JP2589369Y2 - 車両のリヤサスペンション取付部構造 - Google Patents

車両のリヤサスペンション取付部構造

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JP2589369Y2 JP1993033704U JP3370493U JP2589369Y2 JP 2589369 Y2 JP2589369 Y2 JP 2589369Y2 JP 1993033704 U JP1993033704 U JP 1993033704U JP 3370493 U JP3370493 U JP 3370493U JP 2589369 Y2 JP2589369 Y2 JP 2589369Y2
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両のリヤサスペンシ
ョン取付部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のリヤサスペンションは、図3に示
すように車体のクロスメンバに上下揺動可能に軸着した
サスペンションアームと、ホイールエプロンaの一部に
筒状に凸設したサスペンションタワーbとの間に、ショ
ックアブソーバc及び又はサスペンションスプリングd
を介装し、サスペンション反力をショックアブソーバc
やサスペンションスプリングdを介してサスペンション
タワーbと該サスペンションタワーを形成したホイール
エプロンaと該ホイールエプロンに固着したサイドフレ
ームe,リヤピラーインナf等で分散して吸収するよう
構成しているのが一般的である(例えば実開昭60−6
8875号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記のようなリヤサス
ペンション取付構造のものにおいては、凸設したサスペ
ンションタワーbがトランクルームの容積を狭めるとい
う課題を有しており、そのような課題を解決するために
サスペンションタワーを廃止し、サスペンションアーム
とサイドフレームeの下面との間にショックアブソーバ
c及び又はサスペンションスプリングdを介装するとい
う手段が従来より採られている。ところがこのような構
成を採用するとショックアブソーバcやサスペンション
スプリングdの許容伸縮ストロークはサイドフレームe
のフロア面より下方への突出高さによって制限されざる
を得ず、該許容伸縮ストロークをあまり大きく採ること
ができないという課題が生じる。
【0004】サイドフレームの断面高さを部分的に低く
すれば上記ショックアブソーバやサスペンションスプリ
ングの許容伸縮ストロークを大きくすることはできる
が、サイドフレームの断面高さを低くするとフレーム強
度が低下するという問題が生じる。即ち、サイドフレー
ムはフロアの側縁下部に沿って固着され前後方向の閉断
面を形成するものであり、その縦壁がフレーム強度に支
配的に機能するので、その縦壁高さを部分的に低くする
とリヤサスペンション取付部付近の強度剛性が低下し、
振動騒音対策及び操安性等の面で好ましくない。
【0005】本考案は上記のような従来の課題に対処す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、フロアの側縁
下部に接合固着され前後方向の閉断面を形成するサイド
フレームを、該閉断面を上下に仕切るように全長にわた
りサイドフレームに固着されたリンフォースメントとサ
イドフレームの下面内側に接合固着されたダブラとで補
強したものにおいて、上記ダブラに、サイドフレームの
下面に設けたサスペンション取付用の取付用穴の前後で
立上がる前後の立上り面部とその中央の頂面とからなる
ほぼ山型形状のサスブラケット部を折曲形成し、該サス
ブラケット部の頂面を上記リンフォースメントに接合固
着して、該サスブラケット部にリヤサスペンションのス
トラット上端部を取付けるようにしたことを特徴とする
ものである。
【0007】
【作用】上記のように、サイドフレーム補強用のリンフ
ォースメントとダブラとを利用し、該ダブラにて一体に
形成したサスブラケット部の頂面とリンフォースメント
との接合固着部でリヤサスペンションのサスペンション
荷重受面を構成したことにより、ショックアブソーバと
サスペンションスプリングとからなるストラットの許容
伸縮ストロークを従来に比し大きく採ることができ、サ
イドフレームはフレーム強度に最も大きな影響をもつ縦
壁の高さが低くならず且つサイドフレーム下面の取付用
穴周縁部とその上方のリンフォースメントとがダブラの
サスブラケット部で強固に結合され該サスブラケット部
が取付用穴周縁部付近の補強部材としての機能を果たし
ていることによって、リヤサスペンション取付部付近の
強度剛性は充分に確保され、振動騒音の低減及び操安性
の向上をはかり得る。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。
【0009】図において、1はフロア、2はリヤのホイ
ールエプロン、3はフロア1の側縁下面に接合固着され
前後方向の閉断面を形成するサイドフレームであり、該
サイドフレーム3の内側にはリンフォースメント4が全
長にわたり上記閉断面を上下に仕切るように固着される
と共にダブラ5がサイドフレーム3の下面内側に接合固
着され、これらリンフォースメント4とダブラ5とによ
ってサイドフレーム3を補強した構造となっている。
【0010】6はクロスメンバであり、該クロスメンバ
6はフロア1の下面に接合固着されて車幅方向の閉断面
を形成すると共にその両端部が左右のサイドフレーム3
に結合されている。
【0011】上記サイドフレーム3のサスペンション取
付部は、図2に示すように構成される。
【0012】即ち、図2に示すように、サイドフレーム
3の下面にサスペンション取付用の取付用穴31が設け
られ、該サイドフレーム3の下面内側に接合固着された
ダブラ5に該取付用穴31の前後で立上がる前後の立上
り面部52とその中央の頂面53とからなるほぼ山型
(台形)形状のサスブラケット部51を折曲形成し、該
サスブラケット部51の頂面53を取付用穴31の真上
部で上記リンフォースメント4に接合しスポット溶接で
固着することにより、サイドフレーム3にて形成される
閉断面の内部にリヤのサスペンション取付部を構成した
ものである。そして該ダブラ5にて形成したサスブラケ
ット部51にショックアブソーバ71とその外周のサス
ペンションスプリング72とからなる従来より公知のス
トラット7の上端部をトップマウントラバー73を介し
て取付けることによって、サスペンション荷重をサイド
フレーム3とリンフォースメント4とダブラ5とで支持
するようにしたものである。尚サスブラケット部51の
頂面53の中央部には穴53aが設けられ、又リンフォ
ースメント4にも該穴53aにほぼ一致する穴4aが設
けられ、ストラット7の上端部が該穴53a,4aから
上方に突出できるようになっている。
【0013】上記のように、サイドフレーム3の補強用
として閉断面を上下に仕切るようサイドフレーム3内に
全長にわたり固着されるリンフォースメント4と、同じ
くサイドフレーム3の補強用としてサイドフレーム3の
下面内側に接合固着されるダブラ5とを利用し、該ダブ
ラ5の折曲にて形成したサスブラケット部51の頂面5
3をリンフォースメント4に接合固着してサスペンショ
ン取付部をサイドフレーム3の閉断面内に構成したこと
により、ショックアブソーバ71及びサスペンションス
プリング72よりなるストラット7の許容伸縮ストロー
クを、サイドフレームの下面にサスペンション取付部を
設けていた従来のものより大きく採ることができると共
に、フレーム強度に最も大きな影響を与えるサイドフレ
ーム3の縦壁の高さは低くならず且つサイドフレーム3
の取付用穴31周縁部とリンフォースメント4とはダブ
ラ5のほぼ山型形状をなすサスブラケット部51にて強
固に結合され該サスブラケット部51が取付用穴31部
付近の補強補剛部材としての機能を果たしているので、
サイドフレーム3のサスペンション取付部付近の強度剛
性は充分に確保され、車体の振動騒音の低減及び操安性
の向上をはかることができる。更に従来は独立した部品
として構成されていたサスブラケットをサイドフレーム
補強用のダブラにて一体に形成したことにより、部品数
の削減,取付工数の低減及びこれらに伴うコストダウン
をはかることができる。
【0014】又、本考案では図2に示すようにサスペン
ション取付部付近のサイドフレーム3の下面を内側より
外側にかけてせり上がる傾斜面に構成しており、このよ
うにすることによってサスペンションアームの上下揺動
角を大きく採ることができ、上記ストラット7の許容伸
縮ストロークを大きくできるサスペンション取付部構造
と該サスペンションアームの上下揺動角を大きくできる
構造とを組合せることによって、よりソフトな特性をも
ったリヤサスペンションを得ることができ、特にリヤサ
スペンションとしてダブルウイッシュボーン式サスペン
ションを採用した場合、アッパアーム8の揺動に充分対
応できる点極めて効果的である。
【0015】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、サイドフ
レームでサスペンション荷重を支持する形式のリヤサス
ペンションにおいて、サイドフレームの補強用としてサ
イドフレーム内に全長にわたり固着されたリンフォース
メントとダブラとを利用することにより、サイドフレー
ムの強度剛性を充分に確保した上でショックアブソーバ
及びサスペンションスプリングの許容伸縮ストロークを
大きく採ることが可能となり、又サスペンションアーム
の揺動角も充分大きく採ることができるもので、構造簡
単且つコスト低廉なることと相俟って、実用上多大の効
果をもたらし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示すもので、リヤサスペンシ
ョン取付部をフロアを取り除いて示す斜視図である。
【図2】(A)は図1のX−X断面図、(B)は図1の
Y−Y断面図、(C)は図1のZ−Z断面図、(D)は
ダブラのサスブラケット部付近の斜視図である。
【図3】従来のリヤサスペンション取付部の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 フロア 2 ホイールエプロン 3 サイドフレーム 4 リンフォースメント 5 ダブラ 6 クロスメンバ 7 ストラット 31 取付用穴 51 サスブラケット部 52 立上り面部 53 頂面 71 ショックアブソーバ 72 サスペンションスプリング

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロアの側縁下部に接合固着され前後方
    向の閉断面を構成するサイドフレームを、該閉断面を上
    下に仕切るように全長にわたりサイドフレームに固着さ
    れたリンフォースメントと、該サイドフレームの下面内
    側に接合固着されたダブラとで補強したものにおいて、
    上記サイドフレームの下面にサスペンション取付用の取
    付用穴を設け、上記ダブラに、該取付用穴の前後にて立
    上がる前後の立上り面部とその中央の頂面とからなるほ
    ぼ山型形状のサスブラケット部を折曲形成し、該サスブ
    ラケット部の頂面を上記リンフォースメントに接合固着
    して、上記閉断面の内部にサスペンション取付部を構成
    し、該サスブラケット部にリヤサスペンションのストラ
    ット上端部を取付けるようにしたことを特徴とする車両
    のリヤサスペンション取付部構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両のリヤサスペンシ
    ョン取付部構造において、リヤサスペンション取付部付
    近のサイドフレームの下面を、内側から外側にかけてせ
    り上がる傾斜面に構成したことを特徴とする車両のリヤ
    サスペンション取付部構造。
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