JP2580282Y2 - 調理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、調理装置をすりおろ
したり、あるいはスライスしたりする調理装置に関す
る。

【０００２】

【従来技術】調理材料を所望の厚さでスライスする従来
の調理装置は、容器の底面中央部に設けられた軸支部に
刃物ディスクを回転可能に支持するとともに該容器に対
し、刃物ディスクのボスに挿嵌され、上部にハンドルが
取り付けられた回転軸を回転可能に支持し、かつ投入開
口を有した蓋を取り付けた構成からなる。

【０００３】そして投入開口から調理材料を投入した後
にハンドルを回動操作して刃物ディスクを所望の方向へ
回転させることにより調理材料を所望の厚さにスライス
している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記した従来の調理装
置にあっては、刃物ディスクをスライス用から、上面に
多数のおろし刃が形成されたおろし盤を偏心位置に回転
可能に支持したおろし用の刃物ディスクへ交換し、ハン
ドルの回動操作によりおろし盤を、回転軸を中心に公転
させながら自転可能とすることにより調理材料をすりお
ろすことができる。

【０００５】しかしながら、調理材料との抵抗によりお
ろし盤が回転する構成であるため、繊維が多い調理材料
をすりおろす場合、おろし刃に付着した繊維を確実に切
断することができず、該繊維によりおろし刃が目詰りし
て調理材料を確実にすりおろすことができなかった。

【０００６】本考案は、上記した従来の欠点を解決する
ために考案されたものであり、その目的とするところ
は、調理材料をすりおろす際には繊維を確実に切断して
おろし刃の目詰まりを防止して効率的にすりおろすこと
ができる調理装置を提供することにある。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】このため本考案は、底
面の中心部に軸支部を有した容器と、軸支部に回り止め
された状態で取付け可能な固定歯車と、複数の偏心位置
に回転軸が回転可能に軸支されると共に夫々の回転軸上
部に、おろし刃を有したおろし盤及び下部に固定歯車に
夫々噛合う歯車が取付けられた刃物ディスクと、刃物デ
ィスクが取付けられた容器に対して上面を覆うように取
付けられる蓋と、下端部が刃物ディスクに対して回り止
め状態で挿通して軸支部に支持される駆動軸と、蓋に対
して軸線方向へ移動可能で回転可能に支持されると共に
駆動軸に対して軸線方向へ移動可能で回り止め可能に支
持される中空軸と、該中空軸下部に対して回転可能に支
持され、放射方向へ延出する押圧部材とからなることを
特徴としている。

【０００８】そして本考案は、駆動軸に対して中空軸を
上方へ移動した状態で押圧部材と刃物ディスクの間にす
りおろそうとする調理材料を取り付けた後、中空軸を下
方へ移動して押圧部材により調理材料を刃物ディスクへ
押し付けた状態で該中空軸を回動させると、調理材料は
中空軸に連結された駆動軸により回転する刃物ディスク
及び固定歯車により該刃物ディスクの偏心位置にて自転
するおろし盤によりすりおろされる。このとき、おろし
盤が刃物ディスクの回転に伴ってその偏心位置にて強制
的に自転されるため、調理材料の繊維を有効に切断して
目詰まりを防止しながらすりおろすことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に従って説明
する。

【００１０】図１は調理装置の分解斜視図である。

【００１１】図２は調理装置の中央縦断面図である。

【００１２】図３はおろし用刃物ディスクの一部破断斜
視図である。

【００１３】

【００１４】図４は歯車体の斜視図である。

【００１５】調理装置１の容器３は上面が開口したほぼ
円筒形状で、底面中央部には軸受部５が立設されてい
る。該軸受部５の外周は異形断面形状に形成され、中央
部には軸受孔７が形成されている。なお、容器３の上部
外周には複数の被係止部３ａが形成されている。

【００１６】軸受部５には固定歯車部材９が回り止めさ
れて着脱可能に挿嵌され、該固定歯車部材９の上部外周
には外歯９ａが形成されている。なお、固定歯車部材９
の上部中心には貫通孔９ｂが、後述するおろし用刃物デ
ィスク２７のボス３５下端部を回転可能に支持するよう
に形成されている。

【００１７】容器３の上部には蓋１１が、その係合部１
１ａを被係止部３ａに係合して着脱可能に取り付けられ
ている。該蓋１１の上面中央部には軸支円筒部１３が立
設され、該軸支円筒部１３の一側には横断面がコ字形の
挿入部１５が連続するように一体形成されている。そし
て該挿入部１５の側面には投入開口１７が形成されてい
る。

【００１８】軸支円筒部１３の上部には軸支円筒部１３
の高さとほぼ一致する軸線長さの中空軸１９が回転可能
で、かつ軸線方向へ移動可能に支持されている。そして
軸支円筒部１３の上部から上方へ突出した中空軸１９上
部にはハンドル２１が着脱可能に取り付けられている。
また、中空軸１９の下部には押圧板２３が回転可能に支
持され、該押圧板２３は挿入部１５内に位置して回り止
めされている。なお、図中の符号２４は押圧板２３が取
り付けられた中空軸１９の下端部に取り付けられ、該押
圧板２３を抜け止めするストップリングである。

【００１９】中空軸１９の中心部には異形断面形状の中
空部１９ａが軸線方向へ延びるように形成され、該中空
部１９ａ内には支持軸２５が上下方向へ移動可能で、か
つ回り止めされた状態で挿入されている。そして該支持
軸２５にはおろし用刃物ディスク２７あるいはスライス
用刃物ディスク２９が下部に位置して交換可能で、かつ
回り止めされた状態で取り付けられる。これらおろし用
刃物ディスク２７あるいはスライス用刃物ディスク２９
は支持軸２５の下端部に取り付けられた固定部材３１に
より抜け止めされている。そして該固定部材３１は軸受
部５の軸受孔７内にて回転可能に支持される。

【００２０】おろし用刃物ディスク２７における回転リ
ング３３の中心部にはボス３５がリブ３６を介して一体
形成され、該ボス３５の中心部には貫通孔３７が、挿通
される支持軸２５を回り止め可能に形成されている。ま
た、ボス３５の下部には下方へ傾斜しながら半径方向へ
延出する傾斜盤３９が一体形成され、該傾斜盤３９の偏
心位置には複数の軸支部４１が一体形成されている。そ
して各軸支部４１には回転軸４５が回転可能に支持さ
れ、該回転軸４５の上部には上面に多数のおろし刃を有
したおろし盤４７が、また下部には歯車４９が固定歯車
部材９の外歯９ａと噛み合うように取り付けられてい
る。

【００２１】

【００２２】

【００２３】

【００２４】次に、上記のように構成された調理装置１
の作用を説明する。

【００２５】先ず、調理材料をすりおろす場合について
説明する。

【００２６】図５はおろし作業時の略体中央縦断面図で
ある。

【００２７】容器３の軸受部５上部に対して固定歯車部
材９を回り止めした状態で取り付けるとともに支持軸２
５に対し、上方からボス３５を挿通しておろし用刃物デ
ィスク２７を取り付ける。このおろし用刃物ディスク２
７は固定部材３１により支持軸２５から抜け止めされ
る。

【００２８】次に、容器３に取り付けられた固定歯車部
材９の貫通孔９ｂ内に支持軸２５の下端部を挿入して固
定部材３１を軸受孔７に回転可能に支持させるとともに
支持軸２５に対し、中空軸１９を挿嵌しながら容器３に
蓋１１を取り付ける。このとき、固定歯車部材９の外歯
９ａに対しておろし用刃物ディスク２７の歯車４９が噛
み合わされる。

【００２９】上記状態にて中空軸１９に連結されたハン
ドル２１が上方へ持ち上げられると、支持軸２５に対し
て中空軸１９が上方へ移動し、挿入部１５内の押圧板２
３を上部へ移動させる。この状態にて投入開口１７を介
して調理材料を、挿入部１５内の押圧板２３とおろし用
刃物ディスク２７との間に挿入した後、ハンドル２１が
下方へ押し下げられながら回動操作されると、支持軸２
５を中心に所要の方向へ回転するおろし用刃物ディスク
２７のおろし盤４７により調理材料がすりおろされる。
このとき、固定された固定歯車部材９の外歯９ａとおろ
し用刃物ディスク２７の歯車４９とが噛み合わされてい
るため、おろし用刃物ディスク２７の回転にともなって
公転するおろし盤４７が所要の方向へ自転される。これ
によりおろし盤４７は調理材料の繊維を確実に切断しな
がらすりおろすことができる。

【００３０】そしてすりおろされた調理材料は、おろし
用刃物ディスク２７のリブ３６間の開口を介して容器３
内にためられる。

【００３１】

【００３２】なお、本実施例の調理装置１は、おろし用
刃物ディスク２７の代わりに図６に示すスライス用刃物
ディスク２９を取り付けることにより調理材料を所要の
厚さにスライスすることもできる。

【００３３】即ち、おろし用刃物ディスク２７の代わり
に取付け可能なスライス用刃物ディスク２９の回転盤５
１中心部にはボス５３が一体形成され、該ボス５３の中
心部には貫通孔５５が、挿嵌される支持軸２５を回り止
め可能に形成されている。そして回転盤５１には所定の
幅からなるスリット５７が中心から半径方向へ延びるよ
うに形成され、回転方向上手側のスリット５７端縁に応
じた回転盤５１上面にはスライス刃５９が、スリット５
７に沿って取り付けられている。

【００３４】回転方向下手側のスリット５７端縁に応じ
た回転盤５１下面には厚さ調整板６１が、その一端縁が
スリット５７内に位置した状態で軸６３を中心に回動可
能に支持されている。そして回転方向下手側に応じた厚
さ調整板６１の端縁には突部（図示せず）が、長手方向
全体にわたって一体形成されている。

【００３５】また、スリット５７の回転方向下手側に応
じた回転盤５１下面には傾斜ガイド６５が中心から半径
方向へ徐々に高さが低くなるように形成され、該傾斜ガ
イド６５には操作部材６７が半径方向へ移動可能に支持
されている。そして回転方向上手側の操作部材６７には
係合凹部（図示せず）が突部と係合するように形成され
ている。

【００３６】このように本実施例は、大根等の調理材料
をすりおろす場合には容器３に固定歯車部材９を取り付
けておろし盤４７を、支持軸２５を中心に公転させなが
ら自転させて繊維を確実に切断しながらすりおろすこと
ができる。この結果、おろし刃の目詰まりを防止して調
理材料を効率的にすりおろすことができる。

【００３７】

【考案の効果】このため本考案は、調理材料をすりおろ
す際には繊維を確実に切断しておろし刃の目詰まりを防
止して良好にすりおろすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】調理装置の分解斜視図である。

【図２】調理装置の中央縦断面図である。

【図３】おろし用刃物ディスクの一部破断斜視図であ
る。

【図４】歯車体の斜視図である。

【図５】おろし作業時の略体中央縦断面図である。

【図６】スライス作業時の略体中央縦断面図である。

【符号の説明】

１ 調理装置 ３ 容器 ５ 軸受部 ９ 固定歯車部材 １１ 蓋 １９ 中空軸 ２５ 支持軸 ２７ おろし用刃物ディスク ２９ スライス用刃物ディスク ４５ 回転軸 ４７ おろし盤 ４９ 歯車

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底面の中心部に軸支部を有した容器と、軸
   支部に回り止めされた状態で取付け可能な固定歯車と、
   複数の偏心位置に回転軸が回転可能に軸支されると共に
   夫々の回転軸上部に、おろし刃を有したおろし盤及び下
   部に固定歯車に夫々噛合う歯車が取付けられた刃物ディ
   スクと、刃物ディスクが取付けられた容器に対して上面
   を覆うように取付けられる蓋と、下端部が刃物ディスク
   に対して回り止め状態で挿通して軸支部に支持される駆
   動軸と、蓋に対して軸線方向へ移動可能で回転可能に支
   持されると共に駆動軸に対して軸線方向へ移動可能で回
   り止め可能に支持される中空軸と、該中空軸下部に対し
   て回転可能に支持され、放射方向へ延出する押圧部材と
   からなる調理装置。