JP2667996B2 - 射出成形金型装置 - Google Patents

射出成形金型装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品をエジェクタピ
ンを用いてキャビティから突き落とす形式の射出成形金
型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成形金型装置においては、成
形終了時の金型からの成形品の排出方法の一つとしてと
して、エジェクタピンを用いてキャビティから突き落と
す方法が採用されており、特に、突き落とすだけでは落
下しにくい小さな成形品の場合は、エジェクタピンの突
き出し時に金型上方に配設しているエア吹き付け手段に
よりエアで吹き落としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の構成によると、
金型装置の外側にエア吹き付け手段を配設している関係
上、エア吹き付け手段を含めた射出成形金型装置が大型
化し、また、噴射されたエアが広範囲に拡散してしまう
ため、吹き飛ばされた成形品は飛散してしまって、ある
ものは目的通り成形品回収スペースに落下して行くが、
あるものはエジェクタピンからは離れるものの成形品回
収スペース外に飛んで行ってしまったり、また、最悪の
事態としては、金型のパーティングライン面(以降、P
L面)に付着してしまい、成形品の付着を発見できない
まま成形を続けてしまうことによる金型の破損につなが
るなどの問題点が存在していた。
【0004】そこで本発明の目的は、型開き時に成形品
をエアで吹き飛ばす装置を有する射出成形金型装置を小
型化し、また、成形品回収の信頼性を向上することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、固定側金型と可動側金型とからなり、
可動側金型には型開き時に成形機のエジェクタロッドに
より駆動されるエジェクタプレートが設けてあり、エジ
ェクタプレートには型開き状態で可動側金型を貫通突出
して成形品を突き出すエジェクタピンが固着してある射
出成形金型装置において、エジェクタピンには、その中
心部に軸方向にそって両端が閉じたエア通路が設けてあ
り、型開き状態で可動側金型より貫通突出するエジェク
タピンの突出端部には、エア通路に連通し、かつエジェ
クタピンにより突き出された状態にある成形品にエアを
噴射するエア噴射口が設けてあり、エジェクタピンの中
間側面部には、エア通路に連通するエア取入口が設けて
あり、エア取入口は、型開き状態でエジェクタピンが可
動側金型より突き出した状態においてのみ、可動側金型
に設けてあるエア供給路と連通する位置にある。
【0006】
【実施例】以下、本発明の詳細を添付図面に示した好適
な実施例にそって説明する。
【0007】図1に示すように、本発明にかかる射出成
形金型装置は大きく分けて固定側金型Pと可動側金型Q
とによって構成される。
【0008】固定側金型Pについて説明する。図示しな
い射出成形機本体に取付穴1aによって固定された固定
側取付板1には、スプルー2aが形成されたスプルー
ッシュ2がロケートリング3を介して取り付けてある。
スプルーブッシュ2には、射出成形機のノズル(図示せ
ず)が嵌合させてある。また、固定側取付板1には、4
本のサポートピン4が固着されている(1本だけ図
示)。スプルーブッシュ2の先端部は、固定側取付板1
の前面に当接されたランナーストリッパープレート5に
よって支持されている。ランナーストリッパープレート
5の前面には、固定側型板6が当接している。ランナ
ストリッパープレート5および固定側型板6は、各々に
設けられているガイドブッシュ7a,7bによってサポ
ートピン4にガイドされて、固定側型板6は可動側金型
Qと連結された制限ボルト8で、ランナーストリッパー
プレート5も同様の制限ボルト(図示せず)で可動側金
型Qの移動に追従して型開き時の各々の離反間隔が制限
されている。
【0009】固定側型板6の前面には、型締めの際に可
動側型板13との位置合わせのためのガイドピン9が固
着してある。固定側型板6の前面には、キャビティ部
(図示せず)が形成してあり、型締めにより後述する可
動側型板13のキャビティ部13a(図2)と合体して
成形品Wのキャビティを区画形成する。固定側型板6の
裏面には、ランナ部(図示せず)が設けてあり、このラ
ンナ部は、裏面より固定側型板6の前面に向かって伸び
ており、その先端は、小さな径に絞ってゲート(図示せ
ず)を形成している。固定側型板6の裏面に設けてある
ランナ部には、固定側取付板1に固着され、ランナース
トリッパープレート5を貫通して設けてあるランナロッ
クピン(図示せず)の先端部が突出してある。
【0010】可動側金型Qについて説明する。図1に示
すように、可動側金型Qは、図示しない成形機のシリン
ダロッドに取付穴10aによって固定された可動側取
板10、その前面(図1左側)にスペーサブロック1
1、その前面に受け板12、さらにその前面に可動側型
板13を配設したものによって構成されており、ボルト
14によって各々は固着されている。可動側金型Qは、
可動側型板13に設けられているガイドブッシュ15に
よって固定側金型Pのガイドピン9にガイドされて固定
側金型Pに対して進退自在である。可動側金型Qには突
き出し機構が設けてある。突き出し機構は、2枚のプレ
ート16a,16bで構成されるエジェクタプレート1
6に固着されたエジェクタピン17が、スペーサブロッ
ク11の内部に形成されている空間内に収められてい
る。また、エジェクタプレート16にはリターンピン1
8が固着してあり、エジェクタプレート16と可動側型
板13との間にリターンピン18を中心として圧縮コイ
ルばね19が設けてあり、エジェクタプレート16は
動側取付板10へ付勢されている。
【0011】図2および図3に、エジェクタプレート1
6に固着されているエジェクタピン17のキャビティ部
13aの詳細を示す。図2は突き出し前の状態を、図3
は突き出した状態を示す。
【0012】エジェクタプレート16から受け板12、
可動側型板13を貫通して設けられているエジェクタピ
ン17は、可動側型板13のキャビティ部13aまで伸
びている。エジェクタピン17は、その中心部に軸方向
にエア通路17aが明けられており、片端(図左)をブ
ッシュ17bにて封することにより両端が閉じられたエ
ア通路17aが形成されている。エア通路17aは、後
端側(図右)にエア取入口17cが設けられ、ブッシュ
17bにて封されている前端側にエジェクタピン先端部
17dの上部・下部に向かって斜めのエア噴射口17e
が設けられている。一方、可動側型板13の中には、エ
ア供給路13bが可動側型板13の外方から導かれ、エ
ジェクタピン17の所でエア供給支路13cが存在して
いる。
【0013】ここで、以上説明した構成における金型装
置の動作について説明する。可動側金型Qを、図示しな
成形機のシリンダロッドによって前方へ移動させ、型
締めを行なう。すると、固定側型板6と可動側型板13
のPL面が閉じて各々のキャビティ部が合体し、金型装
置のPL面に成形品用のキャビティが形成される。次
に、射出成形機によって加熱・溶融された樹脂材がノズ
ルから噴射され、スプルー2a、ランナ部およびゲート
を経由してキャビティ内に充填される。所定時間経過に
より、キャビティ内の成形材料が冷却される。冷却完了
後、型開きが開始されると、ランナーストリッパープレ
ート5と固定側型板6の間がスプリング(図示せず)等
の力で最初に開き、ランナはランナロックピンによりラ
ンナーストリッパープレート5に引きつけられているの
で最も弱いゲート部で切断される。さらに型開きが進む
と、制限ボルトによりPL面が開き、成形品Wが取り出
せる状態となる。ここで、成形品Wは可動側型板13の
キャビティ部13aに残っている必要がある。ランナ落
下部と製品落下部の型開きが制限いっぱいになり更に型
開きが進むと、ランナーストリッパープレート5が引っ
張られ、ランナロックピンとランナの結合部を強制的に
離す。この時、ランナ突き出し装置(図示せず)の力を
借りたりしてランナを落下させる。型開き完了後、成形
機のエジェクタロッドが透孔20より進入し、このシリ
ンダロッドの押圧でエジェクタピン17を保持している
エジェクタプレート16が前進し、成形品Wを突き出す
と同時にエジェクタピン先端部17dに付着している成
形品Wをエジェクタピン17のエア噴射口17eからエ
アで吹きけることによって落下させる。
【0014】成形品Wを金型から落下させる場合、エジ
ェクタプレート16に従来までのような中実丸棒のエジ
ェクタピンのみを設け、型開き時に成形品Wを従来まで
のエジェクタピンで突き出すだけで成形品Wが落下すれ
ば問題はない。しかし、一般に、小さい成形品Wは突き
出すエジェクタピン先端部17dに付着したまま落下し
ないでいる。そこで、図3に示すように、エジェクタプ
レート16にエジェクタピン17を設け、エジェクタピ
ン17の突き出し時に形成されるエジェクタピン17内
部のエア通路17aへエア取入口17cが可動側型板1
3のエア供給路13bのエア供給支路13cと連通して
エアが流入し、エジェクタピン先端部17dのエア噴射
口17eからエアが噴射されるようにすることによって
問題の解決を図った。このエアの噴射は従来のようにエ
ジェクタピン17で突き出されている成形品Wを金型上
方からの漠然と吹く方式でないため、成形品Wが飛散し
てしまって上述の問題が生じるようなことはない。ま
た、エジェクタプレート16の後退に従ってエジェクタ
ピン17は後退し、エア供給支路13cに連通していた
エジェクタピン17の貫通穴17aのエア取入口17c
はエア供給支路13cから位置がずれてエアの供給は遮
断される。
【0015】そして、再び型締めが開始され、固定側型
板6と可動側型板13のPL面が閉じて上述の動作を繰
り返す。
【0016】以上、各々の成形品Wに同じように確実に
エアを噴射するため、吹き飛ばされた成形品Wはまちま
ちに飛散することなく成形品回収スペースに落下してい
くことになる。
【0017】
【他の実施例】上述の実施例においては、エジェクタピ
ン17のエア通路17aに設けられているエア取入口1
7cがエア供給支路13cに連通するのは、エジェクタ
プレート16の前進時だけである。しかしながら、エジ
ェクタプレート16の後退時においては、エジェクタピ
ン17は、完全に可動側型板13に引き込んでいるた
め、型開き時のエジェクタピン17の突き出し時にだけ
エア取入口17cとエア供給支路13cとを連通させる
ようにすることなく、エア取入口17cを貫通穴17a
の広い範囲に渡って設けておいて、常にエア通路17a
にエアが供給された状態になっていても問題はない。
【0018】
【発明の効果】本発明の効果によれば、汎用の金型機構
に内蔵方式で実施可能であるため、成形品を吹き落とす
ためのロボット等を設ける必要がなく生産設備コストが
削減されるとともに、エア吹き付け手段を含めた射出成
形システム全体の設置スペースを小さくできる。また、
成形品の落下が確実に行なわれることよって金型を破損
する可能性が大幅に減り、それに伴い成形停止が減少し
て成形時間の短縮が図れ、また、上記構成によって吹き
つけるエアの低圧力化が図れることによって成形品落下
の信頼性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形金型装置の主要断面図であ
る。
【図2】エジェクタピンの型締め時の詳細を示す断面図
である。
【図3】エジェクタピンの型開き時の詳細を示す断面図
である。
【符号の簡単な説明】
13b エア供給路 16 エジェクタプレート 17 エジェクタピン 17a エア通路 17c エア取入口 17d エジェクタピンの突出端部(エジェクタピン
端部 17e エア噴射口 P 固定側金型 Q 可動側金型 W 成形品
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−43848(JP,A) 実開 昭63−3420(JP,U) 実開 昭62−109919(JP,U) 実開 昭61−127855(JP,U) 実開 昭60−138724(JP,U) 実開 昭53−29770(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側金型と可動側金型とからなり、上
    記可動側金型には型開き時に成形機のエジェクタロッド
    により駆動されるエジェクタプレートが設けてあり、上
    記エジェクタプレートには型開き状態で上記可動側金型
    を貫通突出して成形品を突き出すエジェクタピンが固着
    してある射出成形金型装置において、上記エジェクタピ
    ンには、その中心部に軸方向にそって両端が閉じたエア
    通路が設けてあり、 型開き状態で上記可動側金型より貫通突出する上記エジ
    ェクタピンの突出端部には、上記エア通路に連通し、か
    つ上記エジェクタピンにより突き出された状態にある上
    記成形品にエアを噴射するエア噴射口が設けてあり、 上記エジェクタピンの中間側面部には、上記エア通路に
    連通するエア取入口が設けてあり、 上記エア取入口は、型開き状態で上記エジェクタピンが
    上記可動側金型より突き出した状態においてのみ、上記
    可動側金型に設けてあるエア供給路と連通する位置にあ
    ることを特徴とする射出成形金型装置。
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CN117621346B (zh) * 2024-01-25 2024-04-09 合肥荣丰包装制品有限公司 一种eps泡沫板生产成型用蒸汽定型装置

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