる。特
に密度が0.910g/ccから0.930g/ccの線状低密度ポリエチ
レンが好適に用いられる。
共重合体に用いられる炭素数2〜18の他のα−オレフ
ィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、3−
メチルブテン−1、デセン−1等が挙げられる。
方法(1)で用いられる3−メチルブテン−1重合体
含有オレフィン重合体組成物中のオレフィン重合体とし
てのエチレン重合体、或いは方法(2)、(3)で重合
されるエチレン重合体に関しても、同様の密度範囲、及
び他のα−オレフィンが好ましく用いられる。
本発明におけるエチレン重合体組成物中の3−メチル
ブテン−1重合体含有量については、0.05wt ppm〜100,
000wt ppmが好ましく、更に好ましくは0.5wt ppm〜10,0
00wt ppmである。高融点の3−メチルブテン−1重合体
を用いる場合、その配合量は少量で良く、低融点の3−
メチルブテン−1重合体を用いる場合は配合量を多くす
る事により良好な核剤効果を得る事が出来る。
また、前述の方法(1)において混合されるエチレン
重合体及び方法(2)(3)において重合されるエチレ
ン重合体は、高活性触媒の下に製造されるので、実質的
に洗浄操作を必要としない。
本発明の3−メチルブテン−1重合体含有エチレン重
合体組成物は、含有されている3−メチルブテン−1重
合体の融点以下で成形される事が好ましい。
以上の様にして得られる本発明の3−メチルブテン−
1重合体含有エチレン重合体組成物の結晶化温度は、結
晶化速度向上の結果として、3−メチルブテン−1重合
体を含有しない単独のエチレン重合体に比し高くなって
おり、好ましくはこの温度は2℃以上高い。
この様に結晶化速度、及び結晶化度が向上した結果と
して本発明のエチレン重合体組成物は、剛性、透明性、
射出成形におけるハイサイクル性、寸法安定性、成形物
の均一性、等の諸特性が向上している。また一方では、
従来の核剤の問題点であった臭気、ガス発生、金型汚染
等の問題もなく、前述の方法(1)ではエチレン重合体
への配合も単軸押出機で十分である。
本発明のエチレン重合体組成物は、通常のエチレン重
合体に用い得る各種添加剤、フィラー、難燃剤等を配合
して用いる事が出来る。また、プロピレン重合体、エチ
レンプロピレンラバー等の他の重合体を配合して用いる
事も可能である。
〔実施例〕
以下、実施例を示すが、本発明はその要旨を越えない
限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例における物性値は下記の方法に準拠して
測定した。
メルトインデックス(MI) ASTM D1238 (230℃、2.16kg) ……プロピレン重合体 (190℃、2.16kg) ……エチレン重合体 共重合体の融点及び融解熱はDupont社製9900型示差走
査熱量計で測定した。
触媒製造例 撹拌機、温度計を備えた500mlフラスコに精製N2シー
ル下、市販Mg(OC2H5を5g採取し、Ti(OC4H947.4
gおよびテトラエトキシシラン4.6gを添加し、撹拌下昇
温して130℃で1時間反応させた。その後、100℃に降温
してフェノール8.2gのトルエン溶液を滴下した。滴下後
昇温し130℃で1時間反応させ、黄色固体のスラリー状
反応物を得た。
このものに精製トルエン87mlを添加した後、−20℃ま
で冷却し、−20℃においてTiCl425gを添加した。添加後
徐々に昇温し、80℃に昇温後安息香酸エチル1.3gを添加
し、同温度で1時間保持した。その後、精製トルエンで
洗浄し、固体生成物を得た。
次いでTiCl482g、安息香酸エチル1.3gを添加し、80℃
において1時間固体生成物を処理した。その後、室温に
おいて精製トルエン200mlで4回洗浄して固体触媒成分
(A)4.8gを得た。この固体中のTi含量は2.8重量%で
あつた。
上記固体成分にトルエン中でトリエチルアルミニウム
をAlとTiの原子比が2になる様に添加し、2時間室温で
熟成した。
実施例−1 (A)3−メチルブテン−1重合体含有プロピレン重合
体マスターバッチの製造。
精製アルゴンで充分置換した2の誘導撹拌式オート
クレーブに、アルゴンシール下、室温でトリエチルアル
ミニウム0.2ミリモルを添加し、更に液体3−メチルブ
テン−1650ccを仕込んだ。
次いで70℃に昇温し、触媒製造例で得られた固体触媒
成分124mgを添加して1時間3−メチルブテン−1の重
合を行った。その後3−メチルブテン−1を全量バージ
した後、トリエチルアルミニウム4.3mmol、パラメチル
ベンゾエート1.3mmolを追加し、H21kg/cm2、更にプロピ
レン700gを加えて、プロピレンの単独重合を行い、20分
後プロピレンをパージして、最終的に456gの3−メチル
ブテン−1重合体含有プロピレン重合体組成物を得た。
同一重合条件で、プロピレン重合を行なわなかった実
験から得られた3−メチルブテン−1重合体の生成量
は、25gであった。
この3−メチルブテン−1重合体の融点は301℃、融
解熱は13cal/gであった。
上記の3−メチルブテン−1重合体の収量から計算し
たプロピレン重合体組成物中の3−メチルブテン−1重
合体含有量は5.4重量%であった。この重量体のMFIは0.
72g/10分、融点は163.8℃、結晶化温度は122.2℃であっ
た。
(B) (A)のマスターバッチとエチレン重合体のブ
レンド。
(A)のマスターバッチ11重量部と、MI=1.8、融点1
21.9℃、結晶化温度103.6℃、密度0.921g/ccのエチレン
−ブテン−1共重合体89重量部を粉末状で混合し、30mm
φのダルメージスクリューを装着した。単軸押出機で23
0℃でペレット化した。
得られたエチレン重合体組成物中の3−メチルブテン
−1重合体の含有量は0.6wt%であり、融点は123.0℃、
結晶化温度107.2℃であり、3−メチルブテン−1重合
体を加えないものより結晶化温度は3.6℃高かった。
比較例−1 実施例−1(B)において、実施例−1(A)のマス
ターバッチの代わりに3−メチルブテン−1重合体を含
有しないプロピレン重合体を添加した以外は、実施例−
1(B)と同様にエチレン重合体組成物を製造した。該
プロピレン重合体は、3−メチルブテン−1重合体を含
有しない以外は実施例−1(A)と同様にして製造した
ものである。この組成物の融点は121.8℃、結晶化温度
は102.8℃であり、プロピレン重合体を配合するのみで
は、結晶化温度はむしろ低下することがわかった。
〔発明の効果〕
本発明による、高結晶性3−メチルブテン−1重合体
を含むエチレン重合体組成物は、チーグラー・ナッタ触
媒の存在下に製造されたエチレン重合体が本来有する成
形性、機械的強度、耐衝撃性等の特性が損なわれること
なく、剛性、透明性、射出成形におけるハイサイクル
性、寸法安定性、成形物の均一性等が改善されており、
各種成形品、フィルム、シート等の用途に広範囲に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英仁 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 磯部 英二 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特公 昭44−32296(JP,B1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)チーグラー・ナッタ触媒の存在下に
    製造された、3−メチル−ブテン−1単独重合体又は3
    −メチル−ブテン−1と炭素数2〜18の他のα−オレフ
    ィンとの共重合体である3−メチル−ブテン−1系重合
    体、及び、 (b)チーグラー・ナッタ触媒の存在下に製造された、
    エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜18のα−
    オレフィンとの共重合体であるエチレン系重合体、とか
    らなるエチレン系重合体組成物であって、3−メチル−
    ブテン−1系重合体を3−メチル−ブテン−1単位で0.
    05wtppm〜100000wtppm含有するエチレン系重合体組成
    物。
  2. 【請求項2】前記(b)のエチレン単独重合体又はエチ
    レンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体であ
    るエチレン系重合体が、線状低密度ポリエチレンである
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のエチレ
    ン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】(a)チーグラー・ナッタ触媒の存在下に
    製造された、3−メチル−ブテン−1単独重合体又は3
    −メチル−ブテン−1と炭素数2〜18の他のα−オレフ
    ィンとの共重合体である3−メチル−ブテン−1系重合
    体と、(b)オレフィン系重合体を混合することによ
    り、3−メチル−ブテン−1系重合体を3−メチル−ブ
    テン−1単位で10wtppm〜20wt%含有する重合体組成物
    を得、更にこれに(c)チーグラー・ナッタ触媒の存在
    下に製造された、エチレン単独重合体又はエチレンと炭
    素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体を混合するこ
    とを特徴とする、3−メチル−ブテン−1系重合体3−
    メチル−ブテン−1単位で0.05wtppm〜100000wtppm含有
    するエチレン系重合体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記(b)のエチレン重合体又はエチレン
    と炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体であるエ
    チレン系重合体が、線状低密度ポリエチレンであること
    を特徴とする、特許請求の範囲第3項記載のエチレン系
    重合体組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】チーグラー・ナッタ触媒の存在下、3−メ
    チル−ブテン−1単独又は3−メチル−ブテン−1と炭
    素数2〜18の他のα−オレフィンとの混合物を該触媒成
    分1g当たり10〜5000g予備重合した後、引き続きエチレ
    ン又はエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの混
    合物を重合させることを特徴とする、3−メチル−ブテ
    ン−1系重合体を3−メチル−ブテン−1単位で0.05wt
    ppm〜100000wtppm含有するエチレン系重合体組成物の製
    造方法。
JP63068878A 1988-03-23 1988-03-23 エチレン重合体組成物及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2596053B2 (ja)

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