JP2590513Y2 - スカム除去装置 - Google Patents

スカム除去装置

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JP2590513Y2
JP2590513Y2 JP1997009465U JP946597U JP2590513Y2 JP 2590513 Y2 JP2590513 Y2 JP 2590513Y2 JP 1997009465 U JP1997009465 U JP 1997009465U JP 946597 U JP946597 U JP 946597U JP 2590513 Y2 JP2590513 Y2 JP 2590513Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この考案は、スカム除去装置に関
する。 【0002】 【従来の技術】浄水化をする設備における、例えば、最
初または最終沈澱池などにおいては、水面上に多量のス
カムが浮遊状態で滞留するが、これらのスカムは不要な
ものであるため、スカム除去装置により池外に除去する
ようにしている。従来は、回転式のトラフによって手動
または電動操作してスカムを除去するようにしていた
が、これでは操作が大変であり、コスト的にも見合わ
ず、しかも、スカムを有効に排除することができなかっ
た。本出願人は、この除去を池内のフライトの運動に関
連させて行なうようにした自動化装置を開発した。この
装置は、トラフ、堰、揺動アーム機構などにより構成さ
れる。トラフは、一部に開口があり同開口が処理池の水
面よりも低くなるようにして同処理池内に固定して設置
される。堰は、中空状のフロートとし、トラフの開口側
前面位置に設けられて水面を境に出没可能とされる。揺
動アーム機構は、揺動アームおよび伝達機構を備え、同
アームは、先端にカムを備えて水平軸状の可動固定支点
に支持され、同カムが処理池内のフライトに沿うことに
より上下運動するようになっている。伝達機構は、連動
アームの運動を伝達してアームの上方への持ち上がりに
より堰を水面下に沈め下方への戻りにより同堰を再び水
面上に突き出させるものとされている。カムには、循環
駆動されてくるフライトが当たる。これにより、揺動ア
ームが持ち上がり、堰は水面下に没するようになる。堰
が水面下に没すると、水面域の水とともにスカムがトラ
フ内に流れ込み、同スカムは、トラフ内を通って池外に
排除される。フライトがカムの位置を通り過ぎると揺動
アームは下がり、これにより、伝達機構を通して堰は浮
いて水面上に復帰し、スカムを堰止めた状態とする。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】ところで、現行のスカ
ム除去装置では次のような問題がでてきた。すなわち、
トラフの前側にはゴム製で可撓板状の誘引ガイドが取り
付けられてその前に堰が取り付けられることで、誘引ガ
イドが上下に弾性変形しながら堰を動きを許し、その間
側面シールゴムが弾性変形しながらも側方からの水の浸
入を食い止めるように構成するようにしている。この側
面シールゴムを装着する方法として、トラフに長手方向
に直交状をなして固定側板を突設し、同固定側板の前側
に、堰の両端から立ち上がるようにして側面シールゴム
を立設するのであるが、同ゴムの前部をこれまでは堰の
両端に直接張り付けるようにして同ゴムにより中空状の
堰の閉止をもなすように考えていた。しかし、ゴムを堰
に連結すると耐久性に問題がでてくるおそれがあるとと
もにゴムに押さえ板を外装する必要もでて構造的な煩雑
化は避けられない。この考案は、このような問題を解決
するためになされたものであり、その課題とするところ
は、側面シール構造とともに堰の閉止構造をも簡略化す
るように図り、さらに耐久性の向上も図れるようにした
スカム除去装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1記載の考案は、処理池の水面よりも低くな
る誘引口を備え同池内に両端支持状態で固定して設置さ
れるトラフと、前記トラフと同様の長尺状部材で同トラ
フの前側において上部が水面を境に浮き沈みするように
上下運動可能とされている中空状の堰と、同堰とトラフ
との間に上下変形自在に可撓性のものとして設けられた
誘引ガイドとを備えるスカム除去装置であって、前記堰
の両端には、堰の長手方向に直交状をなして可動側板が
固着されて、中空状堰の両側面を閉止する板として設け
られているとともに、同可動側板は、前記トラフ側に固
定して設けられた固定側板との間に設けられる可撓性の
側面シールゴムの連結板ともなっていることを特徴とす
る。請求項2記載の考案は、請求項1において、可動側
板の上端は、堰が浮上して復帰した際に水平状に戻るよ
うになっている。 【0005】 【考案の実施の形態】以下、図示した実施形態を参照し
ながらこの考案を詳細に説明する。図1ないし図3は、
この考案の一実施形態を示している。この実施形態にお
いて、沈澱池(処理池)は、平面形状が一方向に長い矩
形のもので、一般に矩形沈澱池と呼ばれているものであ
る。この沈澱池は1階槽1にあり、その内部にはスカム
除去装置Aが設置されている。この1階槽1には、水面
3が設定されていて、その水面3下に複数個のフライト
4‥‥を配列したチェーン5が矢印方向に駆動できるよ
うに設けられている。フライト4のうち1個または2個
(必要に応じてさらに多く)のものには、ローラーブラ
ケット6を介してローラータイプのアタッカー7が上方
に突出するように設けられている。このアタッカー7
は、ガイドレール8の内側寄りに位置している。9は樋
形のトラフで、図3のように、円筒の一部によって形成
され、池の幅全長にわたるようにして固定して設置され
ている。このトラフ9の周方向両端上方は、誘引口にな
っている。同トラフ9の長手方向両端は、池の側面壁1
1,11にそれぞれ貫通して固定されたパイプに結合さ
れ、トラフ9内に誘引されたスカムはこれらのパイプを
通して外部に導かれるようになっている。10,10
は、トラフ9の上流側と下流側に取付けられた帯長状で
ゴム板からなる誘引ガイドであり、このガイド10の両
側端は、トラフ9の両端やや内側に同トラフ9と直交状
にトラフ9から突設された側面シールゴム12,12に
よってシールされている。同側面シールゴム12は、上
からみて湾曲板状に形成された部分を備えて、同部分が
可撓部分になっている。前記誘引ガイド10は、トラフ
9から前方上方に突き出した状態とされ、同突き出し角
度が、自然状態において水面を基準にして35度前後と
されている。誘引ガイド10の先端を介して前方に位置
するように堰13が取り付けられている。この場合、同
誘引ガイド10の先端は、堰13の後端下側面を取付面
として装着されている。このように、誘引ガイド10の
先端を、堰13の後端下側面を取付面として装着したの
は、水圧が前方から誘引ガイド10に作用してその押し
付け力が堰13に掛かるようになることから前方からの
水の浸入が効果的に阻止され、しかも、堰13の後端部
分よりも誘引ガイド10の先端が上側にあると、流れ来
るスカムがそこで滞留することになるが、誘引ガイド1
0の方が下側にあるとスカムの流れ込みを阻害しないこ
とになることからである。さらに、誘引ガイド10が堰
13後端の下側に装着されていると、誘引ガイド10の
取付部分が日光に晒されず、耐久性のあるものになる。
同誘引ガイド10の後端もトラフ9の外周に装着する
と、より一層耐久性のあるものになる。この堰13は、
中空形で上部が山形断面をしたステンレス製のもので、
上部の前側が前下がり状に傾斜するが、上部の後側も後
下がり状で、前記誘引ガイド10の面に連続する傾斜状
の面(略35度)を備えている。14はケーブル端部接
続パイプで、堰13,13に取付けられている。一方、
1階槽1における側面壁11には、トラフ9よりも上流
側でかつチェーン5の下回り上にくるように揺動アーム
15が取付けられている。この揺動アーム15の一端で
あるカム取付アーム部15aは上流側に向けて延び、他
方のアームである押下アーム部15bは下流側に向けて
延びている。カム取付アーム部15aは側面壁11より
池内側寄りに、押下アーム部15bはカム取付アーム部
15aより側面壁11寄りに近いところに配置され、こ
れらアーム15a,15bは互いに偏心して配置されて
いる。カム取付アーム部15aには、ボルト付の長孔1
8‥‥を介してカム19が上下調節可能に取付けられて
いる。通常は、ボルトが長孔18‥‥の中間高さにくる
ように位置しているが、必要に応じて上下に調整される
ようになっている。カム19は、その下面に第1カム1
9aと第2カム19cとを下向きに突出して備え、これ
らの間に水平な凹み19bを備えている。アタッカー7
が第1カム19aに当たると、揺動アーム15の一端1
5aは持ち上がり、他端15bは下がるようになり、昇
降ロッド20が下げられる。これにより、ケーブル21
を通して堰13が大きく下がり、大きいスカムまでもト
ラフ9内に誘引するようになる。凹み19bにアタッカ
ー7が対応すると、堰13がやや浮くがまだ若干沈んだ
状態を保つようになる。水面3とトラフ9の上端間の寸
法は小さくなるので、水面3の流速は速まり、トラフ9
より離れたところにあるスカムまでも吸い寄せるように
し、トラフ9に誘引する。そして、第2カム19cにア
タッカー7が当たると、再び堰13は大きく下がるよう
になり、これにより、前記吸い寄せられたスカムが、大
小を問わずトラフ9内に誘引されるようになる。これに
より、大小を問わずしかもスムーズにかつ確実にスカム
が排除されるものである。加えて、この実施形態では、
堰13および誘引ガイド10の両側端は、トラフ9の長
手方向に直交してトラフ9から突設された側面シールゴ
ム12により水密状態を保つようにシーリングされ、同
側面シールゴム12が、上からみて湾曲板状に形成され
た部分を備えて、同部分が可撓部分になっている。同可
撓部分の湾曲板状に突出する方向は、処理池の側面壁1
1に対向する方向になっている。前記側面シールゴム1
2は、トラフ9に直交するように設けられた固定側板3
0と堰13の両端に固定して設けられた可動側板31と
の間に設けられ、堰13が引き下げられるとともに誘引
ガイド10が弾性変形して前下がり状になることで堰1
3上端が水面以下に下がるようになるが、その際、堰1
3が下がるとそれに装着された可動側板31も前下がり
状に同行することになり、それとともに側面シールゴム
12は上からみて湾曲板状であるので、図3の方向から
みて上が大きく広がる扇状の広がり運動をしながら側方
からの水の浸入を食い止めるようにする。また、固定側
板30が水平であるとともに、可動側板31も、堰13
が浮上して復帰した際(図1から図3の状態)に水平状
に戻る。可動側板31は、堰13の長手方向両端に装着
されていることでその中空状空間を形成しかつ堰13の
強度アップにもなり、しかも、同可動側板31の後端は
側面シールゴム12の連結のために使用される。すなわ
ち、1枚の板で堰13の閉止のためならびに側面シール
ゴム12の連結のために兼用的に用いられているのであ
る。また、可動側板31の上端が戻った際に水平になる
ようになっているので、同可動側板31上に水準器をセ
ットして可動側板31上下調節すれば、設計通りに作動
するスカム除去装置を提供することができる訳である。
図示のように、トラフ9の前後に堰13を配したもので
は、前後の堰13を水準器の使用により同時に作動する
ものに調節することができる。なお、揺動アーム15か
ら堰13を連動させる手段としては、種々の方式が考え
られている。図1、図2のものは、昇降ロッド20とケ
ーブル21とを組み合わせて構成したものである。つま
り、側面壁11にロッドガイド22が設けられ、このロ
ッドガイド22に垂直に上下する昇降ロッド20が設け
られている。昇降ロッド20は、リターンばね23によ
り常に上向きに戻るように構成されている。ケーブル2
1は外周のケーブルガイドと内のケーブル芯からなって
いて、ケーブルサポート24,25によってケーブルガ
イドが取付けられているとともに、ケーブル芯がそのガ
イド内を通して一端が昇降ロッド20の上端に、他端が
ケーブル端部接続パイプ14に取付けられている。した
がって、昇降ロッド20が上下することによりケーブル
21によって前後の堰13が同じように上下に浮沈する
ようになっている。カム19は、チェーンの下回りに対
して配置されているが、例えば、上回りに対向するよう
に配置してもよい。 【0006】 【考案の効果】この考案は以上のように構成されている
ので、側面シール構造とともに堰の閉止構造をも簡略化
するように図り、さらに耐久性の向上も図れるようにし
たスカム除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この考案の一実施形態を示した平面図。 【図2】図1の縦断面図。 【図3】図1のIII−III線断面図である。 【符号の説明】 A‥‥スカム除去装置 3‥‥水面 9‥‥トラフ 1
0…誘引ガイド 11…側面壁 12…側面シールゴム
13‥‥堰 30…固定側板 31…可動側板。

Claims (1)

  1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 1.処理池の水面よりも低くなる誘引口を備え同池内に
    両端支持状態で固定して設置されるトラフと、前記トラ
    フと同様の長尺状部材で同トラフの前側において上部が
    水面を境に浮き沈みするように上下運動可能とされてい
    る中空状の堰と、同堰とトラフとの間に上下変形自在に
    可撓性のものとして設けられた誘引ガイドとを備えるス
    カム除去装置であって、前記堰の両端には、堰の長手方
    向に直交状をなして可動側板が固着されて、中空状堰の
    両側面を閉止する板として設けられているとともに、同
    可動側板は、前記トラフ側に固定して設けられた固定側
    板との間に設けられる可撓性の側面シールゴムの連結板
    ともなっていることを特徴とするスカム除去装置。 2.請求項1において、可動側板の上端は、堰が浮上し
    て復帰した際に水平状に戻るようになっているスカム除
    去装置。
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JPH10236U JPH10236U (ja) 1998-10-09
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