JP2593763B2 - 塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法及び装置 - Google Patents
塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法及び装置Info
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Description
濁した隠蔽塗料を塗布した場合に生ずる塗膜ムラを防止
する方法及び装置に関し、更に詳しくは、例えば磁気記
録媒体上にシルバー隠蔽層等を形成する塗工装置におい
て、連続走行する支持体上に塗布された塗膜のムラを防
止する方法及び装置に関する。
アルカード等の基板表面にはシルバー隠蔽層等が施され
ている。このシルバー隠蔽層塗料は、一般的には銀ペー
スト(10ミクロン程度のアルミニウム粉をステアリン
酸等の脂肪酸で表面処理が施されたもの)と呼ばれてい
るものが使用され、この銀ペーストに更に支持体との接
着性を良くするために樹脂を添加して塗料用として調整
される。このようにして調整された塗料を塗布装置によ
り支持体に塗布した後、乾燥装置により塗膜を乾燥す
る。この塗布工程の概略を図3を参照して説明すると、
供給ロール(図示せず)から繰り出されたストリップ状
の支持体1に、塗布装置であるアプリケータロール2に
よりシルバー隠蔽塗料3が転写され、ロッド4により過
剰塗料分を除去し、この計量されたウエット塗膜5が乾
燥装置6に導入され、該乾燥装置6を通過する過程で熱
によって乾燥される。支持体1に計量塗布されたウエッ
ト塗膜5を乾燥する手段としては、ジェットノズル又は
エアーフロート方式等が用いられている。
知の乾燥装置6によるウエット塗膜5の乾燥では、以下
のような課題があった。即ち、シルバー隠蔽塗料3をア
プリケータロール2によって支持体1上に塗布する場
合、過剰アプリケーション系(所望の塗工重量よりも余
分に塗工しておいて後、規定の塗工重量に減少させる塗
工方法)で塗工することが普通であり、かつ比較的低粘
度塗料のものを使用する必要があること、又アルミニウ
ム粉のリーフイング現象(空気と液の界面に隙間のない
金属の表面をつくって浮かぶ現象のこと)が生じること
などの理由により、ウエット塗膜5中のアルミニウム粉
は流動状態にある。このようなアルミニウム粉が流動状
態にあるウエット塗膜5を従来公知の乾燥装置6に導入
して乾燥すると、ウエット塗膜5表面のアルミニウム粉
の分布にバラツキが生じ、結果的に塗膜ムラが発生し、
不均一な塗工面を形成することになってしまう。このた
め、従来公知の塗工装置では、乾燥装置の温度やエアー
圧等を調整して塗膜ムラが極力生じないように工夫して
いたが、このような調整作業には熟練や経験が必要なた
め、工程管理に困難を伴うものとなっていた。
めになされたもので、上記リーフイング現象を抑制し、
塗膜ムラのない均一な塗工面を得る方法及び装置を提供
することを目的とするものである。
め、本発明に係る隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法は、支持
体上に定量塗布された金属粉を懸濁した隠蔽塗料の塗膜
を乾燥装置で乾燥する前に、その塗膜に対しエアーを吹
き付けることにより隠蔽塗料中の金属粉のリーフイング
現象、即ち金属粉が塗膜の表面に浮遊流動することを抑
制することを特徴とするものである。この場合におい
て、エアーの吹き付け手段として、エアードクターを用
いることが好ましい。尚、本発明において、支持体とは
塗工紙、塗エフイルムのような支持体又は連続搬送され
るシート状のストリップあるいはウエブ等を総称するも
のである。
グ現象によって個々のアルミニウム粉が塗膜の表面に出
よう、出ようとするために起こるものと考えられる。そ
こで、支持体上に定量塗布された塗膜に対して、乾燥工
程に入る前に、エアーを吹き付けると、その塗膜の溶剤
が気化され、その塗膜表面が冷却された状態になるた
め、アルミニウム粉が塗膜の表面に出ようとする現象が
阻害される結果、アルミニウム粉の流動が抑制されるの
である。
要図である。本装置は、乾燥装置6の直前にエアードク
ターからなるエアー吹き付け装置7を設置したものであ
り、その他の構成は従来例を示した図3のものと同一で
あるので、同一符号で示す。又、エアードクターは従来
公知のものであり、例えば図2に示すような構造を有
し、スリットノズル8からナイフ状のエアーを支持体1
の幅方向に吹き出す構造となっている。エアー吹き付け
装置7の設置位置は、アルミニウム粉の再流動が乾燥装
置6内部で起きない状態で乾燥させるため、乾燥装置6
の直前に設ける方が好ましい。又、エアーの吹き付け方
向は、支持体1の走行方向と同方向、あるいは反対方向
のいずれでも良い。
エアー吹き付け装置7を設けているので、連続走行する
支持体1上に従来と同様の方法で定量塗布されたシルバ
ー隠蔽塗料3のウエット塗膜5に対して、先ずエアー吹
き付け装置7によりエアーを吹き付け、ウエット塗膜5
中の表面に浮遊しているアルミニウム粉の流動を阻止す
る。従って、その後従来公知の乾燥装置6で乾燥して
も、塗膜表面のアルミニウム粉が再流動することがな
く、アルミニウム粉の分布バラツキを生じることなく均
一な塗工面が得られるのである。
本発明の効果を例証する。図1に示す塗工装置におい
て、支持体として磁気記録媒体を用い、その条件として
は、188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートフイ
ルムからなる磁気記録媒体の表面にシルバー隠蔽塗料
(濃度20%溶液)を塗布した。この場合、塗布量約4
g/m2になるように調整して、搬送速度30m/mi
nで塗工処理した。エアー吹き付け装置としては、エア
ードクターを用い、そのエアードクターのスリット幅を
2mmに固定した。操作因子であるエアー圧、エアー吹
き付け角度、及びエアードクターの支持体との距離の3
点を変数として、適正条件を求めた。その時の結果は表
1の通りであった。尚、エアー吹き付け角度はエアード
クターの空気流中心軸と支持体への接線との間の角度で
ある。
角度が30度以下で支持体との距離がある程度(20m
m以上)ある方が、広範囲のエアー圧で塗膜ムラのない
安定した塗工面が得られていることがわかる。
ミニウム粉を例示しているが、金属粉としては、前記ア
ルミニウム粉の他に金粉、銀粉、銅や亜鉛からなるブロ
ンズパウダー等があり、本発明の金属粉の中にはこれら
の金属粉が含まれるものである。
定量塗布された後でその塗膜が乾燥される前に常時エア
ーを吹き付けているので、隠蔽塗料中の金属粉の流動を
防止することができ、製品の塗膜ムラがなくなって品質
が向上し、品質管理も容易になるという効果が得られ
る。
やエアー圧等を調整して塗膜ムラが極力生じないように
工夫しているので、工程管理に困難を伴うものとなって
いたが、本発明の方法及び装置によると、工程管理が簡
単となる。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 連続走行する支持体上に塗料を定量塗布
した後、該支持体を乾燥工程へ導入させて塗料の塗膜を
乾燥させる塗工方法において、前記塗料として金属粉を懸濁した隠蔽塗料を使用し、 乾
燥工程に入る前に、前記支持体に塗布された前記隠蔽塗
料の塗膜にエアーを吹き付け、金属粉が塗膜の表面に浮
遊流動することを抑制してなることを特徴とする塗工装
置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法。 - 【請求項2】 エアーの吹き付け手段としてエアードク
ターを使用することを特徴とする請求項1記載の塗工装
置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法。 - 【請求項3】 連続走行する支持体と、該支持体上に塗
料を定量塗布する塗布装置と、前記支持体が導入されて
塗料の塗膜を乾燥させる乾燥装置とを有する塗工装置に
おいて、前記塗料が金属粉を懸濁した隠蔽塗料からなり、 前記塗
布装置と乾燥装置との間に、前記支持体に塗布された前
記隠蔽塗料の塗膜にエアーを吹き付け、金属粉が塗膜の
表面に浮遊流動することを抑制するエアー吹き付け装置
を設けてなることを特徴とする塗工装置における隠蔽塗
料の塗膜ムラ防止装置。 - 【請求項4】エアー吹き付け装置が前記支持体が乾燥装
置へ導入される直前の位置に設けられてなることを特徴
とする請求項3記載の塗工装置における隠蔽塗料の塗膜
ムラ防止装置。 - 【請求項5】 エアー吹き付け装置が、エアードクター
であることを特徴とする請求項3あるいは請求項4記載
の塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4070119A JP2593763B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4070119A JP2593763B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05228416A JPH05228416A (ja) | 1993-09-07 |
JP2593763B2 true JP2593763B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=13422351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4070119A Expired - Fee Related JP2593763B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 塗工装置における隠蔽塗料の塗膜ムラ防止方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2593763B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58101752A (ja) * | 1981-12-09 | 1983-06-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 被膜形成装置 |
JPS60209281A (ja) * | 1984-04-02 | 1985-10-21 | Nippon Steel Corp | 塗装鋼板連続製造方法 |
JPH0651162B2 (ja) * | 1989-06-13 | 1994-07-06 | 株式会社クボタ | 深彫り凹凸模様板の塗装方法 |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP4070119A patent/JP2593763B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH05228416A (ja) | 1993-09-07 |
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