JP2591679Y2 - ローラバニシング装置 - Google Patents

ローラバニシング装置

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JP2591679Y2
JP2591679Y2 JP1993065261U JP6526193U JP2591679Y2 JP 2591679 Y2 JP2591679 Y2 JP 2591679Y2 JP 1993065261 U JP1993065261 U JP 1993065261U JP 6526193 U JP6526193 U JP 6526193U JP 2591679 Y2 JP2591679 Y2 JP 2591679Y2
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thimble
mandrel
shank
cylindrical
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和義 佐藤
英昭 岡島
俊二 新田
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Sugino Machine Ltd
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Sugino Machine Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば被加工円筒管端
部の内外面のバニシを転圧して鏡面加工するローラバニ
シング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被加工円筒管端部の内外面を押圧
して鏡面加工する場合、内面加工と外面加工とをそれぞ
れ別々の工具を用い、2工程に分けて、鏡面加工を行っ
ている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように被加工円筒管端部の内外面を鏡面加工する場
合に、内面加工と外面加工との2工程に分けているた
め、作業時間がかかるという問題点があった。
【0004】また、内面加工及び外面加工の際に、円筒
管端部の変形を防止するため、円筒管の中心と、内面加
工用の工具及び外面加工用の工具の中心とをそれぞれの
工程において合せなければならず、作業が煩雑になると
いう問題点があった。
【0005】更に、一旦、円筒管端部が変形してしまう
と、その修正には困難を要するため、円筒管の中心と、
内面加工用の工具及び外面加工用の工具の中心との位置
合せには熟練を要するという問題点があった。
【0006】加えて、被加工円筒管端部の肉厚が薄肉で
ある場合には、円筒管端部の変形を防止するための治具
を用いなければならず、また、変形防止用の治具を用い
ていても、バニシ量が多いと、結局、円筒管端部が変形
してしまうという事態が生じるため、十分に転圧するこ
とができず、鏡面加工の仕上がりが悪くなるという問題
点があった。
【0007】本考案は、上記問題点を鑑みてなされたも
のであり、被加工円筒管端部を変形させることなく、そ
の内外面を同時に鏡面加工することができるローラバニ
シング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係るローラバニ
シング装置は、上記目的を達成するために、回転駆動機
構によって回転駆動されるシャンクと、先端に向って小
径となる円錐外面を先端部に有し、後端部において前記
シャンクに対して相対回転可能に保持されるマンドレル
と、前記マンドレルの外周を囲むように前記シャンクに
対して一体回転可能に装着された筒状シンブルと、先端
に向かって大径となる円錐内面を先端部に有し、前記円
錐内面が前記マンドレル先端の円錐外面と同軸状に対面
するように前記筒状シンブルに対して一体回転可能に装
着されたヘッドと、前記マンドレル先端の円錐外面に接
して転動する複数の内面加工用ローラと、前記ヘッド先
端の円錐内面に接して転動する複数の外面加工用ローラ
と、前記内面加工用ローラと前記外面加工用ローラとを
それぞれ軸受け保持して前記マンドレル及び前記筒状シ
ンブルのそれぞれに対して相対回転可能に保持されたロ
ーラフレームとを備え、前記内面加工用ローラと前記外
面加工用ローラとが前記マンドレルの軸心を中心とする
同一半径上に位置して互いに対面する二本づつの構成と
して互いに同数設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、請求項2に記載の考案に係るローラ
バニシング装置は、請求項1記載のローラバニシング装
置において、前記シャンクと前記筒状シンブルとの相対
的な軸方向位置を調整する内面加工径調整機構と、前記
筒状シンブルと前記ヘッドとの相対的な軸方向位置を調
整する外面加工径調整機構とを更に備えたことを特徴と
するものである。
【0010】
【作用】請求項1に記載の考案によるローラバニシング
装置は、シャンクと、マンドレルと、筒状シンブルと、
ヘッドと、複数の内面加工用ローラと、複数の外面加工
用ローラと、ローラフレームとから主に構成される。
【0011】前記シャンクは、回転駆動機構によって回
転駆動され、前記マンドレルは、先端に向って小径とな
る円錐外面を先端部に有し、後端部において前記シャン
クに対して相対回転可能に保持される。
【0012】また、前記筒状シンブルは、前記マンドレ
ルの外周を囲むように前記シャンクに対して一体回転可
能に装着され、前記ヘッドは、先端に向かって大径とな
る円錐内面を先端部に有し、前記円錐内面が前記マンド
レル先端の円錐外面と同軸状に対面するように前記筒状
シンブルに対して一体回転可能に装着される。
【0013】更に、前記複数の内面加工用ローラは、前
記マンドレル先端の円錐外面に接して転動し、前記複数
の外面加工用ローラは、前記ヘッド先端の円錐内面に接
して転動する。
【0014】また、前記ローラフレームは、前記内面加
工用ローラと前記外面加工用ローラとをそれぞれ軸受け
保持して前記マンドレル及び前記筒状シンブルのそれぞ
れに対して相対回転可能に保持される。
【0015】ここで、前記内面加工用ローラと前記外面
加工用ローラとは、前記マンドレルの軸心を中心とする
同一半径上に位置して互いに対面する二本づつの構成と
して互いに同数設けられる。
【0016】つまり、前記内面加工用ローラと前記外面
加工用ローラとは、複数の対を構成し、各対の内面加工
用ローラと外面加工用ローラは、前記マンドレルの軸心
を中心とする同一の半径上に位置し、更に、各対におけ
る双方のローラは、前記マンドレルの軸心と交差する軸
線上に対面して配置され、全体で双方のローラが同数設
けられている。
【0017】従って、鏡面加工対象の被加工円筒管が、
前記内面加工用ローラと前記外面加工用ローラとの対面
間隔に挿入され、この被円筒管の内外面に、前記マンド
レルの軸心と交差する軸線上に配置された前記内面加工
用ローラと前記外面加工用ローラが当接されて、シャン
クの回転駆動と軸心方向の押込みにより転圧鏡面加工が
行われる。
【0018】この結果、前記被円筒管が変形することな
く、且つ被加工円筒管の内外面を同時に鏡面加工するこ
とが可能となる。
【0019】請求項2に記載の考案によるローラバニシ
ング装置では、請求項1に記載のローラバニシング装置
において、内面加工径調整機構と、外面加工径調整機構
とが、更に備えられる。
【0020】前記内面加工径調整機構は、前記シャンク
と前記筒状シンブルとの相対的な軸方向位置を調整し、
また、前記外面加工径調整機構は、前記筒状シンブルと
前記ヘッドとの相対的な軸方向位置を調整する。
【0021】従って、口径及び肉厚の異なる種々の被加
工円筒管の鏡面加工が可能となる。
【0022】
【実施例】図1(A)は、本考案の一実施例に係るロー
ラバニシング装置の一部切り欠き断面図であり、図1
(B)は、図1(A)におけるA−A矢視断面図であ
る。図1(A),(B)に示すように、本実施例に係る
ローラバニシング装置は、シャンク22、第1のシンブ
ル15,第2のシンブル19(筒状シンブル)、ヘッド
1、マンドレル2、複数の外面ローラ3(外面加工用ロ
ーラ)、複数の内面ローラ4(内面加工用ローラ)、外
面ローラフレーム5,内面ローラフレーム6(ローラフ
レーム)から主に構成されている。
【0023】図1(A)に示すように、シャンク22の
外周面上には、第2のシンブル19が、第2のアジャス
トリング20及び第2のロックナット21とともに、螺
合による軸方向相対位置の調整及びその固定が可能なよ
うに装備され、固定状態ではこれらは一体に回転するよ
うに構成されている。
【0024】すなわち、前記第2のシンブル19と第2
のロックナット21とは、前記シャンク22にねじ嵌め
されており、ロックナット21を緩めた状態では第2の
シンブル19がシャンク22の外周面上を螺合回転によ
って移動可能となっており、更に、この螺合回転はロッ
クナット21を締込むことによって確実に阻止可能とな
っている。
【0025】また、前記螺合回転の操作のために第2の
アジャストリング20は、図2(A),(B)に示すよ
うに、シャンク22に対してキー20aにより相対回転
不能に装着されており、シャンク22には、前記キー2
0aの軸方向移動のための溝22aが形成されている。
尚、図2(A)は前記第2のアジャストリング20の構
成例を示す正面図であり、図2(B)は側面図である。
【0026】更に、第2のアジャストリング20の端面
には、図1(A)に示すように、第2のシンブル19と
嵌合する円周方向に5等分のツメ20bが設けられてお
り、第2のシンブル19には、前記ツメ20bと嵌合す
る円周方向に25等分の溝19aが設けられている。ま
た、前記第2のロックナット21は、前記シャンク22
とのねじ嵌合により、前記第2のアジャストリング20
を前記第2のシンブル19に対して固定可能となってい
る。
【0027】第1のシンブル15は、第2のシンブル1
9の外周面上に、第1のアジャストリング17及び第1
のロックナット18とともに、螺合による軸方向相対位
置の調整及びその固定が可能となるように装着され、固
定状態ではこれらは一体に回転するように構成されてい
る。
【0028】尚、第1のシンブル15、第1のアジャス
トリング17及び第1のロックナット18と前記第2の
シンブル19との関係は、前記第2のシンブル19、第
2のアジャストリング20及び第2のロックナット21
とシャンク22との関係と同様となっている。
【0029】すなわち、前記第1のシンブル15と第1
のロックナット18とは、前記第2のシンブル19にね
じ嵌めされており、また、前記第1のアジャストリング
17は、図2に示したのと同様に、第2のシンブル19
に対してキー17aにより相対回転不能に装着され、第
2のシンブル19には、前記キー20aの軸方向移動の
ための溝22aが形成されている。
【0030】更に、第1のアジャストリング17の端面
には、図1(A)に示すように、第1のシンブル15と
嵌合する円周方向に5等分のツメ17bが設けられてお
り、第1のシンブル15の対向端面には、前記ツメ17
bと嵌合する円周方向に25等分の溝15aが設けられ
ている。また、この第1のアジャストリング17は、前
記第1のロックナット18により、前記第1のシンブル
15に対して固定可能となっている。
【0031】また、第1のシンブル15の先端内周面に
は、先端に向かって大径となる円錐内面を先端部に有す
るヘッド1が、六角穴付きねじ16により前記第1のシ
ンブル15に接続されている。ヘッド1と第1のシンブ
ル15とは互いに端面が当接し、六角穴付きねじ16
は、ヘッド1の後端側に拡径上の円錐外面に当接して締
込まれるので、第1のシンブル15とヘッド1との連結
位置精度を高く確保することができ、また、ヘッド1の
みを取り外すことも可能である。
【0032】マンドレル2は、先端部が先端に向って小
径となる円錐外面となっており、太径の後端部がスペー
サ13,ベアリング14,ブッシュ23を介して前記シ
ャンク22内に保持されている。尚、マンドレル2の後
端の太径部は、シャンク22内からの脱落防止のため、
シャンク22先端に螺合されたカバー24により保持さ
れている。
【0033】複数の外面ローラ3は、前記ヘッド1先端
の円錐内面に当接して、この円錐内面上を転動可能に外
面ローラフレーム5によって軸受けされ、保持されてい
る。尚、この外面ローラ3の形状は、先端に向って大径
となる円錐外面となっており、前記先端に向かって大径
となる円錐内面を先端部に有するヘッド1と当接するこ
とにより、この外面ローラ3の加工面はマンドレル2の
軸心と平行になる。
【0034】また、複数の内面ローラ4は、前記マンド
レル2先端の円錐外面に当接して、この円錐外面上を転
動可能に内面ローラフレーム6によって軸受けされ、保
持されている。尚、この内面ローラ4の形状も、先端に
向って大径となる円錐外面となっており、前記先端に向
って小径となる円錐外面となっているマンドレル2と当
接することにより、この内面ローラ4の加工面は前記マ
ンドレル2の軸心と平行になる。
【0035】更に、前記外面ローラフレーム5と内面フ
レーム6とは、それぞれ後端部で六角穴付きねじ7によ
り一体に接続されており、更に、該後端部は、フレーム
リング8によって保持されている。また、前記フレーム
リング8は、前記ローラフレーム後端部に六角ねじ9に
よって接続されている。
【0036】また、前記フレームリング8と前記第2の
シンブル19との間には、スラストボールベアリング1
0が介在されており、前記フレームリング8の前面側に
は、スラストリング11が配設されている。そして、該
スラストリング11と前記ヘッド1との間には、スプリ
ング12が弾設されている。
【0037】尚、前記ヘッド1、複数の外面ローラ3、
複数の内面ローラ4、外面ローラフレーム5、内面ロー
ラフレーム6のそれぞれは、図1(B)から分かるよう
に、前記マンドレル2の軸心を中心として同軸配置され
ている。また、前記外面ローラ3と内面ローラ4とは、
互いに対向する位置に設けられ、且つ同一本数設けられ
ている。
【0038】次に、上述ように構成された本実施例に係
るローラバニシング装置の動作について説明する。図示
しない回転駆動機構により駆動されるシャンク22の回
転力は、第2のシンブル19、第1のシンブル15及び
ヘッド1へそのまま伝達される。
【0039】これは、シャンク22と第2のシンブル1
9とは、第2のアジャストリング20及び第2のロック
ナット21によって固定され、第2のシンブル19と第
1のシンブル15とは、第1のアジャストリング17及
び第1のロックナット18によって固定され、また、ヘ
ッド1は、六角穴付きねじ16によって第1のシンブル
15に固定されているためである。
【0040】鏡面加工対象である被加工円筒管が本実施
例に係るローラバニシング装置の加工間隙に挿入された
状態で上述のようにシャンク22を回転駆動した場合の
動作を以下に説明する。また、図3は、図1(B)に示
す断面の部分拡大図であり、以下に説明する外内面ロー
ラ3,4、ローラフレーム5,6及びマンドレル2等の
回転方向を示す説明図である。
【0041】前記被加工円筒管を自転しないように固定
して前記外面ローラ3と内面ローラ4との間に挿入する
と、ヘッド1と当接して自転される外面ローラ3が、前
記被加工円筒管の外周面に沿って転動し、この外面ロー
ラ3の転動に伴って、外面ローラフレーム5は、前記外
面ローラ3の公転方向に回転する。このようにして、外
面ローラ3が、被加工円筒管の外周面上を自転しながら
公転すると、この被加工円筒管の外周面が鏡面加工され
る。
【0042】前記外面ローラフレーム5が回転すること
により、この外面ローラフレーム5と六角穴付きねじ7
で接続された内面ローラフレーム6が、前記外面ローラ
フレーム5と同一方向に回転する。
【0043】前記内面ローラフレーム6が回転すること
により、この内面ローラフレーム6によって軸受け保持
されている内面ローラ4が、前記被加工円筒管内周面に
沿って前記内面ローラフレーム6とともに公転する。内
面ローラフレーム6が、被加工円筒管の内周面に沿って
公転すると、内面ローラ4は被加工円筒管の内周面上を
自転して転圧し、鏡面加工が行われる。内面ローラ4
は、マンドレル2によって当接支持されているため、内
面ローラ4が自転すると、前記マンドレル2は、前記内
面ローラ4の自転方向と逆方向、即ち、ローラフレーム
5,6と同一方向に回転する。
【0044】また、前記被加工円筒管を外内面ローラ
3,4間に挿入した際に、ローラフレーム5,6及びマ
ンドレル2にスラスト力(推力)が加わるが、これはス
ラストボールベアリング10及びベアリング14を介し
てシャンク22に支持される。この場合、マンドレル2
及びローラフレーム5,6は、シャンク22及びシンブ
ル15,19に対して相対回転速度を持つことになる
が、これもスラストボールベアリング10及びベアリン
グ14により吸収される。
【0045】以上のように、被加工円筒管は、同一半径
上に対面して配置された内面ローラ4と外面ローラ3と
の間に挟圧されてバニシ加工を受け、内外面の加工反力
は互いのローラ3,4が相補的に支持することになるの
で、加工中に被加工円筒管に不都合な力が加わらず、変
形も生じない。
【0046】次に、口径及び肉厚が異なる種々の被加工
円筒管に本装置を適用する場合の操作方法について説明
する。先ず、被加工円筒管の内径に適合させるために
は、内面ローラ4の加工径B(図1(A)参照)を調節
する(内面加工調整機構)。
【0047】これは、第2のロックナット21を緩め、
第2のアジャストリング20をシャンク22上で軸方向
に摺動させて、該第2のアジャストリング20のツメ2
0bを第2のシンブル19の溝19aより外す。
【0048】その後、第2のアジャストリング20のキ
ー20aによって結合されているシャンク22に対して
第2のシンブル19を相対回転させると、シャンク2
2、即ちマンドレル2と、シンブル19、即ちローラフ
レーム6に支持された内面ローラ4との軸方向の相対位
置が変わる。このとき、第2のシンブル19がシャンク
22上で移動すると、スプリング12により、フレーム
リング8が、前記第2のシンブル19に追従する。フレ
ームリング8とローラフレーム5,6とは、六角穴付き
ねじ9によって接続されているため、これによって、内
面ローラ4とマンドレル2との軸方向相対位置が変わ
る。
【0049】この場合、マンドレル2と内面ローラ4と
は、互いに相補的な円錐テーパ形状となっているため、
内面ローラ4は加工面をマンドレル2の軸心と平行に保
ったまま移動し、例えば図1(A)において、前記第2
のシンブル19をシャンク22の後端側(紙面の右方
向)に移動した場合には、内面ローラ4もマンドレル2
上でシャンク22の後端側に移動し、内面加工径Bは大
きくなる。
【0050】また、例えば前記第2のシンブル19をシ
ャンク22の先端側(図1(A)上で紙面の左方向)に
移動した場合には、内面ローラ4もマンドレル2上でシ
ャンク22の先端側に移動し、内面加工径Bは小さくな
る。
【0051】これにより、内径の異なる種々の被加工円
筒管を本装置に適合することができる。尚、所望の内径
に適合させたときに、前記第2のアジャストリング20
のツメ20bを第2のシンブル19の溝19aに嵌め込
み、第2のロックナット21によって固定することは述
べるまでもない。
【0052】次に、被加工円筒管の外形に本装置を適合
させるためには、外面ローラ3の加工径C(図1(A)
参照)を調節する(外面加工調整機構)。
【0053】これは、第1のロックナット18を緩め、
第1のアジャストリング17を第2のシンブル19上で
軸方向に摺動させて、該第1のアジャストリング17の
ツメ17bを第1のシンブル15の溝15aより外す。
【0054】その後、第1のシンブル15を第1のアジ
ャストリング17のキー17aと結合されている第2の
シンブル19に対して相対回転させると、ヘッド1と外
面ローラ3との軸方向相対位置が変わる。これは、第1
のシンブル15とヘッド1とが六角穴付きねじ16によ
って接続されているからであり、また、ローラフレーム
5,6が第2のシンブル19に追従するからである。
【0055】この場合、ヘッド1と外面ローラ3とは、
互いに相補的な円錐テーパ形状となっているため、外面
ローラ3は加工面をヘッド1の軸心(マンドレル2の軸
心)と平行に保ったまま移動し、例えば図1(A)にお
いて、前記第1のシンブル15を第2のシンブル19の
後端側(紙面の右方向)に移動した場合には、ヘッド1
も外面ローラ3上で第2のシンブル19の後端側に移動
し、外面加工径Cは大きくなる。
【0056】また、例えば前記第1のシンブル15を第
2のシンブル19の先端側(図1(A)上で紙面の左方
向)に移動した場合には、ヘッド1も外面ローラ3上で
第2のシンブル19の先端側に移動し、外面加工径Cは
小さくなる。
【0057】これにより、外径の異なる種々の被加工円
筒管を本装置に適合することができる。尚、所望の外径
に適合したときに、前記第1のアジャストリング17の
ツメ17bを第1のシンブル15の溝15aに嵌め込
み、第1のロックナット18によって固定することは述
べるまでもない。
【0058】
【考案の効果】本考案は以上説明したとおり、内面加工
用ローラと外面加工用ローラとが、前記マンドレルの軸
心を中心とする同一半径上に位置して互いに対面する二
本づつの構成として互いに同数設けられているので、鏡
面加工対象の被加工円筒管の形状を変形させることな
く、且つ同時に被加工円筒管の内外面を鏡面加工するこ
とができるという効果がある。特に、薄肉の被加工円筒
管に適用する場合には、管の変形防止用の治具を用いる
ことなく、鏡面加工をすることができる。また、この結
果、加工能率を向上することができるという効果もあ
る。
【0059】また、外面加工径調整機構と、内面加工径
調整機構とが、更に備えられているので、口径及び肉厚
の異なる種々の被加工円筒管の鏡面加工を行うことがで
きるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本考案の一実施例に係るローラバニ
シング装置の一部切り欠き断面図であり、(B)は、
(A)におけるA−A矢視断面図である。
【図2】(A)はアジャストリングの構成例を示す正面
図であり、(B)は側面図である。
【図3】図1(B)に示す断面の部分拡大図であり、ロ
ーラ等の回転方向を示す説明図である。
【符号の説明】
1:ヘッド 2:マンドレル 3:外面ローラ 4:内面ローラ 5:外面ローラフレーム 6:内面ローラフレーム 8:フレームリング 10:スラストボールベアリング 11:スラストリング 12:スプリング 13:スペーサ 14:ベアリング 15:第1のシンブル 15a:溝 17:第1のアジャストリング 17a:キー 17b:ツメ 18:第1のロックナット 19:第2のシンブル 19a:溝 20:第2のアジャストリング 20a:キー 20b:ツメ 21:第2のロックナット 22:シャンク 23:ブッシュ 24:カバー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 39/00 B24B 39/02 B24B 39/04

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動機構によって回転駆動されるシ
    ャンクと、 先端に向って小径となる円錐外面を先端部に有し、後端
    部において前記シャンクに対して相対回転可能に保持さ
    れるマンドレルと、 前記マンドレルの外周を囲むように前記シャンクに対し
    て一体回転可能に装着された筒状シンブルと、 先端に向かって大径となる円錐内面を先端部に有し、前
    記円錐内面が前記マンドレル先端の円錐外面と同軸状に
    対面するように前記筒状シンブルに対して一体回転可能
    に装着されたヘッドと、 前記マンドレル先端の円錐外面に接して転動する複数の
    内面加工用ローラと、 前記ヘッド先端の円錐内面に接して転動する複数の外面
    加工用ローラと、 前記内面加工用ローラと前記外面加工用ローラとをそれ
    ぞれ軸受け保持して前記マンドレル及び前記筒状シンブ
    ルのそれぞれに対して相対回転可能に保持されたローラ
    フレームとを備え、 前記内面加工用ローラと前記外面加工用ローラとが前記
    マンドレルの軸心を中心とする同一半径上に位置して互
    いに対面する二本づつの構成として互いに同数設けられ
    ていることを特徴とするローラバニシング装置。
  2. 【請求項2】 前記シャンクと前記筒状シンブルとの相
    対的な軸方向位置を調整する内面加工径調整機構と、 前記筒状シンブルと前記ヘッドとの相対的な軸方向位置
    を調整する外面加工径調整機構と、 を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のローラ
    バニシング装置。
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