JP3248401B2 - 吸湿性架橋アクリル系繊維及び該繊維を用いた繊維構造体 - Google Patents

吸湿性架橋アクリル系繊維及び該繊維を用いた繊維構造体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸・放湿速度が制御され
た調温・調湿機能を有する高吸湿性繊維であって、pH
緩衝性、難燃性、抗菌性、消臭性、抗ピル性、制電性、
保水性、水吸上げ性、乾燥のし易さなどの調和機能を合
わせ有する、健康・快適・安全・衛生及びイージーケア
性を備えた吸湿性架橋アクリル系繊維に関する。また本
発明は該繊維を含有する繊維構造体に関するものであ
り、該構造体を利用した製品は上記の機能によって快適
な生活環境の提供に寄与するものである。
【0002】
【従来の技術】気密化、暖冷房化などの生活環境の変
化、老齢化及び生活文化の高度化の時代に適応し得る健
康・快適・安全・衛生機能を合わせ持つ高機能複合素材
が期待されている。これに対応して人体機能と着心地性
に関する繊維製品消費科学研究の進展は著しい。身体か
らは絶えず水分が蒸発しており、暑熱時、運動時や通気
性の低い衣服や寝具を着用した時には発汗し、衣服内・
寝具内の湿度が高くなり、むれ感を生じる。一方、吸湿
率に乏しい衣服や吸湿率が高くても吸湿・放湿速度が速
い衣服を着用した場合には、冷暖房室内への出入り等の
環境変化に対して、冷え感や暑さ感を生じやすい。又、
この様な寝具を着用した場合には保温性に乏しいか、保
温性はあってもむれ感や早朝の冷え感などの不快感を経
験することは良く知られている。吸湿性繊維としては、
木綿、羊毛などの天然繊維、再生繊維のレーヨン、半合
成繊維のアセテート等が使用される。一方、吸湿性の乏
しい合成繊維の場合は、近年技術の進歩によって徴細な
空洞や溝を有する繊維が出現し、従来の合成繊維の欠点
を補う工夫がなされてきた(例えば、特開昭57−51
812,特開平03−161506)。しかしながら、
これらの繊維は水吸上げ速度や保水性に優れるものの吸
湿率が乏しいために、衣服内の温湿度を調整する機能を
十分満足するものではなかった。
【0003】一方、空気中の湿気をとり再生可能な吸湿
・放湿性架橋アクリル系繊維(特開平5−132858
)が提案され、その20℃65%RHでの飽和吸湿率
は最大55%の実施例が示されており、吸放湿速度が速
いことが特徴として謳たわれている。この繊維は吸着熱
による発熱や脱湿能力に優れているが、吸湿能力、脱湿
能力が高すぎることから、人体と接する衣服や寝具に使
用される場合には、皮膚表面の保湿性が失われる欠点が
予測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点を解消するために創案されたものであり、そ
の目的とするところは衣服内の温湿度を適度に調節する
調温・調湿機能を持つ吸湿性架橋アクリル系繊維を提供
することにある。更に、本発明の目的はpH緩衝性、難
燃性、抗菌性、消臭性、抗ピル性、制電性、保水性、水
吸上げ性、乾燥のし易さなどの調和機能を合わせ有す
る、健康・快適・安全・衛生及びイージーケア性を備え
た吸湿性架橋アクリル系繊維並びに該繊維を含有する繊
維構造体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は20℃65%RHに於ける飽和吸湿率が
15〜35重量%であって、下記速度式の吸湿速度定数
1 が0.015〜0.029の範囲で且つ放湿速度定
数k2 が0.005〜0.015の範囲である調温・調
湿機能を有することを特徴とする吸湿性架橋アクリル系
繊維である。 W1 =We ( 1−e-k1t) W1 :絶乾から時間tにおける吸湿率 We :20℃65%RH飽和吸湿率 k1 :吸湿速度定数 t :0〜30分 W2 = (Wa −Wb )(1−e-k2t) W2 :Wb から時間tにおける吸湿率 Wa :20℃30%RH飽和吸湿率 Wb :20℃80%RH飽和吸湿率 k2 :放湿速度定数 t :0〜30分
【0006】また、本発明の吸湿性架橋アクリル系繊維
は上記調温・調湿機能に加えて、pH緩衝性、難燃性、
抗菌性、消臭性、抗ピル性、制電性、吸水性、及び乾燥
のし易さの調和機能をさらに有する。
【0007】上記の諸機能を有する吸湿性架橋アクリル
系繊維はアクリル繊維にヒドラジン処理により架橋構造
を導入して窒素含有量の増加を1.0〜8.0重量%の
範囲内に調整し、加水分解により残存しているニトリル
基量の1.0〜5.0meq/gにカルボキシル基を、
残部にアミド基を導入し、次いで該カルボキシル基の5
0〜90mol%をMg,Ca,Cu,Zn,Al,A
g,Feより選ばれる1種あるいは2種以上の金属塩型
とし、最終熱処理の乾熱温度を100〜230℃で行な
うことにより達成することができる。さらに本発明は上
記吸湿性架橋アクリル系繊維を10wt%以上含有して
なる繊維構造体である。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明の吸湿速
度定数は丹羽、野坂〔繊消誌 5,73(1964)〕
らによって提唱された下記速度式〔I〕により求められ
る。 〔I〕W=W(1−e−kt) W :時間tにおける吸湿量 W:平衡吸湿量 k :吸湿速度定数 同報文によると、吸湿速度定数kは吸湿性の低い合成繊
維ほど大きく、アクリルで0.153mm−1、ポリエス
テルで0.173mm−1の値を示す。一方、レーヨンは
0.032mm−1、アセテートは0.078mm−1を示
す。吸湿性天然繊維の木綿は0.043mm−1、羊毛は
0.040mm−1であり、本発明者が式〔I〕に従って
求めた吸湿速度定数は、アクリル0.12mm−1、ポリ
エステル0.13mm−1、木綿0.06mm−1、羊毛
0.04mm−1でほぼ一致する。本発明者は繊維の飽和
吸湿率とその吸湿・放湿速度が衣服内あるいは寝具内の
調温・調湿性と関係があり、着心地性や皮膚表面の保温
性と密接な関係があることを見出した。即ち、20℃6
5%RHにおける飽和吸湿率が15〜35重量%の範囲
内にある高吸湿性繊維であって、且つ吸湿放湿速度定数
木綿以下の特定の範囲に制御することで、環境の温湿
度変化に対して、調湿性に優れた快適な衣服内環境、寝
具内環境を維持し得る。
【0009】本発明では、20℃65%RHに於ける飽
和吸湿率が15〜35重量%であって、上記速度式の吸
湿速度定数k1 が0.015〜0.029の範囲で且つ
放湿速度定数k2 が0.005〜0.015の範囲であ
ることによって、目的の調温・調湿機能を達成すること
ができる。20℃65%RHにおける飽和吸湿率を15
〜35重量%に制御する方法としては、カルボキシル基
量の50〜90mol%、好ましくは、60〜85mo
l%をMg,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより
選ばれる1種あるいは2種以上の金属塩型とする方法が
採用できる。この範囲を外れる場合には、目的とする吸
湿率レベルが得られない。一方、この方法によって得ら
れる繊維は、ほぼ天然繊維の吸湿速度定数を有するが、
本発明者らが目的とする吸湿速度定数が0.015〜
0.029の範囲、放湿速度定数が0.005〜0.0
15の範囲に制御するためには、最終処理の乾熱温度を
100〜230℃、好ましくは110〜210℃で行な
うことにより達成される。最終処理温度が下限を下回る
場合は、繊維表面の緻密化構造が形成されておらず、吸
放湿速度定数は大きくなる。また上限を上回る場合は、
繊維の着色や強度低下面から好ましくない。
【0010】本発明は、架橋アクリル系繊維を主とする
ものであり、アクリル系繊維をヒドラジン処理により架
橋結合を導入して、窒素含有量の増加を1.0〜8.0
重量%、好ましくは3.0〜8.0重量%の範囲内に調
整し、加水分解処理により、残存しているニトリル基量
の1.0〜5.0meq/g、好ましくは2.5〜5.
0meq/gにカルボキシル基を、残部にアミド基を導
入し、次いで該カルボキシル基の50〜90mol%、
好ましくは60〜85mol%をMg,Ca,Cu,Z
n,Al,Ag,Feより選ばれる1種あるいは2種以
上の金属塩型としたものである。したがって、このよう
にニトリル基が大きく変化したものになっているので、
本発明の繊維は架橋アクリル変性繊維と称することもで
きるのである。該繊維の窒素含有量の増加が下限を下回
る場合には、抗ピル性が付与されるが紡績、編織などの
加工性を満足し得る物性の繊維が得られず、上限を越え
る場合には、目的とする吸湿率及び保水性、水吸上げ
性、制電性が得られない。上記において、金属塩はM
g,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる
が、本発明の調温・調湿・調和機能を損なわない範囲で
これら以外の金属も使用することができる。しかし、そ
の含有量はカルボキシル基量として、5mol%以下で
ある。
【0011】また、加水分解反応により、ヒドラジン架
橋されずに残存しているニトリル基を実質的に消失さ
せ、1.0〜5.0meq/gのカルボキシル基アミ
ド基を導入する方法としては、アルカリ金属水酸化物、
アンモニア等の塩基性水溶液、或いは硝酸、硫酸、塩酸
等の鉱酸の水溶液を含浸、又は該水溶液中に原料繊維を
浸漬した状態で加熱処理する手段が挙げられる。尚、前
記架橋結合の導入と同時に加水分解反応を行うこともで
きる。カルボキシル基が上記下限に満たない場合には吸
湿率が低くなり、又上限を越えると吸湿率が高くなり過
ぎるために衣服内気候、特に皮膚表面への保湿性を調節
できない。また抗ピル性は付与できるが、紡績性、編織
などの加工性を得る繊維物性も得られない。
【0012】カルボキシル基を塩型にする方法として
は、上述した加水分解繊維を下記に例示する各種の塩型
の水酸化物、又は塩の水溶液に浸漬し、しかる後水洗、
乾燥する方法が好適に用いられる。ここでカルボキシル
基の塩型としては、50〜90mol%をMg,Ca,
Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる1種或いは
2種以上の金属塩型であることが必要である。この範
囲を下回る場合には、アルカリ側のpH緩衝性が不足
し、架橋構造が不十分のためアンモニアに対する消臭性
が不足し、目的とする調和機能が付与できない。一方、
この範囲を上回る場合には、酸側のpH緩衝性が不足
し、乾燥速度が遅くなりイージーケア性が低下し、目的
とする調和機能が付与できない。
【0013】このようにして、20℃65%RH下の飽
和吸湿率、及びpH緩衝性、難燃性、抗菌性、消臭性、
抗ピル性、制電性、保水性、水吸上げ性、乾燥のし易さ
などの調和機能を合わせ有する、健康・快適・安全・衛
生及びイージーケア性を備えたアクリル系繊維及びその
繊維製品を提供できるのである。更に引張強度を向上さ
せる必要が求められる場合には、後述するように出発ア
クリル系繊維として二色性比の高い繊維を選ぶのが良
い。
【0014】上記吸湿性架橋アクリル系繊維を製造する
ための装置としては、アクリル系繊維をポンプ循環系を
備えた容器内に充填し、上記架橋結合の導入、加水分解
反応、及び金属塩の形成の各反応を逐次行う手段が、安
全性、均一反応性等の諸点から望ましい。かかる装置
(ポンプ循環系を備えた容器)の代表例としては、加圧
型オーバーマイヤー染色機等が挙げられる。
【0015】また、目的とする吸湿率と調温・調湿性機
能、ならびにpH緩衝性、難燃性、抗菌性、消臭性、抗
ピル性、制電性、保水率、吸水性、乾燥のし易さなどの
調和機能を合わせ有し、しかも紡績、編織加工に必要な
物性を提供するためには、特に下記特性を備えた出発ア
クリル系繊維を採用することが望ましい。
【0016】即ち、繊維を形成するAN系重合体分子が
十分に配向しておりコンゴーレッド(以下CRという)
二色性比が0.4以上、更に好ましくは0.5以上のア
クリル系繊維を採択することが望ましい。なお、CR二
色性比は、高分子化学23(252)193(196
6)記載の方法に従って求められるものである。
【0017】なお、かかるアクリル系繊維の製造手段に
限定はなく、上記CR二色性比が満たされる限り、適宜
公知の手段を用いることができるが、中でも全延伸倍率
を4倍以上、好ましくは8倍以上とし、且つ工程収縮率
を40%以下、好ましくは30%以下とする手段の採用
により、工業的に有利に所望のアクリル系繊維を製造す
ることができる。
【0018】更に出発アクリル系繊維として、延伸後熱
処理前の繊維(AN系重合体の紡糸原液を常法に従って
紡糸し、延伸配向されてはいるが、乾燥緻密化、湿熱緩
和処理等の熱処理の施されていない繊維、中でも湿式又
は乾/湿式紡糸、延伸後の水膨潤ゲル状繊維:水膨潤度
は30〜150%)を使用することにより、反応液中へ
の繊維の分散性、繊維中への反応液の浸透性などが改善
され、以て架橋結合の導入や加水分解反応が均一かつ速
やかに行われるので望ましい。なお、水膨潤度とは乾燥
繊維重量基準で表した含有水分量の百分率である。
【0019】本発明の繊維構造体の外観形態としては、
糸、ヤーン(ラップヤーンも含む)、フィラメント、織
物、編物、不織布、紙状物、シート状物、積層体、綿状
体(球状や塊状のものを含む)等があり、さらにはそれ
らに外被を設けたものもある。該構造体内における本発
明の吸湿性アクリル系繊維の含有形態としては、他素材
との混合により、実質的に均一に分布したもの、複数の
層を有する構造の場合には、いずれかの層(単数でも複
数でも良い)に集中して存在せしめたものや、夫々の層
に特定比率で分布せしめるもの等がある。
【0020】従って本発明の繊維構造体は、上記に例示
した外観形態及び含有形態の組合せとして、無数のもの
が存在する。いかなる構造体とするかは、本発明の繊維
が既述の如く多くの機能を有するので、最終製品の使用
態様(例えばシーズン性、運動性や内衣か中衣か外衣
か、カーテンやカーペット、寝具やクッション、インソ
ールや空調器等としての利用の仕方など)、要求される
機能、かかる機能を発現することへの本発明繊維の寄与
の仕方等を勘案して適宜決定される。
【0021】さらに構造体を細かく見れば、本発明の吸
湿性アクリル系繊維単独で又は他の素材とほぼ均一に混
合した状態のものだけでなるもの、これに他の素材を貼
付、接着、融着、挟み付け等で積層あるいはラミネート
など行い、2〜5の複数層の積層状でなるものがある。
また積層状ではあるが、積極的な接合は行わず支持体で
積層状を維持するものもある。
【0022】本発明の繊維構造体を利用した最終製品の
用途としては、先にも触れたように、大別すると人が着
用して利用するもの、布団や枕、クッションの様な寝具
類、カーテン、カーペットに代表されるインテリア、調
湿や消臭等のその他の分野が挙げられる。そしてこれら
の用途に応じ、要求される機能を満たすべく単一層から
複数層まで、さらにそれを含んで外被を施すなど、最適
の構造を選択するのである。
【0023】本発明の繊維構造体は前記した通り、本発
明の吸湿性アクリル系繊維を10wt%以上含有してな
るものである。したがって他の素材例えば繊維、ラバ
ー、ゴム、樹脂、プラスチック等は、全体の90wt%
以下の割合で併用されるが、該構造体が本発明の吸湿性
アクリル系繊維単独、即ち100wt%でなる場合は、
他の素材の併用はない。通常他の繊維との混紡によって
構造体とする場合、本発明の吸湿性アクリル系繊維の使
用量は10wt%以上100wt%未満、好ましくは1
0wt%〜50wt%である。10wt%未満では本発
明の吸湿性アクリル系繊維といえども、十分なレベルの
機能が発現できない。本発明の吸湿性アクリル系繊維の
含有率は用途によって異なるが、肌着等では10〜80
wt%、好ましくは10〜70wt%、おむつ等では少
なくとも10wt%、好ましくは20wt%以上であ
る。使用形態は肌着では他の繊維と混紡して紡績糸とし
て織編地の形の繊維構造体として用いるのが好ましい。
おむつや生理用品等の吸収体や、スポーツ衣料等では、
本発明の吸湿性アクリル系繊維単独又は他の繊維と混用
してウェッブシートとなし、該シートを他の繊維シート
又は織編物と積層して用いる。本発明の吸湿性アクリル
系繊維の特徴を生かすには、肌に接する側に本発明のシ
ートを配設した構造体とすることが好ましい。
【0024】このように他の素材を併用するのは、構造
体の機能をさらに高めるのに有用だからである。即ち本
発明の吸湿性アクリル系繊維は前述の通り多くの機能を
備えるものではあるが、他の素材を併用した構造体とす
ることにより、さらに高機能を付与する、好ましい風合
いを与える、鮮明な染色性などいわゆるファッション性
を高める等ができるのである。また、混紡等の加工性を
改善する効果も期待できる。
【0025】本発明の繊維構造体において併用しうる他
繊維としては特に限定されず、公用されている天然繊
維、有機繊維、半合成繊維、合成繊維が用いられ、さら
には無機繊維、ガラス繊維等も用途によっては採用し得
る。また併用し得る素材は繊維に限らず、前述したよう
にフィルムとラミネートする、あるいはフィルムに埋設
して構造体とするなど、プラスチック、ゴム等も採用し
得る。特に好ましい他の繊維を例示すれば、羊毛やコッ
トン等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリル繊維等の合成繊維あるいはレーヨン、ポリノジッ
ク繊維等である よく採用する構造体の1つである不織布として、本発明
の吸湿性架橋アクリル系繊維を使用する場合は短繊維と
して、セルロース系繊維、パルプ、合成繊維等と適宜混
用して使用することができる。特に寸法安定性が求めら
れる用途においては、本発明の繊維と熱接着性繊維(好
ましくは10〜80wt%の混用率)とからなる不織布
が推奨される。なお熱接着性繊維としては、熱接着性を
備えている限り使用でき、例えば、ポリエチレン−ポリ
プロピレン、ポリエチレン−ポリエステル、ポリエステ
ル−ポリエステル等の低融点−高融点成分からなる繊維
が挙げられる。本発明の繊維を用いた不織布は、人体に
接触して肌に優しく、かつ吸水性を発揮させる用途に好
適である。例えばおむつの用途に有用であり、おむつの
不織布のトップシートのみならず、バックシートさらに
はオムツカバーにも使用でき、高吸水性ポリマーの使用
量を減らすこともできる。本発明の繊維は、高吸水性で
かつ抗菌性をも有しているため、該繊維を用いたかかる
構造体は、長時間着用しても、むれない、かぶれない等
の利点を有する。
【0026】
【作用】本発明に係る吸湿性アクリル系繊維が調温、調
湿性機能並びに各種調和機能を合わせ備える理由は、概
ね次のように考えられる。
【0027】即ち、本発明に係る繊維は、AN系重合体
から出発していながら、実質的にニトリル基が消失して
いるところから、ポリマー鎖に結合している側鎖は、ヒ
ドラジンとの反応により生成した窒素を含有する架橋構
造とニトリル基の加水分解反応により生成した塩型カル
ボキシル基と考えられる。
【0028】一般に塩型カルボキシル基の塩基は吸湿性
を有しており、吸湿することによって水素結合や溶解
熱、ファンデルワース力に関与した発熱(吸着熱)を有
することが知られている。ここで1価の塩と2価以上の
金属塩、及び塩型でないカルボン酸のバランスによっ
て、目的とする吸湿率が設計され、且つ水分の吸着、脱
着曲線が一般の吸湿性繊維、例えば木綿、羊毛、レーヨ
ンに比べてヒステリシスが大きくなると推定される(図
6参照)。一方、最終熱処理の乾熱温度を高め、繊維表
面の緻密性を上げることによって、先のヒステリシスと
相乗効果を生み初期の吸湿速度定数を低く制御している
ものと推定される。これらが調温・調湿機能をもたらし
ているものと考えられる。
【0029】金属塩型とH型との特定比率のカルボキシ
ル基が弱酸性に緩衝性を示すのは、弱塩基の金属塩と弱
酸が適度に共存するためである。また難燃性は架橋構造
とアクリルアミド及び金属塩により、また抗菌性は架橋
構造によりもたらされているものと推定する。制電性は
吸湿した繊維内の水分が発生静電気を漏洩させる効果を
もたらし、抗ピル性は低強度により、更に高吸湿性は架
橋構造と塩型カルボキシル基によるものであろう。又低
強度にかかわらず紡績、編織加工性能を支えているの
は、CR二色性比にみられる配向構造と多価金属による
分子内、分子間のイオン架橋に由来するところが大であ
ろう。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例
中の部及び百分率は断りのない限り重量基準で示す。
【0031】なお、pH緩衝能力(μeq/g)、全カ
ルボキシル基量、金属塩型カルボキシル基量、H型カル
ボキシル基量(meq/g)、LOI(限界酸素指
数)、吸湿率、抗菌性(増減値差)、抗ピル性(ICI
等級)、制電性(半減期)、吸水性(吸上げ長)、乾燥
時間、保水率、消臭性、吸湿速度定数、放湿速度定数、
及び蓄熱量は以下の方法により求めた。
【0032】(1) pH緩衝能力(μeq/g) 十分乾燥した供試繊維約0.4gを精秤し(X)g、こ
れに200mlの水を加えた後、0.1N塩酸水溶液あ
るいは0.1N苛性ソーダ水溶液を滴下し、塩酸水溶液
の場合はpH5.0になるまでに、また苛性ソーダ水溶
液の場合はpH7.0になるまでに消費された塩酸水溶
液または苛性ソーダ水溶液消費量(Y)ccを求め、次式
によって、酸またはアルカリに対する緩衝能力を算出し
た。
【0033】(2) 全カルボキシル基量(meq/
g) 十分乾燥した供試繊維約1gを精秤し(X)g、これに
200mlの1N塩酸水溶液を加え30分間放置したの
ちガラスフィルターで濾過し水を加えて水洗する。この
塩酸処理を3回繰り返したのち、濾液のpHが5以上に
なるまで十分に水洗する。次にこの試料を200mlの
水に入れ1N塩酸水溶液を添加してpH2にした後、
0.1N−苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を
求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛
性ソーダ水溶液消費量(Y)ccを求め、次式によって全
カルボキシル基量を算出した。
【0034】(3) 金属塩型カルボキシル基量(me
q/g) 十分乾燥した供試繊維を精秤し、常法に従って濃硫酸と
濃硝酸の混合溶液で酸分解したのち、金属を常法に従っ
て原子吸光光度法により定量し、金属の結合したカルボ
キシル基量として算出し、全カルボキシル基に対するモ
ル分率で表した。
【0035】(4) H型カルボキシル基量(meq/
g) 次式によりH型カルボキシル基量を算出した。H型カル
ボキシル基量=全カルボキシル基量−金属塩型カルボキ
シル基量
【0036】(5) LOI JIS−7201の最低酸素指数の測定法に従って行な
った。
【0037】(6) 吸湿率(%) 試料繊維約5.0gを熱風乾燥機で105℃、16時間
乾燥して重量(W1)gを測定する。次に試料を温度2
0℃で相対湿度65%に調整された恒温恒湿機に24時
間入れて置く。このようにして吸湿した試料の重量(W
2)gを測定する。以上の結果から、吸湿率を次式に従
って算出した。
【0038】(7) 抗菌性 試験菌株:黄色葡萄状球菌 Stapylococcus aureus IF
O 12732 試験方法:繊維製品衛生加工協議会(SEK)で定める
方法により、滅菌試料布に試験菌のブイヨン懸濁液を注
加し、密閉容器中で、37℃、18時間培養後の生菌数
を計測し、植菌数Aに対する標準布の菌数Bと試料の菌
数Cの増減値差で求める。 増減値=logC−logA 増減値差=(logB−logA)−(logC−lo
gA)
【0039】(8) 抗ピル性 JIS L 1076織物及び編物のピリング試験方法
A法のICI型試験機を用いる方法に従って行った。
【0040】(9) 制電性 JIS L 1094織物及び編物の帯電性試験方法に
従って行なった。
【0041】(10) 吸水性 JIS L 1018メリヤス生地試験方法、吸水速度
B法(バイレック法)に基づき、測定開始30分経過後
の吸上げ長(cm)を求めた。
【0042】(11) 乾燥時間 試料編地10×10cmを純粋中に1時間浸漬後、遠心
脱水機(KUBOTA(株)製)を用いて300Gの回
転で2分間の脱水処理を行う。このようにして含水した
試料を雰囲気20℃65%RH内に設置したテンシロン
/UTM−II−20型に取付け、試料の重量変化と時間
を測定し、触感における乾燥時間を求めた。
【0043】(12) 保水率 (%) 試料繊維5gを純水中に浸漬し、30±5℃で3時間放
置後、遠心脱水機(KUBOTA(株)製)を用いて1
000Gの回転で3分間脱水処理を行う。このようにし
て脱水した試料の重量(W3)gを測定する。次に該試
料を90℃の熱風乾燥機内で、絶乾まで乾燥した試料の
重量(W4)gを求め、次式によって保水率(%)を算
出した。
【0044】(13) アンモニア消臭性 試料繊維2gをテドラーバッグに入れ密封し、空気を3
l注入する。次に400ppmのアンモニア(W5)を
テドラーバッグ内に注入し、室温で120分放置後にテ
ドラーバッグ内のアンモニア濃度(W6)を北川式検知
管を用いて測定した。また、試料を入れないテドラーバ
ッグに400ppmのアンモニアを注入し、120分後
にアンモニア濃度(W7)を測定し空試験とした。以上
の結果から、次式に従って、アンモニア消臭率を算出し
た。
【0045】(14) 吸湿速度定数 (k1 ) 5×20cmの編地を105℃熱風乾燥機で絶乾後、デシ
ケーター内で20℃に冷却する。20℃65%RHに調
整した恒温恒湿器(タバイ製 タイプLHL−112
T)内に編地を置き、120分間経過時間に対する吸湿
率(W1 )を連続的に測定する。該編地を更に24時間
恒温恒湿器に入れて置き、飽和吸湿率(We )を測定す
る。下記速度式の吸湿速度定数(k1 )を算出する。 W1 =We (1−e-k1t) W1 :絶乾から時間tにおける吸湿率 We :20℃65%RH飽和吸湿率 k1 :吸湿速度定数 t :0〜30分
【0046】(15) 放湿速度定数 (k2 ) 5×20cmの編地を20℃80%RHに調整した恒温恒
湿器に24時間入れておき、同温湿度における飽和吸湿
率(Wb )を測定する。該編地を20℃30%RHに調
整した恒温恒湿器内に置き、120分間経過時間に対す
る吸湿率(W2)を測定する。更に編地を20℃30%
RH恒温恒湿器内に24時間入れておき20℃30%R
Hにおける飽和吸湿率(Wa )を測定する。下記速度式
の放湿速度定数(k2 )を算出する。 W2 = (Wa −Wb )(1−e-k2t) W2 :Wb から時間tにおける吸湿率 Wa :20℃30%RH飽和吸湿率 Wb :20℃80%RH飽和吸湿率 k2 :放湿速度定数 t :0〜30分
【0047】(16) 蓄熱量 (℃・Hr) カード掛けし絶乾した試料繊維2.5gを直径4.5c
m、長さ6.0cm、のポリエステル布帛の袋に充填し、
中央に温度検出端を挿入する。該試料を20℃90%R
Hに調整した恒温恒湿器内に吊し、布帛内温度を連続的
に自記記録する。0〜1時間雰囲気温度に対する増加温
度を積分し、蓄熱量(℃・Hr)と定義した。
【0048】実施例 1 アクリロニトリル90%及びアクリル酸メチル10%の
アクリロニトリル系重合体を48%のロダンソーダ水溶
液で溶解した紡糸原液を常法に従って紡糸、水洗、延
伸、捲縮、熱処理をして、0.8デニール×70mmの
原料繊維を得た。この原料繊維1kgに30重量%の加水
ヒドラジン5kgを加え、98℃で3時間架橋処理した。
窒素増加量は5.0%であった。該架橋繊維を水洗後、
更に3重量%の水酸化ナトリウム5kgを加え、90℃で
2時間加水分解した。次いで、1規定HNO3 水溶液で
処理して、カルボキシル基をH型に変換し、水洗後、1
規定NaOHでpHを6.5に調整し、塩化カルシウム
50gを添加して、60℃で2時間金属塩処理した。十
分水洗した後、脱水、油剤処理及び表1に示す熱処理を
行い、架橋アクリル系繊維を得た。繊維のカルボキシル
基は、4.3meq/g、全カルボキシル基中のCa型
カルボキシル基は80mol%であった。
【0049】得られた繊維の特性を表1に示す。本発明
例の繊維No.1〜3の吸湿率は、25〜28%であ
り、木綿の約3.5倍と高い。また20℃65%RH雰
囲気下での吸湿速度曲線を図1に放湿速度曲線を図2に
示した。これらの曲線から得た初期の0〜30分での吸
湿速度定数k1 及び放湿速度定数k2 を表1に示した
が、k1 ,k2 は最終熱処理温度を高めることで低下せ
しめる傾向が明瞭に示されている。一方、20℃65%
RH下での繊維内温度の吸着発熱・放熱曲線を図3に示
す。図3で明らかな如く吸湿に伴う吸熱でいずれの繊維
も発熱するが、k1の大きい繊維ほど吸着発熱反応が速
く完了するため、雰囲気温度までの冷却時間が短いのに
対して、本発明例の繊維は、k1 が小さい効果で吸着発
熱が持続するため、放熱に伴う冷却速度が遅く、60分
経過後の繊維内温度は、木綿に対して約+4℃、羊毛に
対しても約+3℃高く、且つ保温性の尺度となる0〜6
0分間の蓄熱量は木綿の2倍以上、羊毛の1.5倍以上
である。これらの結果から飽和吸湿率とk1 が発熱量と
蓄熱量に大きな影響を与えることが証明される。また本
発明例の繊維の保水率は、木綿レベルの高い値を示す。
一方、難燃性の尺度であるLOI値は、29〜30と高
く、マッチで着火しても全く燃焼しない。更にアンモニ
ア消臭率も95%以上と高く、アンモニアに対して高度
の消臭機能を有することが判明した。
【0050】
【表1】
【0051】実施例 2 実施例1で作成した本発明例の繊維No.3(1.8d
×48mm)をアクリル繊維(エクスラン;1.5d ×5
mm)及びコーマ綿と混紡率を変化して常法に従って、
混紡、カード、練条、粗紡を行い、1/52メートル番
手、撚数830T/Mの糸を作成した。比較例としてア
クリル繊維、カットウール、コーマ綿、及びポリエステ
ル繊維(東洋紡;1.5d ×51mm)について同様に、
糸を作成した。次にこれらの糸を20ゲージのスムース
編機で目付が200±20g/m2 の編地を作成した。
次いで、この編地を回転バッグ染色機で精錬を行い、乾
燥後ホフマンセット機で編地サンプルA〜Fを作成し
た。編地サンプルA〜Fの詳細と特性値を表2に示す。
本発明例の繊維を100%使った編地A−1は表1で測
定した原綿繊維と同レベルの抗菌性と消臭性、LOI
値、吸湿率、pH緩衝性を再現した。抗ピル性は、5級
であり毛玉は全く発生しなかった。制電性は、半減期1
秒と木綿レベルを示した。また、水吸上げ長は、木綿の
約1.2倍である。更に、保水率は木綿と同レベルで、
且つ吸湿率が木綿の約3.5倍と大きいにもかかわら
ず、触感における乾燥時間は木綿の3倍以上速く、親水
性でしかも乾きが速く湿潤感が少なくないというイージ
ーケア性があることが判明した。一方、本発明例の繊維
とアクリル繊維又は木綿とを混紡したものにおいては、
混紡率に対してLOI値の低下が大きく難燃効果は小さ
いが、他の抗菌性、消臭性、抗ピル性、制電性、pH緩
衝性や乾燥速度は混紡率換算値と同等以上の性能が得ら
れ、特筆すべき効果として水吸上げ速度はアクリル繊維
が混紡された方が素早く吸水するという相乗効果を見出
した。これは、アクリル繊維のみならずポリエステル繊
維など疎水性繊維が混紡されるほど毛細管速度が促進さ
れ、混紡効果が大きい可能性を示唆している。このよう
に本発明の繊維は、肌着、セーター、ランジェリー、ブ
ラジャー、スウェットスーツ、スポーツウェア、トレー
ナー、レオタード、手袋、靴下、サポーター類、タイ
ツ、パジャマ等で代表される衣料用編地においても多機
能を有する画期的な商品を提供し得るものであることが
証明された。
【0052】
【表2】
【0053】実施例 3 実施例2で作成した編地の調温・調湿効果をより実際的
に確認するため、本発明例の編地A−1及び比較例の編
地としてCの木綿、Eのアクリルの3点について、縦1
0cm×横10cmの編地を2つ折りにし、その中央部に温
湿度センサー(THP−23 神栄(株)製)を押入し
て、データーストッカー(TRH−DM3 神栄(株)
製)と接続し、恒温恒湿器(タイプLHL−1122T
田葉井製作所製)内で、20℃80%RHと20℃3
0%RHの温湿度で各々60分間隔で連続的に変化し
て、その時の編地内部の温湿度を記録した。湿度変化を
図4に、温度変化を図5に示す。吸湿率が低く吸湿・放
湿速度定数k1 ・k2 が大きいアクリル編地は環境変化
にほぼ連動して、湿度が変化し何ら調湿機能を示さな
い。一方、吸湿性天然繊維である木綿は繊維自体の吸湿
放湿機能により、繊維内湿度は環境変化に対してある程
度遅れる傾向を示す。これに対して本発明例の繊維編地
は吸湿率が高く、吸湿・放湿速度定数k1 ・k2 が低い
特性を有することから、環境変化に対して繊維内湿度の
変化が少なく約50%RHから約70%RHの快適湿度
に調湿されていることが確認された。また繊維内温度に
ついては、アクリル編地は環境温度20℃に対してほぼ
変化を示さないのに対し、木綿編地は高湿時には2〜3
℃の吸湿発熱の昇温を示す反面、高温から低温下に変化
した場合には放湿によって気化熱が奪われ、環境温度2
0℃以下まで下がり着用時に冷え感を生じる事象と一致
する。これに対して、本発明例の繊維は吸湿能力が高
く、且つ吸湿・放湿速度定数k1 ・k2 が小さい効果
で、吸湿発熱温度が高く、且つその温度保持時間が長
く、保温性とその調温性に優れた特徴を有することが確
認された。
【0054】実施例 4 実施例2で作成した本発明例繊維No.3.30%・ア
クリル70%の混紡糸A−3、及びアクリル100%糸
Eの1/36メートル番手糸を用いて1.65±0.0
5kg/枚、目付パイル長6mmの両面起毛ニューマイヤー
毛布を各5枚づつ試作した。この毛布各々1枚を破壊試
験に供し、残り各4枚を4名の着用試験者に配付して、
アンケート方式による実用試験を行なった。各試験結果
を表3及び表4に示す。尚、実用試験は1月中旬〜2月
下旬の冬期に実施し、掛け布団、敷き布団は規制しなか
った。表3に示す防炎性は、防炎製品性能試験基準であ
る45°メセナミン法、及び45°タバコ法でJIS
L 0217の103法に基づいた洗濯処理5回後に測
定した。本発明のA−3の編地を使用した毛布では、実
施例3の編地で測定しなかった摩擦帯電圧は3.0Kvで
あり、半減期は編地より低い値を示し、実用制電効果を
確認した。一方、編地のLOIでは効果の少なかった難
燃性の混紡効果は、A−3の編地を使用した毛布の防炎
性に対しては、45°メセナミン法、45°タバコ法共
に合格した。これは編地のような垂直法より条件が甘い
こと、及び本繊維が通常の合成繊維のように溶融延焼す
る挙動を示さず、炭化し易いことによる防炎効果と推定
される。また、抗菌性、消臭性は実施例3の編地とほぼ
同等の効果を示した。また表4には、4名の着用試験者
のほぼ共通したアンケート結果を示したが、本発明のA
−3の編地を使用した毛布は、通常冬物に使用されるア
クリル100%毛布に比べて、速暖性が有ることが確認
された。人が布団に入って、寝つくまでの時間は約1時
間以内であり、速暖性は安眠を促す効果として期待でき
る。また、その他の感想では早朝の足元の冷え感がない
ことが挙げられたが、これは足先は発汗量が多いため、
吸湿率が低く且つ吸放湿速度が速いアクリル繊維は水分
蒸発による気化熱で冷え感が出ることが予測され、本発
明の繊維の他の特徴として注目される。一方、本発明繊
維の毛布が爽やかな感じがするという感想については、
実施例3の編地による温度変化に対する調湿効果と因果
関係があると推定され、春夏用毛布での着用試験も非常
に興味のあるところである。なお、参考のため、図7
(a),図7(b)に毛布A−3の毛布内の温度・湿度
経時変化の測定結果を示す。このように本発明の繊維は
毛布、シーツ、布団、敷物等パイル製品を中心とする寝
装、建装商品においても多機能を有する画期的な商品作
りが可能であることが証明された。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】実施例 5 実施例1で作成した本発明例繊維No.3(1.8d ×
48mm)30%とアクリル繊維(エクスランK8−1.
d ×51mm)70%とを均一に混紡した1/52メー
トル番手(撚数700T/M)を紡績した。その糸をパ
ッケージ染色機にて染色した後にPVAを主成分とした
糊剤を用いて糊付整経した経糸と、パッケージ染色機に
て染色し糊付けを行っていない緯糸とを高速織機を用い
て経糸密度90本/インチ、緯糸密度70本/インチの
平織組織に織り上げ、脱糊精練して風合調整剤(アニオ
ン系柔軟剤など)を織物に対して0.3重量%付着処理
し、乾熱温度150℃の熱風乾燥機で1分間熱処理し、
目付120g/m2 の本発明の繊維構造体である織物サ
ンプルを作成した。
【0058】このようにして作成した織物サンプルの性
能を評価した結果、吸湿性、pH緩衝性、抗ピル性、制
電性、アンモニア消臭性、抗菌性、吸水乾燥性が表2の
編地サンプルA−3と同程度の能力を有することを見い
だした。かかる織物はシャツ地用途において良く適合し
ている。尚、織物の設計を変更することによってスー
ツ、トランクス、スカーフ、マフラー、ハンカチーフな
どの衣料品、シーツ、布団地などの寝装具品に応用し得
る。又、他素材との複合(混紡、交撚、交織などの手
法)による繊維構造体も本発明例繊維No.3を含有す
ることの有用性から示唆される。
【0059】実施例 6 実施例1で作成した本発明例繊維No.3(1.8d ×
48mm)を50重量%、ポリエステル熱融着繊維(2d
×51mm)を20重量%、アクリル繊維(エクスランK
8−1.5d ×51mm)を30重量%用い、混綿機で予
備開繊を行った後、原綿供給ラチス、フラットカード、
カードウェッブ重ね装置とニードリング装置が連結した
装置で厚さ3mm、目付600g/m2 のニードルパン
チ布帛を作成した。この後、160℃、60秒の熱処理
を施し引き続いて160℃に設計した2本のカレンダー
ローラー間を10m/分で通過させて厚さ2.5mmの
本発明の繊維構造体である不織布(A)を作成した。
【0060】同様にして、アクリル繊維(エクスランK
8−1.5d ×51mm)を80重量%、ポリエステル熱
融着繊維(2d ×51mm)を20重量%用いてなる厚さ
2.5mmの比較例の不織布(C)を作成した。不織布
(A)用の目付1/2量のカードウェッブを上に、不織
布(C)用の目付1/2量のカードウェッブを下に1対
1に重ね合わせた後ニードリング以降を同一条件で通し
2層構造の厚さ2.5mmの本発明の繊維構造体である
不織布(B)を作成した。これら(A)、(B)、
(C)の不織布を裁断縫製して靴下敷材を作成した。
【0061】3名の成人男性パネラーを選定し、各人に
新品の靴(クラリーノ製)3足ずつと(A)、(B)、
(C)各1枚の靴下敷材を支給し、1週間単位で靴及び
靴下敷材を交換し3週間ずつの着用試験を実施した。表
5にその試験結果を示す。
【0062】
【表5】
【0063】本発明繊維の繊維構造体である(A)、
(B)の靴下敷材は、比較例(C)の靴下敷材に比べて
蒸れ感が殆ど感じられず、又、靴下の濡れによる不快感
は全く無かった。一方、着用後の靴の臭気も少ない極め
て快適な性能を有することが判った。これは、本発明繊
維でなる繊維構造体が、吸湿率、吸水性に優れ、且つ抗
菌性に優れる効果によるものであり、靴下敷材用途や敷
物用途に良く適合していることを示している。また、本
発明の繊維構造体はアンモニア消臭率が極めて高い特長
を活かしてオムツカバー、失禁パット、トイレタリー、
フィルター類で代表される健康、衛生商品や水、空気浄
化商品に応用し得る。又、不織布の製法、混用率、混用
相手、複合方法の設計を変化させることによる繊維構造
体も本発明繊維No.3を含有することの有用性から示
唆される。
【0064】実施例 7 アクリル繊維100%(エクスランK691−3d ×7
0/K89−3d ×64=60/40のメートル番手2
/28′s を綛染色機を用い定法にて染色、柔軟処理し
たもの)パイル糸と、ポリエステル糸(インターレース
150d /34f )を地糸に使用してメリヤスボア編機
で定法に従い編み、その後、毛割り、ポリッシング、毛
刈り加工でパイル長6mm、目付400g/m2 のパイ
ル編地を作成した。一方、実施例1で作成した本発明繊
維No.3(1.8d ×48mm)を50重量%、中空ポ
リエステル繊維(3d ×51mm)を50重量%用い混綿
機で予備開繊を行った後、ローラーカードで本発明の繊
維構造体であるカードウェッブを作成した。本発明繊維
混用ウェッブを詰め綿に使用して、ぬいぐるみを作成し
た。
【0065】このぬいぐるみを5名の女性パネラーに渡
しアンケート方式で使用試験を実施した結果、抱っこし
ていると温かくなり気持ちが良い、枕かわりに使用する
と気持ちが良い、ぬいぐるみがサラッとした感じがする
などの興味ある能力を見いだした。これは、手、或いは
肌からの感知汗、不感知汗を通して本発明繊維の備えて
いる吸湿発熱性能が寄与したものと推察され、中綿、詰
め綿としての繊維構造体において良く適合していること
がわかる。本発明繊維でなる繊維構造体は、その他にp
H緩衝性、抗菌性、アンモニア消臭性などの機能も合わ
せ備えていることから、布団の中綿、枕の中綿、座布団
の中綿、汗取りパット中綿などに応用し得ることが示唆
される。
【0066】実施例 8 本発明繊維No.3から、実施例6の不織布(A)と同
様の方法で、目付100g/m2 、厚さ3mmのカード
ウェッブシート(A)を、高吸水性繊維(日本エクスラ
ン工業(株)製 ランシール)で同じ目付、厚さの高吸
水性繊維シート(C)を作製した。さらに吸水性ポリマ
ー((B)ポリアクリル酸の部分架橋物でなる)と、1
00%綿でなるガーゼ織物(D)を用意した。これか
ら、上から下にD・A・B・C・Dの順に積層し、本発
明構造体であるクロスステッチ積層構造体とした。該吸
収性構造体5cm2 大の上側から0.5wt%アンモニ
ア水溶液を4cc吸収させた後、該構造体を100cc
の蒸留水に浸漬し、pHを測定した。pH値は6.5で
あった。アンモニア吸収後も臭いが無く、またpHがこ
のように安定しているのは緩衝性に優れることを物語る
ものである。
【0067】
【発明の効果】本発明により、健康・快適・安全・衛生
ならびにイージーケア性など多機能を有する調温・調湿
・調和繊維、言い換えれば、コンディショニング機能繊
維を提供することができる。本発明の調温・調湿機能
は、20℃65%RHにおける飽和吸湿率が15〜35
重量%であって、吸放湿速度定数が特定の範囲にあって
初めて発揮し得る。また、本発明の繊維はpH緩衝性、
難燃性、抗菌性、制電性、消臭性、抗ピル性、保水性、
水吸上げ性、乾燥のし易さなど殆どの調和機能を具備し
ており、従来の天然繊維や合成繊維と比べて顕著な諸機
能を有する。更に、各種繊維との混紡の効果も顕著であ
り、様々な加工や用途分野に広く用いることが可能であ
る。
【0068】すなわち、本発明の繊維を10wt%以上
含有する繊維構造体は、併用する相手素材と協同する事
により本発明の繊維の少量使用でも十分機能を発現した
り、さらに別の機能を併せ有するようにし得るので、多
くの最終製品を提供する。
【0069】その一例としては、肌に接する衣料用途と
して肌着、ランジェリー、パジャマ、乳児製品、ガード
ル、ブラジャー、靴下、タイツ、レオタード、トランク
ス等が挙げられ、中外衣料用途としてはセーター、トレ
ーナー、スーツ、スポーツウェア、スカーフ、ハンカ
チ、マフラー、人工毛皮、乳児製品等が挙げられる。ま
た寝装、建装用途としてはカーペット、マット等の敷物
類、毛布、カーテン、布団地、シーツ、中綿、詰め綿等
が挙げられ、その他の用途としてはフィルター、吸着
材、サポーター、ぬいぐるみ、包帯、止血材、創傷保護
用傷当て等が挙げられる。本発明の繊維のpH緩衝性に
優れる特徴を生かすためには、肌に接する衣料用途、あ
るいはオムツ、オムツカバー、生理用品等に用いること
が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種繊維の吸湿速度曲線を示したものである。
【図2】各種繊維の放湿速度曲線を示したものである。
【図3】各種繊維の吸着発熱・放熱曲線を示したもので
ある。
【図4】繊維内の湿度経時変化を示したものである。
【図5】繊維内の温度経時変化を示したものである。
【図6】繊維の等温吸湿曲線を示したものである。
【図7】(a)は毛布内温度経時変化を、(b)は毛布
内湿度経時変化を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 15/00 D03D 15/00 A D04H 1/42 D04H 1/42 L (56)参考文献 特開 平5−132858(JP,A) 特開 昭60−208338(JP,A) 特開 昭60−167922(JP,A) 特開 昭61−152827(JP,A) 特開 平2−259169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 13/535

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃65%RHに於ける飽和吸湿率が
    15〜35重量%であって、下記速度式の吸湿速度定数
    1 が0.015〜0.029の範囲で且つ放湿速度定
    数k2 が0.005〜0.015の範囲である調温・調
    湿機能を有することを特徴とする吸湿性架橋アクリル系
    繊維。 W1 =We ( 1−e-k1t) W1 :絶乾から時間tにおける吸湿率 We :20℃65%RH飽和吸湿率 k1 :吸湿速度定数 t :0〜30分 W2 = (Wa −Wb )(1−e-k2t) W2 :Wb から時間tにおける吸湿率 Wa :20℃30%RH飽和吸湿率 Wb :20℃80%RH飽和吸湿率 k2 :放湿速度定数 t :0〜30分
  2. 【請求項2】 pH緩衝性、難燃性、抗菌性、消臭性、
    抗ピル性、制電性、吸水性、及び乾燥のし易さの調和機
    能をさらに有することを特徴とする請求項1記載の吸湿
    性架橋アクリル系繊維。
  3. 【請求項3】 アクリル繊維にヒドラジン処理により架
    橋構造を導入して窒素含有量の増加を1.0〜8.0重
    量%の範囲内に調整し、加水分解により残存しているニ
    トリル基量の1.0〜5.0meq/gにカルボキシル
    基を、残部にアミド基を導入し、次いで該カルボキシル
    基の50〜90mol%をMg,Ca,Cu,Zn,A
    l,Ag,Feより選ばれる1種あるいは2種以上の金
    属塩型とする吸湿性架橋アクリル系繊維であって、最終
    熱処理の乾熱温度を100〜230℃で行なうことを特
    徴とする請求項1又は2記載の吸湿性架橋アクリル系繊
    維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿性
    架橋アクリル系繊維を10wt%以上含有してなること
    を特徴とする繊維構造体。
JP20384695A 1995-06-05 1995-07-17 吸湿性架橋アクリル系繊維及び該繊維を用いた繊維構造体 Expired - Fee Related JP3248401B2 (ja)

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