JP3968611B2 - 蓄熱保温材及びそれを用いた繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高吸湿性繊維が有する吸湿発熱特性を生かすことにより、蓄熱保温性に優れる遠赤外線放射性繊維及び物質の放射能力を積極的に高めて活用する肌着を中心とした防寒衣料、毛布等を含む寝具類及び敷物類などの繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維製の蓄熱保温材として合成繊維または化学繊維に遠赤外線放射性セラミックスを練り込んだフィラメントヤーンや原綿を紡績した後、紡績糸を布地、シート状にしたもの及び詰め物等に用いたものや、遠赤外線放射セラミック物質を布地、シート状物あるいは原綿等の表面に樹脂加工剤をバインダーとしてスプレーや浸漬加工法により付与せしめたものがある。しかしこれらは、これら単独の効果を狙って用いられているものがほとんどである。
【0003】
物質の遠赤外線放射特性は物質が吸収する熱エネルギー量により増減し、吸収熱エネルギーが多い程遠赤外線放射量は増加する。
繊維製品で遠赤外線放射性を得るための熱エネルギー源は、一部を除き殆どのケースは人体からの体温エネルギーである。
【0004】
他の熱エネルギー源利用方策としては、電気毛布、電気カーペット、電気炬燵等での電熱エネルギーを利用するか、電磁波の光熱変換能力や紫外線吸収能力のあるカーボン、金属酸化物及び有機炭化物を繊維に練り込むかそれら物質を樹脂加工剤のバインダーで繊維表面に固定して電磁波光エネルギーを利用することが考えられるが、電熱エネルギーは利用の用途範囲が限定され、カーボン、金属酸化物、有機炭化物等は黒色がほとんどであることから繊維製品としてはファッション性面で制約がある。
【0005】
遠赤外線放射能が安定かつ効率よく得られ、遠赤外線放射による蓄熱保温性に優れ、繊維製品としてファッション性をはじめ用途限定がなく、風合いが良好で人体に対して安全な繊維製の蓄熱保温材を提供しようとするものである。
さらには、着用・使用時の蒸れによる不快感から開放する吸放湿性に優れる繊維製品を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
アクリル架橋型高吸湿性繊維及び遠赤外線放射能を有する繊維とを混紡した紡績糸を含有するシート状の蓄熱保温材である。
【0007】
【発明の実施の形態】
高吸湿性繊維とは、吸湿率が20%以上あり、水分を吸着することにより発熱が認められる繊維であれば、特に限定されるものではないが、例えばアクリル酸塩重合体架橋繊維、ビニルアルコール系共重合体繊維、アクリル系繊維をヒドラジン架橋して窒素含有量を増加させ、残存ニトリル基まにカルボキシル基とアミド基を導入したもの(以下、アクリル架橋型繊維)などが挙げられる。
【0008】
この高吸湿性繊維は20℃、65%標準相対湿度下で20〜50%もの高い吸湿率を有しているから、該高吸湿性繊維を用いることにより吸湿性、吸水性と放湿性、乾燥性の優れた繊維製品とすることができ着用時に蒸れるということがない。
加えて上記高吸湿繊維は吸湿時に吸着熱を発生するので遠赤外線放射能を有する物質及びそれらを有する繊維製品に対し安定した効率の良い遠赤外線放射性能が期待出来、保温力を一層高めることが可能となる。
【0009】
物質からの遠赤外線放射量は、物質に対する熱エネルギー量、即ち供与される温度が高い程得られる放射量は高くなることから、遠赤外線放射物質から、安定した効率の良い遠赤外線放射能を得るには、高い安定した熱エネルギーを供与することが重要である。
アクリル架橋型繊維の、20℃×65%標準相対湿度下での20〜40%の吸湿による発熱量は、C−80熱量計<(仏)SETARAM社製>での測定では133cal/繊維1g〜265cal/繊維1gであり、相対湿度が更に高い環境下では、吸湿量と発熱量が一次関数関係にあることから更に高い発熱量がえられ、安定した効率の良い遠赤外線放射量が得られる。
【0010】
前記アクリル架橋型繊維は、pH緩衝能力があり、洗剤の残留によるアルカリ化や汗による酸性化(若しくはアルカリ化)等を緩衝してpH6前後の弱酸性化に維持することができ、また人体から発生するアンモニア等を吸着して消臭することが出来る。更に優れた抗菌性、難燃性も有しており従って健康面、安全面に於いても有用で清潔・健康・安全な繊維製品とすることができる。
【0011】
該アクリル架橋型繊維は、通常の紡績工程、不織布(ニードル・パンチ、ウォータパンチ、サーマルボンド等)工程、詰め綿用製綿工程・樹脂綿工程等を適正条件下で通過させることが可能であり、紡績された紡績糸は、その後の布地化である編織工程を容易に通過させることが出来る。
【0012】
実際の繊維製品化に於いて、吸湿発熱特性の遠赤外線放射能を安定かつ効率よく得るための高吸湿性繊維及び遠赤外線放射能を有する繊維の使用量は、製品の着用方法、製品重量、用い方、加工内容差等もあり一定ではないが、それぞれ製品総重量に対し15〜50重量%用い、好ましくは30〜50重量%用いる。
15重量%未満では、充分な遠赤外線放射能を安定かつ効率よく得ることが出来ない。50%以上用いれば効果は大きくなるが経済的でない。
【0013】
紡績工程、不織布工程、詰め綿用製綿工程・樹脂綿工程等で他繊維を用い混綿する場合、混綿する繊維の種類は特に制限されるものでなく、通常の合成繊維、化学繊維、天然繊維が使用可能である。遠赤外線放射能を有する繊維とは、遠赤外線放射性能物質を紡糸前に練り込んだ繊維や、遠赤外線放射性物質を樹脂等の固着剤で固着した繊維である。
【0014】
遠赤外線放射物質としては遷移金属元素酸化物系のセラミック、天然鉱石、天然炭化物、及び活性化水等が知られている。遷移金属元素酸化物系のセラミックスとしては、TiO2 、SiO2 、ZrO2 、Al2 2 、MgO、BaSO4 、MnO2 、Fe2 3 、ZrSiO2 、CoO、CuO、CrO3 、TiO、TiN、ZrC、TiC、SnO2 が高放射体物質として知られており、天然鉱石としては雲母、トリマリン(電気石)、オーラストン等が知られている。天然炭化物としては海藻を炭化し微粉末にしたもの及び備長炭に代表される炭類が知られている。
【0015】
それら遠赤外線放射物質は繊維に練り込む場合は粒子の大きさと均一性、結晶形状、硬度、分散性、使用する溶剤との相溶性等制約があるが、樹脂等固着剤を用いて固着する場合には制約は少ない。
【0016】
繊維に練り込む場合の物質粒子の大きさは、繊維紡糸時のノズル昇圧他製造上使用制限があり、一般には平均粒子は直径1μm以下、好ましくは最大粒子径が1μm以下で粒子径分布幅が小さい均一なものが良い。
【0017】
結晶形状は、鋭意な角度をもつ針状結晶体状等は紡出後の繊維製造工程、更にはそれに続く紡績工程を含むテキスタイル加工工程で金属摩耗によるトラブルが生じやすい。そのため形状は、鈍角な球形に近いものほど良い。また硬度も同様な理由で柔らかなものの方が良い。
繊維ポリマー分散性、ポリマー溶剤との相溶性が悪いものは繊維製造そのもので支障をきたすため使用不可能である。
【0018】
化学繊維及び合成繊維に練り込んで遠赤外線放射物質を用いる場合、及び繊維固着剤の樹脂に混合し用いる場合にも、遠赤外線放射性能を高めるため遠赤外線放射物質は1種かまたは2〜3種混合し用いられる。
遠赤外線放射量は、フーリエ変換遠赤外線測定装置(一般にはFT−IR測定装置と呼ばれる。以下FT−IR装置と称する。)を用いて理想黒体対比で測定することが出来、この理想黒体に対して80%以上の遠赤外線放射能力を持つものが好ましい。
遠赤外線放射量は、温度が高い程放射量は多く放射されるが、繊維製品の場合は低温近くの温度、即ち30〜40℃で高い放射能力を持つものが良い。
【0019】
遠赤外線放射物質を繊維へ練り込む場合の練り込み総量は、紡績他の加工性を維持するための繊維物性を確保する必要があり、繊維重量に対して1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%練り込む。
繊維固着剤の樹脂等を用いて樹脂に混合して用いる場合は特に制約される条件はなく、遠赤外線放射性能・製品での洗濯耐久性・風合い等を考慮して繊維重量に対して1〜40重量%、好ましくは、3〜20重量%付与する。
【0020】
アクリル架橋型高吸湿繊維を含む布地、不織布、シート状物、詰め綿用樹脂綿などに遠赤外線放射物質を繊維固着剤の樹脂で固着する場合、遠赤外線放射物質を含むフイルムをラミネートする場合、遠赤外線放射性繊維を含む布地、シート状物などを固着剤の樹脂で張合わせる場合、アクリル架橋型高吸湿性繊維の性能を損なわず該繊維の性能が充分発揮出来るよう配慮することが必要である。特に、固着剤の樹脂を用いる場合は製品に必要な性能を維持出来る範囲で極力少なく用いる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係わる高吸湿性繊維を含む布地、不織布などのシート状物に遠赤外線放射能を有する合成繊維、化学繊維を混紡・交編織・張合わせ等したもの、または遠赤外線放射能を有する物質を樹脂加工剤等の固着剤で固定したもの、フイルムをラミネートしたものの特徴は以下のとおりである。
1.高吸湿性繊維が持つ吸湿発熱特性により、遠赤外線放射能が高められ、安定した効率の良い遠赤外線放射能が得られ蓄熱保温性に優れる繊維製品が得られる。
吸湿性、吸水性、放湿性及び乾燥性に優れるため繊維製品として蒸れることがない快適な製品が得られる。
アクリル架橋型繊維は、pH緩衝能力があり、洗剤の残留によるアルカリ化や汗による酸性化(若しくはアルカリ化)等を緩衝pH6前後の弱酸性化に維持することが出来、また人体から発生するアンモニア等を吸着して消臭することが出来る。更に優れた抗菌性、難燃性も有しており、従って健康面、安全面に於いても有用で多機能な繊維製品が得られる。
【0022】
これらの特徴を利用して、様々な用途分野に用いることが出来る。例えば、肌衣、靴下タイツなどの防寒衣料品、布団、枕、シーツ、毛布、パットなどの寝装寝具類、カーペット、マット、ぬいぐるみなどのインテリア用品、靴の中敷、長靴の内張り、スリッパ、ゴム手袋の内張り、手袋などが挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下に本発明に係わる内容を実施例により具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例に限定されるものではなく、前・後の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に包含される。
以下に記載の部及び百分率は断りのない限り重量基準で示す。
【0024】
アクリル架橋型高吸湿性繊維の製造例−1
アクリロニトリル89%及びアクリル酸メチル11%のアクリロニトリル系重合体を48%のロダンソーダ水溶液で溶解した紡糸原液を常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理して0.8デニール×102mmの原料繊維と0.8デニール×80mmの原料繊維を得た。
これら原料繊維1Kgに30重量%の加水ヒドラジン2.5Kgを加え、102℃で3時間架橋処理した。窒素増加量は、5.1%であった。該架橋繊維を水洗後、更に3重量%の水酸化ナトリウム5Kgを加え、90℃で2時間加水分解した。次いで、1規定HNO3 水溶液で処理して、カルボキシル基をH型に変更し、水洗後、1規定NaOHでpHを6.5に調整し、塩化カルシウム55gを添加して、60℃で2時間金属処理した。充分水洗した後、脱水、油剤処理及び乾燥処理を行い、アクリル架橋型高吸湿性繊維を得た。繊維のカルボキシル基量は、4.5meq/g、全カルボキシル基中のCa型カルボキシル基の割合は70mol%であった。
尚、得られたアクリル架橋型高吸湿性繊維の繊度は1.8デニール、長さは47mmでもう片一方は、1.8デニール、長さ37mmであった。
また、この繊維の飽和吸湿率は28重量%、20℃、65%標準相対湿度下でのC−80熱量計での吸着熱発生量は185cal/繊維1g、繊維1gを500mlの蒸留水に分散させた時の平衡pHは5.8であった。
【0025】
<各種特性の測定方法>
次に、下記実施例1、2、及び比較例1、2に関して行なった各特性の測定方法について述べる。
【0026】
<評価に用いた試料の調整>
測定に用いた試料は、総て恒温恒湿室にて20℃、60%相対湿度の環境下で24時間調整して用いた。
【0027】
<遠赤外線放射特性の測定方法>
(1)測定装置:FT−IR測定装置、<島津製作所製>
(2)測定環境:27℃、75%相対湿度下
(3)測定時の試料表面温度:40℃
(4)測定波長:1〜20μm
(5)評価:上記測定条件下で理想黒体対比の遠赤外線放射率を測定、人体に最も効果のあるとされる波長9μmの遠赤外線放射率で評価した。
【0028】
<蓄熱保温特性の測定方法>
(1)温度測定装置:非接触型サーモグラフィック システム
<日本電気三栄(株)製医用計測用6T/68>
(2)測定環境:恒温恒湿部屋、27℃、65%相対湿度下、風速0m/sec
(3)測定方法:
・測定対象(被験者):40歳男性、中肉中背、1人
・方法:通常着(綿100%肌着)を着衣し恒温恒湿部屋の中央の椅子に腰掛け、30分間安静を保ち通常衣を脱衣し上半身裸となる。直ちに、調整した測定試料を着衣し安静を保ち15分後の背中上半身部の表面温度をサーモグラフィックシステムで各部位10点測定、その平均温度を測定値とした。
測定は、午前午後各2回行い午後の測定は、昼食後2時間経過後実施した。また、各測定間の間は通常衣を着衣し1時間恒温恒湿部屋で調整した。
【0029】
実施例1
原料として、0.8デニール、繊維長51mmの定長アクリル短繊維である東洋紡績(株)製エクスランタイプK815とTiO2 微粉末をインクジェクション方式で7%練り込んだ2デニール、繊維長51mmの定長アクリル短繊維である東洋紡績(株)製エクスランタイプK251と製造例1のアクリル架橋型高吸湿性繊維(1.8デニール、47mm定長短繊維)とを準備した。
準備した3種の短繊維を20/50/30の重量比率で混綿機にて混綿後、フラットカードに通過させ通常の短繊維紡績法にて紡出し、メートル番手1/52s 、撚数580回/mの単糸コーンを得た。
得られた単糸を用い20ゲージ肌着用編機にてスムース組織で編成、編地幅45cm×2、目付180g/m2 の生織反を作製した。
生織反を常圧型液流染色機(大島機械(株)タイプ名「ダッシュライン」)にてpH値4.5に酢酸で調整した浴に赤色カチオン染料を用い定法にて染色、淡ピンク色の染色反物を得た。染色反物に柔軟剤を施し、その後遠心脱水、タンブラー乾燥を行った後、45cm幅の丸セット機にて幅出しセットを施し仕上げ反物を得た。
【0030】
比較例1
原料として、0.8デニール、繊維長51mmの定長アクリル短繊維である東洋紡績(株)製エクスランタイプK815とTiO2 微粉末をインジェクション方式で7%練り込んだ2デニール、繊維長51mmの定長アクリル短繊維である東洋紡績(株)製エクスランタイプK251とを準備した。
準備した2種のアクリル短繊維を50/50の重量比率で混綿機にて混綿後、フラットカードに通過させ通常の短繊維紡績法にて紡出し、メートル番手1/52S 、撚数580回/mの単糸コーンを得た。以下実施例1と同様の加工を施し仕上げ反物を得た。
【0031】
実施例1及び比較例1で作製した反物にて、被験者男性の体形サイズに合うよう裁断、丸首タイプの肌着を作製した。
前述の<遠赤外線放射特性の測定方法>、<蓄熱保温特性の測定方法>にて各試料を比較測定した結果、実施例1及び比較例1の遠赤外線特性値即ち波長9μmでの遠赤外線放射率は、各々83%、78%で実施例1が高い値を示した。
また、蓄熱保温特性値は、各々33.4℃、33.0℃で実施例1が高い値を示した。
【0032】
実施例2
原料として、市販米綿(銘柄:サンフォーキン)と製造例1のアクリル架橋型高吸湿繊維(1.8デニール、37mm定長短繊維)を準備した。
準備した2種の短繊維を60/40の重量比率で混打綿機に投入ラップを作製後、フラットカードに通過させ通常の綿紡績法にて紡出し、綿番手30/1S 、撚数720回/mの単糸チーズを得た。
更に得られた単糸をダブル撚糸機(村田機械(株)製)にて双糸撚数430回/mを施し双糸コーンを得た。
得られた双糸を経糸に単糸を緯糸に用いるべく製織準備を行なった。経糸は部分整経機で整経した後、レピア織機(平岩製作所(株)製)にセットし、緯糸の単糸をそのまま織機にセットした。
経糸密度56本/インチ、緯糸密度68本/インチで織幅160cmの平織生織地を作製した。得られた目付は200g/m2 であった。
【0033】
得られた平織生織地を常圧液流染色機(大島機械(株)製タイプ名「ダッシュライン」)を用い、綿織物の常法であるH2 2 にて下晒し加工を施した後、赤色中性反応染料にて常法にて染色、淡ピンク色の染色反物を得た。染色後酢酸浴pH5.3で中和したのち遠心脱水機で脱水後、ピンテンターにて幅出し乾燥を行ない仕上げ反物を得た。
得られた仕上げ反物は、幅150cm、目付210g/m2 であった。
【0034】
仕上げ反物に、市販の水溶性ウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製)中に遠赤外線放射物質としてTiO2 、SiO2 を繊維重量に対して5%owf、1%owf付着するよう分散調液し、その後調液した加工液をピンテンターの前に設置されているスプレー装置にて仕上げ反物裏面に付与した。付与後反物を120℃で乾燥固着し遠赤外線加工反物とした。
【0035】
比較例2
原料として、市販米綿(銘柄:サンフォーキン)と0.8デニール、繊維長38mmの定長アクリル短繊維である東洋紡績(株)製エクスランタイプK815を準備した。
準備した2種の短繊維を60/40の重量比率で混打機に投入ラップ作製後、フラットカードに通過させ通常の綿紡績法にて紡出し、綿番手30/1S 、撚数720回/mの単糸チーズを得た。更に得られた単糸をダブル撚糸機(村田機械(株)製)にて双糸撚数430回/mを施し双糸コーンを得た。
得られた単糸、双糸を実施例2同様の加工を施し遠赤外線加工反物を得た。
【0036】
実施例2及び比較例2で作製した反物にて、被験者男性の体形・サイズに合う裁断、前開きボタン付きパジャマを作製した。
前述の<遠赤外線放射特性の測定方法>、<蓄熱保温特性の測定方法>にて各試験料を比較測定した結果、実施例2及び比較例2の遠赤外線放射特性値即ち波長9μmでの遠赤外線放射率は、各々82%、78%で実施例2が高い値を示した。また、蓄熱保温特性値は、各々32.4℃、31.9℃で実施例2が高い値を示した。

Claims (2)

  1. アクリル架橋型高吸湿性繊維及び遠赤外線放射能を有する繊維とを混紡した紡績糸を含有するシート状の蓄熱保温材。
  2. 請求項1に記載の蓄熱保温材を用いた繊維製品。
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