JP2593014B2 - ロッドレスシリンダにおけるシール構造 - Google Patents

ロッドレスシリンダにおけるシール構造

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JP2593014B2
JP2593014B2 JP3259416A JP25941691A JP2593014B2 JP 2593014 B2 JP2593014 B2 JP 2593014B2 JP 3259416 A JP3259416 A JP 3259416A JP 25941691 A JP25941691 A JP 25941691A JP 2593014 B2 JP2593014 B2 JP 2593014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダチューブに沿
って形成された経路線条溝を経由してシリンダチューブ
内のピストンから連結体を突出させ、経路線条溝に対し
て嵌め込み可能なシールベルトによって前記連結体の前
後の経路線条溝部位を閉塞するようにしたロッドレスシ
リンダにおけるシールベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のロッドレスシリンダが特開昭6
2−266206号公報に開示されている。経路線条溝
は内側の幅広部と外側の幅狭部との2段構成となってい
る。シールベルトはピストンと一体的に進行する連結体
の進行前方にて経路線条溝からシリンダチューブ内側に
外され、連結体の進行後方にて経路線条溝に嵌め込まれ
る。連結体の進行前後ではシールベルトはピストンによ
って経路線条溝内に嵌め込み保持されており、シリンダ
チューブ内がピストン及びシールベルトによって閉塞さ
れる。シリンダチューブ側には掛け止め突条が経路線条
溝に沿って形成されており、シールベルトは掛け止め突
条との凹凸の嵌合によって経路線条溝の幅広部に嵌め込
み支持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シールベルトは連結体
の進行位置でシリンダチューブ内に湾曲しており、ピス
トンの長さはこの湾曲における曲率半径に左右される。
即ち、ピストンはシールベルトの湾曲部位の前後でシー
ルベルトを経路線条溝内に嵌め込み保持する役割を果た
しており、湾曲部位の曲率半径が大きい場合にはピスト
ンを長くせざるを得ない。ピストンが長くなればシリン
ダチューブも長くなり、ロッドレスシリンダ全体が大型
化する。
【0004】シールベルトはシリンダチューブ内のエア
圧によって良好なシール機能を発揮すると共に、不必要
に変形しない程度の弾性及び適度な可撓性を備えている
必要があり、そのためにシールベルトの厚みはある程度
厚くなる。しかしながら、特開昭62−266206
公報におけるシールベルトと掛け止め突条との凹凸の嵌
合支持位置は幅広部と幅狭部との境にあり、シールベル
トの厚みはこの境では実質的に小さくなる。そのため、
シールベルトがこの境で内圧によって変形し、この変形
が全体に波及してシール性能が低下する。変形によるシ
ール性能の低下を回避するにはシールベルトの厚みを増
せばよいが、シールベルトが厚くなれば湾曲部位におけ
る曲率半径は必然的に大きくなる。そのため、ロッドレ
スシリンダ全長が大きくなるのみならず、シールベルト
を湾曲させる際の曲げ応力が大きくなり、ピストンの円
滑駆動及びピストン速度の高速化が阻害される。
【0005】本発明は、シールベルトの厚みを増すこと
なくシール性能を維持し得るロッドレスシリンダを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
経路線条溝の内側を幅広部とすると共に、外側を幅狭部
とする2段構造に経路線条溝を形成し、幅広部と幅狭部
との段差にシールベルトをシリンダチューブの内部側か
ら接合すると共に、段差には前記幅狭部から離間した位
置で前記経路線条溝と平行に延びる掛け止め突条を設
け、該掛け止め突条の段差側かつ幅狭部側の側面をその
長手方向に沿って縊れ形成し、シールベルトには前記掛
け止め突条をその縊れ部位を含む全体を包囲することに
よりシールベルトを掛け止める掛け止め凹条を形成し
た。
【0007】
【作用】シールベルトは内圧によって幅広部と幅狭部と
の段差に押接し、シールベルトの幅広部からの脱落は
け止め突条と掛け止め凹条との凹凸嵌合によって阻止さ
れる。この凹凸嵌合位置は幅狭部と段差との境から離れ
ており、シールベルトは幅狭部と段差との境から凹凸嵌
合位置に到る段差部位に押接する。しかも、凹凸嵌合構
造として、掛け止め突条の段差側かつ幅狭部側の側面を
その長手方向に沿って縊れ形成し、掛け止め凹条をその
縊れ部位を含む掛け止め突条全体を包囲することにより
シールベルトを掛け止める構成としているので、幅狭部
と段差との境から凹凸嵌合位置に到るまでの段差部位の
長さが長くなる。従って、シールベルトの厚みを本来の
厚みとした部分の長さが十分に確保され、内圧によって
変形することはない。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図3に基づいて説明する。四角筒状のシリンダチューブ
1内には一対のピストン片2,3が収容されており、ピ
ン4によって連結体5に結合されている。シリンダチュ
ーブ1の上面には経路線条溝6がピストン移動方向に形
成されている。経路線条溝6は幅広部6aと幅狭部6b
とからなる2段構造となっており、連結体5が経路線条
溝6から外部に突出している。従って、連結体5はピス
トン片2,3と一体的に経路線条溝6に沿って進行移動
する。連結体5の上部及び下部には収容溝5a,5bが
形成されており、連結体5上部にはテーブル9及び押圧
板10が取り付けられている。
【0009】経路線条溝6下部の幅広部6aにはシール
ベルト7が収容溝5aを通って連結体5の前後で嵌め込
まれており、連結体5前後の経路線条溝6上部の幅狭部
6bが収容溝5bを通る防塵ベルト8によって被覆され
ている。防塵ベルト8は連結体5の進行移動に伴って押
圧板10によって経路線条溝6の上部に押し込められ
る。シールベルト7は、連結体5の進行によって連結体
5の進行前方で経路線条溝6の下部からシリンダチュー
ブ1の内側へ外され、ピストン片2,3の進行によって
ピストン片2,3の進行前方で経路線条溝6内に嵌め込
まれる。
【0010】防塵ベルト8及びシールベルト7の両端は
いずれもシリンダチューブ1のエンドキャップ11(一
方のみ図示)上に取り付け板12及びピン13によって
エンドキャップ11上に取り付け固定されている。ピス
トン片2,3によって区画形成された加圧室14に対す
る圧力エア給排気はエンドキャップ11上のポート11
aから行なう。
【0011】幅広部6aと幅狭部6bとの左右の段差6
cには掛け止め突条6dが形成されている。掛け止め突
条6dは幅狭部6bと段差6cとの境から離れた位置に
設定されている。シールベルト7には掛け止め凹条7a
が形成されている。図2及び図3に示すように、前記掛
け止め突条6dの段差6c側は縊れ形成され、又、掛け
止め凹条7aはその縊れ部位を含む掛け止め突条6d全
体を包囲するようになっている。そして、幅広部6aか
らのシールベルト7の脱落は掛け止め凹条7aと掛け止
め突条6dとの嵌合によって阻止される。
【0012】シールベルト7の上面は段差6cに接合し
ており、シールベルト7の左右両翼部7bは幅広部6a
の斜状開口縁に接合している。従って、加圧室14に圧
力エアが供給されている場合には加圧室14に面するシ
ールベルト7の上面は段差6cに押接され、シールベル
ト7の両翼部7bは幅広部6aの斜状開口縁に押接され
る。又、シールベルト7の下面はピストン片2,3周面
のパッキン2a,3aに摺接している。
【0013】シールベルト7に加わるエア圧力はシール
ベルト7の下面に垂直に作用し、この作用方向が段差6
cを通る作用圧はシールベルト7を介して段差6cで受
け止められる。作用方向が幅狭部6bを通る作用圧はシ
ールベルト7の撓み応力によって受け止められる。幅狭
部6bにおける撓み程度はシールベルト7の厚みに左右
されるが、実質的に厚みの小さくなる掛け止め凹条7a
の位置は幅狭部7bと段差6cとの境から離れており、
この境におけるシールベルト7の厚みは本来の厚みに等
しい。しかも、掛け止め突条6dの段差6c側かつ幅狭
部6b側の側面をその長手方向に沿って縊れ形成し、掛
け止め凹条7aをその縊れ部位を含む掛け止め突条6a
全体を包囲することによりシールベルトを掛け止める構
成としているので、幅狭部6bと段差6cとの境から凹
凸嵌合位置に到るまでの段差6c部位の長さが長くな
る。従って、シールベルト7の厚みを従来よりも特に増
さずとも幅狭部6bにおける撓み変形を抑制することが
でき、シールベルト7全体の変形を防止することができ
る。このような防止作用によってシール性能の低下が回
避される。
【0014】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、経路線条
溝の幅広部と幅狭部との段差にシールベルトをシリンダ
チューブの内部側から接合すると共に、シールベルトと
段差との間には凹凸の嵌合支持構造を設け、この凹凸嵌
合構造として、掛け止め突条の段差側かつ幅狭部側の側
面をその長手方向に沿って縊れ形成し、掛け止め凹条を
その縊れ部位を含む掛け止め突条全体を包囲することに
よりシールベルトを掛け止める構成としているので、幅
狭部と段差との境から凹凸嵌合位置に到るまでの段差部
位の長さが長くなる。その結果、内圧による幅狭部を中
心としたシールベルトの撓み変形を極力抑えることがで
き、撓み変形に起因するシール性能の低下を回避し得る
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した一実施例を示す縦断面図
である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダチューブ、2,3…ピストン片、5…連結
体、6…経路線条溝、6a…幅広部、6b…幅狭部、6
c…段差、6d…嵌合支持構造を構成する掛け止め突
条、7…シールベルト、7a…嵌合支持構造を構成する
掛け止め凹条。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダチューブ(1)に沿って形成され
    た経路線条溝(6)を経由してシリンダチューブ(1)
    内のピストン(2,3)から連結体(5)を突出させ、
    経路線条溝(6)に対して嵌め込み可能なシールベルト
    (7)によって前記連結体(5)の前後の経路線条溝
    (6)部位を閉塞するようにしたロッドレスシリンダに
    おいて、経路線条溝(6)の内側を幅広部(6a)とす
    ると共に、外側を幅狭部(6b)とする2段構造に経路
    線条溝(6)を形成し、幅広部(6a)と幅狭部(6
    b)との段差(6c)にシールベルト(7)をシリンダ
    チューブ(1)の内部側から接合すると共に、段差(6
    c)には前記幅狭部(6b)から離間した位置で前記経
    路線条溝(6)と平行に延びる掛け止め突条(6d)を
    設け、該掛け止め突条(6d)の段差(6c)側かつ幅
    狭部(6b)側の側面をその長手方向に沿って縊れ形成
    し、シールベルト(7)には前記掛け止め突条(6d)
    をその縊れ部位を含む全体を包囲することによりシール
    ベルト(7)を掛け止める掛け止め凹条(7a)を形成
    したことを特徴とするロッドレスシリンダにおけるシー
    ル構造。
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