JP2589667Y2 - 管理作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、播種、苗植、施肥、中
耕、除草又は防除等の作業を行う管理作業車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、機体に配設した主フレームの前部
両側下部から前輪駆動ケースをそれぞれ垂下させ、後部
両側下部から後輪駆動ケースをそれぞれ垂下させ、機体
の後部に、各種の作業機から作業目的に応じて選択して
装着し、作物が栽培されている圃場で各種の管理作業を
行うようにした管理作業機は既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記既知の管理作業車
により、例えば、作物に対する追肥、又は防除作業等を
行う場合、車高を高くする必要があり、前輪駆動ケース
及び後輪駆動ケースの下方への突出長さが必然的に大に
なるため、大幅な強度アップを図らなければならず、ま
た、走行中に作物が前後の車輪駆動ケースに当たって損
傷し、特に、後輪は大なる牽引力を得べく幅広のラグを
有するため作物を踏み込んだり、引掛けて引き抜くこと
があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】機体に配設した主フレー
ム１の前部両側下部から前輪駆動ケース１０をそれぞれ
垂下させ、後部両側下部から後輪駆動ケース１３をそれ
ぞれ垂下させたものであって、同じ側の前輪駆動ケース
１０と後輪駆動ケース１３の下部寄り内側を下部フレー
ム１６で連結して側面視において主フレーム１、下部フ
レーム１６、前輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１
３が矩形状をなすように構成し、前記下部フレーム１６
の前後両端を前輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１
３から前後に延出すると共に、平面視において前記下部
フレーム１６の前端部を機体外側方向へ延設することに
より前述の課題を解決した。

【０００５】

【作用】前記管理作業車は、苗植装置又は施肥装置等を
装着して苗植又は施肥等の作業を行うことができるもの
であり、作物が成育している圃場で追肥、中耕、除草又
は薬剤散布等を行う場合、管理作業車にそれらの作業を
行う装置を選択して機体に装着し、左右の車輪を作物列
の間に入れて走行させながら作業を行う。その際、車輪
が連動する部分の内側に植立する作物は、前輪駆動ケー
ス及び後輪駆動ケースに当たる位置にあるが、下部フレ
ームは上記作物の茎葉部を機幅の中央側方向へ誘導する
ので、各駆動ケースに当たることがなく、特に、後輪は
幅広のラグを有しているが前記下部フレームは後輪駆動
ケースより後方まで延出した状態で作物の茎葉部を内側
へ誘導するので、後輪が作物を踏み込んだり、引き抜い
たりすることがない。

【０００６】

【実施例】本考案の一実施例を図面について説明する
と、図１は主フレーム１の後部に作業機として噴霧装置
２を装着した例を示すもので、主フレーム１の前部にミ
ッションケース３、エンジン５、操向ハンドル６及び各
種の操作レバーを装着し、ミッションケース３から両側
方へ延出していて主フレーム１の前寄り側部に連結金９
により連結された前輪駆動軸の筒フレーム７の端部に
は、下部に前輪８を軸支した前輪駆動ケース１０を装着
し、前記ミッションケース３から後方へ延出させたシャ
フトに連動する後輪駆動軸が内装された左右の後部筒フ
レーム１１の端部には、下部に後輪１２が軸支された後
輪駆動ケース１３を取付け、この後輪駆動ケース１３の
上部は主フレーム１の後部下面に取付金１５を介して連
結されている。

【０００７】そして、下部フレーム１６（一方のみ図
示）は平面視において前端部を機体外側方向へ折曲形成
して延設したパイプにより構成されていて、前部上面に
突設したブラケット１７は前記前輪駆動ケース１０の内
側に熔接した受金１８にボルト２０により取付け、後部
寄り上面に突設したブラケット２１は後輪駆動ケース１
３の外側下面に熔接された受金２２にボルト２３により
螺着されており、それにより主フレーム１と前輪駆動ケ
ース１０と下部フレーム１６と後輪駆動ケース１３は、
側面視で矩形状をなし、下部フレーム１６の前端の折曲
部は図１に示す如く前輪駆動ケース１０の内側から前方
へ突出しており、後部は後輪１２の内側を経てその後端
から少し突出している。更に、下部フレーム１６の中間
部には、乗降ステップ２５を熔接してある。

【０００８】前述の管理作業車を作物として稲が植付け
られている圃場にて薬剤散布する時、前輪８，８及び後
輪１２，１２は、作物列の間を転動し、薬剤タンク２６
内の薬剤はポンプ２７により圧送されて両側方へ伸ばし
た姿勢になっている噴霧管２８により幅広く噴霧され
る。そして、噴霧作業を行いながら圃場を走行する際、
前輪８，８及び後輪１２，１２が走行する部分の内側で
列状になった作物の茎葉部を機体外側方へ折曲形成して
延設された下部フレーム１６の前端部により前輪８，８
の内側へ案内され、以後その状態で下部フレーム１６に
より後輪１２，１２の後方まで誘導されるので、前記作
物が前輪駆動ケース１０，１０及び後輪駆動ケース１
３，１３に当たることがなく、また、後輪１２は図４に
示すごとく幅広のラグ１２ａ・・を有しているが作物の
茎葉部は後輪１２の内側をその後端まで誘導されるの
で、ラグ１２ａが作物を前側で踏み込んだり、後側で引
掛けて引き抜いたりすることがない。

【０００９】また、運転者が運転部に乗降する時、この
管理作業車は前輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１
３，１３は、作物が主フレーム１等に当たらないように
高くすべく長くなっていて運転部が高くなっているが、
下部フレーム１６は主フレーム１の高さの略１／２程度
の高さで主フレーム１の外側に沿っているので、その中
間に固定されている乗降ステップ２５を片方の足で踏ん
で容易に乗降することができる。

【００１０】

【考案の効果】本考案は、機体に配設した主フレーム１
の前部両側下部から前輪駆動ケース１０をそれぞれ垂下
させ、後部両側下部から後輪駆動ケース１３をそれぞれ
垂下させたものであって、同じ側の前輪駆動ケース１０
と後輪駆動ケース１３の下部寄り内側を下部フレーム１
６で連結して側面視において主フレーム１、下部フレー
ム１６、前輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１３が
矩形状をなすように構成し、前記下部フレーム１６の前
後両端を前輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１３か
ら前後に延出すると共に、平面視において前記下部フレ
ーム１６の前端部を機体外側方向へ延設したので、管理
作業機は作物を損傷しないように車高を高くすべく、前
輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１３の上下長さを
大にしても、それらの駆動ケース１０，１３と主フレー
ム１と下部フレーム１６は側面視で矩形状の枠体に構成
されることとなり、それにより前輪駆動ケース１０及び
後輪駆動ケース１３並びにそれらの取付部を格別強固に
かつ大型に構成しなくとも安定した堅固な走行装置を安
価に得ることができる。

【００１１】また、左右の前輪８，８及び後輪１２，１
２のすぐ内側に入る作物の茎葉部を下部フレーム１６内
側へ傾斜させながら誘導するので、作物が前輪駆動ケー
ス１０及び後輪駆動ケースに当たって損傷するのを防止
することができると共に後輪１２のラグ１２ａ・・は牽
引力を増大すべく、高くかつ幅広になっているが、作物
を踏み込んだり、引き抜いたりすることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】管理作業車の側面図である。

【図２】車輪と下部フレームの関係を示す平面図であ
る。

【図３】前輪支持部の背面図である。

【図４】後輪支持部の背面図である。

【図５】下部フレームの斜視図である。

【符号の説明】

１ 主フレーム、 ８ 前輪、 １０ 前輪駆動ケー
ス、１２ 後輪、１３ 後輪駆動ケース、 １６ 下部
フレーム、 ２５ 乗降ステップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−125923（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−84783（ＪＰ，Ｕ) 実公 平３−55506（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B62D 49/00 A01C 11/02 311

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体に配設した主フレーム１の前部両側
   下部から前輪駆動ケース１０をそれぞれ垂下させ、後部
   両側下部から後輪駆動ケース１３をそれぞれ垂下させた
   ものであって、同じ側の前輪駆動ケース１０と後輪駆動
   ケース１３の下部寄り内側を下部フレーム１６で連結し
   て側面視において主フレーム１、下部フレーム１６、前
   輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１３が矩形状をな
   すように構成し、前記下部フレーム１６の前後両端を前
   輪駆動ケース１０及び後輪駆動ケース１３から前後に延
   出すると共に、平面視において前記下部フレーム１６の
   前端部を機体外側方向へ延設したことを特徴とする管理
   作業機。