JP2580864Y2 - 旋盤の心押工具ホルダ - Google Patents

旋盤の心押工具ホルダ

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JP2580864Y2
JP2580864Y2 JP2022593U JP2022593U JP2580864Y2 JP 2580864 Y2 JP2580864 Y2 JP 2580864Y2 JP 2022593 U JP2022593 U JP 2022593U JP 2022593 U JP2022593 U JP 2022593U JP 2580864 Y2 JP2580864 Y2 JP 2580864Y2
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信之 高木
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Okuma Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は旋盤の心押センタと回転
工具の両方を一個のホルダに装着できる工具ホルダに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Z軸方向に移動可能な対向主軸台
を有する旋盤で比較的長い軸物ワークを加工する場合、
心押台がないのをカバーするための心押ホルダを有する
対向主軸旋盤が開発されている。このものは図6に示す
ように、主軸軸線を共有して対向する第1主軸台101
と第2主軸台102のうち、少なくとも一方の主軸台が
Z軸移動位置決め可能で、主軸軸線の一方の側にX・Z
軸方向に移動位置決め可能な第1刃物台103と、他方
の側に少なくともX軸方向に移動位置決め可能な第2刃
物台104とを有する対向主軸旋盤に、第1主軸台と第
2主軸台の一方又は両方に対向する心押ホルダ105を
第1刃物台又は第2刃物台に着脱可能に設けたものであ
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来の技術で述べた心
押ホルダを有する対向主軸旋盤は、比較的長いワークを
加工する際に心押センタを用いる加工工程が必要で、そ
の上端面にタップ加工又は側面にキー溝加工等の複合加
工が必要なとき、工具本数が不足することを解消するこ
とにはならないという問題を有していた。本考案は従来
の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、工具取付本数の不足を
解消することのできる旋盤の心押工具ホルダを提供しよ
うとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案における旋盤の心押工具ホルダは、旋盤のタレ
ットに回転工具軸を主軸軸線と平行にして着脱可能に装
着される回転形の工具ホルダであって、前記回転工具軸
の両端に心押センタと回転工具をそれぞれ着脱可能に装
着できるようにしたものである。また回転工具軸のZ軸
方向の向きを180°変えてタレットに装着可能とする
こともできる。
【0005】
【作用】例えば対向主軸を有する旋盤において、一方の
主軸チャックにワーク後端部を把持し、先端のセンタ穴
に心押工具ホルダの心押センタを当接して、一次加工の
外径切削を行い、一次加工終了後、他方の主軸チャック
で主軸中心穴内に先端部を挿入したワークを把持し、心
押工具ホルダの回転工具によりワーク後端面偏心部の穴
明け加工等の二次加工を行って、一次二次の連続加工を
する。
【0006】
【実施例】実施例について図面に基づいて説明する。図
2の対向主軸旋盤において、ベッド1の上面に主軸台用
Z軸案内1aと刃物台用Z軸案内1bがそれぞれ設けら
れている。このZ軸案内1a上に第1主軸台2及び第2
主軸台3が対向してそれぞれ移動可能に載置されてお
り、第1主軸台2はサーボモータ4により、また第2主
軸台3はサーボモータ5によりそれぞれ図示しないボー
ルねじを介して移動位置決めされる。第1主軸台2には
第1主軸が回転可能に支持されており、第1主軸は第1
主軸台2に内蔵の図示しないビルトインモータにより回
転され、先端に第1チャック6が嵌着されている。第2
主軸台3には第1主軸と同心かつ対向して第2主軸が回
転可能に支持されており、第2主軸は第2主軸台3に内
蔵の図示しないビルトインモータにより回転され、先端
に第2チャックが嵌着されている。そしてこの第1主軸
台2と第2主軸台3のZ軸移動は、ベッド中央部におい
て互いに重なるようにZ軸移動領域が設定されている。
【0007】更にベッド1のZ軸案内1b上に往復台8
が移動可能に載置され、往復台8はサーボモータ9によ
り移動位置決めされる。往復台8上面にはX軸方向の案
内8aが設けられており、このX軸案内8a上に第1刃
物台11が移動可能に載置されている。第1刃物台11
にはZ軸方向の旋回軸のまわりで旋回割出し可能に第1
タレット12が設けられ、第1タレット12の外周に複
数の回転工具及び固定工具用の工具取付ステーションが
設けられており、この回転工具用取付ステーションの一
つに本考案の心押工具ホルダ10が着脱可能に装着され
ている。更にベッド1後端面の両主軸台2,3のZ軸移
動領域の重なる位置に、上面にX軸案内13aを有する
取付台13が固着されており、このX軸案内13a上に
第2刃物台14が移動可能に載置され、第2刃物台14
は取付台13に固着のサーボモータ17により移動位置
決めされる。第2刃物台14には第2タレット15がZ
軸方向の旋回軸のまわりで旋回割出し可能に設けられ、
第2タレット15の外周に複数の回転工具用及び固定工
具用の工具取付ステーションが設けられている。第1刃
物台11及び第2刃物台14は図示しない回転工具駆動
装置を内蔵しており、この装置の軸端にクラッチを有す
る最終駆動軸は、第1タレット12及び第2タレット1
5の回転工具取付用工具取付ステーションの工具取付穴
12a,15aの奥にクラッチを外周側向きにして放射
状かつ回転可能に支持されている。
【0008】心押工具ホルダ10の枠体は、回転工具軸
用軸受ハウジング部20Aとこれと直角のタレットへの
取付部20Bにより構成されており、軸受ハウジング部
20Aに複数の軸受により回転工具軸21が回転可能に
支持されている。回転工具軸21の貫通中心穴は両端部
がテーパ穴21a及び21bにそれぞれ形成されてお
り、テーパ穴21aに公知のコレットブッシュ22を介
して回転工具Tが着脱可能に装着され、テーパ穴21b
にデッド形の心押センタ26が着脱可能に装着されてい
る。更に回転工具軸21には傘歯車25が嵌着されてお
り、この傘歯車25に噛合する傘歯車24を一体に有す
る駆動軸27がタレットへの取付部20Bに回転可能に
支持されており、駆動軸27の後端に前述のクラッチと
着脱自在に係合するクラッチ23が嵌着されている。そ
して刃物台内蔵の回転工具駆動装置のサーボモータは回
転工具軸21の正転,逆転及び第1主軸又は第2主軸と
の同期回転可能かつセンタ使用時に回転工具軸21に静
止トルクを与える能力を有している。
【0009】第1タレット12及び第2タレット15の
工具取付穴12a及び15aには、図4に示すように軸
方向中央部のタレット旋回面上の両側に、図示しない駆
動機構によりかけ外し自在のクランプ駒28A,28B
を有し、このクランプ駒はそれぞれ別個にかけ外し可能
とされている。これにより心押工具ホルダ10は180
°反転して取付けることができるようになっており、例
えば心押工具ホルダ10をセレーション20aを上向き
にしてクランプ駒28Aによりクランプした場合には、
心押センタ26が第1主軸台2側を向く。また同一心押
工具ホルダ10のセレーション20aを下向きにしてク
ランプ駒28Bによりクランプした場合には心押センタ
26が第2主軸台3側向きとなる。尚、心押工具ホルダ
10を180°反転装着する手段は、必ずしもクランプ
駒を二個設ける必要はなく、心押工具ホルダ側の180
°位相を異にする二個所にセレーションを設けて、クラ
ンプ駒を一個にしてもよい。また心押センタ26はデッ
ド形に限定されるものではなく、図3に示すような回転
センタ29に置き換えることができる。
【0010】続いて本実施例の作用について図5の動作
説明図の順に説明する。 図5(a)において、第1主軸2の主軸穴に遊挿される
ワークWの先端部を第1チャック6で把持して、第1主
軸台2のZ軸移動と、第2刃物台14のX軸移動でワー
クW端面の面削り,センタ穴明け、及び必要に応じて端
面偏心部の穴明け加工を行う。 図5(b)において、第1主軸台2と第2主軸台3がZ
軸移動して互いに接近し、開かれている第2チャック7
でワーク先端部を把持し、第1チャック6の把持爪を開
いたのち、第1主軸台2がZ軸方向左側に移動して、ワ
ークWが必要長さだけ第1チャック6より引き出され
る。次いでワークWの左側部が第1チャック6にて把持
され、第2チャック7の把持爪が開かれる。
【0011】図5(c)において、第2主軸台3がZ軸
方向に移動退避し、同時に第1タレット12が旋回され
て心押工具ホルダ10が切削位置に割出され、第1刃物
台11がX軸及びZ軸方向に移動して、心押センタ26
でワークW右端のセンタ穴を支持する。 図5(d)において、第1チャック6に把持され先端を
センタ26にて支持されたワークWが、第1主軸台2と
第1刃物台11のZ軸同期移動による切削送りで、第2
タレット15装着のバイトにより外径切削が行われる。
そして外径切削が完了すると、第1刃物台12及び第2
刃物台14がX軸方向にそれぞれ後退する。 図5(e)において、第2主軸台3がZ軸方向第1主軸
台2側に移動して、開かれた第2チャック7の中心穴及
び第2主軸台3の第2主軸の中心穴内にワークWの右端
部を挿入し、ワークWの左端寄り位置を第2チャック7
で把持する。
【0012】図5(f)において、第1チャック6の把
持爪が開き、第2主軸台3のZ軸方向右側への移動でワ
ークWが第1チャック6から離れる。 図5(g)において、第2チャック7に把持されたワー
クWに対して第1刃物台11のX・Z軸移動で、端面の
面削り,センタ穴明け、及び必要に応じて端面偏心部の
穴明け加工を行い、同時に第1主軸2の第1主軸穴に遊
挿される次のワークW´の先端部を第1チャック6で把
持して、第1主軸台2のZ軸移動と、第2刃物台14の
X軸移動でワークW端面の面削り,センタ穴明け、及び
必要に応じて端面偏心部の穴明け加工を行う。以上は対
向主軸旋盤における心押工具ホルダの例について説明し
たが、本考案の心押工具ホルダは必ずしも対向主軸旋盤
に限定されるものではなく、通常の複合NC旋盤にも適
応可能なのは勿論である。
【0013】
【考案の効果】本考案は上述のとおり構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。旋盤のタレットに心押
センタと回転工具の両方を一個の工具ホルダに装着した
心押工具ホルダを着脱可能に設けたので、比較的長いワ
ークの先端をセンタ支持して加工することが可能とな
り、センタ穴に対して振れの少ない高精度の加工が可能
となる。またセンタ支持のときには回転工具軸を静止す
るようにしたので、デッド形センタ,回転形センタとも
に使用可能である。更に心押センタのために一個の工具
ステーションが独占されることがなくなり、工具不足を
補うことができる。また、心押工具ホルダのタレットへ
の180°反転取付けを可能としたので、対向主軸旋盤
の両主軸チャック又は通常のNC旋盤の主軸チャックに
把持されるワークに対して一個の心押工具センタで対応
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の心押工具ホルダの断面図である。
【図2】本実施例の心押工具ホルダを有する対向主軸旋
盤の斜視図である。
【図3】回転センタを装着した心押工具ホルダの断面図
である。
【図4】心押工具ホルダの反転取付けの説明図である。
【図5】(a)〜(g)は本実施例の作用説明用の動作
図である。
【図6】従来の技術の心押ホルダを有する対向主軸旋盤
の斜視図である。
【符号の説明】
10 心押工具ホルダ 11,1
4 刃物台 12,15 タレット 26 心
押センタ T 回転工具

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋盤のタレットに回転工具軸を主軸軸線
    と平行にして着脱可能に装着される回転形の工具ホルダ
    であって、前記回転工具軸の両端に心押センタと回転工
    具をそれぞれ着脱可能に装着できるようにしたことを特
    徴とする旋盤の心押工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 回転工具軸のZ軸方向の向きを180°
    変えてタレットに装着可能としたことを特徴とする請求
    項1記載の旋盤の心押工具ホルダ。
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