JPH1055U - サーマルヘッド支持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プラテンローラと印字ラインの平行度の微調整
が簡単に行える構造のサーマルヘッド支持機構を提供す
ること。 【構成】サーマルヘッド保持体の支軸の片端部を、前後
に移動可能な軸支部材で支え、その軸支部材に、前後に
微調整できるようにネジを設けることにより構成され
る。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案は、ラインサーマルプリンタに関し、さらに詳しくはサーマルヘッドの 支持機構に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 ラインサーマルプリンタは、印字幅方向に全ドットに対応する発熱体を備えた サーマルヘッドとプラテンローラによりはさまれた用紙を、プラテンローラを回 転駆動することにより用紙を搬送しつつサーマルヘッドで印字を行っている。 プラテンローラと、サーマルヘッドの発熱体全数からなる印字ラインは、プラ テンローラとサーマルヘッドの接線上もしくは接線より微少距離（０．２ｍｍ程 度）だけずらした平行線上に位置しているのであるが、実際は、構成する部品の 製作精度のバラツキや組立時の組み込み誤差による累積誤差が生ずるため、プラ テンローラと印字ラインは必ずしも平行にはならない。 上述した、プラテンローラと印字ラインのズレが発生すると、プラテンローラ と接する印字ラインの各発熱体に加わる印字圧が異なるため、左右の印字の濃度 差や印字かすれ等の印字不良が発生し、高品位な印字品質を得ることができない 。 そこで、印字品質の高品位を得る方法として、プラテンローラと印字ラインの 平行度を装置組立後に調整する機構を備える事が有効とされ、従来から前記調整 機構付きのサーマルヘッド支持機構を備えたラインサーマルプリンタが存在する 。 第４図は、従来の前記調整機構付きラインサーマルプリンタのサーマルヘッド 支持機構の構成を示す平面図であり、第５図は第４図のＡ−Ａ断面図である。 図中、プラテンローラ（６）には、ヘッド保持体（１４）により保持されたサ ーマルヘッド（１０）が図示しない加圧手段により圧接され、これらの間には熱 転写リボン（２６）と用紙（２８）とが重ねられた状態で通され、前方（図の左 方）に搬送される。 ヘッド保持体（１４）は、前後方向に貫通したネジ孔を有する左右一対の軸調 整ブロック（３２）に固着されている。また軸（８）は、軸調整ブロックを貫通 し、プラテンローラが保持されているフレーム（３０）に開けられた横長孔（３ １）により上下位置を決められ、かつ前後に一定の範囲で摺動可能な状態で、軸 支されている。 軸調整ブロックとフレームの後部との隙間には、軸調整ブロックを前方に押 すための板バネ（３４）が設けられ、さらに軸調整ブロックは、フレームの後部 より貫通した調整ネジ（２０）により調整可能に取り付けられている。 ２本の調整ネジ（２０）をゆるめれば軸調整ブロックは前進し、締め込めば後 退する。左右のネジを調整する事によりプラテンローラと印字ラインの平行度の 調整を行うものである。 【０００３】 【考案が解決しようとする課題 】 しかしながら、上述した従来のサーマルヘッド支持機構では、 （１）調節に必要なネジが２本有るため、２本の調整ネジの締め込み量のバラン スを取ることが難しい。 （２）調整ネジが機構内部に隠れているため、ネジの締め込み量を目で見て確認 できない。 （３）熱転写リボン（２６）は上記フレーム（３０）の後方上部より供給される ため、熱転写リボンをサーマルプリンタに装着した後では、熱転写リボンがじゃ まになり、調整を行う事ができず、不都合である。 という不具合点があり、プラテンローラと印字ラインの平行度を調節すること は難儀である。 【０００４】 この課題を解決するため、本考案の目的は、プラテンローラと印字ラインの平 行度の微調整が簡単に行える構造のサーマルヘッド支持機構を提供する事にある 。 【０００５】 【課題を解決するための手段 】 本考案は、フレームと、前記フレームに回転自在に設けられたプラテンローラ と、前記プラテンローラと平行に前記フレームに設けられた軸と、サーマルヘッ ドと、前記サーマルヘッドの発熱体がプラテンローラと当接する位置にかつ前記 軸を中心として回転可能に前記サーマルヘッドを保持しているヘッド保持体とを 有するヘッド保持機構において、前記フレームに設けられた軸の一方を移動可能 に支持する支持部と、前記支持部と係合し前記軸を保持する調整軸受けと、前記 フレームと前記調整軸受けの間に設けられた調整軸受け移動手段と、前記調整軸 受けを前記フレームに固定する固定手段とを備えていることを特徴とするサーマ ルヘッド支持機構である。 【０００６】 【実施例】 以下、この考案の実施例を図面を用いて説明する。第１図はこの考案の一実施 例を示す平面図で、第２図は側面図である。プリンタ筐体に固定されたサイドフ レーム（２）および（４）の間に、プラテンローラ（６）と軸（８）が平行に設 置されている。 軸（８）には、サーマルヘッド（１０）をサーマルヘッドの印字ライン（１１ ）がプラテンローラ（６）の軸方向になるように取り付けたヘッド保持体（１４ ）が、軸（８）に対して回転可能なように、さらにサーマルヘッドの印字ライン （１１）がプラテンローラ（６）に接する位置関係になるように、取付られてい る。 軸（８）を軸支するサイドフレーム（４）の長穴（５）は、前後方向（図面左 右方向）の長穴であり、これにより軸（８）のサイドフレーム（４）側端部は上 下方向には規制されるが前後方向には多少自由に動く事が可能な構造となってい る。 軸（８）の、サイドフレーム（４）を貫通した端部は、Ｌ字型で、サイドフレ ーム（４）に止めネジ（１６）によりガイドかつ固定されるるような長穴（１９ ）と、前後備調整用のねじ穴を有したした調整軸受け（１８）に軸支される。 調整ネジ（２０）はサイドフレーム（４）の切り起こし部に設けられた穴を貫 通し、コイルバネ（２２）を貫いて調整軸受け（１８）にねじ込まれている。 コイルバネ（２２）は常に調整軸受け（１８）を後方に押す状態にあり、サイ ドフレーム(4)に対する調整ネジ（２０）および調整軸受け（１８）のがたつき を防止すると共に調整ネジ（２０）の回転によって調整軸受け（１８）の微調整 を行う事を可能にしている。 【０００７】 上記実施例における構成部材の形状に付いて、これは一例であり、当機構には 、諸種の形状が有り得る事はもちろんである。たとえば調整ネジ（２０）の方向 は実施例とは逆に後方からねじ込むような構造でも良いし、コイルバネ（２２） は板バネ等であってもかまわない。また、調整軸受け（１８）の形状はＬ字形で なくとも良く、止めネジ（１６）は１本以上で有ればよい。さらに、機構全体を 支持するサイドフレーム（２）と（４）は何らかの部材で結合されているのはも ちろんの事、一体成形されたフレームであってもかまわない。 【０００８】 第３図は上記実施例の調整時の各部材の動きを示したものである。 調整ネジ （２０）を回転させる事により調整軸受け（１８）が太矢印方向に前後移動し、 よって軸（８）の左側端部が移動し、軸（８）、ヘッド保持体（１４）、サーマ ルヘッド（１０）およびサーマルヘッドの印字ライン（１１）の傾きが変わる為 、プラテンローラの中心軸（１２）とサーマルヘッドの印字ライン（１１）との なす角度（２４）もしくは（２５）が、容易に調整できる。 【０００９】 また、調整ネジ（２０）の位置は第１図の熱転写リボン（２６）および印字用 紙（２８）の搬送範囲とは重なっていない為、熱転写リボン（２６）および印字 用紙（２８）をサーマルラインプリンタに装着した後でも、妨げられる事無く調 整を行う事が可能である。 【００１０】 【考案の効果】 本考案のサーマルヘッド支持機構によれば、プラテンローラとサーマルヘッド の印字ラインとの平行度の調整が１本の調整ネジで可能であり、簡単に調整でき るため、プリンタ装置の組立時等の調整時にかかる負担が削減される。 【００１１】 また、サーマルプリンタに熱転写リボン、および印字用紙を装着した後でも調 整が可能となるため、印字作業を行いながら、印字された状態を確認しつつ調整 を行う事ができるようになり、容易に印字品質の最良状態に調整する事が可能と なる。

【図面の簡単な説明】 【第１図】本考案の一実施例を示す説明図で、平面図で
ある。 【第２図】本考案の一実施例を示す説明図で、側面図で
ある。 【第３図】本考案によるサーマルヘッド支持機構の作用
を示す説明図である。 【第４図】従来のサーマルヘッド支持機構の一実施例
で、平面図である。 【第５図】従来のサーマルヘッド支持機構の一実施例
で、側断面図である。 【符号の説明】 ２ サイドフレーム ４ サイドフレーム ５ 横長穴 ６ プラテンローラ ８ 軸 １０ サーマルヘッド １１ サーマルヘッドの印字ライン １２ プラテンローラの中心軸 １４ ヘッド保持体 １６ 止めネジ １８ 調整軸受け ２０ 調整ネジ ２２ コイルバネ ２４ プラテンローラの中心軸とサーマルヘッドの印字
ラインとがなす角度 ２５ プラテンローラの中心軸とサーマルヘッドの印字
ラインとがなす角度 ２６ 熱転写リボン ２８ 印字用紙 ３０ フレーム ３２ 軸調整ブロック ３４ 板バネ ３６ ガイド ３８ ガイド

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレームと、前記フレームに回転自在に設けられたプラ
   テンローラと、前記プラテンローラと平行に前記フレー
   ムに設けられた軸と、サーマルヘッドと、前記サーマル
   ヘッドの発熱体がプラテンローラと当接する位置にかつ
   前記軸を中心として回転可能に前記サーマルヘッドを保
   持しているヘッド保持体とを有するヘッド保持機構にお
   いて、 前記フレームに設けられた軸の一方を移動可能に支持す
   る支持部と、前記支持部と係合し前記軸を保持する調整
   軸受けと、前記フレームと前記調整軸受けの間に設けら
   れた調整軸受け移動手段と、前記調整軸受けを前記フレ
   ームに固定する固定手段とを備えていることを特徴とす
   るサーマルヘッド支持機構。