JP2594420Y2

JP2594420Y2 - 金型装置

Info

Publication number: JP2594420Y2
Application number: JP1993014149U
Authority: JP
Inventors: 辰夫石川
Original assignee: Nihon Plast Co Ltd
Current assignee: Nihon Plast Co Ltd
Priority date: 1993-03-25
Filing date: 1993-03-25
Publication date: 1999-04-26
Anticipated expiration: 2008-03-25
Also published as: JPH0671112U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、略水平方向に接離され
る金型の型分割面に成形品を形成するキャビティを設け
た金型装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、複数種の成形品を同時に
形成するために、水平方向に開閉する可動型と固定型と
の型分割面に、複数のキャビティを設けた射出成形用の
金型装置が知られている。

【０００３】そして、この金型装置においては、射出を
完了し型開きした状態で、各キャビティに設けられた突
き出しピンを突出させ、各キャビティから成形品を突き
出して下方に落下させ、これらの成形品をそれぞれ各キ
ャビティの下方に設置した収納容器に分別して収容する
ようになっている。

【０００４】しかしながら、この金型装置においては、
例えば、成形品の可動型のキャビティ面への食い付きが
弱い場合などには、突き出しピンを突出した際や、金型
を型開きした状態で、成形品が飛散して、各収納容器の
外側に落下したり、他の成形品用の収納容器に混入する
などの問題を有している。

【０００５】そこで、下方に落下させた成形品につい
て、人による仕分け作業を行う方法や、成形品をコンベ
ア上に落下させ、メッシュ部を通過させるなどして、成
形品の外径寸法により仕分ける構成や、あるいは、成形
品の重量差により仕分ける構成などが行なわれている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように人による仕分け作業を行う場合には、作業工
程数の増加により作業効率が悪化し、また、成形品の外
径寸法や重量差により仕分ける場合には、専用の設備が
必要になって製造コストが上昇するなどの問題を有して
いる。

【０００７】本考案は、このような点に鑑みなされたも
ので、成形品を効率良く確実に仕分けることのできる金
型装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案の金型装置は、互
いに略水平方向に接離される第１および第２の金型を有
し、これら第１および第２の金型の型分割面に設けられ
たキャビティ面間に成形品を形成するキャビティを設け
た金型装置であって、前記キャビティの下方に位置して
前記第１の金型に設けられ、前記キャビティから離型し
た前記成形品を所定の収納部に誘導する成形品誘導孔
と、前記キャビティの周囲に設けられ、離型した前記成
形品を前記成形品誘導孔へ誘導する案内体とを備え、こ
の案内体は、下側部に前記成形品が挿通可能な挿通部が
形成され、前記第１の金型に進退自在に設けられるとと
もに、先端部を前記第２の金型に常時当接した状態で配
設され、これら第１および第２の金型を型開きした状態
で、前記挿通部が前記成形品誘導孔に位置合わせして相
互に連通されるものである。

【０００９】

【作用】本考案の金型装置では、第１の金型と第２の金
型との間に形成されるキャビティにて、成形品を形成す
る。これら第１の金型と第２の金型とを型開きする際
に、第１の金型に進退自在に設けられた案内体が、キャ
ビティの周囲を覆い、かつ、先端部を第２の金型に当接
した状態を保持しつつ、第１の金型から第２の金型に向
かって進出する。そして、第１の金型と第２の金型とが
型開きした状態で、案内体に形成された挿通部と第１の
金型に形成した成形品誘導孔とが連通する。キャビティ
面から離型した成形品は、案内体に案内され、挿通部お
よび成形品誘導孔を介して収納部に誘導される。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の金型装置の一実施例の構成を
図面を参照して説明する。

【００１１】図１ないし図４において、１は金型装置
で、この金型装置１は、第１の金型としての固定金型２
と、この固定金型２に型分割面３を介して水平方向に接
離される第２の金型としての可動金型４とを有してい
る。

【００１２】そして、固定金型２は、固定側基台部６に
支持された固定金型本体７を有し、この固定金型本体７
に、固定側キャビティ駒８が複数装着され、これらの固
定側キャビティ駒８の先端側（型分割面３側）に、それ
ぞれ成形品Ａ，Ｂの一面を形成する固定側キャビティ面
8aが形成されている。

【００１３】一方、可動金型４は、可動側基台部11に脚
部12を介して支持された可動金型本体14を有し、この可
動金型本体14に、成形品Ａ，Ｂの他面を形成する可動側
キャビティ面15a が先端部に複数形成された可動側キャ
ビティ駒15が装着されている。

【００１４】また、この可動側キャビティ駒15は、略水
平板状をなし、可動金型本体14にボルトなどにより固定
されているとともに、この可動側キャビティ駒15の型分
割面３は、可動金型本体14の型分割面３から突出した状
態で設けられている。そして、この可動側キャビティ駒
15の各可動側キャビティ面15a は、各固定側キャビティ
駒８の固定側キャビティ面8aに対向し、かつ、それぞれ
異なる形状に形成されている。

【００１５】そして、これらの各固定側キャビティ駒８
と、可動側キャビティ駒15とは、型分割面３を介して接
離され、固定金型２と可動金型４とを型締めした状態
で、これらキャビティ駒８，15も型締めされて、各固定
側キャビティ面8aと各可動側キャビティ面15a との間に
成形品Ａ，Ｂを形成するキャビティ18がそれぞれ形成さ
れるようになっている。

【００１６】また、固定金型本体７には、型分割面３に
沿って、水平方向に所定間隔でキャビティ駒取付孔21が
形成されており、これらのキャビティ駒取付孔21内部
に、それぞれ、略円柱状をなす固定側キャビティ駒８
と、これらの固定側キャビティ駒８の周面に摺動自在に
嵌合した略円管状をなす案内体としてのガイドパイプ22
とが装着されている。

【００１７】そして、各固定側キャビティ駒８は、固定
側キャビティ面8aを形成した先端の型分割面３を、固定
金型本体７の型分割面３より後退させ、キャビティ駒取
付孔21内部に位置させた状態で、固定側基台部６に固定
されている。

【００１８】また、ガイドパイプ22は、各固定側キャビ
ティ駒８の外面と、各キャビティ駒取付孔21の内面とに
摺接する状態で、固定金型２に進退自在に装着されてい
る。そして、このガイドパイプ22の後端部には、拡径し
たフランジ部22a が形成され、このフランジ部22a が、
キャビティ駒取付孔21の後側に連続して設けられた空間
部24内に摺動自在に嵌合されている。さらに、この空間
部24内部には、スプリング体25が装着され、ガイドパイ
プ22を可動金型４方向に付勢しており、固定金型２と可
動金型４とが接離する状態にかかわらず、ガイドパイプ
22の先端部が、常時可動金型本体14および可動側キャビ
ティ駒15に押圧されるようになっている。なお、このガ
イドパイプ22の先端部は、可動金型本体14および可動側
キャビティ駒15に間隙なく当接する形状に形成されてい
る。

【００１９】さらに、固定金型本体７には、各キャビテ
ィ駒取付孔21の固定側キャビティ面8aの前側下部から、
固定金型本体７の下面に連通して、成形品誘導孔27が形
成されている。この成形品誘導孔27は、ほぼ垂直な円柱
状をなし、各キャビティ18で成形される成形品Ａ，Ｂの
形状に合わせて直径寸法が設定されている。

【００２０】また、ガイドパイプ22の下側部には、挿通
部としての挿通孔28が開口されている。この挿通孔28
は、成形品誘導孔27の径寸法とほぼ等しい径寸法を有し
ており、図２に示すように、固定金型２と可動金型４と
を離間させて型開きした状態で、ガイドパイプ22の前進
移動にともない固定金型本体７の成形品誘導孔27に位置
合わせされ、各キャビティ18で成形した成形品Ａ，Ｂを
成形品誘導孔27に投入できるようになっている。

【００２１】そして、各成形品誘導孔27の下方には、そ
れぞれ収納部としての製品収納箱29が配置され、成形品
誘導孔27内部を通って落下した成形品Ａ，Ｂをそれぞれ
収容できるようになっている。

【００２２】また、可動側キャビティ駒15には、各可動
側キャビティ面15a に連通する通孔31が形成され、これ
らの通孔31にそれぞれ突き出しピン32が摺動自在に装着
されている。そして、これらの突き出しピン32の後端部
は、脚部12間に設けられた支持板33に連結固定され、こ
の支持板33を図示しないシリンダにより進退駆動するこ
とにより、各突き出しピン32の先端部が可動側キャビテ
ィ駒15の各可動側キャビティ面15a に突出できるように
なっている。

【００２３】さらに、可動側キャビティ駒15には、図３
および図４に示すように、スプルー35が形成され、キャ
ビティ18内部に溶融した樹脂を射出できるようになって
いる。

【００２４】次に、上記の金型装置１の動作を説明す
る。

【００２５】まず、図１に示すように、固定金型２と可
動金型４とを型締めし、すなわち、固定側キャビティ駒
８と可動側キャビティ駒15とを型締めしてキャビティ18
を形成した状態で、このキャビティ18内部にスプルー35
を介して樹脂を射出し、成形品Ａ，Ｂを射出成形する。

【００２６】ついで、図２に示すように、固定金型２と
可動金型４とを型開きし、固定側キャビティ駒８と可動
側キャビティ駒15とを型開きする。この型開きの際に、
スプリング体25の付勢力により、ガイドパイプ22が先端
部を可動金型４に当接した状態を保持しつつ前進し、成
形品Ａ，Ｂが固定金型２と可動金型４との間に落下した
り、側方に飛散したりすることが防止される。

【００２７】そして、この状態で、シリンダを駆動して
突き出しピン32を突出させ、可動側キャビティ面15a に
食い付いた成形品Ａ，Ｂを突き出して離型させる。

【００２８】すると、突き出された成形品Ａ，Ｂは、ガ
イドパイプ22に案内され、各挿通孔28を介して所定の成
形品誘導孔27内部を落下し、各成形品誘導孔27の下方に
設けられた所定の製品収納箱29にそれぞれ分別された状
態で収容される。

【００２９】このように、本実施例の金型装置１によれ
ば、ガイドパイプ22によって成形品Ａ，Ｂの飛散が防止
されて成形品誘導孔27に誘導されるため、多品種、複数
取りの金型においても、型開きの際に、金型装置１内部
にて、成形品Ａ，Ｂが互いに混入しないように仕分ける
ことができる。

【００３０】そこで、突き出しピン32を突出させた際に
飛散しやすい成形品Ａ，Ｂや、可動側キャビティ面15a
への食い付きが弱く、型開きしたのみで離型しやすい成
形品Ａ，Ｂなどを製造する場合にも、異種の成形品Ａ，
Ｂの混入を防止して確実に仕分けることができるととも
に、コンベアなどの特別な装置や、人による仕分け作業
などが不要になり、作業性を向上できるとともに、製造
コストを低減することができる。

【００３１】なお、上記の実施例では、ガイドパイプ22
をスプリング体25により可動金型４側に押圧したが、ガ
イドパイプ22の先端部を可動金型４に着脱自在に固定す
ることによっても、同様の効果を得ることができる。

【００３２】

【考案の効果】本考案の金型装置によれば、案内体によ
りキャビティの周囲が覆われるため、第１の金型と第２
の金型とを型開きした際に、成形品がこれらの金型間に
落下したり、側方に飛散したりすることを防止できる。
そして、この案内体により、成形品を成形品誘導孔に誘
導し、所定の収納部に収納できるため、例えば、多品
種、複数取りの金型においても、型開きの際に、金型装
置内部にて、各成形品が互いに混入しないように確実に
仕分けることができるとともに、コンベアなどの特別な
装置や、人による仕分け作業などが不要になり、作業性
を向上できるとともに、製造コストを低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の金型装置の一実施例を示す型締めした
状態の断面図である。

【図２】同上金型装置を示す型開きした状態の断面図で
ある。

【図３】同上金型装置を示す図２のＩ−Ｉ断面図であ
る。

【図４】同上金型装置を示す図３のII−II断面図であ
る。

【符号の説明】

１金型装置２第１の金型としての固定金型３型分割面４第２の金型としての可動金型 8a 固定側キャビティ面 15a 可動側キャビティ面 18 キャビティ 22 案内体としてのガイドパイプ 27 成形品誘導孔 28 挿通部としての挿通孔 29 収納部としての製品収納箱Ａ，Ｂ成形品

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】互いに略水平方向に接離される第１およ
び第２の金型を有し、これら第１および第２の金型の型
分割面に設けられたキャビティ面間に成形品を形成する
キャビティを設けた金型装置であって、前記キャビティの下方に位置して前記第１の金型に設け
られ、前記キャビティから離型した前記成形品を所定の
収納部に誘導する成形品誘導孔と、前記キャビティの周囲に設けられ、離型した前記成形品
を前記成形品誘導孔へ誘導する案内体とを備え、この案内体は、下側部に前記成形品が挿通可能な挿通部
が形成され、前記第１の金型に進退自在に設けられると
ともに、先端部を前記第２の金型に常時当接した状態で
配設され、これら第１および第２の金型を型開きした状
態で、前記挿通部が前記成形品誘導孔に位置合わせして
相互に連通されることを特徴とする金型装置。