JP2587681B2 - ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法 - Google Patents
ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法Info
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- JP2587681B2 JP2587681B2 JP63131391A JP13139188A JP2587681B2 JP 2587681 B2 JP2587681 B2 JP 2587681B2 JP 63131391 A JP63131391 A JP 63131391A JP 13139188 A JP13139188 A JP 13139188A JP 2587681 B2 JP2587681 B2 JP 2587681B2
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- vinyloxyethoxy
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物
の製造法に関する。更に詳しくは、廉価なβ,β′−ジ
クロロエチルエーテルをそもそもの出発原料とするビス
(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法に関す
る。
の製造法に関する。更に詳しくは、廉価なβ,β′−ジ
クロロエチルエーテルをそもそもの出発原料とするビス
(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法に関す
る。
ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物は、次のよ
うな方法によって合成されることが知られている(J.Po
lymer Sci.,Polymer Chem.Ed.第21巻第6号第1785〜179
9頁)。
うな方法によって合成されることが知られている(J.Po
lymer Sci.,Polymer Chem.Ed.第21巻第6号第1785〜179
9頁)。
CH2=CHOCH2CH2Cl+HO−R−OH →R(OCH2CH2OCH=CH2)2 この反応の場合には、次のような欠点がみられる。
(1)一方の反応原料として用いられるクロロエチルビ
ニルエーテルは、廉価なβ,β′−ジクロロエチルエー
テルを水酸化ナトリウムと反応させることにより得られ
るが、その反応溶媒としてジメチルスルホキシドを用い
るため高価となる。
ニルエーテルは、廉価なβ,β′−ジクロロエチルエー
テルを水酸化ナトリウムと反応させることにより得られ
るが、その反応溶媒としてジメチルスルホキシドを用い
るため高価となる。
(2)上記縮合反応も、水酸化ナトリウムの存在下に行
われるが、他の溶媒を用いると収率が低下するため、高
価なジメチルスルホキシド溶媒の使用を必要としてい
る。
われるが、他の溶媒を用いると収率が低下するため、高
価なジメチルスルホキシド溶媒の使用を必要としてい
る。
(3)副反応がかなり多い。
本発明の目的は、廉価なβ,β′−ジクロロエチルエ
ーテルをそもそもの出発原料とし、それを有効に利用し
て、高価な溶媒を用いなくとも好収率でビス(ビニロキ
シエトキシ)芳香族化合物を製造する方法を提供するこ
とにある。
ーテルをそもそもの出発原料とし、それを有効に利用し
て、高価な溶媒を用いなくとも好収率でビス(ビニロキ
シエトキシ)芳香族化合物を製造する方法を提供するこ
とにある。
かかる本発明の目的は、一般式R(OCH2CH2OCH2CH
2X)2[ここで、Rは2価の芳香族基であり、Xはハロ
ゲン原子である]で表わされるビス(ハロゲノエトキシ
エトキシ)芳香族化合物を脱ハロゲン化水素化反応さ
せ、ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物を製造す
ることにより達成される。
2X)2[ここで、Rは2価の芳香族基であり、Xはハロ
ゲン原子である]で表わされるビス(ハロゲノエトキシ
エトキシ)芳香族化合物を脱ハロゲン化水素化反応さ
せ、ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物を製造す
ることにより達成される。
上記一般式で表わされるビス(ハロゲノエトキシエト
キシ)芳香族化合物は、各種のジヒドロキシ芳香族化合
物(置換基を有していてもよい)とβ,β′−ジクロロ
エチルエーテルとを水酸化ナトリウムなどの存在下に水
溶媒中で縮合反応させることにより容易に得ることがで
きる。
キシ)芳香族化合物は、各種のジヒドロキシ芳香族化合
物(置換基を有していてもよい)とβ,β′−ジクロロ
エチルエーテルとを水酸化ナトリウムなどの存在下に水
溶媒中で縮合反応させることにより容易に得ることがで
きる。
このようにして得られるビス(ハロゲノエトキシエト
キシ)芳香族化合物の脱ハロゲン化水素化反応は、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、
カルボン酸塩、あるいはアミン類、アンモニウム塩、グ
アニジン塩などの含窒素化合物によって代表される塩基
性物質の過剰量の存在下に、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、N−メチ
ルピロリドン、水などの少くとも一種の溶媒中で行われ
る。反応溶媒として、ジメチルスルホキシドを用いるこ
とは勿論できるが、それの代りに実質的に収率を低下さ
せることなく、他の溶媒を用いることもできる。また、
収率は半分程度に迄低下するものの、水を反応溶媒とし
て用いることもできる。
キシ)芳香族化合物の脱ハロゲン化水素化反応は、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、
カルボン酸塩、あるいはアミン類、アンモニウム塩、グ
アニジン塩などの含窒素化合物によって代表される塩基
性物質の過剰量の存在下に、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、N−メチ
ルピロリドン、水などの少くとも一種の溶媒中で行われ
る。反応溶媒として、ジメチルスルホキシドを用いるこ
とは勿論できるが、それの代りに実質的に収率を低下さ
せることなく、他の溶媒を用いることもできる。また、
収率は半分程度に迄低下するものの、水を反応溶媒とし
て用いることもできる。
反応生成物の分離は、それが結晶として分離してくる
ので、それをロ別するだけで足りる。
ので、それをロ別するだけで足りる。
廉価なβ,β′−ジクロロエチルエーテルを出発原料
として用い、それを一旦ビス(ハロゲノエトキシエトキ
シ)芳香族化合物として脱ハロゲン化水素化反応し、ビ
ス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物となすことによ
り、高価な溶媒を用いなくとも好収率で目的物を得るこ
とができる。
として用い、それを一旦ビス(ハロゲノエトキシエトキ
シ)芳香族化合物として脱ハロゲン化水素化反応し、ビ
ス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物となすことによ
り、高価な溶媒を用いなくとも好収率で目的物を得るこ
とができる。
次に、この実施例について本発明を説明する。
実施例1 撹拌装置、窒素ガス導入管、滴下ロート、温度計およ
び冷却器を備えた四口フラスコに、ハイドロキノン36.7
g(0.334モル)、水175mlおよびカチオン系界面活性剤
(日本油脂製品M2−100)3.0gを仕込み、窒素ガスで脱
気した後、水酸化ナトリウム40g(1.00モル)を加え
た。この水溶液を90℃に昇温し、1時間保った後、β,
β′−ジクロロエチルエーテル143g(1.00モル)を1時
間にわたって滴下し、更に10時間90〜95℃に保った。反
応終了後油層を分離し、水洗、濃縮してからn−ヘキサ
ンで再結晶し、1,4−ビス(クロロエトキシエトキシ)
ベンゼン92.7g(収率85.9%)を得た。
び冷却器を備えた四口フラスコに、ハイドロキノン36.7
g(0.334モル)、水175mlおよびカチオン系界面活性剤
(日本油脂製品M2−100)3.0gを仕込み、窒素ガスで脱
気した後、水酸化ナトリウム40g(1.00モル)を加え
た。この水溶液を90℃に昇温し、1時間保った後、β,
β′−ジクロロエチルエーテル143g(1.00モル)を1時
間にわたって滴下し、更に10時間90〜95℃に保った。反
応終了後油層を分離し、水洗、濃縮してからn−ヘキサ
ンで再結晶し、1,4−ビス(クロロエトキシエトキシ)
ベンゼン92.7g(収率85.9%)を得た。
前記四口フラスコに、1,4−ビス(クロロエトキシエ
トキシ)ベンゼン92.7g(0.287モル)、水酸化カリウム
48.2g(0.861モル)およびエチレングリコール300mlを
仕込み、120〜130℃で5時間反応させた。反応終了後冷
却し、析出した結晶をロ別、水洗して、1,4−ビス(ビ
ニロキシエトキシ)ベンゼン66.7g(収率93.0%)を得
た。
トキシ)ベンゼン92.7g(0.287モル)、水酸化カリウム
48.2g(0.861モル)およびエチレングリコール300mlを
仕込み、120〜130℃で5時間反応させた。反応終了後冷
却し、析出した結晶をロ別、水洗して、1,4−ビス(ビ
ニロキシエトキシ)ベンゼン66.7g(収率93.0%)を得
た。
この生成物は、ハイドロキノンとクロロエチルビニル
エーテルとの反応生成物と1H−NMR、MS分析が一致し、
同定された。1 H−NMR:7.4〜7.0ppm(m)4H 6.9〜6.4ppm(m)2H 4.6〜4.0ppm(m)8H MS分析:M+ 250 M−C6H6O2180 M−C8H12O4110 なお、反応開始1時間後の反応混合物組成をガスクロ
マトグラフィーで分析すると、次のような測定結果が得
られ、反応はモノ置換体からジ置換体へと順次進行して
いることが分る。
エーテルとの反応生成物と1H−NMR、MS分析が一致し、
同定された。1 H−NMR:7.4〜7.0ppm(m)4H 6.9〜6.4ppm(m)2H 4.6〜4.0ppm(m)8H MS分析:M+ 250 M−C6H6O2180 M−C8H12O4110 なお、反応開始1時間後の反応混合物組成をガスクロ
マトグラフィーで分析すると、次のような測定結果が得
られ、反応はモノ置換体からジ置換体へと順次進行して
いることが分る。
ClCH2CH2OCH2CH2O−C6H4−OCH2CH2OCH2CH2Cl 55% ClCH2CH2OCH2CH2O−C6H4−OCH2CH2OCH=CH2 (MS分析;M−C2H2260) 32% CH2=CHOCH2CH2O−C6H4−OCH2CH2OCH=CH2 13% 実施例2 実施例1において、水酸化カリウムの代りに同モル量
の水酸化ナトリウムが、またエチレングリコールの代り
に同量のジメチルスルホキシドを用いると、96%の収率
で1,4−ビス(ビニロキシエトキシ)ベンゼンが得られ
た。
の水酸化ナトリウムが、またエチレングリコールの代り
に同量のジメチルスルホキシドを用いると、96%の収率
で1,4−ビス(ビニロキシエトキシ)ベンゼンが得られ
た。
実施例3 実施例1において、水酸化カリウムの代りに同モル量
の水酸化ナトリウムを用いると、90%の収率で1,4−ビ
ス(ビニロキシエトキシ)ベンゼンが得られた。
の水酸化ナトリウムを用いると、90%の収率で1,4−ビ
ス(ビニロキシエトキシ)ベンゼンが得られた。
実施例4〜8 実施例3において、1,4−ビス(クロロエトキシエト
キシ)ベンゼンの代りに、一般式R(OCH2CH2OCH2CH2C
l)2で表わされるビス(クロロエトキシエトキシ)置
換ビスフェノールの同モル量が用いられ、次のような収
率で対応するビス(ビニロキシエトキシ)置換ビスフェ
ノールが得られた。これらの化合物の同定も、ビスフェ
ノール化合物とクロロエチルビニルエーテルとの反応生
成物と1H−NMRおよびMSを比較することにより行われ
た。
キシ)ベンゼンの代りに、一般式R(OCH2CH2OCH2CH2C
l)2で表わされるビス(クロロエトキシエトキシ)置
換ビスフェノールの同モル量が用いられ、次のような収
率で対応するビス(ビニロキシエトキシ)置換ビスフェ
ノールが得られた。これらの化合物の同定も、ビスフェ
ノール化合物とクロロエチルビニルエーテルとの反応生
成物と1H−NMRおよびMSを比較することにより行われ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 317/22 C07C 317/22 319/20 7419−4H 319/20 323/20 323/20
Claims (1)
- 【請求項1】一般式OHROH(ここで、Rは2価の芳香族
基である)で表わされるジヒドロキシ芳香族化合物を水
酸化ナトリウムの存在下にβ,β′−ジクロロエチルエ
ーテルと水溶媒中で縮合反応させ、得られた一般式R
(OCH2CH2OCH2CH2X)2(ここで、Xはハロゲン原子で
ある)で表わされるビス(ハロゲノエトキシエトキシ)
芳香族化合物を塩基性物質の存在下に反応させることを
特徴とするビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63131391A JP2587681B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63131391A JP2587681B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01301637A JPH01301637A (ja) | 1989-12-05 |
JP2587681B2 true JP2587681B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=15056867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63131391A Expired - Lifetime JP2587681B2 (ja) | 1988-05-31 | 1988-05-31 | ビス(ビニロキシエトキシ)芳香族化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2587681B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01272541A (ja) * | 1988-04-25 | 1989-10-31 | Ogawa Koryo Kk | 1,4−ビス(ビニロキシエトキシ)ベンゼンの製造方法 |
-
1988
- 1988-05-31 JP JP63131391A patent/JP2587681B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01301637A (ja) | 1989-12-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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