JP5298398B2 - 液晶配向処理剤およびこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向処理剤およびこれを用いた液晶表示素子 Download PDF

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本発明は、液晶表示素子用の液晶配向処理剤に関する。さらに詳しくは、印刷時の塗膜均一性に優れ、かつ高い液晶傾斜配向角と良好な電気特性を持つ液晶配向膜が得られる液晶配向処理剤、およびこの液晶配向処理剤を使用した液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子用の配向膜として、ポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液を塗布し、焼成後ラビング処理を行うことが工業的に広く用いられている。
この液晶配向膜に求められる特性としては、良好な液晶配向性や安定で適切な大きさを持つた液晶傾斜配向角であり、さらにアクティブマトリクス駆動方式を用いた液晶セルでは電圧保持特性や、電荷蓄積特性といった電気的な特性が重要となる。一方、液晶セルの製造上の観点から、液晶配向処理剤の基板に対する印刷性やその塗膜のラビング処理に対する耐性は極めて重要な特性である。
従来、ポリイミド前駆体を用いた液晶配向処理剤では、印刷性には優れるものの満足な電気的特性の配向膜を得ることが難しく、また可溶性ポリイミドを用いた液晶配向処理剤では、配向膜の電気的特性には優れるものの印刷性が悪く、塗膜のラビング耐性も低いものであった。
これに対し、本出願人から可溶性ポリイミドとポリイミド前駆体を混合した液晶配向処理剤が提案されている(特開平8−220541号公報)。この場合、液晶配向特性、電気的特性、ラビング耐性に優れた液晶配向膜が得られるが、液晶配向処理剤の基板に対する印刷性は必ずしも十分ではなかった。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は、液晶表示素子用の配向膜としたときに電圧保持率、電荷蓄積といった電気的特性、および液晶配向性、液晶傾斜配向角などに優れ、なおかつ基板に対する印刷性、塗膜のラビング処理に対する耐性に優れる液晶配向処理剤およびそれを用いた液晶表示素子を提供することにある。
課題を解決するための手段
本発明者等は、上記課題に対し鋭意研究し本発明を完成した。即ち本発明は、一般式I
の繰り返し単位で表され、還元粘度が0.05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチ
ルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体(A)と、下記一般式IIの繰
り返し単位で表され、還元粘度が0.05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチルピ
ロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体(B)(但し、ポリイミド前駆体
(A)と同じものを除く)と、が混合されたポリイミド前駆体組成物であって、全固形分
に対するポリイミド前駆体(A)の固形分比が5〜95重量%であることを特徴とする液
晶配向処理剤に関する。
Figure 0005298398
(式I中、R1は脂肪族環状構造を有する4価の有機基であり、R2の10〜95モル%は下記(1)の少なくとも1種類から選ばれる2価の有機基であり、さらにR2の5モル%以上が下記(2)の少なくとも1種類から選ばれる2価の有機基を示す。)
Figure 0005298398
((1)中、X1、X2はそれぞれ独立に単結合またはエーテル結合、アミド結合または炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアルキレン基を示し、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、a、bは0〜3の整数、c、d、eはそれぞれ1から3の整数を示す。)
Figure 0005298398
((2)中、R13 14 それぞれ独立に炭素数6以上の置換基を示し、X3 4 それぞれ独立に単結合、エーテル結合、エステル結合またはアミド結合を示し、X5は単結合または炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアルキレン基を示し、fは0〜3の整数を示す。)
Figure 0005298398
(式II中、R17は4価の有機基を示し、その少なくとも10モル%以上が脂肪族環状構造を有する4価の有機基であり、R18は2価の有機基を示す。)
また、本発明は上記の液晶配向剤を使用した液晶表示素子に関する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明における液晶配向処理剤は、電極付きの基板上に塗布したのち、乾燥、焼成することによりポリイミド膜を形成し、膜表面をラビング処理して液晶配向膜として用いるものである。
本発明の液晶配向処理剤を構成する樹脂成分は、上記の一般式Iで示される、側鎖を有するポリイミド前駆体(A)と上記の一般式IIで示されるポリイミド前駆体(B)とを含有する組成物であることを特徴とするものである。
ここで、一般式I及び一般式IIのポリイミド前駆体を得る方法は特に限定されるものでは無いが、一般的にはテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体とジアミンを反応、重合させることによって得ることができる。
一般式Iのポリイミド前駆体(A)を得るために使用されるテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体は、必ず脂肪族環状構造を有することが必要であるが、好ましくはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基が下記(3)
Figure 0005298398
((3)中、R19、R20、R21、R22はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4の有機基であり、R23は水素またはフッ素または炭素数1〜2の有機基であり、R24は水素またはフッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)
から選ばれる構造の、テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等であり、さらに好ましくは1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3,3,0]−オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等である。これらは1種類であっても2種類以上混合して用いてもよい。
一般式Iのポリイミド前駆体を得るために使用されるジアミンの10〜95モル%は下記構造、
Figure 0005298398
(式中、X1、X2はそれぞれ独立に単結合またはエーテル結合、アミド結合または炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアルキレン基を示し、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、a、bは0〜3の整数、c、d、eはそれぞれ1から3の整数を示す。)の少なくとも1種類から選ばれる必要があるが、特に好ましくはパラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサンである。これらは1種類であっても2種類以上混合して用いてもよい。これらのジアミンの使用割合は10〜95モル%であるが、好ましくは50〜95モル%であり、さらに好ましくは70〜90モル%である。
さらに、液晶傾斜配向角を高める目的で、下記構造、
Figure 0005298398
(式中、R13 14 それぞれ独立に炭素数6以上の置換基を示し、X3 4 それぞれ独立に単結合、エーテル結合、エステル結合またはアミド結合を示し、X5は単結合または炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアルキレン基を示し、fは0〜3の整数を示す。)の少なくとも1種類から選ばれるジアミンが、一般式Iのポリイミド前駆体を得るために使用されるジアミンの5モル%以上使用される必要があり、好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは側鎖としてシクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基、フェニルシクロヘキシル基、炭素数12以上の直鎖状アルキル基を持つジアミンが10モル%以上である。

液晶傾斜配向角の大きさは、上記側鎖を有するジアミンの、側鎖の大きさや量によって変化するが、側鎖の炭素数が6未満ではその導入効果が期待できず、炭素数が6以上であっても、そのジアミンの使用量が5モル%未満では導入効果が小さい。
一般式Iのポリイミド前駆体を得るために使用されるジアミンは、本発明の特性を損なわない範囲で、その他のジアミンを混合して用いてもかまわない。
一般式IIのポリイミド前駆体を得るために使用されるテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体は、その10モル%以上が脂肪族環状構造を有する物である必要があり、好ましくはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基が下記(3)
Figure 0005298398
(式中、R19、R20、R21、R22はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4の有機基であり、R23は水素またはフッ素または炭素数1〜2の有機基であり、R24は水素またはフッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)
から選ばれる構造の、テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等であり、さらに好ましくは1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3,3,0]−オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等である。これらは1種類であっても2種類以上混合して用いてもよい。
さらに、本発明における液晶配向処理剤による液晶配向膜特性を向上させる上で、一般式IIのポリイミド前駆体を得るために使用される全テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体のうち、1〜90モル%が下記(5)
Figure 0005298398
から選ばれる4価の有機基で構成されるテトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等であることが好ましく、これらは1種類であっても2種類以上混合して用いても良く、さらに好ましくはこのテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体が、ピロメリット酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等である。
一般式IIのポリイミド前駆体(B)を得るために使用するジアミンは、p−フェニレン
ジアミン、m−メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルエーテル、2,2‘ジアミノジフェニルプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、又は1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンである芳香族ジアミ
ンである。
テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体とジアミンを反応させ、ポリイミド前駆体を得る方法としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを、N−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒中で反応させるのが一般的である。このときテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の比は0.8から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。
重合度が小さすぎると塗膜の強度が不十分であり、また重合度が大きすぎると塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従って、本反応における生成物の重合度は、ポリイミド前駆体溶液の還元粘度換算で0.05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)とするのが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる温度は特に限定されるものではないが、−20℃から150℃、好ましくは−5℃から100℃の任意の温度を選択することができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる際に使用できる有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等が挙げることができる。これらは単独でも、また混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解しない溶媒であっても、重合反応により生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。
このようにして得られたポリイミド前駆体はそのまま使用することもでき、またメタノール、エタノール等の貧溶媒に沈殿単離させて回収した後、適当な溶媒で再溶解して用いてもよい。再溶解させる溶媒は、得られたポリイミド前駆体を溶解させる物であれば特に限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等が挙げることができる。
上記のような方法で得られた一般式I及び一般式IIで示されるポリイミド前駆体から、本発明の液晶配向処理剤を得るためには、一般式Iのポリイミド前駆体と一般式IIのポリイミド前駆体の固形分比が5:95〜95:5になるように混合する事によって達せられる。
一般式Iのポリイミド前駆体に対する一般式IIのポリイミド前駆体の混合割合としては、液晶の傾斜配向角、電圧保持率、電荷蓄積特性等の特性を調整する上で、上記範囲で任意に選択することができる。
本発明における液晶配向処理剤は、2種類のポリイミド前駆体が均一に混合されていれば良く、その混合手段は特に限定されないが、構造の異なる樹脂を充分に混ぜ合わせるという観点から、あらかじめ各々の樹脂を有機溶媒に溶解させ、所望の固形分濃度および溶媒組成に調製した後に、混合撹拌することが好ましい。混合時の撹拌時間は、溶液の粘度や固形分濃度によっても異なるが、通常0.5〜50時間である。撹拌時間が短く混合が不十分であると、液晶配向処理剤を保管中または使用中に特性が変化する恐れがあり、必要以上に撹拌時間が長い場合は液晶配向処理剤の製造効率が悪くなる。
本発明の液晶配向処理剤に使用される溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解させる物であれば特に限定されないが、その例としては2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられるが、特にN−メチルピロリドンが全ポリマー溶液重量の20%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが更に好適である。
また、単独ではポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その例としてはエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
このようにして得られる本発明の液晶配向処理剤におけるポリイミド前駆体の含量は、均一な溶液であれば特に限定されないが、通常、固形分として1から15重量%、好ましくは2から8重量%である。
また、ポリイミド樹脂膜と基板の密着性をさらに向上させる目的で、得られた樹脂溶液にカップリング剤などの添加剤を加えることもできる。このカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどの官能性シラン含有化合物などを挙げることができるが、その他にもエポキシ基含有化合物なども使用でき、特にこれらに限定される物ではなく、また、必要に応じて数種類のカップリング剤を混合して用いてもよい。これらカップリング剤の添加割合は、通常、樹脂固形分100重量部に対して、40重量部以下、好ましくは0.01〜20重量部である。
本発明のおける液晶表示素子は、前記液晶配向処理剤を電極付き基板に塗布し、乾燥、焼成、ラビングなどの処理を行い液晶配向膜とした後、公知の方法で液晶セルを作成して液晶表示素子とした物である。
電極付き基板の基材としては、ガラス、プラスチックなどの透明な物が使用でき、反射型の液晶表示素子ではシリコンウエハー等の不透明な物でも片側の基板のみにならば使用できる。同様に電極も、ITOなどの透明な材料の他、アルミ等の光を反射する材料でも反射型液晶表示素子には使用できる。
本発明における液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定はされないが、例えば、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法などが挙げられ、生産性の面から、工業的には転写印刷法が広く用いられている。本発明の液晶配向処理剤は、基板へ塗布性が優れ、例えば基板上に少量の異物が付着していても均一な塗膜が得られるという特徴があり、特に転写印刷法に対しては有用である。
配向処理剤を塗布した後の乾燥は、焼成までの間に塗膜形状が変形しない程度に溶媒が蒸発していれば良く、その乾燥手段については特に限定されない。
本発明における液晶配向処理剤の焼成は、100〜350℃の任意の温度で行うことができるが、好ましくは150℃〜300℃であり、さらに好ましくは200℃〜250℃である。ポリイミド前駆体からポリイミドへの転化率は焼成温度によって変化するが、本発明における液晶配向処理剤は、必ずしも100%イミド化させる必要は無い。ただし、ラビング後の行程で必要とされる、シール剤硬化などの熱処理温度より、10℃以上高い温度で焼成することが好ましい。
合成例1
4,4’−ジアミノジフェニルメタン(以下DDMと略す)13.88g(0.07mol)と1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン8.77g(0.03mol)をN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)234gに溶解し、これに1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(以下CBDAと略す)18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、ブチルセロソルブ(以下BCSと略す)濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−1を得た。
合成例2
DDM19.83g(0.1mol)をNMP222gに溶解し、これにCBDA9.81g(0.05mol)とピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略す)9.60g(0.044mol)を添加し室温で4時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−2を得た。
合成例3
DDM14.87g(0.075mol)と1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン7.31g(0.025mol)をNMP231gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−3を得た。
合成例4
DDM15.86g(0.08mol)と1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン5.85g(0.02mol)をNMP229gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/gであった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−4を得た。
合成例5
DDM11.9g(0.06mol)、1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン8.77g(0.03mol)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.49g(0.01mol)をNMP229gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−5を得た。
合成例6
DDM19.83g(0.1mol)をNMP255gに溶解し、これにCBDA18.43g(0.094mol)を添加し室温で4時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−6を得た。
合成例7
DDM15.86g(0.08mol)と1−ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン6.97g(0.02mol)をNMP235gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−7を得た。
合成例8
DDM17.84g(0.09mol)と1−ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン3.49g(0.01mol)をNMP226gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−8を得た。
合成例9
DDM17.84g(0.09mol)と1−オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン3.78g(0.01mol)をNMP235gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−9を得た。
合成例10
p−フェニレンジアミン10.81g(0.1mol)をNMP166gに溶解し、これにCBDA18.43g(0.094mol)を添加し室温で4時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−10を得た。
合成例11
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル14.02g(0.07mol)と1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン8.77g(0.03mol)をNMP276gに溶解し、これにCBDA18.63g(0.095mol)を添加し室温で3時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにNMPとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−11を得た。
合成例12
DDM19.83g(0.1mol)をNMP111gとγ−ブチロラクトン111gに溶解し、これにCBDA9.81g(0.05mol)とPMDA9.60g(0.044mol)を添加し室温で4時間反応させポリイミド前駆体溶液を調製した。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.7dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。これを固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにγ−ブチロラクトンとBCSで希釈し、ポリイミド前駆体溶液A−12を得た。
合成例13
3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物30.03g(0.1mol)、p−フェニレンジアミン9.73g(0.09mol)と1−オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン3.77g(0.01mol)をNMP290g中、50℃で20時間反応させポリイミド前駆体中間体溶液を調製した。
このポリイミド前駆体中間体溶液50gをNMP100gで希釈し、イミド化触媒として無水酢酸17.6g、ピリジン8.2gを加え、40℃で3時間反応させポリイミド樹脂溶液を得た。得られた樹脂の還元粘度ηsp/cは0.8dl/g(0.5重量%NMP溶液、30℃)であった。この溶液を500mlのメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別し、乾燥し、白色のポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド粉末はNMRより90%イミド化されていることが確認された。
このポリイミド粉末を固形分濃度6%、BCS濃度20%になるようにγ−ブチロラクトンとBCSで溶解し、ポリイミド溶液P−1を得た。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−1を調製した。
この液晶配向処理剤を印刷機にて透明電極付きガラス基板に印刷したところ、塗膜の印刷状態は均一でユズ肌状のムラも観察されなかった。また、あらかじめ異物などで汚染させたクロム蒸着基板(有機溶媒に6μmのスペーサーを分散させた液を滴下、乾燥して作成)に、この液晶配向処理剤をスピンコートしたところ、スペーサーの周囲及びその他の部分においても膜のはじきは見られず、光学顕微鏡観察においても均一な塗膜が形成されていることが確認された。
この液晶配向処理剤を透明電極付ガラス基板にスピンコートし、230℃のホットプレート上で15分焼成して膜厚1000Åのポリイミド膜付き基板を得た。このポリイミド膜を布でラビングした後、膜の表面状態を光学顕微鏡を用いて観察したところ、膜の剥離や削れば全く見られなかった。この基板を50μmのスペーサーを挟んで、ラビング方向が逆になるように組み合わせ、周囲をエポキシ系の接着剤で固めた後、液晶MLC−2003(メルク社製)を注入して液晶セルを作製した。液晶注入口はエポキシ系の接着剤で封止した。
この液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡で観察したところ、欠陥のない均一な液晶の配向が得られていることが確認された。このセルにおいて、結晶回転法により液晶の液晶傾斜配向角を測定したところ、4.1°であった。
ついで、液晶セルの電気特性を測定するために、上記と同様にポリイミド膜を形成、ラビングした基板を用い、6μmのスペーサーを膜面に散布した後ラビング方向が直交するように組み合わせ、周囲をエポキシ系接着剤で固めた後、液晶MLC−2003C(メルク社製)を注入して90°ツイスト液晶セルを作製した。液晶注入口はエポキシ系の接着剤で封止した。このセルにおける液晶の配向状態を偏光顕微鏡で観察したところ、欠陥のない均一な配向が得られていることが確認された。
この液晶セルの電圧保持率を測定した結果23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示すことが確認された。またこのセルに直流3Vを重畳した30Hz/±3Vの矩形波を23℃で60分印し、直流3Vを切った直後の液晶セル内に残る残留電圧を光学的フリッカー消去法で残留電圧を測定したところ、0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例2
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で1:9となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−2を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は3.0°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で80%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例3
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で5:5となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−3を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は4.8°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例4
合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液A−3と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−4を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は3.3°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で81%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例5
合成例4で得られたポリイミド前駆体溶液A−4と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−5を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は3.0°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例6
合成例5で得られたポリイミド前駆体溶液A−5と合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−6を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は3.8°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例7
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−7を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は4.5°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例8
合成例7で得られたポリイミド前駆体溶液A−7と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−8を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は12°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例9
合成例8で得られたポリイミド前駆体溶液A−8と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−9を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は6.4°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例10
合成例8で得られたポリイミド前駆体溶液A−8と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で25:75となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−10を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は5.8°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例11
合成例8で得られたポリイミド前駆体溶液A−8と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で1:9となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−11を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は4.0°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で81%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例12
合成例9で得られたポリイミド前駆体溶液A−9と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−12を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は12°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例13
合成例9で得られたポリイミド前駆体溶液A−9と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で1:9となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−13を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は11°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例14
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1と合成例10で得られたポリイミド前駆体溶液A−10とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−14を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は4.3°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.05Vと電荷蓄積が小さいものであった。
実施例15
合成例11で得られたポリイミド前駆体溶液A−11と合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤B−15を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は4.5°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で78%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
比較例1
合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液A−1を孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤C−1を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は7.1°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で83%と高い電圧保持率を示した。しかしながら、残留電圧は0.5Vと電荷蓄積が大きいものであった。
比較例2
合成例5で得られたポリイミド前駆体溶液A−5を孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤C−2を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であり、液晶傾斜配向角は6.4°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で97%、90℃で83%と高い電圧保持率を示た。しかしながら、残留電圧は0.45Vと電荷蓄積が大きいものであった。
比較例3
合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液A−2を孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤C−3を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であったが、液晶傾斜配向角は1.5°と低かった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で95%、90℃で55%と低い電圧保持率を示した。残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
比較例4
合成例6で得られたポリイミド前駆体溶液A−6を孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤C−4を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷性、塗膜の均一性、耐ラビング性、液晶の配向性など実施例1同様すべて良好であったが、液晶傾斜配向角は2.3°と低かった。液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で82%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
比較例5
合成例13で得られたポリイミド溶液P−1と合成例12で得られたポリイミド前駆体溶液A−12とを重量比で2:8となるように混合し、室温で5時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過して液晶配向処理剤C−5を調製した。
この配向処理剤を実施例1と同様に評価した。その結果、印刷機にて透明電極付きガラス基板に印刷した塗膜状態は均一であったが、ユズ肌状のムラがわずかに見られた。また、あらかじめ異物などで汚染させたクロム蒸着基板にスピンコートしたところ、膜のはじきが見られ、光学顕微鏡観察によって細かな膜厚のムラが存在することも確認された。耐ラビング性、液晶の配向性は良好であった。液晶傾斜配向角は5.6°であった。また、液晶セルの電圧保持率は23℃で98%、90℃で80%と高い電圧保持率を示し、残留電圧は0.1Vと電荷蓄積が小さいものであった。
発明の効果
本発明による液晶配向処理剤は、印刷時の塗膜均一性に優れ、なおかつ電圧保持率、電荷蓄積といった電気的特性、および液晶配向性、液晶傾斜配向角に優れた液晶配向膜が得られる。本発明の液晶配向処理剤を用いて形成された液晶配向膜を有する液晶表示素子は、従来以上の優れた特性をもち、製造の歩留まりも上がる。

Claims (10)

  1. 下記一般式Iの繰り返し単位で表され、還元粘度が0.05〜3.0dl/g(温度3
    0℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体(A)と、
    記一般式IIの繰り返し単位で表され、還元粘度が0.05〜3.0dl/g(温度30℃
    のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体(B)(但し、ポ
    リイミド前駆体(A)と同じものを除く)と、が混合されたポリイミド前駆体組成物であ
    って、全固形分に対するポリイミド前駆体(A)の固形分比が5〜95重量%であること
    を特徴とする液晶配向処理剤。
    【化1】
    Figure 0005298398

    (式I中、R1は脂肪族環状構造を有する4価の有機基であり、R2の10〜95モル%
    は下記(1)の少なくとも1種類から選ばれる2価の有機基であり、さらにR2の5〜9
    0モル%が下記(2)の少なくとも1種類から選ばれる2価の有機基を示す。)
    【化2】
    Figure 0005298398
    ((1)中、X1、X2はそれぞれ独立に単結合またはエーテル結合、アミド結合または
    炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアルキレン基
    を示し、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜3のアル
    キル基を示し、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示
    し、a、bは0〜3の整数、c、d、eはそれぞれ1〜3の整数を示す。)
    【化3】
    Figure 0005298398
    ((2)中、R13、R14はそれぞれ独立に炭素数6以上の置換基を示し、X3、X4はそ
    れぞれ独立に単結合、エーテル結合、エステル結合またはアミド結合を示し、X5は単結
    合または炭素数1〜5の直鎖状アルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有するアル
    キレン基を示し、fは0〜3の整数を示す。)
    【化4】
    Figure 0005298398
    (式II中、R17は4価の有機基を示し、その10モル%以上が脂肪族環状構造を有する
    4価の有機基であり、R18は2価の有機基を示す。)
  2. 一般式IにおけるR1が下記(3)の少なくとも1種類から選ばれる4価の有機基であ
    る請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    【化5】
    Figure 0005298398
    ((3)中、R19、R20、R21、R22はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4の有機
    基であり、R23は水素またはフッ素または炭素数1〜2の有機基であり、R24は水素また
    はフッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)
  3. 一般式IIにおけるR17の脂肪族環状構造が、記(3)の少なくとも1種類から選ばれ
    る4価の有機基である請求項1又は2に記載の液晶配向処理剤。
    化6
    Figure 0005298398
    ((3)中、R 19 、R 20 、R 21 、R 22 はそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4の有機基
    であり、R 23 は水素またはフッ素または炭素数1〜2の有機基であり、R 24 は水素または
    フッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)
  4. 一般式IにおけるR1が下記(4)の少なくとも1種類から選ばれる4価の有機基であ
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    【化
    Figure 0005298398
  5. 一般式IIにおけるR17の脂肪族環状構造が記(4)の少なくとも1種類から選ばれる
    4価の有機基である請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    化8
    Figure 0005298398
  6. 一般式IIにおけるR17の1〜90モル%(ただし、R17の脂肪族環状構造を有する4価
    の有機基のモル比とあわせて100モル%を越えることはない)が下記(5)の少なくと
    も1種類から選ばれる4価の有機基である請求項1乃至のいずれかに記載の液晶配向処
    理剤。
    【化
    Figure 0005298398
  7. 一般式IIにおけるR17の1〜90モル%(ただしR17の脂肪族環状構造を有する4価の
    有機基のモル比とあわせて100モル%を越えることはない)が下記(6)である請求項
    1乃至のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    【化10
    Figure 0005298398
  8. 一般式IにおけるR2の10〜95モル%が下記(7)の少なくとも1種類から選ばれ
    る2価の有機基である請求項1乃至7のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    【化11
    Figure 0005298398
  9. 一般式IIにおけるR 18 が、ポリイミド前駆体(B)を得るために使用するジアミンが
    、p−フェニレンジアミン、m−メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
    ジアミノジフェニルエーテル、2,2‘ジアミノジフェニルプロパン、1,4−ビス(4
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、又は1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンで
    ある芳香族ジアミンである場合に形成される2価の有機基である請求項1乃至8のいずれ
    かに記載の液晶配向処理剤。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の液晶配向処理剤を使用した液晶表示素子。
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