JP2584709Y2 - 遊星歯車減速機構における軸受保持装置 - Google Patents

遊星歯車減速機構における軸受保持装置

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JP2584709Y2
JP2584709Y2 JP1990114128U JP11412890U JP2584709Y2 JP 2584709 Y2 JP2584709 Y2 JP 2584709Y2 JP 1990114128 U JP1990114128 U JP 1990114128U JP 11412890 U JP11412890 U JP 11412890U JP 2584709 Y2 JP2584709 Y2 JP 2584709Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は例えば装軌車両の走行駆動に使用される遊星
歯車減速機構の軸受保持装置に係り、詳しくは被回転駆
動体の支持軸受に予荷重を加えるための構造に関する。
〔従来の技術〕
第5図は油圧式掘削機の走行駆動装置に使用される従
来の二段遊星歯車減速機構の一例を示したものであっ
て、図において1はケーシング2に内蔵された油圧モー
タ、3は該油圧モータ1により減速回転される二段遊星
歯車機構、そして4は該減速機構3により履帯5を回転
駆勤して走行させるためのスプロケットであって、かか
る二段遊星歯車減速機構3を備えた走行駆動装置の組立
体は前記ケーシング2によってトラックフレーム6にボ
ルト7により装着されている。
上記二段遊星歯車減速機構3において、油圧モータ軸
8にはサンギヤ軸9がカップリング10によって連結され
ている。このサンギヤ軸9の軸端には第1段サンギヤ11
が設けられており、該サンギヤ11に噛合する第1段遊星
ギヤ12が第1段キャリヤ13によって支承されていると共
に、円筒状ハウジング14の内歯リングギヤ15と噛合して
いる。
そして前記キャリヤ13は第二段遊星歯車減速機構とし
ての前記サンギヤ軸9に回転自在に軸支された第2段サ
ンギヤ16とスプライン結合17されていると共に、該サン
ギヤ16には前記ケーシング2に軸受押え板18とのスプラ
イン結合19により保持された第2段キャリヤ20で支承さ
れた第2段遊星ギヤ21が噛合されている。
この第2段遊星ギヤ21は他方前記円筒状ハウジング14
の前記内歯リングギヤ15と噛合するようになっている。
これにより第2段キャリヤ20は前記軸受押え板18とのス
プライン結合19によって、該キャリヤ20が回転できない
ように保持されている。
上記二段遊星歯車減速機構3において、油圧モータ1
の回転駆動により、第1段サンギヤ11は回転し、これと
噛合する第1段遊星ギヤ12は内歯リング15と噛合しなが
ら前記第1段サンギヤ11の回りを公転して第1段減速
し、次いで該第1段遊星ギヤ12を支承する第1段キャリ
ヤ13は回転と共に、第2段サンギヤ16を回転させ、この
第2段サンギヤ16の回転によって、軸受け押え板18を介
してケーシング2に固定された第2段キャリヤ20に支承
された第2段遊星ギヤ21により、これと噛合する内歯リ
ングギヤ15を介して、被回転体であるハウジング14を第
二段減速のうえ回転させることになる。
上記ハウジング14の回転により、該ハウジング14にボ
ルト22で結合された支持部材23を一体回転させるように
なっている。第5図では支持部材23とスプロケット4と
をボルト25により取着しているが、支持部材23と、スプ
ロケット4とを一体に形成したものも既知である。
この支持部材23は内周部を軸受24により、前記ケーシ
ング2によって回転自在に支承されていると共に、外周
部には履帯5と噛合して走行駆動するスプロケット4を
ボルト25によって取着している。なお、26はフローティ
ングシール、27はハウジング14の最外端部に前記ボルト
22により取付けられたカバーである。
かように構成された二段遊星歯車減速機構3におい
て、外周部にスプロケット4を取付けた支持部材23を回
転自在に支承する軸受24に予荷重を付加する従来の軸受
保持装置としては、この第5図及び本図関係部分を拡大
した第6図に示すように、第2段キャリヤ20にスプライ
ン結合19された軸受押え板18をシム28を介して軸受24の
側方に当接したうえケーシング2に螺合されたボルト29
によって該押え板18を前記軸受24を押圧して予荷重を加
えるようになっていた。また、第7図に示す軸受保持装
置は第2段キャリヤ20′をケーシング2′にそれぞれス
プライン結合30,31したアイドルギヤ32で連結したう
え、該アイドルギヤ32を支持部材23′を回転自在に支承
する軸受24′の側方に当接すると共に、アイドルギヤ押
え部材33を前記ケーシング2′の側面にボルト34により
取付けられた構造となっており、これにより軸受24′を
押圧して予荷重を加えるようになっていた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記遊星歯車減速機構における軸受保
持装置では、キャリヤの保持と軸受に予荷重を与えるの
を1つを押え板が受け持っているので、キャリヤの回転
捩じりにより、軸受のスラスト方向の荷重を押える押え
板の取付けボルトの弛み、折損等が発生する。
本考案は上記従来の問題点に着目し、押え板の取付け
ボルトの弛み、折損等を防止するために、キャリヤの回
転捩じり負荷が加わらないように、キャリヤの保持はア
イドルギヤが受け持つ構造と、軸受に予荷重を加えるの
を押え板が受け持つ構造とを別体として、軸受の当初組
付け時の予荷重を維持できる遊星歯車減速機構における
軸受保持装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記目的を達成するために、 (1)本考案に係る遊星歯車減速機構における第1の軸
受保持装置は、油圧式掘削機の車体に取着され、かつ内
筒内に油圧モータを保持する円筒形のケーシングと、こ
のケーシングの長手方向の一端側に並設され、かつ油圧
モータの出力軸から連結されるサンギヤ、キャリヤおよ
びリングギヤからなる遊星歯車減速機構と、前記ケーシ
ングの円筒形の外径の外法に配置され、かつ遊星歯車減
速機構のリングギヤに固着されるスプロケットと、前記
ケーシングの外径と前記スプロケットの内径との間に挿
入設置され、前記スプロケットを回転自在に保持する軸
受とからなる遊星歯車減速機構における軸受保持装置に
おいて、 一端側でキャリヤ20の内径側のスプライン39と噛合
し、他端側でケーシング2″の内径側のスプライン40に
噛合するアイドルギヤ41をキャリヤ20″とケーシング
2″との間に設置すると共に、調整部材38を介して軸受
24″を前記ケーシング2″の一方の長手方向側に押圧す
る軸受押え板36をケーシング2″のアイドルギヤ41側に
端面に固設した構成としたものである。
(2)本考案に係る遊星歯車減速機構における第2の軸
受保持装置は、油圧式掘削機の車体に取着され、かつ内
筒内に油圧モータを保持する円筒形のケーシングと、こ
のケーシングの長手方向の一端側に並設され、かつ油圧
モータの出力軸から連結されるサンギヤ、キャリヤおよ
びリングギヤからなる遊星歯車減速機構と、前記ケーシ
ングの円筒形の外径の外方に配置され、かつ遊星歯車減
速機構のリングギヤに固着されるスプロケットと、前記
ケーシングの外径とスプロケットの内径との間に挿入設
置され、かつ前記スプロケットを回転自在に保持する軸
受とからなる遊星歯車減速機構における軸受保持装置に
おいて、 外径側でキャリヤ20の内径のスプライン43と噛合
し、内径側でケーシング2の外径のスプライン44に噛
合するアイドルギヤ45をキャリヤ20とケーシング2
との間に設置すると共に、前記軸受24の隣りに、調整
部材42、前記アイドルギヤ45、及び滑り部材48を順次並
設せしめ、特にアイドルギヤ45と滑り部材48とは、スプ
ライン44に沿ってケーシング2の長手方向に摺動可能
に構成し、かつケーシング2の一方の端面に、これら
部材を軸受24の方向に押圧する軸受押え板49を固設し
た構成としたものである。
(3)本考案に係る遊星歯車減速機構における第3の軸
受保持装置は、第2の軸受保持装置において、前記滑り
部材48は、ボールベアリングからなる構成としたもので
ある。
上記の構成によれば、遊星歯車減速機構のキャリヤの
回転捩じり負荷が加わらないように、キャリヤの保持は
アイドルギヤが受け持つ構造と、軸受に予荷重を加える
のを押え板が受け持つ構造とを別体としたので、押え板
は、キャリヤの捩じり負荷による曲げ応力等の影響を受
けることがなくなり、押え板の取付けボルトの弛みや折
損を防止することができる。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を添付図面により詳述する。
第1図は既述した第5図の遊星歯車減速機構のうちの本
考案に係る軸受保持装置部分を示したもので同一部品は
同一符号を付して説明を省略する。
第1図に示す、23″は外周部にスプロケット等の被回
転体を取付けた支持部材、2″は内部に回転駆動源であ
る油圧モータ等を内設したケーシング、24″は該ケーシ
ング2″に前記支持部材23″を回転自在に支承する軸
受、35はスペーサ、そして20″は最終段としての第2段
キャリヤであって、これら各部品の構成及び作動説明は
第5図の遊星歯車減速機構で既述したものと同じであ
る。
本考案の遊星歯車減速機構における軸受保持装置は、
前記軸受24″に予荷重を付加するための構造とするもの
である。
前記ケーシング2″の側面に軸受押え板36がボルト37
で固着されており、該押え板36の外周内側面が調整部材
38を介して一方の軸受24″を内方に予荷重を加えるよう
になっており、この予荷重はスペーサ35を介して他方の
軸受24″にも付加されるようになっている。
第1図に示すアイドルギヤ41の一端側は第2段キャリ
ア20″の内径側のスプライン39と噛合している。同ギヤ
41の他端側はケーシング2″の内径側のスプライン40と
噛合している。
前記軸受押え板36は一端面側でアイドルギヤ41を支持
するとともに、他端面側で調整部材38を介して軸受24″
を押圧して予荷重を与え、かつケーシング2″の端面に
ボルト37で取着されている。
なお、軸受24″の予荷重の調整は、前記調整部材38に
よって行われる。
従って、該キャリヤ2″の前後進による正逆転による
ねじり回転は、両方のスプライン結合39、40されたアイ
ドルギヤ41によってケーシング2″に出力されると共
に、該アイドルギヤ41によって保持される。
この軸受24″に対して予荷重を加える押え板36によ
り、予荷重付加のみを受け持つ構造と、アイドルギヤ41
はキャリヤ20″をケーシング2″に保持するのみを受け
持つ構造とを別体としてある。
このように、押え板36とアイドルギヤ41は、それぞれ
独立した構造としたので、押え板36は、キャリヤ2″の
捩じり負荷による曲げ応力等の影響を受けることがなく
なり、押え板36の取付けボルトの弛みや折損を防止でき
る。
第2図は本考案の他の実施例を示したものであり、軸
受24の側方にあって調整部材42を介して第2段キャリ
ヤ20とケーシング2の外周面部をそれぞれスプライ
ン結合43,44で連結するアイドルギヤ45を設けたうえ、
該アイドルギヤ45の外側面部に全周複数個のボール46を
保持器47に配列した円盤状の滑り部材48を介在させたう
え、更にその外側面部に軸受押え板49をケーシング2
の側面部にボルト50により固着されたものから構成され
ている。
従って軸受24に対す予荷重は調整部材42で調整のう
えアイドルギヤ45、滑り部材48を介して押え板49で付加
されるようになっていると共に、キャリヤ20の回転ね
じりはスプライン結合43、44されたアイドルギヤ45を介
してケーシング2に保持されることになる。
上記キャリヤ20がアイドルギヤ45によりケーシング
2に保持されるに際して、該キャリヤ20の回転ねじ
りによる軸受押え板49への共回りによる曲げ応力は、こ
の間に介装した滑り部材48のボール46が滑り現象を起こ
して吸収し、押え板49に作用しないので取付ボルト50が
破損し、或いはゆるむという不具合が防止され、当初の
予荷重を維持することになる。
なお第4図に示すように、滑り部材48′のボール46′
を楕円球状にすると共に、該ボール46′の当接するアイ
ドルギヤ45′及び押え板49′の両側部にそれぞれボール
径より大きい径の溝部51,52を穿設することにより面圧
を下げることによりボール数を減らすようにしてもよ
い。
〔考案の効果〕
本願考案の遊星歯車減速機構における軸受保持装置に
よれば、キャリヤを保持するのはアイドルギヤが受け持
つ構造とし、また軸受に予荷重を加えるのは押え板が受
け持つ構造にすることによって、ケーシングの端面に押
え板を取り付けるためのボルトには弛みや、折損が生じ
ないようになる。
即ち、キャリヤの回転ねじりは、アイドルギヤを介し
てケーシングに伝えられ、軸受に予荷重を加えるために
ケーシングの端面に取着されている押え板を固定するボ
ルトには、キャリヤの回転ねじりが伝わらないようにな
っている。
従って、ボルトが弛んだり、ボルトが折損するような
ことは起こらないので、押え板は長期にわたって当初の
予荷重を維持できるので、遊星歯車減速機構の耐久性が
大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す要部断面図、第2図は
他の実施例を示す要部断面図、第3図は第2図に示す滑
り部材の平面図、第4図は更に他の実施例を示す要部断
面図、第5図は従来の二段遊星歯車減速装置の一例を示
す全断面図、第6図及び第7図は従来の軸受保持装置を
示す部分断面図である。 1……油モータ、2,2′,2″,2……ケーシング、3…
…二段遊星歯車機構、4……スプロケット、5……履
帯、6……トラックフレーム、8……モータ軸、9……
サンギヤ軸、11……第1段サンギヤ、12……第2段遊星
ギヤ、13……第1段キャリヤ、14……円筒状ハウジン
グ、15……内歯リングギヤ、16……第2段サンギヤ、1
8,33,36,49,49′……軸受押え板、19,30,31,40,43,44…
…スプライン結合、20,20′,20″,20……第2段キャ
リヤ、21……第2段遊星ギヤ、23,23′,23″……支持部
材、24,24′,24″,24……軸受、29,34,37,50……押え
板取付ボルト、32,41,45,45′、……アイドルギヤ、35
……スペーサ、38,42……調整部材、46,46′……ボー
ル、47……保持器、48,48′……滑り部材、51,52……溝
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/28 F16H 1/46 - 1/48 F16C 35/063

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧式掘削機の車体に取着され、かつ内筒
    内に油圧モータを保持する円筒形のケーシングと、この
    ケーシングの長手方向の一端側に並設され、かつ油圧モ
    ータの出力軸から連結されるサンギヤ、キャリヤおよび
    リングギヤからなる遊星歯車減速機構と、前記ケーシン
    グの円筒形の外径の外方に配置され、かつ遊星歯車減速
    機構のリングギヤに固着されるスプロケットと、前記ケ
    ーシングの外径と前記スプロケットの内径との間に挿入
    設置され、前記スプロケットを回転自在に保持する軸受
    とからなる遊星歯車減速機構における軸受保持装置にお
    いて、 一端側でキャリヤ(20″)の内径側のスプライン(39)
    と噛合し、他端側でケーシング(2″)の内径側のスプ
    ライン(40)に噛合するアイドルギヤ(41)をキャリヤ
    (20″)とケーシング(2″)との間に設置すると共
    に、調整部材(38)を介して軸受(24″)を前記ケーシ
    ング(2″)の一方の長手方向側に押圧する軸受押え板
    (36)をケーシング(2″)のアイドルギヤ(41)側に
    端面に固設したことを特徴とする遊星歯車減速機構にお
    ける軸受保持装置。
  2. 【請求項2】油圧式掘削機の車体に取着され、かつ内筒
    内に油圧モータを保持する円筒形のケーシングと、この
    ケーシングの長手方向の一端側に並設され、かつ油圧モ
    ータの出力軸から連結されるサンギヤ、キャリヤおよび
    リングギヤからなる遊星歯車減速機構と、前記ケーシン
    グの円筒形の外径の外方に配置され、かつ遊星歯車減速
    機構のリングギヤに固着されるスプロケットと、前記ケ
    ーシングの外径とスプロケットの内径との間に挿入設置
    され、かつ前記スプロケットを回転自在に保持する軸受
    とからなる遊星歯車減速機構における軸受保持装置にお
    いて、 外径側でキャリヤ(20)の内径のスプライン(43)と
    噛合し、内径側でケーシング(2)の外径のスプライ
    ン(44)に噛合するアイドルギヤ(45)をキャリヤ(20
    )とケーシング(2)との間に設置すると共に、前
    記軸受(24)の隣りに、調整部材(42)、前記アイド
    ルギヤ(45)、及び滑り部材(48)を順次並設せしめ、
    特にアイドルギヤ(45)と滑り部材(48)とは、スプラ
    イン(44)に沿ってケーシング(2)の長手方向に摺
    動可能に構成し、かつケーシング(2)の一方の端面
    に、これら部材を軸受(24)の方向に押圧する軸受押
    え板(49)を固設したことを特徴とする遊星歯車減速機
    構における軸受保持装置。
  3. 【請求項3】前記滑り部材(48)は、ボールベアリング
    からなることを特徴とする請求項(2)記載の遊星歯車
    減速機構における軸受保持装置。
JP1990114128U 1990-10-31 1990-10-31 遊星歯車減速機構における軸受保持装置 Expired - Lifetime JP2584709Y2 (ja)

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