JP2584640Y2 - 収納幅を簡便に調整できる収納箱 - Google Patents

収納幅を簡便に調整できる収納箱

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JP2584640Y2
JP2584640Y2 JP1496293U JP1496293U JP2584640Y2 JP 2584640 Y2 JP2584640 Y2 JP 2584640Y2 JP 1496293 U JP1496293 U JP 1496293U JP 1496293 U JP1496293 U JP 1496293U JP 2584640 Y2 JP2584640 Y2 JP 2584640Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、プリント配線基板等の
薄い板状の物品を組立、加工する際に、該物品を一時的
に保管する為に使用する、収納幅を簡便に調整できる収
納箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の収納箱においては、収納
幅を調整する機構を持つものが各種、市場に出ている
が、いずれも収納幅を決める移動側板に対し、直接、人
為的な力を加えることにより移動側板を移動し収納幅を
調整するという方法のものが一般的である。また、それ
らは、調整後の収納幅がその後の使用中にずれないよう
移動側板を固定しなければならない。そのため、特別に
装着された固定機構及びネジ締め機構等を使用する方法
を採っている。
【0003】
【本考案が解決しようとする課題】従来公知のこの種の
収納箱は、移動側板に対する直接の人為的作業によって
収納幅の調整を行うため、時間的余裕のないような場合
でも、大きな幅の調整は比較的簡単に目的の位置に近い
位置まで行うことができるが、最終的な微調整をするた
めの移動が非常に難しく、収納幅の調整作業全体として
は相当の時間を要することになる。また、上下四箇所の
調整を行わなければならないことから、一人が収納箱を
押え、いま一人が幅調整をする必要があるため、省力化
のための機構が反対に作業を行う者に対し時間的、精神
的、肉体的に負担をかけるという問題点を有している。
【0004】本考案は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、誰にで
も簡単、正確、さらに迅速に収納幅の調整ができ、しか
も調整後の収納幅を保持するための特別な作業を行う必
要のない収納箱を提供することによって、上記調整及び
固定に係わる作業の合理化を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の考案は、移動
側板を移動させることにより収納幅を調整する収納箱で
あって、上記収納箱の一側面に取り付けられ、手動式回
転ハンドルまたは電動式駆動機構から回転運動力が加え
られる中央駆動部分と、上記収納箱の一側面の四隅に
れぞれ取り付けられたベルト用プーリーまたはチェーン
用スプラケットと、上記中央駆動部分に加えられた回転
運動を、上記各ベルト用プーリーまたはチェーン用スプ
ラケットへ同方向,同速度の回転運動として伝達する運
動伝達機構と、上記移動側板の移動方向に沿って延び、
その一端に設けられた上記各ベルト用プーリーまたはチ
ェーン用スプラケットと共に回転する回転軸と、上記移
動側板の移動範囲に対応して上記回転軸の軸方向中央部
に設けられたネジ部と、上記移動側板の四隅にそれぞれ
取り付けられ、上記回転軸のネジ部に噛合することによ
って、上記回転軸の回転に連動して上記移動側板を伴っ
て回転軸の軸方向に移動する移動ユニットと、上記回転
軸が上記移動ユニットと噛合することなく空回りするよ
うに、上記回転軸のネジ部の軸方向両側部に設けられた
遊び部と、上記遊び部に位置する移動ユニットが上記ネ
ジ部に容易に噛合するように、上記移動ユニットを上記
ネジ部側へ付勢する付勢手段と、を有することを特徴と
している。
【0006】すなわち、手動式回転ハンドルまたは電動
式駆動機構から収納箱の一側面の中央駆動部分に対して
加えられる回転運動は、上記中央駆動部分と、上記一側
面の四隅にそれぞれ取付けられたベルト用プーリーまた
はチェーン用スプラケットとを連結する継ぎ目のないタ
イミングベルト、ナイロンベルト、ラダーチェーン、ロ
ーラーチェーン、Vベルト等の運動伝達機構により、
記各ベルト用プーリーまたはチェーン用スプラケットに
対し同方向,同速度の回転運動として伝達される。
【0007】また、ベルト用プーリーまたはチェーン
用スプラケットは回転軸の一端にそれぞれ連結されてお
り、回転軸はベルト用プーリーまたはチェーン用スプ
ラケットに連動して回転する。回転軸の回転運動は
ガイドレール等を介して回転軸の軸方向に沿う水平運動
に変換されて、移動側板の四隅に取り付けられた移動ユ
ニットに伝達される。
【0008】一例として、各移動ユニットのガイドレー
ルと接する二側面には凹溝が加工されており、この凹溝
ガイドレールの凸部に嵌合している。また、上記移動
ユニットの上面には突起が形成され、この突起が移動側
板を支える主柱内に挿入されている(主柱に固定するこ
とも可能である)。
【0009】このような機構及び構成により、上記中央
駆動部分に与えられた回転動力で収納幅を簡便に調整す
ることが可能となる。
【0010】
【実施例】次に、本考案の一実施例に係る収納箱を添付
図面を参照して説明する。
【0011】図1図7に示すように、収納箱の一側面
をなす固定側板3の中央部分に取付けられた中央駆動部
分としてのラダーチェーン用大型スプラケット26に手
動式回転ハンドルまたは電動式駆動機構を用いて回転運
動を加えると、この回転運動は運動伝達機構としてのラ
ダーチェーン27を経て固定側板3の四隅にそれぞれ取
り付けられた四個のラダーチェーン用小型スプラケット
18,19,20,21に同方向,同速度の回転を与え
る。このときラダーチェーン用小型スプラケット22,
23,24,25は、テンションローラーおよびガイド
ローラーとしての働きをする。なお、図1中の符号1は
収納箱の上部板、2は下部板、5は支柱である。
【0012】また、図3〜6及び図8に示すように、上
記ラダーチェーン用小型スプラケット18,19,2
0,21が一端に設けられた各回転軸14,15,1
6,17は、収納箱の収納幅を調整する移動側板4の移
動方向に沿って延びており、その軸方向中央部分の周面
にネジ山が切られたネジ部50が形成されている。ま
た、各回転軸14,15,16,17のネジ部50より
軸方向外側の部分で、コイルスプリング34,35,3
6,37又はフラットスプリング30,31,32,3
3が緩挿する部分は、上記ネジ部50よりもネジ山分だ
け小さい周径に加工された遊び部52となっている。さ
らに、遊び部52よりも軸方向外側の部分で、ストッパ
ー38,39,40,41又は42,43,44,45
を貫通又は貫挿する各端部54は、上記の遊び部52
りも更に小さい周径に加工されている。
【0013】一方、固定側板3の四隅に取り付けられた
移動ユニット10,11,12,13には、上記ネジ
50の周径とほぼ同径の透孔56が設けられ、該透孔
の表面には、上記ネジ部50のネジ山と同ピッチのネ
ジ山が切られている。また、移動ユニット10,11,
12,13は、図3にも示すように、その透孔56内
転軸14,15,16,17が噛合,挿通されている
とともに、その両側面に設けられた凹溝58がガイドレ
ール6,7,8,9の凸部60に嵌合しており、ガイド
レール6,7,8,9の方向に沿って移動可能に支持
されている。さらに、移動ユニット10,11,12,
13の上部には突起62が形成されており、該突起62
は、図3,図4に示すように主柱28,29の穿孔に嵌
着し、主柱28,29の一面は移動側板4に固着してあ
る。
【0014】一方、図5図6に示すように、回転軸1
4,15,16,17の両端部54は、ストッパー4
2,43,44,45又はストッパー38,39,4
0,41に形成された透孔に各々挿通又は貫通し、該貫
通部分のさらに端部にはラダーチェーン用小型スプラケ
ット18,19,20,21が固着してる。
【0015】以上の如き構成により、上述のラダーチェ
ーン用小型スプラケット18,19,20,21に与え
られた回転運動によって、回転軸14,15,16,1
のネジ部50に噛合する移動ユニット10,11,1
2,13ガイドレール6,7,8,9に沿って同速
度、同方向に水平移動し、これに伴って移動側板4
動して、収納幅を簡便に調整することが可能となる。
【0016】また、上述のように回転軸14,15,1
6,17と移動ユニット10,11,12,13とが互
いに噛合していることから、移動側板4は、ラダーチェ
ーン用大型スプラケット26の回転運動を中止すると同
時に停止固定状態となる。
【0017】尚、図5,6,8に示すように、回転軸1
4,15,16,17の遊び部52には、各々コイルス
プリング34,35,36,37及びフラットスプリン
グ30,31,32,33緩挿しているが、このよう
な構成とすることによって、収納幅の調整時において、
以下の如き作用を得ることができる。
【0018】図5において、例えば移動ユニット10,
11,12,13をストッパー38,39,40,41
の方向(図5の左方)に移動し続けると、移動ユニット
10,11,12,13の移動方向側(図5の左側)
端面はネジ部50の最終ネジ山上に達し、それ以降、ネ
ジ部50との噛合部分は徐々に小さくなっていく。
【0019】また、これと同時にコイルスプリング3
4,35,36,37の両端がストッパー38,39,
40,41の端面及び移動ユニット10,11,12,
13の側面にそれぞれ接する状態となり、それ以降、コ
イルスプリング34,35,36,37が徐々に縮めら
れていく。その後も上記移動を継続すると、移動ユニッ
ト10,11,12,13のストッパー42,43,4
4,45側の端面が上記ネジ部50の最終ネジ山上を通
過した時点で移動ユニット10,11,12,13と回
転軸14,15,16,17との噛合関係は完全に解消
され、回転軸14,15,16,17は遊び部52の周
りを空周りし始める。
【0020】上記空回り開始後に回転軸14,15,1
6,17の回転を停止すると、移動ユニット10,1
1,12,13のストッパー42,43,44,45側
の端面は、コイルスプリング34,35,36,37の
伸張方向のバネ力によって中央部側(ネジ部50側)
と付勢され、上記最終ネジ山に接した状態で保持され
る。このため、その後回転軸14,15,16,17を
上記方向とは反対方向に回転させると、移動ユニット1
0,11,12,13のネジ山と回転軸14,15,1
6,17のネジ山とは、スムーズに噛合を開始すること
かできる。
【0021】また、収納箱を組立てる際等において
つの移動ユニット10,11,12,13を全てネジ部
50から外れた遊び部52の外周に配置することによっ
て、移動ユニット10,11,12,13の水平位置が
同一となり、ひいては移動側板4の四隅の水平位置が同
一となる。このように、移動側板4の四隅の調整を極め
て容易かつ正確に行うことができる。
【0022】なお、移動ユニット10,11,12,1
3がフラットスプリング30,31,32,33側に達
した場合にも、同様の作用を得られることは明白であ
る。
【0023】一方、ストッパー42,43,44,45
側にフラットスプリング30,31,32,33を使用
しているのは、移動ユニット10,11,12,13の
移動範囲に対応する回転軸14,15,16,17の
ジ部50の長さをできるだけ大きくすることによって、
調整可能収納幅を大きく設定するためである。
【0024】以上、一つの実施例について図面を参照し
て説明したが、本考案は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、請求項に記載の範囲内においてそれらに各種
の改変を施して実施することができるものである。
【0025】例えば、運動伝達機構として、ラダーチェ
ーンに代り、タイミングベルト,ナイロンベルト,ロー
ラーチェーン,Vベルト等を使用することも可能であ
る。
【0026】
【考案の効果】本考案は、上記の如く構成されているの
で、以下に記載される如き効果を奏する。
【0027】第一に、収納箱の収納幅を調整するに際
し、回転式ハンドルまたは電動式駆動機構を用いて、中
央駆動部分に無理の無い回転速度で回転運動を加えるこ
とにより、移動側板を移動して収納幅を簡便に調整する
ことができる。これにより、移動側板の移動状況の把握
も可能となる。
【0028】第二に、中央駆動部分に加えられた回転運
動が各ベルト用プーリー又はチェーン用スプラケットへ
同方向,同速度の回転運動として伝達されるようになっ
ているため、回転運動の大小と移動側板の移動速度の関
係が常に一定となり、その作業性が向上する。例えば、
比較的大きな幅調整を行う際には、中央駆動部分を高速
に回転させることにより移動側板を高速で移動すること
ができる。一方、小さな幅調整を行う際には、中央駆動
部分を低速に回転させることにより移動側板を低速で移
動することができる。
【0029】第三に、回転軸のネジ部と移動ユニットと
が互いに噛合しているため、回転運動の停止により移動
側板を停止位置に保持することができ、収納幅調整作業
後に収納幅を固定すべく特別な作業が不要であることか
ら、同作業を簡単、正確、迅速に行うことが可能とな
り、同作業を行う者の精神的、肉体的な負担を軽減する
ことができる。
【0030】第四に、例えば中央駆動部分を電気的に制
御することにより、自動的に収納幅の調整作業を行うこ
とも可能となる(例えば、実願平4−10040号参
)。
【0031】第五に、回転軸のネジ部の軸方向両側部に
遊び部分を設けるているためネジ部が形成された移動
範囲以上に移動側板が移動することを効果的に防止でき
る。
【0032】第六に、遊び部に位置する移動ユニットが
付勢手段によってネジ部側へ付勢される構成となってい
るため、特別な作業を行うことなく遊び部にある移動ユ
ニットを容易にネジ部に噛合させて移動範囲内に復帰さ
せることができるとともに、各移動ユニットを全て遊び
部の外周に配置することによって、移動側板の四隅が水
平方向で同一位置となり、ひいては収納箱の組立てを容
易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る収納箱の斜視図。
【図2】本実施例のガイドレールを単体で示す斜視図。
【図3】本実施例の要部断面図。
【図4】本実施例の収納箱の側面図。
【図5】上記ガイドレールとその関連部分との斜視図。
【図6】上記ガイドレールの配置を示す概略図。
【図7】本実施例の固定側板上の主要部を示す平面図。
【図8】本実施例の移動ユニットと回転軸の側面図。
【符号の説明】
1…上部板 2…下部板 3…固定側板 4…移動側板 5…支柱 6,7,8,9…ガイドレール 10,11,12,13…移動ユニット 14,15,16,17…回転軸 18,19,20,21,22,23,24,25…ラ
ダーチェーン用小型スプラケット 26…ラダーチェーン用大型スプラケット 27…ラダーチェーン 28,29…主柱 30,31,32,33…フラットスプリング 34,35,36,37…コイルスプリング 38,39,40,41,42,43,44,45…ス
トッパー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動側板を移動させることにより収納幅
    を調整する収納箱であって、上記収納箱の一側面に取り
    付けられ、手動式回転ハンドルまたは電動式駆動機構か
    ら回転運動が加えられる中央駆動部分と、上記収納箱の
    一側面の四隅にそれぞれ取り付けられたベルト用プーリ
    ーまたはチェーン用スプラケットと、上記中央駆動部分
    に加えられた回転運動を、上記各ベルト用プーリーまた
    はチェーン用スプラケットへ同方向,同速度の回転運動
    として伝達する運動伝達機構と、上記移動側板の移動方
    向に沿って延び、その一端に設けられた上記各ベルト用
    プーリーまたはチェーン用スプラケットと共に回転する
    回転軸と、上記移動側板の移動範囲に対応して上記回転
    軸の軸方向中央部に設けられたネジ部と、 上記移動側板
    の四隅にそれぞれ取り付けられ、上記回転軸のネジ部に
    噛合することによって、上記回転軸の回転に連動して上
    記移動側板を伴って回転軸の軸方向に移動する移動ユニ
    ットと、 上記回転軸が上記移動ユニットと噛合すること
    なく空周りするように、上記回転軸のネジ部の軸方向両
    側部に設けられた遊び部と、 上記遊び部に位置する移動
    ユニットが上記ネジ部に容易に噛合するように、上記移
    動ユニットを上記ネジ部側へ付勢する付勢手段と、を有
    することを特徴とする収納幅を簡便に調整できる収納
    箱。
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