JP2579621B2 - リグナン類の光学分割方法 - Google Patents

リグナン類の光学分割方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はリグナン類の光学異性体(エナンチオマー)
混合物から、各々のエナンチオマーを単離する方法に関
するものである。
〔従来の技術及び問題点〕
不斉な化合物の光学異性体はその生理作用を異にする
ことが普通であり、従って医農薬等においては、一方の
エナンチオマーのみを用いることが副作用の除去、或い
は単位当たり薬効の改善につながる場合がある。また最
近では液晶その他の光学材料に光学活性物質を用いるこ
とも検討され始めている。こうした事情から光学活性物
質の合成或いは単離が有機合成化学の関心事になりつつ
ある。
本発明が光学分割の対象とするリグナン類は各種の植
物の組織内に光学活性体として存在する物質であり、し
ばしば配糖体として得られる。これらリグナン類、或い
はその配糖体には生理活性を有するものが多く、和漢薬
の有効成分と考えられているものもあるが、その生産量
は小さい。
他方、リグナン類は例えば次式 で表される骨格を有するアルコールの酸化的カップリン
グ〔天然物化学,K.B.G トーセル著,野副重男,三川潮
訳,P101〜105(1984);リグニンの化学−基礎と応用,
中野準三編,P80〜91(1979)〕もしくはリグニンの分解
〔リグニンの化学−基礎と応用,中野準三編,P113〜129
(1979)〕等の方法によりそのラセミ体を多量に得るこ
とができる。従ってこれを光学分割することができるな
ら、より多量のリグナン類を供給することができ、更に
これにグリコシル化反応を行えばリグナン配糖体を得る
ことができる。しかしこのリグナン類を効果的に光学分
割する方法はなかった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前項で述べたリグナン類もしくはその配
糖体を製造する上での問題点に鑑み、簡便で工業化が容
易であるような光学分割の方法を検討した結果、多糖の
誘導体を有効成分とする吸着剤による吸着を利用した分
離方法がこれらの化合物の光学分割に適していることを
見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、式(I) 〔式中、Ar,Ar′は式 (R,R′,R″はH又はCH3を示す)で表される基を示し、
*は不斉中心を示す。〕 で表されるレジノール骨格を有するリグナン類の光学異
性体の混合物をセルローストリスフェニルカルバメート
を有効成分とする吸着剤を用いてクロマトグラフィーに
より光学分割することを特徴とするリグナン類の光学分
割方法に関するものである。
本発明の光学分割の対象とするところの上記式(I)
で表されるレジノール骨格を有するリグナン類の具体的
な化合物を以下に例示すると、 等を挙げることができる(リグナン類に関する解説;中
野準三,樋口隆昌,住本昌之,石津敦「木材化学」ユニ
出版,昭58、右田伸彦,米沢保正,近藤民雄「木材化
学」下,共立出版,昭43)。
リグナン類の中には薬理作用などの生理活性を持つも
のが数多く見出されている。これに関してはW.D.McRae,
G.H.N.Towers,Phytochemisty,23,1207(1984)等に紹介
されているので、あらためて詳しく触れることはしない
が、いくつかを例示する。シリンガレジノール(1)の
配糖体はエゾウコギより抽出される強壮成分エレウテロ
コックの有効成分として、外部からのストレス、疲労に
対する耐性を増大するといわれる。ピノレジノール
(2)の配糖体は漢方の薬草Eucommia ulmoidesより単
離され、高血圧に有効であるといわれる。アサリニン
(3)には抗結核作用が認められ、またそのエピマーで
あるセサミン(4)と共にキク酸系殺虫剤の薬効を増進
する作用を有する。その他、中枢神経の興奮、抑制、強
心、その他多様な生理活性が各種のリグナン類に認めら
れている。またその生理活性が光学異性体間で異なる例
もいくつか知られている。
これらリグナン類のラセミ体は通常の化学合成によっ
て得ることができるが、特にある種のリグナン類のラセ
ミ体はリグニンを加水分解すること(同,“Lignins",P
345〜372;同,“リグニンの化学−基礎と応用−",P113
〜129;N.Nakatsubo,M.Tanahashi,T.Higuchi,Wood.Res.,
539〜18(1972))、又は木材を高温高圧下に水蒸気処
理し、急激に常圧に戻してその構造を破砕するいわゆる
爆砕処理においてもリグニンの分解産物として(棚橋,
樋口,紙パ技協誌,39,118〜127(1985);同,紙パ技
術タイムス,28(7),1〜5(1985);棚橋,小林,樋
口,第35回日本木材学会,研究発表要旨,P288(1985年
4月)棚橋,樋口,第36回日本木材学会,研究発表要
旨,P305(1986年4月))、それぞれ、ラセミ体のリグ
ナンが多量に生成することが知られている。
本発明に用いられる吸着剤はセルローストリスフェニ
ルカルバメートを有効成分とするものである。
上記吸着剤を用いて本発明の光学活性体を得るための
手段としてはガスクロマトグラフィー、液体クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィー法などのクロマトグ
ラフィー法がある。
本発明に係わる吸着剤を液体クロマト法又はガスクロ
マト法として使用するには、セルローストリスフェニル
カルバメートをそのままカラムに充填するか担体に保持
させて充填するかキャピラリーカラムにコーティングす
ることによっても使用できる。
クロマト用吸着剤は粒状であることが好ましいことか
ら、セルローストリスフェニルカルバメートを化合物の
吸着剤として用いるには、セルローストリスフェニルカ
ルバメートを破砕するか、ビーズ状にすることが好まし
い。粒子の大きさは使用するカラムやプレートの大きさ
によって異なるが、1μm〜10mm、好ましくは1μm〜
300μmであり、粒子は多孔質であることが好ましい。
更に吸着剤の耐圧能力の向上、溶媒置換による膨潤、
収縮の防止、理論段数の向上のために、セルローストリ
スフェニルカルバメートは担体に保持させることが好ま
しい。適当な担体の大きさは、使用するカラムやプレー
トの大きさにより変わるが、一般に1μm〜10mmであ
り、好ましくは1μm〜300μmである。担体は多孔質
であることが好ましく、平均孔径は10Å〜100μmであ
り、好ましくは50Å〜10000Åである。セルローストリ
スフェニルカルバメートを保持させる量は担体に対して
1〜100重量%、好ましくは5〜50重量%である。
セルローストリスフェニルカルバメートを担体に保持
させる方法は化学的方法でも物理的方法でも良い。物理
的方法としては、セルローストリスフェニルカルバメー
トを可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合し、減圧
又は加温下、気流により溶剤を留去させる方法や、セル
ローストリスフェニルカルバメートを可溶性の溶剤に溶
解させ、担体と良く混合した後、該溶剤と相溶性のない
液体中に撹拌、分散せしめ、該溶剤を拡散させる方法も
ある。このようにして担体に保持したセルローストリス
フェニルカルバメートを結晶化する場合には熱処理など
の処理を行うことができる。又、少量の溶剤を加えてセ
ルローストリスフェニルカルバメートを一旦膨潤あるい
は溶解せしめ、再び溶剤を留去することによりその保持
状態、ひいては分離能を変化せしめることが可能であ
る。
担体としては、多孔質有機担体又は多孔質無機担体が
あり、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質有機担
体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質である。
また多孔質無機担体として適当なものは、シリカ、アル
ミナ、マグネシア、酸化チタン、ガラス、ケイ酸塩、カ
オリンの如き合成もしくは天然の物質であり、セルロー
ストリスフェニルカルバメートとの親和性を良くするた
めに表面処理を行っても良い。表面処理の方法として
は、有機シラン化合物を用いたシラン化処理やプラズマ
重合による表面処理法等がある。
なお光学分割にセルローストリスフェニルカルバメー
トを用いる場合、化学的に同じ誘導体であってもその分
子量、分子量分布、結晶化度、配向性などの物理的状態
により分離の特性が変化する場合があるので、目的とす
る用途にふさわしい形状を与えた後で、あるいは与える
過程において熱処理、エッチングその他の物理的、化学
的処理を加えることができる。又、しばしば原料となる
多糖を不均一反応によって誘導体とした場合には、原料
の有する高次構造をそのままもしくは一部保存し、均一
反応で合成したものと化学的に同一であっても異なった
分離特性を有する場合がある。
液体クロマトグラフィーあるいは薄層クロマトグラフ
ィーを行う場合の展開溶媒としては、該吸着剤を溶解又
はこれと反応する液体を除いて特に制約はない。該吸着
剤を化学的方法で担体に結合したり、架橋により不溶化
した場合には反応性液体を除いては制約はない。いうま
でもなく、展開溶媒によって化合物又は光学異性体の分
離特性は変化するので、各種の展開溶媒を検討すること
が望ましい。
また薄層クロマトグラフィーを行う場合には0.1μm
〜0.1mm程度の粒子から成る本発明の吸着剤と必要であ
れば少量の結合剤より成る0.1mm〜100mmの厚さの層を支
持板上に形成すれば良い。
〔作 用〕
本発明で用いる多糖系吸着剤が前記のリグナン類の光
学分割に有効である理由は明らかではない。本発明にお
ける環状構造を有するリグナン類のフレキシビリティの
低い骨格と二個の芳香族環境が不斉構造の識別を容易な
らしめることは想像にかたくない。しかし、特にセルロ
ーストリスフェニルカルバメートを主成分とする吸着剤
の場合には、分離対象物質の極性基の相互作用が重要な
役割を果たすと考えられており、エーテル結合或いはラ
クトン環を有するリグナン類の分割にそれらが効果的で
あることを説明できる。
〔発明の効果〕
本発明に用いる多糖系吸着剤はその原料が安価にしか
も多量に供給され、また化学的に安定であるなど、工業
的利用に適した特質を備えている。従って本発明の方法
を用いることによりラセミ体もしくは光学純度の低いリ
グナン類を光学活性体として利用することが可能となっ
た。
〔実 施 例〕
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明がこれらの実施例に限定されるものでないというこ
とは言うまでもない。
実施例 1 シリンガレジノール(1)のエナンチオマー混合物を
セルローストリスフェニルカルバメートを担持したシリ
カゲルより成る充填剤を用いた液体クロマトグラフィー
により光学分割した。そのクロマトグラムを第1図に示
す。
尚、液体クロマトグラフィー用カラムとしては、セル
ローストリスフェニルカルバメートを、ジフェニルシラ
ン処理したシリカゲル上に約22重量%担持した充填剤を
長さ25cm、内径0.46cmのステンレスカラムに充填したも
のを用いた。液体クロマトグラフィー条件は溶離液とし
てエタノールを毎分1ml送液し、カラム温度は40℃に保
った。検出には紫外検出器を用いた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の光学分割の結果を示すクロマトグラ
ムである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式中、Ar,Ar′は式 (R,R′,R″はH又はCH3を示す)で表される基を示し、
    *は不斉中心を示す。〕 で表されるレジノール骨格を有するリグナン類の光学異
    性体の混合物をセルローストリスフェニルカルバメート
    を有効成分とする吸着剤を用いてクロマトグラフィーに
    より光学分割することを特徴とするリグナン類の光学分
    割方法。
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