JP2586059B2 - 自動２輪車のバッテリホルダ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は、車体にバッテリを保持させるための自動
２輪車のバッテリホルダ装置に関する。

（従来の技術） 自動２輪車では各種電装品の電源としてバッテリを具
備し、フレーム上の適宜なスペースにバッテリホルダを
用いて保持している。バッテリからは電装品への配線が
延び、配線途中にはコネクタが数多く介在されている。

従来は配線コネクタがバッテリから離れた場所に存在
し、特に整理された形で配置されることが少なかった。
例えば各配線コネクタを袋状のカバーで包み、車体後部
に収納する方法が多く見られる。したがって、メンテナ
ンス上の問題として、配線チェック時などでは、カバー
を外す手間を要し、それに伴って車体後部などの収納部
周りを整備する必要があった。

（発明が解決しようとする問題点） このように、従来のバッテリホルダは設置場所が不定
であり、配線上のコネクタが整理されていないまま、配
線チェックなどのメンテナンスが不便であるという問題
に鑑み、この発明は、配線コネクタ類をバッテリ付近に
整理して配置することによりメンテナンス上の有利性を
確保し、かつその配置のためのステーをバッテリホルダ
と兼用できるようにした自動２輪車のバッテリホルダ装
置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記目的をもって、この発明の自動２輪車のバッテリ
ホルダ装置は、主フレームの後上部に接続されて後方へ
延びる一対のシートレールの後端部を、その接続部の少
し下方の主フレームから後上方に延びる一対のサポート
パイプによって鋭角に支承し、シートレールにシートを
載置すると共に、合成樹脂製ボックス型であって、両側
上縁から両側方へ取着片が延び、後壁上半部がヒンジに
よって後方へ屈折し、その後端両側に両側方へ延びるフ
ック片が形成されたバッテリホルダを備え、このバッテ
リホルダを前記サポートパイプ支承部前方のシートレー
ル上面に取着片によって跨架ねじ止めしてバッテリを収
容し、かつ上記フックを支承部鋭角内に挟んで後壁上半
部をほぼ水平なステー盤として固定し、このステー盤上
に配線コネクタの保持用フックを配置した構成にしたも
のである。

（作用） このように構成したので、バッテリホルダは単なるホ
ルダでなく、直ぐ近くに配線コネクタを整然と配置する
ステーとして機能し、配線チェックなどのメンテナンス
が極めて容易になる。

ステー部分は、バッテリホルダの一部を折り曲げ、シ
ートレールとそのサポートパイプが形成する鋭角の隙間
を利用して固定したので、別部品を用いる必要がなく、
従来に用いた袋状のカバーや各種クランプ類を省略でき
ることと相俟ってトータルでコストダウンになる。

（実施例） 以下この発明の実施例を示す図に就いて説明する。

第１図において、前輪１を操舵可能に支持するヘッド
パイプ２から後方へ延びる左右一対のタンクレール３と
後下方へ垂れる一対のダウンチューブ４によって主フレ
ーム５が形成され、その中にエンジン６を懸架し、タン
クレール３上に燃料タンク７を載置し、主フレーム５後
下端に枢支されたスイングアーム８により、後輪９が懸
架される。

主フレーム５の後上部には後方へ延びるシートレール
10が接続され、その接続部より少し下方の主フレーム５
に接続されたサポートパイプ11がシートレール10後部を
鋭角に支承する。シートレール10にはシート12が載置さ
れ、シート下にバッテリホルダ13が配置される。

バッテリホルダ13は、第３図に示すように、合成樹脂
製のボックス型で、両側上縁から側方へ延びる取着片14
が延設されると共に後壁上半部13aが切離されてヒンジ
（図示せず）によって後方へ屈折可能になり、かつその
両側先端部には側方へ延びる固定用のフック片16が突設
されている。

このバッテリホルダ13を、前記シートレール10上面
の、サポートパイプ支承部の前方位置に、取着片14によ
って跨架し、ねじ17により固定し、バッテリ18を収納保
持する。このとき後壁上半部13aを後方へ倒し、フック
片16をシートレール10とサポートパイプ11の支承部で形
成された鋭角の隙間19に挟んで固定し、ほぼ水平なステ
ー盤20を構成する。

ステー盤20上には、配線コネクタの保持用フック21を
接着、溶着、鋲着などの手段で立設して備える。ストッ
プランプ22、フラッシャランプ23などに接続した配線24
をつなぐ配線コネクタ25をこの保持用フック21で保持す
る。

こうしてバッテリ18の直ぐ近くに配線コネクタ25を整
然と配置でき、配線チェックなどのメンテナンスがしや
すい。ステー盤20はバッテリホルダ13の一側壁を利用し
ているのでコスト的に有利である。

〔発明の効果〕

以上の通り、この発明に係る自動２輪車のバッテリホ
ルダ装置は、合成樹脂製ボックス型のバッテリホルダの
後壁上半部を後方へ屈折してステー盤とし、この上に配
線コネクタを整然と配置したもので、ステー盤の固定は
シートレールとサポートパイプの交叉部に形成された鋭
角の隙間を利用したのでコスト的に不利になることな
く、配線チェックなどのメンテナンスを容易にする効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す自動２輪車の側面図、
第２図は自動２輪車フレーム構成の平面図、第３図は上
記自動２輪車のバッテリホルダの斜視図である。 ５……主フレーム、10……シートレール、11……サポー
トパイプ、12……シート、13……バッテリホルダ、14…
…取着片、16……フック片、18……バッテリ、20……ス
テー盤、21……配線コネクタ保持用フック、25……配線
コネクタ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主フレームの後上部に接続されて後方へ延
   びる一対のシートレールの後端部を、その接続部の少し
   下方の主フレームから後上方に延びる一対のサポートパ
   イプによって鋭角に支承し、シートレールにシートを載
   置すると共に、合成樹脂製ボックス型であって、両側上
   縁から両側方へ取着片が延び、後壁上半部がヒンジによ
   って後方へ屈折し、その後端両側に両側方へ延びるフッ
   ク片が形成されたバッテリホルダを備え、このバッテリ
   ホルダを前記サポートパイプ支承部前方のシートレール
   上面に取着片によって跨架ねじ止めしてバッテリを収容
   し、かつ上記フックを支承部鋭角内に挟んで後壁上半部
   をほぼ水平なステー盤として固定し、このステー盤上に
   配線コネクタの保持用フックを配置したことを特徴とす
   る自動２輪車のバッテリホルダ装置。