JP2591561B2 - 液晶表示素子用配向剤及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用配向剤及び液晶表示素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子用配向剤に
関するものであり、さらに詳しくは室温での保存安定性
が良好で、低温硬化が可能であり、窒化ケイ素面への密
着性に極めて優れ、表示品位の良好な液晶表示素子が得
られる液晶表示素子用配向剤および該液晶表示素子用配
向剤を用いた配向膜を有する液晶表示素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は液晶の電気光学的変化を
利用した表示素子であり、薄型,軽量であり消費電力も
小さいことから、小型コンピュータ,ワードプロセッサ
等のディスプレイとして広く用いられてきている。現在
用いられている液晶表示素子として最も一般的なもの
は、ネマティック液晶を電極基板上で分子長軸が一定方
向になるよう均一に配向させ、且つ液晶分子長軸の配向
方向が90度またはそれ以上ねじれるように電極基板を対
向させて組み合わせたTN型またはSTN型の液晶表示
素子である。
【0003】このように、TN型およびSTN型の液晶
表示素子では、液晶分子の長軸を一定方向に配向させる
ことが重要である。液晶分子をこのように配向させる方
法としては、(1)酸化珪素等の無機物を基板上に斜め
方向から蒸着する方法と(2)基板上に有機被膜である
配向膜を形成し、その表面を綿,ナイロン,ポリエステ
ル等の布で一定方向にラビングする方法とがあるが、
(1)はコストや処理時間などから工業的に効率的でな
いため、(2)の方法が工業的に用いられている。
【0004】ここで用いられる有機被膜としては、ポリ
ビニルアルコール,ポリオキシエチレン,ポリアミド,
ポリイミドなどが検討されてきたが、配向性,化学的安
定性などの点から現在ではポリイミドが一般的に使用さ
れている。基板上に配向膜であるポリイミド被膜を形成
する方法としては、ポリアミド酸を有機溶剤中に溶解し
た配向剤を基板上に塗布後に加熱処理し溶剤を揮発させ
ると共にポリアミド酸を脱水閉環してポリイミドとする
方法が一般的である。
【0005】しかし近年、液晶表示素子のカラー化のた
めの有機カラーフィルタの使用や基板のプラスチック化
などのため、芳香族酸無水物とジアミンから合成される
一般的なポリアミド酸を脱水閉環するために必要な300
℃程度の高温の硬化工程が悪影響を及ぼすという問題も
生じてきた。さらに、ポリアミド酸は、室温で放置する
と数日から数週間で粘度変化を起こすため冷凍保存が必
要であり、使用時には室温に戻すための時間を要する。
【0006】一方、特開昭61-205924号公報や特開平1-2
39525号公報に記載されているように、テトラカルボン
酸成分に脂肪族環状化合物を用いる事により、脱水閉環
しても溶剤に可溶なポリイミドを合成し、200℃程度の
温度で溶剤を揮発させるのみで使用可能な配向剤が提案
されている。しかし、近年高画質化の要求から実用化が
進んでいるアクティブマトリクス方式の液晶表示素子で
は、基板面上にトランジスタまたはダイオード等のスイ
ッチング素子の凹凸があり、素子の角の部分が剥離しや
すくなることに加え、これらの素子を含む多くの部分が
ポリイミド系樹脂が密着しにくい窒化ケイ素でコートさ
れているため、ラビング工程において基板から剥離する
ことがある。さらに、凹凸の角の部分では液晶分子のリ
バースティルトを生じやすく、従来のTN型液晶表示素
子に用いられてきた1〜2゜程度のプレティルト角を与
える配向剤を使用すると、ディスクリネーションを発生
し表示品位を低下させることがあり、より高いプレティ
ルト角が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
保存安定性が良好で、低温硬化が可能であり、窒化ケイ
素面への密着性に極めて優れ、表示品位の良好な液晶表
示素子が得られる液晶表示素子用配向剤およびこれを用
いた信頼性の高い表示品位の良好な液晶表示素子を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱処理後に
一般式(1)で表される構造となるイミド化率30%以上
フッ素原子を含まない重合体を樹脂成分とする液晶表
示素子用配向剤であり、更にR1が、炭素数6以上の脂
環構造を持つ4価の基、特に式(3)又は式(4)で表
される構造である液晶表示素子用配向剤である。また上
述の液晶表示素子用配向剤を塗布し製膜して得た配向膜
を有する液晶表示素子である。
【0009】
【化1】 (式中、R1フッ素原子を含まない、脂環構造を持つ
4価の基、R2フッ素原子を含まない、2価の有機基
であり、かつその0.01モル%以上50モル%以下が一般式
(2)で表される構造である。)
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【作用】本発明の液晶表示素子用配向剤の特長は、室温
保存安定性が良好で低温硬化が可能であると共に、硬化
後の被膜の密着性が良好で、特に一般にポリイミド系樹
脂が密着しにくい窒化ケイ素面に対し極めて優れた密着
性を示し、さらに液晶表示素子を作製する際にディスク
リネーションが発生しにくいことである。これらの特徴
は以下に記すように、本発明の液晶表示素子用配向剤の
樹脂成分とされる重合体の構造によるものである。
【0014】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体は、脂環構造と一般式(2)で表される
シリコーン構造を分子中に含有しているフレキシブルな
分子構造を持つため、ポリアミド酸中の30モル%以上の
部分を溶液状態でイミド化しておくことが可能であり、
このため良好な室温保存安定性を付与することができ
る。また、この分子構造のため200℃程度の温度で硬化
を行うことができる。さらに、R1が炭素数6以上の脂
肪族環を含む構造の場合は、シリコーン構造との相乗効
果により優れた可溶性ポリイミドが得られるため、配向
剤合成時に100%イミド化しておくことが可能で、溶剤
を揮発させるのみで配向膜とすることができる。
【0015】さらに、このシリコーン構造により窒化ケ
イ素,ガラス等のケイ素化合物およびケイ素に対して優
れた密着性を示すものである。とくに、式(3)および
式(4)に示した不飽和脂肪族環状構造との相乗効果で
は、その効果が著しい。また、この分子中のシリコーン
構造は配向膜の表面エネルギーを低下させ、液晶のプレ
ティルト角を向上させる効果があり、これにより液晶の
リバースティルトを防止し、ディスクリネーションの発
生を抑えることができる。
【0016】さらに本液晶表示素子用配向剤を加熱処理
して得た配向膜を有する液晶表示素子は、配向剤の硬化
が不十分であるための表示特性の経時変化や、ラビング
工程時の配向膜の剥離による表示不良やディスクリネー
ションラインが発生しないため、高信頼性で表示品位が
高い。
【0017】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体は、脂環構造をもつテトラカルボン酸二
無水物と一般式(5)で表されるシリコーンジアミンと
それ以外のジアミンとを極性有機溶媒中で反応させるこ
とにより得ることができる。この際、シリコーンジアミ
ンの割合がジアミン全体の0.01モル%以上50モル%以下
であることが必要である。シリコーンジアミンの割合が
0.01モル%未満であると、200℃程度の温度では十分に
硬化されず、また、窒化ケイ素に対して十分な密着性を
示さない。また、シリコーンジアミンの割合が50モル%
を越えると、軟化温度が低くなるためシール剤硬化等の
熱処理により配向性が低下する。
【0018】
【化5】
【0019】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体に用いられるシリコーンジアミンは、前
記一般式(5)で表されるが、式中のmは1以上10以下
の数であり、アミン当量から求めた平均値であるnは20
以下の数であることが必要である。mが10を越える数で
あると、nが少ない数であるときにシリコーンの効果で
ある高密着性が得られなくなる。またnが20をこえる数
であると、シリコーンジアミンの割合が全ジアミンの50
モル%付近の場合に軟化温度が低くなるため、シール剤
硬化等の熱処理により配向性が低下する。
【0020】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体に用いられる脂環構造をもつテトラカル
ボン酸として好ましいものを挙げると、5-(2,5-ジオキ
ソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセ
ン-1,2-ジカルボン酸無水物、シス,シス,シス,シス-1,
2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシク
ロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二
無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等であ
るが、特にこれらに限定されるものではない。
【0021】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体に用いられるシリコーンジアミン以外の
ジアミンとして好ましいものを挙げると、4,4'-ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、1,4-ジ
アミノシクロヘキサン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシ
ルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヘ
キサメチレンジアミン等であるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。
【0022】本発明の液晶表示素子用配向剤の樹脂成分
とされる重合体を得るための反応を行う際に用いる極性
有機溶媒として好ましいものを挙げると、N,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチ
ルアクリルアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、クレゾール、γ-ブチロラクトン等であ
るが、特にこれらに限定されるものではない。
【0023】本発明の配向剤は、印刷やスピンコートに
より透明電極を備えた基板上に塗布し、150〜250℃に加
熱する事により硬化した後ラビング処理をして使用する
事ができる。以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明する。
【0024】
【実施例】
(実施例1) (1−1)合成 温度計,撹拌機,原料投入口,乾燥窒素ガス導入管を備
えた四ツ口セパラブルフラスコ中で、4,4'-ジアミノジ
フェニルメタン(以下DDMと略す)15.86g(0.08モル)
をN-メチル-2-ピロリドン(以下NMPと略す)200gに溶解
させる。この系に式(6)で表されるシリコーンジアミ
ン8.41g(0.01モル)を入れ、撹拌・分散させる。 5-
(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-
シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物(以下FMCDAと
略す)17.84g(0.09モル)を一気に投入し、20℃に保ち
ながら5時間撹拌を続けてポリシリコーンアミド酸溶液
を得た。この系にトルエン60gを添加し、乾燥窒素ガス
導入管をはずして代わりにディーンスターチ還流冷却管
を取り付け、系の温度を上昇させる。イミド化に伴って
生ずる水をトルエンとの共沸により系外へ除去しながら
加熱を続け、140〜145℃で反応を進めて3時間後に反応
を終了させた。得られた溶液を30リットルのメタノール
中に撹拌しながら1時間かけて滴下し重合体を沈澱さ
せ、濾過して固形分のみを回収した後真空乾燥機中にて
40℃で48時間乾燥させた。この重合体について、FT-IR
スペクトルを測定し1780cm-1に現れるイミド環に基づく
吸収からイミド化率を算出したところ、100%であっ
た。この重合体5.0gをγ-ブチロラクトン95.0gに溶解
し、液晶表示素子用配向剤とした。
【0025】
【化6】
【0026】(1−2)特性の評価 (1−1)で合成した配向剤の合成直後の粘度をE型粘
度計で測定したところ、25℃において20mPa・sであっ
た。これを23℃で1カ月間保存した後、再び同様に粘度
を測定したところ、20mPa・sであり変化は認められなか
った。この配向剤を窒化ケイ素でコートされたシリコン
ウェハ上に硬化後膜厚が0.1ミクロンになるようスピン
コートし、乾燥機中200℃で1時間硬化処理を行った。
この試料について、JIS D 0202により密着性の評価を行
なったところ、(剥離数/総数)は0/100であり良好な
密着性を示した。
【0027】(1−1)で合成した配向剤をITO電極付
きガラス基板上に硬化後膜厚が0.1ミクロンになるよう
スピンコートし、乾燥機中200℃で1時間熱処理を行っ
た試料をラビング処理してセルを組み、メルク社製液晶
MLC-2004を用いて結晶回転法によりプレティルト角を測
定したところ4.5゜であった。また、TN型液晶表示素子
を作製したところ、液晶の配向性は良好であり、表示は
明瞭であった。
【0028】(実施例2) (2−1)合成 温度計,撹拌機,原料投入口,乾燥窒素ガス導入管を備
えた四ツ口セパラブルフラスコ中で、DDM 15.86g(0.0
8モル)をNMP 200gに溶解させる。この系に式(6)で
表されるシリコーンジアミン8.41g(0.01モル)を入
れ、撹拌・分散させる。 ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エ
ン-2,3,5,6-テトラカルボン酸無水物(以下BCEDAと略
す)22.34g(0.09モル)を一気に投入し、20℃に保ちな
がら5時間撹拌を続けてポリシリコーンアミド酸溶液を
得た。この系にトルエン60gを添加し、乾燥窒素ガス導
入管をはずして代わりにディーンスターチ還流冷却管を
取り付け、系の温度を上昇させる。イミド化に伴って生
ずる水をトルエンとの共沸により系外へ除去しながら加
熱を続け、140〜145℃で反応を進めて1時間後に反応を
終了させた。得られた溶液を30リットルのメタノール中
に撹拌しながら1時間かけて滴下し重合体を沈澱させ、
濾過して固形分のみを回収した後真空乾燥機中にて40℃
で48時間乾燥させた。この重合体について、実施例1と
同様にイミド化率を算出したところ、85%であった。こ
の重合体5.0gをγ-ブチロラクトン95.0gに溶解し、液晶
表示素子用配向剤とした。
【0029】(1−2)特性の評価 (1−1)で合成した配向剤の合成直後の粘度をE型粘
度計で測定したところ、25℃において17mPa・sであっ
た。これを23℃で1カ月間保存した後、再び同様に粘度
を測定したところ、17mPa・sであり変化は認められなか
った。(1−1)で合成した配向剤をシリコンウェハ上
に製膜後の膜厚が0.1ミクロンになるようスピンコート
し、乾燥機中200℃で1時間処理を行った。この試料に
ついて、FT-IRスペクトルを測定しイミド化率を算出し
たところ、100%であり、硬化は十分行なわれていた。
この配向剤を窒化ケイ素でコートされたシリコンウェハ
上に硬化後膜厚が0.1ミクロンになるようスピンコート
し、乾燥機中200℃で1時間硬化処理を行った。この試
料について、JIS D 0202により密着性の評価を行なった
ところ、(剥離数/総数)は0/100であり良好な密着性
を示した。
【0030】(実施例3〜5)シリコーンジアミン,他
のジアミン,酸二無水物を替えた以外は実施例1と同様
に合成し、評価を行なった。これらを表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(比較例1)温度計,撹拌機,原料投入
口,乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中で、DDM 15.86g(0.08モル)をNMP 200gに溶解
させる。この系に式(6)で表されるシリコーンジアミ
ン8.41g(0.01モル)を入れ、撹拌・分散させる。 FMC
DA 17.84g(0.09モル)を一気に投入し、20℃に保ちな
がら5時間撹拌を続けてポリシリコーンアミド酸溶液を
得た。このもののイミド化率は0%であった。このポリ
シリコーンアミド酸を、樹脂分濃度が5.0重量%となる
ようにγ-ブチロラクトンで希釈し、液晶表示素子用配
向剤とした。このときの粘度は35mPa・sであった。これ
を23℃で1カ月間保存した後、再び粘度を測定したとこ
ろ、10mPa・sと大きく変化していた。
【0033】(比較例2)温度計,撹拌機,原料投入
口,乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中で、DDM 15.86g(0.08モル)をNMP 200gに溶解さ
せる。この系に式(6)で表されるシリコーンジアミン
8.41g(0.01モル)を入れ、撹拌・分散させる。 ピロメ
リット酸二無水物19.63g(0.09モル)を一気に投入し、
20℃に保ちながら5時間撹拌を続けてポリアミド酸溶液
を得た。この系にトルエン60gを添加し、乾燥窒素ガス
導入管をはずして代わりにディーンスターチ還流冷却管
を取り付け、系の温度を上昇させた。イミド化に伴って
生ずる水が発生しはじめると同時に不溶物が生成した。
【0034】(比較例3)実施例1において、DDMの量
を17.84g(0.09モル)、シリコーンジアミンの量を0
gとした他は同様に合成した。続いて実施例1と同様に
特性の評価を行ったところ、(剥離数/総数)は76/100
であり、窒化ケイ素面への密着性は不十分であった。ま
た、プレティルト角を測定したところ、1.2゜と低い値で
あった。
【0035】(比較例4)比較例3において合成した液
晶表示素子用配向剤に、アミノプロピルトリエトキシシ
ラン1.0gを添加した。続いて実施例1と同様に特性の
評価を行ったところ、(剥離数/総数)は0/100であ
り、窒化ケイ素面への密着性は良好であったが、プレテ
ィルト角を測定したところ、1.0゜と低い値であった。
【0036】(比較例5)実施例1において、DDMの量
を13.38g(0.03モル)、シリコーンジアミンの量を50.
46g(0.06モル)とした他は同様に合成した。続いて実
施例1と同様に特性の評価を行った。TN型液晶表示素
子を作製したところ、液晶の配向不良のため、表示ムラ
を発生した。
【0037】実施例1〜5の液晶表示素子用配向剤は、
いずれも良好な室温保存安定性を示している。また、硬
化条件である200℃1時間処理の後はいずれの場合もイ
ミド化率が100%であり、低温硬化が可能であることも
わかる。さらに、窒化ケイ素面への密着性に優れるとと
もにプレティルト角も十分であり、TN型液晶表示素子
を作製した際にも良好な特性を示した。
【0038】比較例1では、樹脂成分である重合体がイ
ミド化率0%のアミド酸であるため、室温保存安定性に
欠け、1カ月間で大幅な粘度変化を起こしている。比較
例2では、R1が脂環構造を持たず芳香環であるため、
樹脂成分である重合体のイミド化率を30%以上にする前
に不溶化してしまった。比較例3では、樹脂成分である
重合体中に一般式(2)で表されるシリコーン構造を含
有しないため、窒化ケイ素面への密着性が不十分である
と共にプレティルト角も不十分であった。比較例4で
は、シランカップリング剤であるアミノプロピルトリエ
トキシシランを樹脂成分に対し大量に添加することによ
り、窒化ケイ素面への密着性は良好であるが、プレティ
ルト角は不十分であった。比較例5では、一般式(2)
で表される構造がR2中の50モル%より多いため、液晶
の配向性が不良となった。
【0039】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用配向剤は、保存
安定性に優れ1カ月以上の室温保存が可能であり、使用
時には200℃程度の比較的低温で製膜することが可能で
ある。また、窒化ケイ素面への密着性に優れるため、製
造工程中での歩留りを向上させると共に信頼性にも優れ
る。さらに、高いプレティルト角が得られるため、ディ
スクリネーションの無い良好な表示が得られる液晶表示
素子用配向剤であり、これを塗布製膜して得た配向膜を
有する本発明の液晶表示素子は、信頼性、耐久性に優れ
ると共に、表示品位が良好である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱処理後に一般式(1)で表される
    構造となるイミド化率30%以上の重合体を樹脂成分とす
    る液晶表示素子用配向剤。 【化1】 (式中、R1フッ素原子を含まない、脂環構造を持つ
    4価の基、 R2フッ素原子を含まない、2価の有機基であり、 かつその0.01モル%以上50モル%以下が一般式(2)で
    表される構造である。) 【化2】 (式中、R3はメチル基およびフェニル基を、mは10以
    下の数を、 nはアミノ当量より求めた平均値で1以上20以下の数を
    表す。)
  2. 【請求項2】 R1が炭素数6以上の脂環構造を持つ4
    価の基である請求項1記載の液晶表示素子用配向剤。
  3. 【請求項3】 R1が式(3)で表される構造である請
    求項1記載の液晶表示素子用配向剤。 【化3】
  4. 【請求項4】 R1が式(4)で表される構造である請
    求項1記載の液晶表示素子用配向剤。 【化4】
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の液晶表
    示素子用配向剤を塗布し製膜して得た配向膜を有する液
    晶表示素子。
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