JP2586097B2 - 育苗資材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、長方形の浅い箱状の育苗箱内に収容し
て、床土や種子を入れた状態で育苗する育苗資材に関す
るものである。

〔従来の技術とその課題〕

この種の従来技術としては、特開昭60−54620号公報
に示すように、育苗資材の全周囲のポットを全て小さく
したものがあるが、全周囲のポットの外周には広い鍔状
の平面部がある為に、複数の育苗資材を接合して並べた
場合に、その接合部のポット間隔が広くなり、ポットの
ピッチが異なってしまう不具合があった。例えば、床土
充填時や播種時にはその接合部のピッチが広いために上
手く機械作業ができなかったり、該育苗資材にて育苗し
た苗を圃場に機械で植付けるのに苗を取り出す際にピッ
チが異なる為に上手く取り出せなくて苗の植付けができ
なくなるような課題があった。また、育苗資材の全周囲
のポットが全て小さいので、中央列のポットは一例のポ
ット中でその大きさが異なることになり、機械植えする
には不都合であって苗の植付けが適正にできないもので
あった。

〔課題を解決するための手段〕 この発明は、上記の従来例の課題を解消すべく、長方
形の浅い箱状の育苗箱９内に載置される育苗資材におい
て、該育苗資材を内部に床土と種子を収納して一株の苗
を育苗するポット１を配列して方形状に形成すると共
に、育苗箱９の短辺側の側壁に対応するポット１のみの
該短辺側の側壁に対して直交する方向の幅（イ）を、中
央部のポット１の同方向幅（ロ）に対して狭く形成した
ことを特徴とする育苗資材としたものである。

〔発明の作用効果〕

この発明は、育苗資材を内部に床土と種子を収納して
一株の苗を育苗するポット１を配列して方形状に形成す
ると共に、育苗箱９の短辺側の側壁に対応するポット１
のみの該短辺側の側壁に対して直交する方向の幅（イ）
を、中央部のポット１の同方向幅（ロ）に対して狭く形
成したので、複数の育苗資材を接合して並べた場合に
も、その接合部のポット間隔が他のポット間隔と同等と
なり、床土充填時や播種時及び機械での植付け時に適切
な作業が行なえ、また、育苗箱９の短辺側に沿った方向
の一列のポットの大きさは同じであるから苗の植付けが
適正に行なえて、従来の課題を解消することができる。

〔実施例〕

図例において、育苗資材５は、繊維、紙等の如き材質
からなり、育苗床の一部となるもので、ポット１を縦横
に列状に配設成形したものである。小区画のポット１
は、四角錐形状で、苗植機の植付装置によって分離挿植
するに適合する縦横方向の寸法と、深さを有し、このポ
ット１の開口部６の周縁部で相連接して平面視方形状の
マット状に成形している。又、開口部６と反対側のポッ
ト１の底部には穴７を形成している。育苗資材５の裏面
側の各ポット１間には、間隔部８を形成している。

又、この育苗資材５の各四側辺部２は、各ポット１の
外側壁面４をほぼ垂直状に形成する。

このような育苗資材５は、育苗箱９内に敷設するが、
この育苗箱９は育苗資材５の開口部６を受ける底面部10
と、周囲の側面部11とを形成し、該育苗資材５を嵌合す
るのに適合する広さと深さに形成する。

播種時は、コンベア上に床土を供給する土詰装置や、
播種する播種装置等を配設した播種コンベアを用いて播
種作業を行うもので、播種コンベア上にのせて移送する
皿板上面に、該育苗資材５を、この開口部６を上向きに
して載置する。この移送途中で土詰装置により薄層に床
土を供給し、更にこの床土の上側に播種装置による播種
を行わせる。播種後は、更に土詰装置によって床土を充
填する。各ポット１内に床土の充填及び播種を行わせた
のち、上面を均平、鎮圧して、育苗資材５の上側から育
苗箱９を下向きにして嵌合させる。この状態で、これら
育苗箱９と皿板との間に育苗資材５を挾持するようにし
て、反転し、育苗箱９が下側になるようにし、上側の皿
板を取外す。皿にこの上側から土詰装置によって覆土を
し、潅水を行う。この覆土によって、各ポット１の間隔
部８には目土が詰込まれる。

育苗時は、各ポット１の穴７から側へ発芽され、根毛
はポット１内はもとより、各ポット１壁面部を外周の間
隔部８へ伸長して、苗床部を一枚のマット状にしたマッ
ト苗を形成する。

育苗資材５を育苗箱９内に敷設するときは、外側辺部
２が育苗箱９の側面部11に接圧したり、又、複数の育苗
資材５を並べて育苗箱９内に敷設するときは、各育苗資
材５の外側辺部５相互間が接圧して、これらの間の隙間
を少くする。

又、このとき外側辺部２に沿って並ぶ各ポット１の外
側壁面４は、垂直状に形成されているため、育苗箱９の
側面部11に圧接し易く、又接圧しなくても間隙を少くす
ることができる。

第３図、第４図においては、外側辺部２に沿うポット
１の、この外側辺部２と直交方向の幅（イ）を狭く形成
するもので、底部の穴７はこの外側辺部２寄りに偏位し
た関係位置になる。この形態では外側辺部２に沿うポッ
ト１の外側壁部４は、他の側壁面12と同様に傾斜面に形
成しているが、上例のように垂直面に形成するもよい。

なお、各ポット１の底部に形成した穴７の中心におい
て、隣接するポット１間の間隔（ニ）は一定である。

このように外側辺部２に沿うポット１の幅（イ）を狭
くすることによって、このポット１部の育苗箱９側面部
11に対する関係位置を狭くして、育苗時の苗床部の外周
部を拡張を防止して、苗密度を全苗床面に対して均一化
できる。又、一対の育苗資材５を接合させて敷設する場
合も、これら接合部の苗間隔が大きくなり難い。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示すもので、第１図は要部の断
面側面図、第２図は使用状態を示す平面図、第３図は別
実施例を示す要部の断面側面図、第４図はその平面図で
ある。図中、符号１はポット、５は育苗資材、９は育苗
箱を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長方形の浅い箱状の育苗箱９内に載置され
   る育苗資材において、該育苗資材を内部に床土と種子を
   収納して一株の苗を育苗するポット１を配列して方形状
   に形成すると共に、育苗箱９の短辺側の側壁に対応する
   ポット１のみの該短辺側の側壁に対して直交する方向の
   幅（イ）を、中央部のポット１の同方向幅（ロ）に対し
   て狭く形成したことを特徴とする育苗資材。