JP2579806C - - Google Patents

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JP2579806C
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fluid
hydrocarbon group
viscosity
viscous coupling
carbon atoms
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Cosmo Oil Co Ltd
DuPont Toray Specialty Materials KK
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Cosmo Oil Co Ltd
Dow Corning Asia Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 ビスカスカップリングは粘性を利用した軸継手で、自動車の走行安定性や悪路
脱出を目的としてディファレンシャル機構や四輪駆動車のプロペラシャフト等に
装着されるもので、その耐久性は充填されているビスカスカップリング用流体の
性能に大きく依存している。 本発明は、長期間の使用において安定なビスカスカップリング用流体組成物に
関するものである。 〔従来の技術〕 ビスカスカップリングはハウジングとハブ、このハウジング側とハブ側にそれ
ぞれ取りつけられた数十枚の薄い鉄製の環状プレートにより構成され、この中に
高粘度のビスカスカップリング用流体が充填されている。ハブとハウジング側の
両プレート間に回転差が生じると、両プレート間にせん断力がかかり、充填流体
の粘性によるトルクが発生し、トルクが伝達され、また回転差が制御される。ビ
スカスカップリングの構造については例えば特公昭58−48779に記載され
ている。 このように、ビスカスカップリングは充填流体の粘性抵抗を利用したもので、
自動車に装着される場合、出来るだけ小型で必要なトルクを得ることが要求され
るため、比較的高粘度の流体が使われる。また、ビスカスカップリング用流体と
しては温度に対する粘度変化の小さいこと、高温での熱安定性に優れることが要
求され、従来よりシリコーン流体が使われている。特に、25℃での粘度が5,
000〜500,000センチストークスのジメチルポリシロキサン流体が一般
に使われているが、流体にかかるせん断やプレート間の摩擦による発熱で相当の
高温になることもあり、長期間の使用において、粘度上昇を起こし最終的にはゲ
ル化に至ることが多いという問題点があった。すなわち、充填流体が著しく粘度
変化したり、ゲル化するとビスカスカップリングの初期設定性能が維持できなく
なり、この点の解決が急務とされていた。 従来よりポリオルガノシロキサンの耐熱性向上のため種々の耐熱向上剤の添加
が検討されてきた。提案された耐熱向上剤としては、例えば、フェノチアジン、
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−N’−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニ
レンジアミンなどのアミン類、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、スチレン化
フェノール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4
’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール類、
鉄、セリウム、ジルコニウムなどのオクチル酸金属塩、有機セレン化合物、フェ
ロセン、さらにはポリオルガノシロキサンと相溶性にすぐれたシロキサン化合物
、例えばフェロ−シロキサン、ジルコニウム−シロキサン(特公昭56−147
00)、セリウム−シロキサン(特公昭51−24377、特公昭53− 980)、芳香族アミン基を有するシロキサン(特公昭55−18457、特公
昭60−10535)、ジルコニウム・セリウム−シロキサン(特開昭61−1
85597)などが挙げられる。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、公知の耐熱向上剤の添加などの方法では、静的な実験室的熱安
定度テスト、例えばビーカーに試料を採取し、200〜250℃の恒温室に静置
して粘度上昇の傾向やゲル化に至るまでの時間で評価した場合には効果が認めら
れるものの、ビスカスカップリング用流体として実装置で使用して試験した場合
、粘度上昇やゲル化を防止することはできない場合がほとんどである。 これらを解決する手段として本発明者らは、先に、ポリオルガノシロキサン流
体の基油に対し、特定のイオン系添加剤を配合することにより安定なビスカスカ
ップリング用流体が得られることを見い出している(特開平01−65195号
公報)。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、さらにそれ以外の有効な化合物について、鋭意検索を重ねた結
果、ポリオルガノシロキサン流体の基油に対して、特定のリン系添加剤を配合す
ることにより安定なビスカスカップリング用流体が得られることをも見い出し本
発明を確立したものである。 すなわち、本発明の要旨は、(A)平均単位式 (式中、R1は一価の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基であり、aは1
.9〜2.1の数である。)で示され、25℃における粘度が5,000〜50
0,000センチストークスのポリオルガノシロキサン流体を基油とし、これに
、(B)少量の次に示す(イ)および(ロ)のリン化合物よりなる群から選ばれ
る少なくとも一つの成分を添加して成ることを特徴とするビスカスカップリング
用流体組成物: (イ)一般式 (R2b3-b3PXc (I) (式中、bは2または3であり、cは0または1の数であり、Xは酸素原子であ
り、bが2のときはR2が一価の炭素数18の直鎖の不飽和脂肪族炭化水素基で
あり、bが3のときはR2が一価の炭素数12の直鎖の飽和の脂肪族炭化水素基
または炭素数7の芳香族炭化水素基である。)で示されるリン酸エステルまたは
亜リン酸エステル (ロ)炭化水素と硫化リンとの反応生成物、に存する。 本発明の組成物の主成分である平均単位式で示されるポリオルガノシロキシサ
ン流体において式中R1は一価の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基であ
り、炭化水素基の例としては、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基(例えばアルキル基アルケニル基)、炭素数6〜1
8の芳香族炭化水素基があり、ハロゲン化炭化水素基の例としては上記炭化水素
基の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子)で置換されたものである。脂肪族炭化水素基、ハロゲン化脂肪族炭化
水素基としては炭素数1〜8のものが望ましく、例えばメチル、エチル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、トリフルオロプロピル基、オクテニル基などが
あげられる。芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル
基などがあげられる。ケイ素原子に結合するこれらの基は同一または異種のもの
であってもよい。ポリオルガノシロキサンは直鎖状の骨格を成しており、若干の
分岐部分を有してもよい。平均単位のポリオルガノシロキサンにおいて、直鎖で
分子量の高いものはaが2.0に近く、分子量が低いものはaが2.0より大き
く、分岐部分を含むものはaが2.0より小さい。本発明に使用されるポリオル
ガノシロキサン流体の例としては、ポリジメチルシロキサン流体、ポリジメチル
・メチルフェニルシロキサン流体、ポリメチルフェニルシロキサン流体、ポリジ
メチル・ジフェニルシロキサン流体、ポリメチルヘキシルシロキサン流体、ポリ
メチルオクチルシロキサン流体、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン流
体、ポリジメチル・メチルトリフルオロプロピルシロキサン流体など単一重合体
や共重合体またはこれらの混合物があげられる。 また、分子鎖末端はトリオルガノシリル基で封鎖されていることが望ましく、
その例としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基などがあげられる。 これらのポリオルガノシロキサンの粘度は25℃において約5,000〜50
0,000、好ましくは約5,000〜400,000センチストークスの範囲
のものが適当である。粘度が低過ぎるものは粘性抵抗が小さくビスカスカップリ
ングの容量を非常に大きくする必要があり、また粘度が高過ぎるものは粘性抵抗
が大き過ぎ、発熱が非常に大きくなり耐久性に問題がでてくる。本発明の組成物
において、このポリオルガノシロキサン流体は基油として配合され、その配合量
は組成物の多割合を占め、通常約90〜99.99重量%、好ましくは約95〜
99.95重量%の量で使用される。 本発明においては、上記ポリオルガノシロキサン流体より基油(A)に少量の
特定のリン系添加剤(B)が配合される。以下これらの成分について述べる。 まず一般式(I)で示されるリン系添加剤において、bが2のときはR2は一
価の炭素数18の直鎖の不飽和脂肪族炭化水素基であり、bが3のときはR2
一価の炭素数12の直鎖の飽和の脂肪族炭化水素基または炭素数7の芳香族炭化
水素基である。 (ロ)で示される成分の原料炭化水素は二重結合を一個以上含有し、かつ約5
〜20個の炭素原子を含有する炭化水素であり、硫化リンとしては例えばP25
、P24、P23などであり、炭化水素と硫化リンとの反応生成物としては例え
ばテルペン類、低分子量ポリブチレンまたはオレフィンをリン硫化したものなど
があげられる。 以上平均単位式で示されるポリオルガノシロキサンに(イ)〜(ロ)に示され
る成分を約0.01〜10重量%、好ましくは約0.05〜5重量%配合するこ
とにより望ましいビスカスカップリング用流体組成物が得られる。(イ)〜(ロ
)に示される成分の配合量が少な過ぎると効果が小さいし、配合量が多過ぎると
基油であるポリオルガノシロキサンや(イ)〜(ロ)に示される成分自体の熱劣
化の影響が大きくなり望ましくない。なお、本発明の組成物において配合量は特
に断わらない限り、組成物全量を基準とする。 平均単位式で示されるポリオルガノシロキサンに加える(イ)〜(ロ)に示さ
れる成分はそれぞれ単独で用いて効果を有するが、(イ)〜(ロ)に示される成
分の中から2〜4成分を併用してもさしつかえない。この場合、(イ)〜(ロ) に示される成分の全量が約0.01〜10重量%の範囲にあることが望ましい。 また、本発明の組成物に前記した従来公知の耐熱向上剤、先に発明したイオウ
、あるいはイオウ化合物やその他慣用の添加剤を添加してもさしつかえない。特
に、ビスカスカップリング用流体として種々の過酷な条件下にさらされることを
考えると、従来公知の耐熱向上剤をも添加した方が望ましい場合もある。 〔発明の効果〕 本発明のビスカスカップリング用流体は、長期間の使用において、粘度変化が
小さく、またゲル化しにくく、安定であるという特徴を有する。また本発明のビ
スカスカップリング用流体を使用することにより、上記の点以外にプレート板の
耐摩耗性も改善されるという効果を有し、ビスカスカップリングの耐久性さらに
は自動車の信頼性を高めるものである。 (実施例) 以下に本発明の実施例を示すが、これらは単に例示であって本発明がこれらに
よって制限されるものではない。なお、以下に記す粘度は25℃における粘度で
ある。 実施例1〜4、比較例1〜8 実施例1〜4、比較例1〜8の組成物の組成を第1表および第2表に示す。こ
れらの組成物は全て第1表と第2表に示す割合で60℃で1時間混合撹拌するこ
とにより調製した。実施例1〜4および比較例1〜8で用いたポリオルガノシロ
キサンは全て分子鎖末端をトリメチルシリル基で封鎖したものである。 実施例1におけるトリクレジルフォスフェートは、比重(15/4℃)(以下
、比重の単位は特記しない限り同じとする。)1.17、リン分8.4重量%、
全酸価0.05mgKOH/gのもので大八化学株式会社のものを用いた。実施
例2におけるトリラウリルフォスフェートは比重0.90、リン分5.1重量%
、全酸価0.5mgKOH/gのもので大八化学株式会社のものを用いた。実施
例3におけるジオレイルハイドロジェンホスファイトは、比重0.09、リン分
5.4重量%のもので商品名「Phoslex H−18D」(堺化学工業株式
会社製)を用いた。 比較例1におけるオクチル酸鉄は比重(25℃)0.935、鉄6.0重量% のものを用いた。比較例2のジルコニウムシロキサンは、比重(25℃)0.9
93、粘度25センチストークス、ジルコニウム3.0重量%のものを用いた。
比較例3の芳香族アミン基を有するシロキサンは比重(25℃)1.080、粘
度115センチストークスのものを用いた。比較例4におけるオレイルアシッド
フォスフェートは、比重0.94、リン分6.5重量%、全酸価170mgKO
H/gのもので商品名「Phoslex A−18D」(堺化学工業株式会社製
(以下、比較例5〜は該社製))を用いた。比較例5におけるラウリルアシッド
フォスフェートは比重0.942、リン分8.6重量%、全酸価245mgKO
H/gのもので商品名「Phoslex A−12」を用いた。比較例6におけ
るトリスノニルフェニルホスファイトは比重0.898、リン分7.4重量%の
もので商品名「Chelex T」を用いた。比較例7における酸性リン酸エス
テルのココナッツアミン塩は比重0.93、リン分6.6重量%、窒素分3.2
重量%、全酸価170mgKOH/gのもので商品名「Phospair 37
」を用いた。比較例8における化合物は、イオウ分13重量%、リン分8.5重
量%、窒素分2.3重量%であった。 以上の実施例および比較例に示す組成のものをビスカスカップリング用流体と
して評価した。その結果を第3表に示す。評価は59枚のプレートから成る内容
積約105mlのビスカスカップリングに実施例および比較例に示す組成物をそ
れぞれ充填率が90容量%になるよう封入し、100回転/分の差速で流体温度
を130℃に保持しながら200時間連続運転したときの運転前後のトルク変化
と粘度変化を測定した。ただ、比較例3の評価は50回転/分の差速で200時
間連続運転したものである。また、運転前後の流体中の鉄分を測定した。なお、
トルク変化は30回転/分での差速時に生じるトルクの運転前後の変化率である
。第3表から本発明のものは、従来の公知技術に基づく比較例や他のリン系化合
物のものに比べ粘度変化が小さく、結果としてトルク変化も小さくビスカスカッ
プリング用流体として優れていることがわかる。また、試験度の流体中の鉄分は
プレートと摩耗により生成した鉄の量で、本発明のものは流体中の鉄分が少ない
ことによりプレートの摩耗をある程度防ぐ効果もあることがわかる。以上、本発
明のビスカスカップリング用流体を使うことによりビスカスカップリングの耐 久性や信頼性が高まる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)平均単位式 (式中、R1は一価の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基であり、aは1
    .9〜2.1の数である。)で示され、25℃における粘度が5,000〜50
    0,000センチストークスのポリオルガノシロキサン流体を基油とし、これに
    、(B)少量の次に示す(イ)および(ロ)のリン化合物よりなる群から選ばれ
    る少なくとも一つの成分を添加して成ることを特徴とするビスカスカップリング
    用流体組成物: (イ)一般式 (R2b3-b3PXc (I) (式中、bは2または3であり、cは0または1の数であり、Xは酸素原子であ
    り、bが2のときはR2が一価の炭素数18の直鎖の不飽和脂肪族炭化水素基で
    あり、bが3のときはR2が一価の炭素数12の直鎖の飽和の脂肪族炭化水素基
    または炭素数7の芳香族炭化水素基である。)で示されるリン酸エステルまたは
    亜リン酸エステル (ロ)炭化水素と硫化リンとの反応生成物。

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