JP2591475B2 - 曲面作成装置 - Google Patents

曲面作成装置

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JP2591475B2
JP2591475B2 JP6110539A JP11053994A JP2591475B2 JP 2591475 B2 JP2591475 B2 JP 2591475B2 JP 6110539 A JP6110539 A JP 6110539A JP 11053994 A JP11053994 A JP 11053994A JP 2591475 B2 JP2591475 B2 JP 2591475B2
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curved surface
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は曲面作成装置に関し、特
にコンピユータグラフイツクスにおいて、原面を構成す
る曲面を局所的に新たな曲面に変形して行くようにした
ものである。
【0002】
【発明の概要】本発明は、コンピユータグラフイツクス
における曲面作成装置において、曲面の一部を局所的に
指定して変形させて自由曲面を作成できるようにするこ
とにより、実用上リアルタイムでインターラクテイブな
操作によつて得たい曲面をステツプ的に形成させて行け
るようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】従来コンピユータグラフイツクスにおい
て、3次元の曲面を生成する方法として、円筒、球など
の基本的な曲面(これをプリミテイブ曲面と呼ぶ)のデ
ータを予め用意しておき、これらのプリミテイブ曲面を
必要に応じて組み合わせることによつて新しい曲面を作
成するような方法や、新たに作成すべき曲面上の点をコ
ントロールポイントとして指定し、これらのコントロー
ルポイントを通る曲面をスプライン関数を用いて内挿し
て行く方法などが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の方法
は、実際上プリミテイブ曲面の外形形状を基本的な形状
として、当該基本的な形状に基づいて曲面を変形処理す
ることによつて所望の曲面を得ようとしており、実用上
機械的な物体の外観形状を表現する場合などに適用する
限りにおいては、満足し得る曲面を作成できると考えら
れている。
【0005】因にスプライン関数を用いて曲面を作成す
る場合においても、実際には数多くのコントロールポイ
ントを設定しなければならないので、当該多数のコント
ロールポイントを形成するためにプリミテイブ曲面を用
いたり、断面図を組み合わせたりすることによつて、実
用上許容できる範囲でコントロールポイントの設定をす
るようになされており、従つてこの場合も実用上はプリ
ミテイブ曲面を組み合わせた場合と同様の特徴をもつて
いる。
【0006】ところが例えば人の顔面を表す曲面のよう
に、柔らかな印象を与え、かつプリミテイブ曲面とは異
なる曲面(これを自由曲面と呼ぶ)によつて表現しなけ
れば不自然になるような曲面を作成しようとする場合に
は、原理上プリミテイブ曲面の特徴の影響が強く出る従
来の曲面作成方法を用いることは、実用上不十分であ
る。
【0007】また新たな曲面を作成する際には、コンピ
ユータによつて処理される画像データによつて表示画面
上に表示された画像と、オペレータがコントロール設定
すべきデータとの相関関係が、直感的に把握し易いもの
であれば、オペレータが得たいと考えている曲面にはほ
どよく適合した曲面を容易に得ることができる点から考
えて、オペレータが設定入力するパラメータと、その結
果表示画面上の曲面に現れる変化とが直感的に把握し易
いような対応関係をもつようにすることが望ましい。
【0008】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、例えば人の顔面を形成する曲面のように、プリミテ
イブな曲面では表現しきれないような自由曲面を作成で
き、かくするにつき、オペレータがパラメータを設定し
たとき、この設定により画像上に生ずる変化を高速度
に、かつ直感的に把握し易いような態様で、表示画面上
に表示させることができるようにした曲面作成装置を提
案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、変形処理前の面SORに対して、
作用点CPi * 及び該作用点を含む所望の変形領域VC
F並びに変形領域VCF内の各点の変形率の相対的な関
係を示すベクトル場関数Fi を指定し、作用点CPi *
における変形量及び方向を示すパラメータを入力する入
力手段5、6、7と、パラメータによつて示される変形
ベクトルVi * とベクトル場関数Fi とを乗算して変形
領域VCF内の曲面の変形量を表す位置ベクトルVi *
*Fi を生成し、該曲面の変形量を表す位置ベクトルV
i * *Fi と変形処理前の面SORを表す位置ベクトル
i-1 * とを加算して変形後の曲面を表す位置ベクトル
i * を生成する曲面演算手段1と、該曲面演算手段1
によつて生成された変形後の曲面を表す位置ベクトルP
i * に基づいて変形後の曲面を表示する表示手段3とを
設けるようにする。
【0010】
【作用】ベクトル場関数Fi は、変形領域VCF内の各
点における相対的な変化率を表すスカラ量として与えら
れており、従つて変形領域VCFに含まれている各点に
ついて、曲面の変形量を表す位置ベクトルVi * *Fi
は、変形の方向として変形ベクトルVi * の方向をも
ち、かつ変形の大きさとしてベクトル場関数Fi によつ
て表される相対的な変形率に対応する大きさをもつ。
【0011】ところがこの曲面の変形量を表す位置ベク
トルVi * *Fi は、変形領域VCFの内部に限つて値
をもつているので、ベクトル場関数Fi と変形ベクトル
i * との演算は当該変形領域VCF内の点についてだ
け演算すれば良いことになるので、その演算時間は、実
用上リアルタイムになる。
【0012】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0013】本発明による曲面作成装置は、図1に示す
ように、xy平面上にある原面SOR上に作用点CPi
* (=Xi 、Yi )を表す位置ベクトルを指定し、当該
作用点CPi * を含む変形領域VCFの範囲に限つて曲
面の変形演算をコンピユータによつて実行する。その演
算結果は、表示装置CRT(図2)上の表示画面DSP
上に、任意に決めた視点位置から変形後の曲面を見たと
同様の変換画像SCHとして表示することができる。
【0014】かかる変形領域VCFにおける曲面の変形
は、次の漸化式
【数1】 で表される変換式を用いて漸化的に演算される。(1)
式において、Pi * は3次元空間に形成される変形後の
曲面の各点を表す位置ベクトルで、この位置ベクトルP
i * は、変形前の原面SOR上にある対応する点の位置
ベクトルPi-1 * と、当該変形前の位置ベクトルPi-1
* からの変形量Vi * *Fi (Pi-1 * 、CPi * )と
の和で表される。
【0015】この変形量は、ベクトル場関数Fi (P
i-1 * 、CPi * )に対して変形ベクトルVi * を乗算
して得られる位置ベクトルで表される。ここで、変形ベ
クトルVi * は、変形処理前の原面SORにおいて、作
用点CPi * が指定されたとき、当該作用点CPi *
おいて原面SORに対して与えるべき変形の方向及び大
きさをベクトル量で表したもので、これにより原面SO
Rの作用点CPi * は変形ベクトルVi * だけ持ち上げ
られるような変形を受けることになる。
【0016】またベクトル場関数Fi (Pi-1 * 、CP
i * )は、作用点CPi * を含んで決められる変形領域
VCF(その大きさはパラメータを設定入力することに
より指定できる)の各点Pi-1 * に対して、相対的にど
の程度の変形を与えるかを決める相対的な変形率の分布
を表している。この相対的な変形率の分布は、変形領域
VCFの内部にのみ値をもち、かつ周辺部に行くと「0
になる」、又は「0に収束する」ようなスカラ量の分布
をもつ。
【0017】従つて、変形量Vi * *Fi (Pi-1 *
CPi * )は、変形領域VCFの各点における変形量を
表す位置ベクトルでなり、その方向は変形ベクトルVi
* と平行な方向をもち、かつ大きさは、変形ベクトルV
i * の大きさと、ベクトル場関数Fi によつて表される
相対的な変形率の分布との乗算値(スカラ量)をもつ。
かくして変形領域VCFの曲面の変形は、作用点CPi
* において変形ベクトルVi * の方向及び大きさで生
じ、この作用点CPi * から周辺部に行くに従つて変形
ベクトルVi * の方向に、かつベクトル場関数Fi の変
形率の変化に対応して変化する大きさで生じる。
【0018】ここで、ベクトル場関数Fi として例えば
ガウス分布関数のように中心点から外側に行くに従つて
対称的に徐々に収束するような関数が割り当てられた場
合には、変形量Vi * *Fi は作用点CPi * 位置にお
いて変形ベクトルVi * の方向の最大値をもち、作用点
CPi * から外周部に行くに従つて変形ベクトルVi *
の方向をもち、かつ大きさが次第に0に収束して行くよ
うな変形面が得られることになる。
【0019】このようにして、1回の変形操作によつて
変形量Vi * *Fi が求められ、これが変形前の位置ベ
クトルPi-1 * と加算されて変形後の位置ベクトルPi
* が求められる。以下同様にして変形操作が行われるた
びに、(1)式によつて表される漸化式を演算すること
によつて、変形前の位置ベクトルに基づいて変形面を表
す位置ベクトルが繰り返し漸化的に演算されて行く。
【0020】かかる漸化的な演算が繰り返された結果、
最終的な変形点PN * を表す位置ベクトルは次式
【数2】 によつて表されるように、変形開始前の原面SORの点
0 * を表す位置ベクトルに対して、N回の変形演算
(i=1〜N)によつて順次得られた変形量の総和(す
なわちトータル変形量)を加算した位置ベクトルとして
求められる。
【0021】かくして(2)式によれば、オペレータは
原面SORの点P0 * からN回の変形操作を順次行う際
に、その都度、変形前の曲面について作用点CPi *
指定することによつて、変形前の曲面Pi-1 * から変形
させたい位置をオペレータの判断に基づいて任意に指定
できる。またベクトル場関数Fi 及び変形ベクトルVi
* を決めるパラメータを指定し直すことによつて、変形
領域VCFの大きさ、変形曲面の変形率分布、変形の方
向を、同様にオペレータの判断に基づいて任意に設定し
直すことができる。
【0022】かくしてオペレータは、1回の変形操作を
実行するごとに、変形前の曲面に対して所望の位置に、
所望の方向に、所望の大きさをもつ変形を加えるような
操作を漸化的に積み重ねることができる。
【0023】かくするにつき、(1)式から明らかなよ
うに、変形前の位置ベクトルPi-1 * から変形後の位置
ベクトルPi * を得るにつき、変形前の位置ベクトルP
i-1 * に対して変形量Vi * *Fi を単に加算するだけ
で済むので、その演算速度は実用上十分に短くできる
(実験によれば1秒以下にし得た)。かくするにつき、
変形量Vi * *Fi を得るための演算については、ベク
トル場関数Fi が周辺部に行くに従つて0に収束し、又
は0になるような関数に選定されていることにより、変
形ベクトルVi * との乗算演算を実用上リアルタイム処
理と言い得る程度に十分に短い時間に短縮し得る(実験
によれば1/30秒以内にし得た)。
【0024】従つて本発明による曲面作成方法によれ
ば、オペレータが変形操作をするごとに、実用上リアル
タイムで変換画像を表示画面上に表示できることにな
り、従つて画像の変形操作をコンピユータに対してイン
タラクテイブに実行し得る。
【0025】そこで(2)式について上述したように、
原面SORの位置ベクトルP0 * から最終変形位置ベク
トルPN * を得るまでの間に、N回の変形操作を積み重
ねる間に、オペレータは試行錯誤的に変形パラメータを
入力し直すことによつて、前回の変形操作によつて得ら
れた曲面について、その変形の効果を評価しながら変形
操作を続けて行くことができ、かくして1回の操作が終
わるごとに、次に変形すべき操作として、曲面の「どの
位置について」、「どのような広さにおいて」、「どの
ような方向に」、「どのような大きさ」の変形をすれば
良いかを考えながら、パラメータの設定をすることがで
き、かくして最終的に得たいと考えている曲面に最も近
い曲面を容易に得ることができる。
【0026】上述の曲面作成方法において、例えば人の
顔面についての曲面を作成する実施例として、上述の
(1)式及び(2)式のベクトル場関数Fi としてガウ
ス分布関数を用いると共に、変形領域VCFとして円又
は楕円形状を選定し得る。このとき、座標(x、y)の
点についての変形位置ベクトルPi * (x、y)及びP
N * (x、y)は、(1)式及び(2)式にそれぞれ対
応させて(3)式及び(4)式に示すようになる。
【0027】
【数3】
【数4】 このようにした場合、ベクトル場関数Fi は次式
【数5】 で表されるように、xy平面上の作用点(Xi 、Yi
を中心として、x方向及びy方向の径がαi 及びβi
楕円について、図3に示すように、x方向及びy方向に
ガウス分布関数を呈することになる。
【0028】このようにするとき、オペレータは、ベク
トル場関数Fi について、作用点CPi * のパラメータ
を座標(Xi 、Yi )に設定し、また変形領域VCFの
パラメータとしてx方向及びy方向の径αi 及びβi
設定すると共に、変形ベクトルVi * のパラメータを設
定する。かくしてオペレータは、作用点(Xi 、Yi
を中心として、径αi 及びβi の円又は楕円の変形領域
VCFについて、作用点(Xi 、Yi )に立てられた変
形ベクトルVi * の方向に、変形ベクトルVi * を中心
にして周辺部に行くに従つてガウス分布曲線を描くよう
に変形率が0に滑らかに収束して行くような変形曲面を
得ることができる。
【0029】従つて変形後の位置ベクトルPi * (x、
y)またはPN * (x、y)で表される曲面は、変形前
の原面のうち作用点CPi * を中心とした局所的な領域
について、変形ベクトルVi * の方向にガウス分布関数
で示されるような滑らかな自由曲面を呈するような曲面
になる。かくして人の顔面などのように柔らかさをもつ
た自由曲面について、これに適応して不自然さを生じさ
せないような曲面を作成することができる。
【0030】図1ないし図3について上述した曲面作成
方法は、図4に示すような構成の曲面作成装置によつて
実現し得る。なお、この場合ベクトル場関数Fi は、楕
円の変形領域について、ガウス分布関数で表される変形
率分布をもつように設定されている。
【0031】図4において、1はコンピユータ構成の曲
面演算装置で、(3)式及び(4)式に基づく演算の結
果得られる位置情報を、曲面表示コントロール装置2に
よつて映像信号に変換した後、陰極線管構成の表示装置
3に表示される。曲面演算装置1には、(3)式及び
(4)式の演算に必要なパラメータを入力するための入
力操作子として、マウス4、レバー5、6、7、トラツ
クボール8が設けられている。
【0032】マウス4はxy平面の作用点CPi * を設
定するためのパラメータXi 、Yiを入力し、これによ
り、(3)式及び(4)式において、作用点(Xi 、Y
i )を指定する。またレバー5及び6は、変形領域VC
Fの大きさを決めるためのパラメータを入力するもの
で、(3)式及び(4)式におけるx方向及びy方向の
径αi 及びβi を設定し得る。
【0033】さらにレバー7は、変形ベクトルVi *
設定するもので、作用点(Xi 、Yi )に立てられた変
形ベクトルVi * の方向及び高さについてのパラメータ
を設定し得る。さらにトラツクボール8は、曲面に対す
る視点位置を設定するもので、トラツクボール8によつ
て設定した視点位置から見た曲面が表示装置3に表示さ
れる。
【0034】マウス4、及びレバー5〜7による設定が
済むと、曲面演算装置1は(3)式及び(4)式の演算
を実行する。その演算結果は、トラツクボール8から入
力される視点位置情報によつて回転変換された後、曲面
表示コントロール装置2を介して表示装置3に表示され
る。かくして表示装置3の表示画面上には、マウス4に
よつて設定された作用点(Xi 、Yi )を中心にして、
レバー5及び6によつて設定された変形領域VCFにつ
いて、レバー7によつて設定された変形ベクトルVi *
の方向及び高さに応じた量だけ中央部分が高く盛り上が
り、その周辺部に行くに従つて次第に0に収束して行く
ような変形を受けた曲面が表示されることになる。
【0035】かかる変形操作は、曲面演算装置1がその
CPUによつて図5の処理手順を実行することにより得
られる。すなわち曲面演算装置1のCPUは、ステツプ
SP1において当該処理手順をスタートした後、ステツ
プSP2において原面SORを表す位置ベクトルP0 *
を、曲面演算装置1に設けられている曲面データメモリ
12(図6(A))に設定する。
【0036】続いてCPUは、次のステツプSP3に移
つて、オペレータによつて設定されたパラメータを取り
込む。このときオペレータは、マウス4によつて作用点
データXi 、Yi を入力し、レバー5及び6によつて径
データαi 及びβi を入力し、レバー7によつて変形ベ
クトルVi * を入力する。
【0037】曲面演算装置1のCPUは、次のステツプ
SP4においてオペレータによつてトラツクボール8か
ら入力される視点位置データを取り込んだ後、ステツプ
SP5に移る。このステツプSP5は、(3)式につい
て上述した演算を実行する。ここで変形前の位置ベクト
ルPi-1 * (x、y)は曲面データメモリ12に設定さ
れているものを用い、また、各パラメータαi 、βi
i 、Yi 、Vi * はステツプSP3において設定され
たものを用いる。
【0038】続いて曲面演算装置1は、ステツプSP6
において、ステツプSP5で演算された変形後の位置ベ
クトルPi * によつて表される曲面を曲面表示コントロ
ール装置2を介して表示装置3に表示させる。
【0039】この状態において、曲面演算装置1のCP
Uは曲面Pi * の表示を継続させることにより、次のス
テツプSP7においてオペレータが表示装置3の表示を
見ながら変形の程度がオペレータの要求に適応したもの
であるか否かを確認させる。その後CPUは、次のステ
ツプSP8に移つてオペレータが確認信号を入力したか
否かの判断をする。
【0040】ここで否定結果が得られると、曲面演算装
置1のCPUは上述のステツプSP3に戻つて新たなパ
ラメータの設定を待ち受ける状態に戻る。このときオペ
レータは、ステツプSP3、SP4において、新たなパ
ラメータの設定をし直すことによりステツプSP5、S
P6において変形演算式の演算をし直した後表示装置3
に表示させ、ステツプSP8において、再度オペレータ
に対して変形が要求通りであるか否かの判断をさせる。
【0041】かくして曲面演算装置1のCPUは、ステ
ツプSP3−SP4−SP5−SP6−SP7−SP8
−SP3のループによつて、オペレータが自分の要求に
合う変形ができるまで繰り返し作用点CPi * の位置、
変形領域VCFの大きさ、変形ベクトルVi * の方向及
び高さを設定し直すことができる。
【0042】やがてオペレータが自分の設定操作に満足
して設定終了信号を曲面演算装置1に入力すると、曲面
演算装置1のCPUは、次のステツプSP9に移つて設
定されたデータαi 、βi 、Xi 、Yi 、Vi * を曲面
演算装置1内に設けられたコマンドリストメモリ(図6
(B))11の第1回目の設定操作に対応するパラメー
タメモリエリアN=1に、α1 、β1 、X1 、Y1 、V
1 * として格納した後、ステツプSP10に移つて操作
回数iに「+1」加算して(i=2)、ステツプSP1
1に移る。
【0043】このステツプSP11は、オペレータが変
形操作を終了したか否かを確認するステツプで、オペレ
ータからの操作終了指令が入力されていないとき、曲面
演算装置1のCPUは、ステツプSP11において否定
結果を得ることにより上述のステツプSP3に戻つて、
オペレータによる第2回目の変形操作(N=2)を待ち
受ける状態になる。
【0044】この状態において、オペレータは新たな意
図の下に第1回目の曲面の変形操作によつて作成した曲
面に対して、第2回目の曲面の変形操作をし得る。かく
して、第1回目の変形操作によつて変形した作用点CP
1 * とは異なる作用点CP2 * について、オペレータは
再度、自分の要求に合う変形操作を実行し得る。
【0045】すなわち曲面演算装置1は、オペレータが
ステツプSP3、SP4においてパラメータの設定をす
ると、続くステツプSP5、SP6において(3)式に
ついて位置ベクトルP2 * (x、y)の演算を実行した
後当該曲面を表示装置3に表示させる。この変形操作
は、ステツプSP3−SP4−SP5−SP6−SP7
−SP8−SP3のループによつてオペレータが満足す
るまで繰り返される。
【0046】やがてステツプSP8において、オペレー
タによる変形操作の終了が確認されると、曲面演算装置
1は、ステツプSP9において、新たに入力されたパラ
メータデータα2 、β2 、X2 、Y2 、V2 * をコマン
ドリストメモリ11の第2回目の設定操作に対応するパ
ラメータメモリエリアN=2に格納した後、ステツプS
P10において操作回数iに「+1」加算して(i=
3)、ステツプSP11に移る。
【0047】以下同様にして曲面演算装置1のCPU
は、オペレータが新たな変形操作をするごとに上述の変
形処理ループSP3−SP4−SP5−SP6−SP7
−SP8−SP3を実行した後、当該設定されたパラメ
ータデータをコマンドリストメモリ11に格納すると共
に、変形演算の結果得られた位置ベクトルPi * を曲面
データメモリに格納、更新して行く。従つて曲面データ
メモリ12には、N回の変形操作によつて生じたトータ
ル変形量の変形を受けた曲面PN * (x、y)((4)
式)が得られる。
【0048】やがてオペレータがすべての変形処理を終
了すると、曲面演算装置1のCPUはステツプSP12
に移つて当該プログラムを終了する。従つて図4の曲面
作成装置によれば、オペレータは1回の変形操作をする
際に、マウス4、レバー5、6、7、トラツクボール8
を操作しながら曲面演算装置1に変換パラメータを入力
することにより、曲面の変形処理を実行させることがで
きる。かくするにつき、(1)式及び(2)式、又は
(3)式及び(4)式について上述したように、変形演
算に必要な演算時間はたかだか1秒程度で済むので、実
質上オペレータが変形操作をすると直ちにその変換結果
が表示装置3の表示画面上に表示できることにより、オ
ペレータが変形前の曲面のうちの一部を必要に応じて選
択して所望の形に変形させるようなパラメータを設定入
力することができ、かくして全体としてインターラクテ
イブに所望の曲面を部分的に手直しを加えながら作成し
て行くことができる。
【0049】また図4の曲面作成装置は、図6(B)に
示すようなコマンドリストメモリ11を有することによ
り、曲面データメモリ12に記憶している最も新しい変
形位置ベクトルPN * ((4)式)から、1つ前の変形
処理において用いたパラメータを読み出して当該1つ前
の変形操作によつて加えられた変形量を演算して曲面デ
ータメモリ12のデータから減算演算することによつ
て、当該1つ前の変形操作を実行する前の曲面を再現さ
せることができる。かくするにつき、データメモリとし
ては、1フレーム分の画面データメモリ12をもつてい
れば良いので、曲面作成装置全体としての構成が簡易で
済む。
【0050】なお上述の実施例においては、(3)式及
び(4)式のベクトル場関数Fi としてガウス分布関数
を用いた実施例について述べたが((5)式)、ベクト
ル場関数Fi としては、これに限らず以下に述べるよう
な種々の関数を用いることができる。そしてこのような
種々のベクトル場関数Fi を選択できるような曲面作成
装置を構成すれば、図5について上述した変形処理ルー
プSP3−SP4−SP5−SP6−SP7−SP8−
SP3において各変形ループにおける変形演算式(ステ
ツプSP5)を順次切り換えて行くようにしておくこと
により、曲面の変形を、種々の特性をもつた変形曲面を
組み合わせながら実行して行くことにより、オペレータ
の要求に最適に適応できるような曲面を作成することが
できる。
【0051】因に、変形曲面を必要に応じて切り換えて
行くことは、あたかも、刃先の形が異なる彫刻刀を順次
変更しながら、面を彫刻して行くのと同様の効果を生じ
させることができる。
【0052】図7はxy平面における変形領域VCFが
円又は楕円でなる筒体の外表面を表すベクトル場関数F
i を用いた場合で、ベクトル場関数Fi は、
【数6】 のとき
【数7】 となり、また
【数8】 のとき
【数9】 となる。
【0053】図7に示すようなベクトル場関数Fi を用
いれば、変形領域VCFの中央部において最大値をも
ち、かつ周辺部において一挙に0になるような変形率の
分布を呈しながら、円柱面に近似の形状をもつ変形曲面
を得ることができ、従つて、変形領域を細かく区切りな
がら変形操作を重ねて行くことにより、所望の曲面を作
成することができる。
【0054】図8はxy平面上の変形領域VCFが長方
形でなるベクトル場関数Fi を用いた場合の実施例で、
この場合ベクトル場関数Fi は、x軸及びy軸方向につ
いて、
【数10】
【数11】 のとき
【数12】 となる。これに対して変形領域VCF以外の領域につい
ては、
【数13】
【数14】 のとき
【数15】 となり、また
【数16】
【数17】 のとき
【数18】 となり、さらに
【数19】
【数20】 のとき
【数21】 となる。
【0055】このようなベクトル場関数Fi を用いれ
ば、変形前の曲面を局所的に四角柱の表面形状とするよ
うな角柱状の変形曲面によつて変形して行くことができ
る。図9はベクトル場関数Fi として、xy平面上の形
状が円又は楕円の錐体の表面を表す関数を用いた場合の
実施例で、ベクトル場関数Fi は、
【数22】 のとき
【数23】 になり、また
【数24】 のとき
【数25】 となる。
【0056】これにより変形前の曲面を、(22)式で表さ
れる変形領域VCFの範囲に限つて、(23)式で表される
錐体の表面の形状を有する変形曲面によつて変形させて
行くことができる。従つてこの場合の変形率の分布は、
変形領域VCFの中央部において最大で、周辺部に行く
に従つて0に収束することになる。
【0057】図10はベクトル場関数Fi として、xy
平面上の形状が四辺形の変形領域VCFに対して立てた
錐体の外表面を表す関数を用いた場合の実施例で、この
場合ベクトル場関数Fi は、
【数26】
【数27】 のとき
【数28】 で表されるベクトル場関数Fi を用いる。これに対して
変形領域VCF以外の領域については、
【数29】
【数30】 のとき
【数31】 となり、また
【数32】
【数33】 のとき
【数34】 となり、さらに
【数35】
【数36】 のとき
【数37】 になる。
【0058】かくしてこの実施例の場合は、変形前の曲
面に対して、角錐の外表面の形状を有する変形曲面を用
いて曲面の変形をなし得る。図11はベクトル場関数F
i として、xy平面上の形状が円又は楕円である球面を
表す関数を用いた場合の実施例で、この場合ベクトル場
関数Fi は、
【数38】 で表される変形領域VCFについて、
【数39】 になる。
【0059】これに対してその他の領域については、
【数40】 のとき
【数41】 となる。かくして変形前の曲面に対して、球面の外形形
状をもつ変形曲面を使つて比較的柔らかい変形を加えて
行くことができる。
【0060】図12は、ベクトル場関数Fi としてxy
平面上の変形領域VCFの形状が四辺形のプリズム形柱
体の外表面を表す関数を用いた場合の実施例で、この場
合ベクトル場関数Fi は、
【数42】
【数43】 のとき
【数44】 になる。これに対してそれ以外の領域についてベクトル
場関数Fi は、
【数45】
【数46】 のとき
【数47】 になり、また
【数48】
【数49】 のとき
【数50】 となり、さらに
【数51】
【数52】 のとき
【数53】 となる。このようにすれば、変形前の曲面に対してプリ
ズム形柱体の外表面の形状で、y軸方向に稜線をもつよ
うな方向性をもつた変形曲面を用いて曲面の変形をする
ことができる。
【0061】図13は図12に対してベクトル場関数F
i を構成する曲面の形を、稜線の延長方向を90°回転さ
せてx軸方向に延長するように変更した場合の実施例
で、この場合ベクトル場関数Fi は、
【数54】
【数55】 のとき
【数56】 となるのに対して、それ以外の領域については、
【数57】
【数58】 のとき
【数59】 となり、また
【数60】
【数61】 のとき
【数62】 となり、さらに
【数63】
【数64】 のとき
【数65】 となる。このようにしても図12について上述したと同
様の効果を得ることができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、変形前の
曲面のうちの一部の領域を指定して変形できるようなベ
クトル場関数を指定し、このベクトル場関数に対して変
形ベクトルを乗算することにより変形曲面を形成するよ
うにしたことにより、変形曲面を実質上リアルタイムで
発生させることができると共に、パラメータとして画面
を見ながら設定できるようなもの、すなわち作用点の位
置、変形領域、変形ベクトルの方向、大きさを用いるこ
とができるので、パラメータの設定操作を直感的になし
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による曲面作成方法の原理の説明に供す
る略線図である。
【図2】本発明による曲面作成方法の原理の説明に供す
る略線図である。
【図3】変形後の曲面を表す位置ベクトルの説明に供す
る略線図である。
【図4】本発明方法を実施する曲面作成装置を示すブロ
ツク図である。
【図5】曲面変形処理手順を示すフローチヤートであ
る。
【図6】図4の曲面演算装置1に設けられている曲面デ
ータメモリ及びコマンドリストメモリを示す略線図であ
る。
【図7】円又は楕円柱型ベクトル場関数Fi を用いた場
合の実施例を示す略線図である。
【図8】角柱型ベクトル場関数Fi を用いた場合の実施
例を示す略線図である。
【図9】円又は楕円錐体型ベクトル場関数Fi を用いた
場合の実施例を示す略線図である。
【図10】角錐体型ベクトル場関数Fi を用いた場合の
実施例を示す略線図である。
【図11】球体型ベクトル場関数Fi を用いた場合の実
施例を示す略線図である。
【図12】プリズム型ベクトル場関数Fi を用いた場合
の実施例を示す略線図である。
【図13】プリズム型ベクトル場関数Fi を用いた場合
の実施例を示す略線図である。
【符号の説明】
1……曲面演算装置、2……曲面表示コントロール装
置、3……表示装置、4……マウス、5〜7……レバ
ー、8……トラツクボール。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変形処理前の面に対して、作用点及び該作
    用点を含む所望の変形領域並びに上記変形領域内の各点
    の変形率の相対的な関係を示すベクトル場関数を指定
    し、上記作用点における変形量及び方向を示すパラメー
    タを入力する入力手段と、 上記パラメータによつて示される変形ベクトルと上記ベ
    クトル場関数とを乗算して上記変形領域内の曲面の変形
    量を表す位置ベクトルを生成し、該曲面の変形量を表す
    位置ベクトルと上記変形処理前の面を表す位置ベクトル
    とを加算して変形後の曲面を表す位置ベクトルを生成す
    る曲面演算手段と、 該曲面演算手段によつて生成された上記変形後の曲面を
    表す位置ベクトルに基づいて上記変形後の曲面を表示す
    る表示手段とを具えることを特徴とする曲面作成装置。
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情報処理学会第28回(昭和59年前期)全国大会講演論文集(▲III▼)、6N−4、1537−1538頁、浜川礼他、「3次元形状処理システムにおける曲面処理法式」

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