JP2541400Y2 - 球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ル - Google Patents

球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ル

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JP2541400Y2
JP2541400Y2 JP2820691U JP2820691U JP2541400Y2 JP 2541400 Y2 JP2541400 Y2 JP 2541400Y2 JP 2820691 U JP2820691 U JP 2820691U JP 2820691 U JP2820691 U JP 2820691U JP 2541400 Y2 JP2541400 Y2 JP 2541400Y2
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roller
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burnishing
mandrel
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和義 佐藤
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Sugino Machine Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、球関節機構やボ−ルベ
アリングの製作における球座面の仕上加工に採用されて
好適な球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ル、詳しく
は、切削等の荒加工の精度が多少低くても球内面に一様
なロ−ラ・バニシング加工を実行できるようにしたロ−
ラ保持構造の工夫に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用車両、ステアリング部、ソケット
エンダボ−ル、ジョイント部や自動車用エンジン、ロッ
カア−ムの球座加工等、多種多様な用途における、アル
ミニウム、銅合金、鋳鉄、ステンレス鋼、構造用鋼、工
具鋼等の被加工物に形成された球内面の仕上加工におい
て、球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルが広く使用
されている。該ツ−ルを用いたバニシング加工により、
球内面の表面の微小な凹凸が押潰されて0.1〜0.8
Sの鏡面が得られ、また、表面が加工硬化し、さらに、
表層に圧縮の残留応力が発生して、耐久性、耐摩耗性、
耐食性の優れた仕上がり面が得られる。
【0003】従来の一般的な球内面加工用ロ−ラ・バニ
シングツ−ルは、球内面を倣う回転断面を持たせたロ−
ラを複数個、マンドレル先端部分に環状に形成したロ−
ラ案内面上で回転可能に保持した構造をなし、該ロ−ラ
案内面の回転断面の曲率半径はロ−ラの回転断面の曲率
半径に等しく、マンドレルに線接触してバックアップさ
れたロ−ラが球内面を転動して、その表面層を塑性変形
させる。
【0004】球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルに
よる球内面のロ−ラ・バニシング加工は、予め旋盤、ボ
−ル盤、フライス盤等を用いて荒加工にされた球内面に
適用される。例えば、球座面の回転断面またはその一部
を型取ったバイトを用いて被加工物に旋盤による球座面
の荒加工が行われ、その後球座面からバイトを退去させ
て、代りに球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルを導
入し、該ツ−ルのロ−ラが球座面の表面に押し当てられ
て転動し、荒加工で発生した表面のバイト跡を押潰して
ならす。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】球内面加工用ロ−ラ・
バニシングツ−ルによるバニシング加工は、表面から1
0〜30μm のわずかな層にだけ塑性変形を与える加工
であって、被加工物表面の切削を伴わず、球内面を転動
する複数個のロ−ラはマンドレル側の共通な案内面によ
り球内面に向って一様に付勢されるから、表面の凹凸が
30μm 以上あると凹部にはバニシング加工が行われな
い。従って、ロ−ラ・バニシング加工を行おうとする球
内面は、理想的には全部のロ−ラに均一に線接触して片
当りしない程度にまで、現実的には表面の凹凸がこの理
想的な面から少なくとも10〜30μm 以下となるまで
精密に荒加工されている必要がある。
【0006】換言すれば、従来の一般的な球内面加工用
ロ−ラ・バニシングツ−ルは、ロ−ラの剛性が高く、マ
ンドレル先端部のロ−ラ案内面の回転断面によりロ−ラ
の回転断面の姿勢が固定されているため、球内面に接触
すべきツ−ルの輪郭線(ロ−ラの回転断面の外縁の輪
郭)が常に一定不変であった。従って、荒加工された球
内面の曲率半径および口径がツ−ルの外形にぴったり一
致しないと両者の正常な接触が得られない。また、荒加
工された球内面をロ−ラが適正に転動して表面層が均一
に塑性変形するには、少なくともツ−ルの輪郭線に沿っ
て球内面が均一に押圧されている必要がある。従って、
球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルによる仕上加工
を行うためには、荒加工段階において球内面の回転断面
の輪郭をツ−ルの輪郭線に対して高い精度で一致させて
おくとともに、球座面の口径、該口径の真円度および寸
法にも同様に高い精度を必要としていた。
【0007】従来の一般的な球内面加工用ロ−ラ・バニ
シングツ−ルでは、荒加工された球内面の曲率半径が荒
加工段階における刃物形状の狂い、刃物の取付けおよび
送りの誤差、工作機械の主軸振動、被加工物の振動や温
度変化によって球内面の曲率半径がわずかにばらついた
り、着脱に伴う被加工物の変形、球内面またはロ−ラ表
面に付着した異物等によって表面にわずかな凹凸が発生
しただけで、球内面に対するロ−ラの正常な接触が容易
に阻害された。その結果、球内面に部分的な加工不十分
(接触不良)な個所ができたり、ロ−ラが球内面に片当
りして応力集中を起し、被加工物の表面がクラック等の
破壊に至る場合もあった。
【0008】従って、従来の一般的な球内面加工用ロ−
ラ・バニシングツ−ルによる仕上加工は、加工自体とし
ては作業が容易で能率も高く、相当に緻密で平滑な仕上
面が得られる優れた技術であるが、製品の歩留りおよび
信頼性を確保するには、荒加工の精度を極端に向上させ
ることが不可欠となり、これによりト−タルのコストが
高価なものとなり、実用性が損なわれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案は、荒加工段階に
おける上述のような精度が多少欠けていても、球内面に
対してツ−ルの輪郭線(ロ−ラの回転断面の外縁の輪
郭)が一様に接触して均一なロ−ラ・バニシング加工が
遂行される、作業の信頼性と実用性を共に高めた球内面
加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルを提供することを目的
としている。
【0010】本考案の請求項第1項の球内面加工用ロ−
ラ・バニシングツ−ルは、球内面を倣う回転断面を持た
せたロ−ラと、該ロ−ラの案内面を先端部分に形成した
マンドレルと、からなる球内面加工用ロ−ラ・バニシン
グツ−ルにおいて、前記案内面の回転断面の曲率半径を
前記ロ−ラの回転断面の曲率半径よりも大きくしたもの
である。
【0011】
【作用】従来の一般的な球内面加工用ロ−ラ・バニシン
グツ−ルにおいて「ロ−ラ案内面の回転断面の曲率半径
がロ−ラの回転断面の曲率半径に等しく」、「ロ−ラが
ロ−ラ案内面に線接触してバックアップされ」、「球内
面に接触すべきツ−ルの輪郭線(ロ−ラの回転断面の外
縁の輪郭)が常に一定である」のに対し、請求項1の球
内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルは、「ロ−ラ案内
面の回転断面の曲率半径はロ−ラの回転断面の曲率半径
よりも大きく」、「ロ−ラはロ−ラ案内面に点接触して
バックアップされ」、「ツ−ルの輪郭線(ロ−ラの回転
断面の外縁の輪郭)は球内面を倣って自在に傾斜する」
から、荒加工された球内面に多少の寸法(曲率)誤差や
凹凸があっても、これを吸収して球内面の表面に均一な
バニシング加工を遂行できる。すなわち、ロ−ラ案内面
に対してロ−ラは、両者の接触点を中心にして、両者の
曲率半径の差の範囲で揺動可能であり、ロ−ラの回転断
面の外縁の輪郭に沿った応力による両者の接触点を中心
にしたモ−メントの分布に駆動されて、球内面に対する
接触状況に応じてロ−ラが自動調芯される。これによ
り、ロ−ラと球内面の接触状態が改善され、ロ−ラ軌跡
に相当する部分について一様なロ−ラ・バニシング加工
が実行される。
【0012】
【実施例】本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0013】図1は、実施例の球内面加工用ロ−ラ・バ
ニシングツ−ルの部分的な断面図である。ここでは、球
内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルの先端部分が被加
工物の球座面とともに示される。
【0014】図1において、球内面加工用ロ−ラ・バニ
シングツ−ルのマンドレル2の先端部分に形成された環
状の案内面2Aの上には、90度おきに合計4個のロ−
ラ1が放射状に配置される。ロ−ラ1は、フレ−ム3に
より脱落しないように保持されて案内面2A上を自在に
転動でき、このとき、フレ−ム3がロ−ラ1に追従して
マンドレル2に対して回転する。マンドレル2の案内面
2Aの回転断面の曲率半径R2はロ−ラ1の回転断面の
曲率半径R1よりも大きい。一方、旋盤の主軸に固定さ
れた被加工物Wには、半径R、開き角度150度の球面
状に球座面Mが予め荒加工されている。
【0015】このように構成された球内面加工用ロ−ラ
・バニシングツ−ルを回転する被加工物の球座面Mに案
内して球座面Mの表面にロ−ラ1を押し付けると、球座
面Mの回転断面の輪郭に倣うようにロ−ラ1の姿勢が修
正されてロ−ラと球座面の接触状態が改善され、ロ−ラ
軌跡に相当する部分についてほぼ一様なバニシング加工
が実行される。
【0016】図2は、本実施例の球内面加工用ロ−ラ・
バニシングツ−ルの全体的な側面図である。
【0017】図2において、ロ−ラ1を保持するフレ−
ム3は、マンドレル2の段部にアジャスト・リング6を
介して配置されたスラスト・ベアリング5により回転自
在に支持される。フレ−ム3、アジャスト・リング6、
スラスト・ベアリング5は、フレ−ム・カバ−4により
マンドレル2に取付けられている。マンドレル7はテ−
パ・シャンク9に対してマンドレル2を位置決める部材
を含む。マンドレル7のカバ−8内には、マンドレル2
に作用するラジアル力が最小となる位置までマンドレル
7の中心軸に対してマンドレル2の中心軸を平行移動す
る機構が組込まれている。該機構は、テ−パ・シャンク
9の中心軸に対して球座面Mの中心軸が多少偏位してい
る場合でもロ−ラ・バニシング加工を可能とするもの
で、機構の詳細については本願出願人が先に出願した実
願平2−95044号に説明されている。
【0018】図3は、別の実施例の球内面加工用ロ−ラ
・バニシングツ−ルの部分的な断面図である。ここで
は、案内面およびロ−ラ以外の部分については図1の実
施例と基本的に同一のものであって、図1の実施例と共
通な符号を付して説明を省略する。
【0019】図3において、案内面2Bは円錐面の一部
をなしている。このように、案内面の形状はロ−ラが揺
動可能に支承される範囲で自由に選択できる。
【0020】また、ロ−ラ1Bは、回転断面の輪郭が球
座面を倣う図1の実施例と同様な円弧であるが、両端面
の口径が異なりいわゆる砲弾型をなしている。このよう
にロ−ラの形状を選択することにより、球座面の出口に
近い部分でのロ−ラの接触圧が増す。また、マンドレル
による付勢力が大きい球座面の底におけるロ−ラの変形
や破壊が防止される。
【0021】また、ロ−ラは4個に限定されず、マンド
レルの先端に放射状に配置するに限らずうず状に配置し
ても良い。さらに、ツ−ル寿命延長の観点からは、ロ−
ラおよびマンドレルの材料として超硬、セラミック、ボ
ラゾンを採用できる。ロ−ラおよびマンドレルの表面に
チタンコ−ティングや軟窒化処理を行っても良い。
【0022】
【考案の効果】請求項1の球内面加工用ロ−ラ・バニシ
ングツ−ルにおいては、荒加工された球内面の曲率半径
や開口径が理想的なものから多少ずれている場合でも、
また球内面の表面に多少の凹凸がある場合でも、球内面
に倣うようにロ−ラ1の姿勢が修正されてロ−ラと球座
面の接触状態が改善されるから、ロ−ラ軌跡に相当する
部分についてほぼ一様なバニシング加工が実行される。
【0023】従って、球内面のロ−ラ・バニシング加工
に先立つ荒加工を従来程には厳密に行う必要がなくな
り、ト−タルな作業コストが低減され、製品加工の歩留
りおよび信頼性が向上する。換言すれば、球内面のロ−
ラ・バニシング加工の実用性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−
ルの部分的な断面図である。
【図2】実施例の球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−
ルの全体的な側面図である。
【図3】別の実施例の球内面加工用ロ−ラ・バニシング
ツ−ルを説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 ロ−ラ 2 マンドレル 3 フレ−ム r1 曲率半径 r2 曲率半径 2A 案内面

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球内面を倣う回転断面を持たせたロ−ラ
    と、該ロ−ラの案内面を先端部分に形成したマンドレル
    と、からなる球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ルに
    おいて、前記案内面の回転断面の曲率半径を前記ロ−ラ
    の回転断面の曲率半径よりも大きくしたことを特徴とす
    る球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ル。
JP2820691U 1991-04-01 1991-04-01 球内面加工用ロ−ラ・バニシングツ−ル Expired - Lifetime JP2541400Y2 (ja)

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JPH04118969U JPH04118969U (ja) 1992-10-23
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