JP2591270Y2 - 記録装置の記録ヘッド支持機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、記録ヘッドを用いて記
録紙上に記録を行ういわゆる記録装置の記録ヘッド支持
機構に関するもので、特に記録ヘッドの位置調整機構に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】記録装置の一種として、入力された電気
信号に対応した波形を記録紙上に描画するレコーダがあ
る。このレコーダは、インクペンを備えた記録ヘッドを
入力信号に応じて記録幅方向に移動自在となるよう構成
するとともに記録紙を所定の速度で搬送するよう構成
し、入力信号に応じた波形を記録紙上に記録するもので
ある。このようなレコーダでは、記録幅に対応した長さ
の円筒上のプラテンローラ上に上記インクペンを位置付
け、プラテンローラ上で上記記録紙に記録を行う構成と
なっている。従って、良好な記録を行うためには上記プ
ラテンローラと上記記録ヘッドとが所定位置となるよう
に調整する必要があった。

【０００３】図２は従来のレコーダにおける調整機構を
示した図である。図において、記録ヘッド２１は摺動軸
２２及び位置決め軸２３により、記録幅方向に移動自在
に支持されている。上記摺動軸２２はフレーム１に架設
され、一方上記位置決め軸２３は扇状の位置調整具２４
を介してこのフレーム１に架設されている。上記位置調
整具２４には上記摺動軸２２が貫通する溝２４２と、複
数の位置決め穴２４３が設けられており、さらに支持軸
２４１により上記フレーム１に回動自在に取り付けられ
ている。従って、この位置調整具２４を回動させること
により、上記位置決め軸２３が上下動し、それに伴い上
記記録ヘッド２１が上下に移動する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】記録ヘッド２１の位置
調整は上記位置調整具２４に設けられた位置決め穴２４
３の選択により行われる。すなわち、適当な位置決め穴
２４３を図示しない固定ねじを用いてフレーム１の位置
決め穴１１に固定することにより、記録ヘッド２１の位
置調整が行われる。このように記録ヘッドの位置調整作
業には固定ねじが用いられているので、その着脱等に手
間を要してしまうといった問題点があった。本考案はこ
の問題点に対してなされたものであり、記録ヘッドの調
整を容易に行うことができる記録ヘッドの支持機構を提
供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、この考案で
は、フレームの所定位置に取り付けられたプラテンロー
ラと、このプラテンローラの周面に接触して搬送される
記録紙と、該搬送される記録紙に所望の記録を行う記録
ヘッドとを有した記録装置の記録ヘッド支持機構におい
て、フレームに取り付けられるとともにその中央部に係
止部が形成されたベースと、中央部に上記ベースの係止
部に係合する係合部が形成され、両者が係合されたとき
該ベースに対して上記係合部を中心として上記プラテン
ローラの軸方向に揺動可能に取り付けられるヘッド取付
部材と、該ヘッド取付部材の一端側に取り付けられ、上
記プラテンローラの軸方向全域に渡る長さを有し該プラ
テンローラに接触して、搬送される記録紙を押圧する紙
押さえと、上記ヘッド取付部材の一端側に取り付けら
れ、上記プラテンローラの周面を搬送される記録紙に記
録を行う記録ヘッドと、を有し、上記ヘッド取付部材の
紙押さえが上記プラテンローラに押圧されることによ
り、該ヘッド取付部材がその揺動作用により上記プラテ
ンローラと平行に保持され、上記ヘッド取付部材に取り
付けられた記録ヘッドが上記プラテンローラに対して所
定の位置関係となるよう構成した。

【０００６】

【作用】ヘッド取付部材はベースに対して、プラテンロ
ーラの軸方向に揺動可能に構成されているので、ヘッド
取付部材の紙押さえがプラテンローラーに当接すること
で、このヘッド取付部材をプラテンローラと平行に保持
させることができる。これにより、ヘッド取付部材に搭
載された記録ヘッドもプラテンローラに対して所定の位
置関係に保持される。その結果、従来必要とされた記録
ヘッドの位置調整が簡略化される。

【０００７】

【実施例】図１は本考案の一実施例を示す分解斜視図で
あり、先に示した装置と同一部には同一符号をもって示
してある。以下、本図に基づいて説明する。図中、２は
記録機構、３は記録紙搬送部、４は第１の支持部材とし
てのベース、５は第２の支持部材としてのヘッド取付部
材、６は弾性部材としてのバネである。

【０００８】ベース４の記録幅方向の両端部には接合部
４１が設けられ、この接合部４１とフレーム１とを固定
ネジ４２により固定している。また、上記ベース４の記
録幅方向中央部には下方向へ突出している突部４３が設
けられている。なお、図示省略しているが、後方側にも
この突部４３と同様に突部が設けられている。これら突
部４３のそれぞれには係止部４３１が設けられている。
この係止部４３１はヘッド取付部材５との係合部を構成
するものである。

【０００９】ヘッド取付部材５は、凸片５１、紙押さえ
部５２、ヘッド取付具５３を有している。凸片５１はこ
のヘッド取付部材５に垂直に取り付けられている。そし
て、上記ベース４に設けられた突部４３の係止部４３１
と係合する係合部としての支持穴５１１を有している。
このヘッド取付部材５の支持穴５１１をベース４の係止
部４３１にはめ込み係合させることで、このヘッド取付
部材５を上記ベース４に対して、すなわちプラテンロー
ラ３１の軸方向に揺動可能としている。 紙押さえ部５２
はヘッド取付部材５のプラテンローラ３１側に設けられ
る。そして、このプラテンローラ３１の幅方向ほぼ全域
に渡って頂点部付近まで延設されるとともに、その形状
はプラテンローラにあわせて上方側に湾曲している。な
お、この紙押さえ部５２としてはステンレス材が用いら
れ記録紙との摩擦を低減させている。ヘッド取付具５３
は、ヘッド取付部材５のプラテンローラ３１側の縁部に
垂直方向に設けられた一対の第１の支持板５３１を有し
ている。そして、この第１の支持板５３１に対して記録
ヘッド２１等を備えた第２の支持板５３２を取り付ける
よう構成されている。これら第１及び第２の支持板５３
１、５３２はこれらの支持板５３１、５３２の回動位置
を調節するための位置調節ねじ５３５とバネ５３６を有
している。また、これらの支持板５３１、５３２を固定
するための長穴５３４と固定ねじ５３８及び位置決め穴
５３７をも有している。これらの各ねじを締めて記録ヘ
ッド２１、摺動軸２２及び位置決め軸２３を備えた記録
機構２をヘッド取付部材５のプラテンローラ３１側の所
定位置に取り付けている。

【００１０】ベース４とヘッド取付部材５との間には押
圧バネ６が介在している。この押圧バネ６は一対設けら
れ、それぞれが上記突部４３の係止部４３１及び突片５
１の支持穴５１１とからなる係合部を中心としてプラテ
ンローラ３１の軸方向に対象となるように配設されてい
る。このバネ６は上記ヘッド取付部材５を下方向、すな
わちプラテンローラ３１の方向へ押し下げている。上記
係合部及びこの押圧バネ６により、上記ヘッド取付部材
５は上記ベース４に対して係止部４３１を支軸として揺
動自在に接合されている。

【００１１】記録紙搬送部３は、プラテンローラ３１及
びロール状の記録紙３２から構成されている。これらは
図示省略した支持部材によりユニット化され、レコーダ
本体機構（フレーム）から着脱可能となっている。

【００１２】次いで、実施例装置の記録ヘッドの位置調
整について説明する。まず、上記位置決め穴５３７に軸
を挿入し、上記第１の支持板５３１と上記第２の支持板
５３２の位置を固定する。この状態から上記紙押さえ部
５２を上記プラテンローラ３１に当接させる。この動作
は上記記録紙搬送部３を取り付けることにより行っても
よい。ここで、上記ヘッド取付部材５は係止部４３１を
支軸としてプラテンローラ３１の軸方向に 揺動可能に構
成されているので、この紙押さえ部５２はプラテンロー
ラ３１にあわせて、このプラテンローラ３１と平行にな
るよう位置付けられる。これにより、上記ヘッド取付部
材５に搭載された記録ヘッド２１も上記プラテンローラ
３１に対し所定位置に位置付けられる。このように、こ
の記録ヘッド支持機構は記録ヘッドが搭載されたヘッド
取付部材５がプラテンローラの軸方向に揺動してプラテ
ンローラと平行に位置付けられ、その結果記録ヘッドと
プラテンローラとが所定の位置関係を構成する。

【００１３】この状態から記録ヘッド２１の微調整を行
う。微調整時には上記位置決め穴５３７に貫通された軸
を取り外すととともに上記固定ネジ５３８を緩め、上記
第２の支持板５３２を上記第１の支持板５３１に対して
回動可能な状態とする。次いで、上記記録ヘッド２１の
ペン先２１１と上記プラテンローラ（記録紙）とが適切
な位置となるように上記位置調整ネジ５３５を締め付け
る。上記ペン先２１１の位置調節後、固定ネジ５３８を
締め付け上記第１の支持板５３１と第２の支持板５３２
とを固定する。

【００１４】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の記録装置
のヘッド支持機構によれば、記録ヘッドが搭載されたヘ
ッド取付部材をフレーム部材に取り付けられたベースに
対し揺動可能に構成し、このヘッド取付部材がプラテン
ローラに対して平行となるよう位置付けるとともに上記
記録ヘッドが上記プラテンローラと所定の位置関係を構
成するように構成したので、従来装置に比べて記録ヘッ
ドの位置調整が簡単になる。

【００１５】なお、以上は記録装置としてレコーダを例
に挙げて説明したが、本考案はこれに限るものではなく
プリンタ等、種々の記録装置に適用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す構成図である。

【図２】従来装置を示す構成図である。

【符号の説明】１：フレーム ２：記録機構 ３：記録紙搬送部 ４：ベース ５：ヘッド取付金具 ６：バネ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームの所定位置に取り付けられたプ
   ラテンローラと、このプラテンローラの周面に接触して
   搬送される記録紙と、該搬送される記録紙に所望の記録
   を行う記録ヘッドとを有した記録装置の記録ヘッド支持
   機構において、 フレームに取り付けられるとともにその中央部に係止部
   が形成されたベースと、 中央部に上記ベースの係止部に係合する係合部が形成さ
   れ、両者が係合されたとき該ベースに対して上記係合部
   を中心として上記プラテンローラの軸方向に揺動可能に
   取り付けられるヘッド取付部材と、 該ヘッド取付部材の一端側に取り付けられ、上記プラテ
   ンローラの軸方向全域に渡る長さを有し該プラテンロー
   ラに接触して、搬送される記録紙を押圧する紙押さえ
   と、 上記ヘッド取付部材の一端側に取り付けられ、上記プラ
   テンローラの周面を搬送される記録紙に記録を行う記録
   ヘッドと、 を有し、 上記ヘッド取付部材の紙押さえが上記プラテンローラに
   押圧されることにより、該ヘッド取付部材がその揺動作
   用により上記プラテンローラと平行に保持され、上記ヘ
   ッド取付部材に取り付けられた記録ヘッドが上記プラテ
   ンローラに対して所定の位置関係となるよう構成された
   ことを特徴とする記録装置の記録ヘッド支持機構。