JP2580715B2 - 遠赤外線放射性アクリル系繊維 - Google Patents

遠赤外線放射性アクリル系繊維

Info

Publication number
JP2580715B2
JP2580715B2 JP63138100A JP13810088A JP2580715B2 JP 2580715 B2 JP2580715 B2 JP 2580715B2 JP 63138100 A JP63138100 A JP 63138100A JP 13810088 A JP13810088 A JP 13810088A JP 2580715 B2 JP2580715 B2 JP 2580715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
spinning
infrared radiation
fine particles
far
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63138100A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01306607A (ja
Inventor
正秋 藤松
芳郎 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Exlan Co Ltd
Original Assignee
Japan Exlan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Exlan Co Ltd filed Critical Japan Exlan Co Ltd
Priority to JP63138100A priority Critical patent/JP2580715B2/ja
Publication of JPH01306607A publication Critical patent/JPH01306607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2580715B2 publication Critical patent/JP2580715B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は温熱効果に優れた遠赤外線放射性アクリル系
繊維に関する。
(従来の技術と問題点) アクリル系繊維は、染色鮮明性、崇高性、柔軟な風合
い等の特徴を生かして、衣料用途、寝装用途、インテリ
ア用途等種々の用途に用いられているが、温熱感の点で
アンゴラ、カシミア、ウール等の天然繊維には及ばない
欠点がある。
最近、赤外線放射の利用は暖房等のほか、食品加工・
調理・家畜・植物・人体等への生体的効果にも波及して
きており、中でも常温でのセラミックスによる遠赤外線
放射の人体への温熱効果が注目され、該セラミックス微
粒子を繊維、繊維成形体等の表面にコーティング処理す
る試みがなされ始めた。
しかし、繊維、繊維成形体等にセラミックス微粒子を
コーティング処理するには繁雑な工程を要し、さらに繊
維、繊維成形体等に付着された該微粒子は着用時、使用
時の摩擦等により、また洗濯の際に脱落して温熱効果の
低下を惹起する等の問題点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、温熱効果に優れた遠赤外線放射性ア
クリル系繊維を提供することである。
本発明の他の目的は、摩擦、洗濯等に対してセラミッ
クス微粒子が脱落することがなく、さらに繊維成形体に
容易に加工することができる遠赤外線放射性アクリル系
繊維を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上述した本発明の目的は、アクリロニトリル(以下、
ANという)系重合体中に、ポリイミン系又はポリカルボ
ン酸系水溶性重合体で表面処理した遠赤外線放射セラミ
ックスを含有させてなる遠赤外線放射性アクリル系繊維
により達成される。
以下、本発明を詳述するが、まず本発明で用いるAN系
重合体としては、AN単独又は70重量%以上、好ましくは
85%以上のANと残部が少なくとも一種の他のエチレン系
不飽和化合物からなる単量体混合物の重合体が繊維物性
の点から望ましい。尚、ANに共重合させる他のエチレン
系不飽和化合物としては、ANと共重合し得る公知の不飽
和化合物、例えばハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニ
リデン類、エチレン系不飽和カルボン酸及びその塩類、
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル類、ビニ
ルエステル類、不飽和炭化水素スルホン酸及びその塩
類、スチレン及びそのアルキル又はハロゲン置換体等の
ビニル化合部類、ジメチルアミノエチルメタクリレート
等の塩基性基を含有するビニル化合物類等が挙げられ、
これらの中から1種またはそれ以上を任意に採用するこ
とができる。
次に、AN系重合体中に含有させる遠赤外線放射性セラ
ミックスとしては、Si、Al、Li、Mg、Ti、Zr、V、Nb、
Ta、Cr、Mo、W等の金属の窒化物、珪化物、炭化物、硼
化物及び酸化物等遠赤外線を放射し得るセラミックスの
微粒子の中から1種またはそれ以上組み合わせて採用す
ることができるが、該セラミックスはポリイミン系又は
ポリカルボン酸系水溶性重合体で表面処理し親水化した
ものであることが必要である。即ちこれら金属化合物
は、大気中で大なり小なり表面に酸化物層を形成してい
るが、この処理により発明の繊維の製造が容易になり、
他方繊維中でのAN系重合体との馴染みが良くなる。次に
該微粒子の粒子径は、ノズル詰り、糸切れ等の製造工程
上の問題がなければ特に限定されないが、5μm以下、
好ましくは2μm以下が望ましい。
また、該セラミックスの含有量は、AN系重合体/セラ
ミックスの割合(重量比)として80〜99.5/20〜0.5、好
ましくは90〜98/10〜2が温熱効果、操業性等の点で望
ましい。
かかる遠赤外線放射性アクリル系繊維の使用形態とし
ては、短繊維、長繊維、糸、ウェブ、不繊布、抄紙シー
ト、編織物等のいかなる形態であってもよく、また該繊
維単独又は他繊維の1種またはそれ以上と混用使用して
もよい。
次に本発明に係る遠赤外線放射性アクリル系繊維の製
造法について述べる。
かかる製造法としては、本発明の目的とする性能を備
えた繊維が得られる限り何ら限定されないが、工業的有
利に得るには下記のような製造法を採用することが望ま
しい。
即ち、AN系重合体を公知の溶剤に溶解して紡糸原液を
作製する際に、セラミックス微粒子、好ましくは該微粒
子の水分散体の所定量を添加混合した後、常法に従って
紡糸、水洗、延伸した後、乾燥緻密化、捲縮処理、緩和
熱処理、油剤処理、乾燥等を適宜施す。
ここでAN系重合体の溶剤としては、AN系重合体を溶解
し得る溶剤であれば適宜採用することができ、例えばロ
ダン塩、塩化亜鉛等の無機塩類水溶液、硝酸等の無機系
溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート等の有機
溶剤を挙げることができ、中でもロダン塩水溶液を用い
ることにより、セラミックス微粒子が均一かつ安定に分
散し紡糸性に優れた紡糸原液を提供することができるの
で望ましい。
また、紡糸原液を作製する際に用いられるセラミック
ス微粒子の水分散体としては、セラミックス微粒子の表
面を覆っている酸化物層を積極的に水酸基に置換し、親
水性を向上させるためにセラミックス水分散液を3〜4
時間ボイルした後に、該セラミックス微粒子に対して1
〜20%、好ましくは5〜15%のポリイミン系、ポリカル
ボン酸系等の水溶性重合体を分散剤として添加したもの
を使用することができ、該セラミックス微粒子の紡糸原
液への均一分散性、紡糸性等の一層を改善のために必要
である。
次に該紡糸原液を紡糸するには公知の湿式紡糸法、乾
/湿式紡糸法、乾式紡糸法の何れの方法を用いてもよい
が、上記紡糸原液の作製において、好適溶剤であるロダ
ン塩を使用する際には湿式紡糸することが本発明の目的
を達成するうえで望ましい。
なお、セラミックス微粒子含有紡糸原液とセラミック
ス微粒子不含紡糸原液との少なくとも2種の紡糸原液を
使用することにより、シース・コア型、サイド・バイ・
サイド型、サンドイッチ型、ランダム複合型、海−島型
等の形態に複合紡糸することができることは言うまでも
なく、また本発明の目的を損なわない限り導電性、吸水
性等他の目的を付与し得る微粒子、樹脂等を併用しても
よい。
次いで水洗、延伸、乾燥緻密化、捲縮処理緩和熱処
理、油剤処理、乾燥等は、本発明の目的を損なわない限
り通常AN系繊維の条件を採択することが可能であり、も
って目的とする遠赤外線放射性アクリル系繊維を有利に
作製し得る。
(発明の効果) 上述した本発明に係る遠赤外線放射性アクリル系繊維
は、所定の遠赤外線放射セラミックスを含有することに
より、ノズル詰り、糸切れ等の問題なく、温熱効果の優
れた繊維であり、さらに着用時、使用時等の摩擦、また
洗濯によりセラミックス微粒子が脱落することがないの
で、温熱効果が永続し、そのうえ繊維成形体に容易に加
工できる利点を有している。
また、本発明遠赤外線放射性アクリル系繊維は、単独
で或はポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、モ
ダアクリル系等の各種合成繊維;アンゴラ、カシミア、
ウール等の各種天然繊維と混用使用することにより、温
熱感を求められる毛布、シーツ、布団、肌着、靴下、ウ
ォームサボーター、カーテン、カーペット等の素材とし
て好適に用いることができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、か
かる実施例により本発明は何ら限定されるものではな
い。尚、実施例中の部および百分率は特に断りのない限
り重量基準で示す。
以下の実施例において温熱効果は下記の方法により測
定したものである。
(1) 温熱効果 供試繊維を番手1/30、撚数380T/M、撚セット70℃×15
分で紡績して得た糸を用いて、7cm×7cmのスワッチを作
成した。該スワッチを2枚重ねて片面にライト(ナショ
ナルレフランプカラー500WPRF−500WS)を照射し、該照
射面の裏側の表面温度をサーモグラフィー装置(日本電
子製、測定波長8〜13μm)にて測定した。
比較繊維として、日本エクスラン工業(株)製K8、3
デニールのステープルを用いて同様にスワッチを作製し
上記方法で測定し、その測定温度差を温熱効果とした。
実施例1 日本軽金属(株)製、セラコンポR(SiC35〜40%、S
i3N450〜58%、その他3〜10%、平均粒径1.3μm)水
分散液を4時間ボイルして10%水分散液に調整した後、
分散剤としてポリエチレンイミンをセラミックス量に対
して10%添加し、ホモミキサーで4時間撹拌後、pH7.0
に調整してセラミックス水分散体を得た。
91.4%のAN、8.6%のアクリル酸メチル及び0.2%のメ
タアリルスルホン酸ソーダを水系懸濁重合して得られた
AN系重合体100部、前記水分散体50部及び水95部を混合
し、溶剤として57.7%のロダンソーダ水溶液602部に73
℃で溶解して紡糸原液を得た。
該紡糸原液を孔径0.07mm、孔数100の紡糸ノズルを用
いて−2℃、15%ロダンソーダ水溶液中に紡出した後、
水洗、延伸(総延伸12倍)、乾燥緻密化、捲縮処理、緩
和熱処理及び油剤処理を施して3デニールの繊維を得
た。
該繊維は+3℃の温熱効果が認められ、また紡糸及び
スワッチの作成の際には、ノズル詰り、糸切れ等のトラ
ブルは発生せず、作業性は良好であった。
実施例2 水分散体100部及び水45部とする以外は実施例1と同
様にして繊維を得た。該繊維の温熱効果は+4℃であっ
た。
実施例3 セラミックス微粒子として、SiC(平均粒径0.8μ
m)、ZrC(平均粒径2.5μm)及びZrSiO4(平均粒径1.
5μm)の単体を各々用いる以外は実施例1と同様にし
て3種類の繊維を得た。該繊維の温熱効果は各々+2.5
℃、+2℃、+2℃であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル系重合体中に、ポリイミ
    ン系又はポリカルボン酸系水溶性重合体で表面処理した
    遠赤外線放射セラミックスを含有させてなる遠赤外線放
    射性アクリル系繊維。
JP63138100A 1988-06-03 1988-06-03 遠赤外線放射性アクリル系繊維 Expired - Lifetime JP2580715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63138100A JP2580715B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 遠赤外線放射性アクリル系繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63138100A JP2580715B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 遠赤外線放射性アクリル系繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01306607A JPH01306607A (ja) 1989-12-11
JP2580715B2 true JP2580715B2 (ja) 1997-02-12

Family

ID=15213950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63138100A Expired - Lifetime JP2580715B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 遠赤外線放射性アクリル系繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2580715B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3528977B2 (ja) * 1994-01-27 2004-05-24 日本エクスラン工業株式会社 シアノエチル化セラミックス粒子およびこれを用いたセラミックス含有繊維とその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62238811A (ja) * 1986-04-08 1987-10-19 Toko Gijutsu Kaihatsu Kk 混合紡糸加工法
JPS62238823A (ja) * 1986-04-08 1987-10-19 Toko Gijutsu Kaihatsu Kk 芯鞘複合糸およびその加工法
JPS63105107A (ja) * 1986-10-17 1988-05-10 Kensen Kk 繊維製品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01306607A (ja) 1989-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3664585B2 (ja) 熱線放射性に優れる繊維
CN103014899B (zh) 一种聚乙烯醇缩醛抗菌纤维的制造方法
JP2580715B2 (ja) 遠赤外線放射性アクリル系繊維
US6528162B1 (en) Acrylic synthetic fiber, use thereof, and process for producing acrylic synthetic fiber
TWI739033B (zh) 吸濕性丙烯腈系纖維、該纖維之製造方法及含有該纖維之纖維結構體
WO2005017243A1 (ja) 紡績糸
JP3968611B2 (ja) 蓄熱保温材及びそれを用いた繊維製品
JP7177982B2 (ja) 吸湿性アクリロニトリル系繊維、該繊維の製造方法および該繊維を含有する繊維構造体
JPH0474454B2 (ja)
JP4531281B2 (ja) 遠赤外線放射立毛状繊維構造物
JPH05311509A (ja) 防虫性アクリル系合成繊維並びにその製造法
JPS6364529B2 (ja)
KR102446659B1 (ko) 영구적인 항균성을 갖는 축발열섬유 원단
JP2942315B2 (ja) 熱変色性ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法
JPH03137213A (ja) 機能性セラミックス含有繊維及びその製造法
JPH0340810A (ja) 遠赤外線放射アクリル系合成繊維及びその製造方法
JP3048434B2 (ja) アクリル系合成繊維
JPH08170218A (ja) 蓄熱・保温繊維
JP4560791B2 (ja) 繊維構造物全体に対する防汚性の付与方法
JPH07324220A (ja) 吸光蓄熱遠赤外線放射性繊維とその製造方法
JP3370395B2 (ja) 高度難燃性アクリル系複合繊維
JPH0331806B2 (ja)
JP2004091984A (ja) 発熱性及びマイナスイオン発生性を有する繊維
JPH04263617A (ja) 防虫性アクリル系繊維の製造方法
JP2005009034A (ja) 光触媒含有アクリル繊維及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 12