JP2579312B2 - 含フッ素エラストマ−及びその成形体 - Google Patents
含フッ素エラストマ−及びその成形体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔3−1産業上の利用分野〕 本発明は、特定の分子量分布を有する新規な含フッ素
エラストマー及びその成形体に関する。更に詳しくは、
極限粘度数が比較的大きく、極めて少ない低分子量成分
と特定量の高分子量成分を有し、極めて優れた耐圧縮永
久歪特性、機械的特性と共に、従来品に優るとも劣らな
い加工性を併せ持つ含フッ素エラストマー及びその成形
体に関する。
エラストマー及びその成形体に関する。更に詳しくは、
極限粘度数が比較的大きく、極めて少ない低分子量成分
と特定量の高分子量成分を有し、極めて優れた耐圧縮永
久歪特性、機械的特性と共に、従来品に優るとも劣らな
い加工性を併せ持つ含フッ素エラストマー及びその成形
体に関する。
〔3−2従来の技術〕 含フッ素エラストマーは、耐熱性、耐薬品性に優れて
おり、過酷な条件下で使用されるO−リング,オイルシ
ール、パッキン及びガスケットなどのシール材やダイヤ
フラムなどに使用されている。
おり、過酷な条件下で使用されるO−リング,オイルシ
ール、パッキン及びガスケットなどのシール材やダイヤ
フラムなどに使用されている。
主として圧縮成型法によって加工されるシール材は圧
縮永久歪が小さいことが重要である。一方技術革新によ
って、シール材の使用条件はますます過酷になってお
り、耐薬品性、耐溶剤性の重要性はますます増大してい
る。しかし、含フッ素エラストマーの耐薬品性、耐溶剤
性を改善するためにフッ素含量を多くしてゆくと圧縮永
久歪が大きくなり、ロール加工性も低下するという問題
があった。
縮永久歪が小さいことが重要である。一方技術革新によ
って、シール材の使用条件はますます過酷になってお
り、耐薬品性、耐溶剤性の重要性はますます増大してい
る。しかし、含フッ素エラストマーの耐薬品性、耐溶剤
性を改善するためにフッ素含量を多くしてゆくと圧縮永
久歪が大きくなり、ロール加工性も低下するという問題
があった。
これまで含フッ素エラストマーの組成として種々のも
のが提案されている。例えばビニリデンフルオライド
(以下VdFと略記する)単位60〜15重量%とヘキサフル
オロプロピレン(以下HFPと略記する)単位40〜85重量
%の仕込み比で重合するコポリマーの製造法(特公昭33
−7394号公報)、テトラフルオロエチレン(以下TFEと
略記する)単位3〜35重量%を含有し、VdF単位とHFP単
位の和が97〜65重量%であって、かつ、VdF単位とHFP単
位との重量比が2.33:1〜0.667:1の範囲にある共重合体
(特公昭36−3495号公報)、TFE単位10〜30重量%を含
有し、VdF単位とHFP単位との和が90〜70重量%であり、
かつVdF単位とHFP単位との重量比が1.6:1.0〜4.0:1.0の
範囲にある共重合体(特公昭48−18957号公報)、VdF単
位57〜61重量%、HFP単位27〜31重量%及びTFE単位10〜
14重量%からなる共重合体(特開昭53−149291号公報)
などが知られている。一方、含フッ素エラストマーの分
子量分布を調整する方法も提案されている。例えば二段
重合法(連続重合)によってまず高分子量の共重合体を
重合し、次に低分子量の共重合体を重合し、2つの分子
量分布をもつ共重合体を製造する方法(特公昭51−2527
9号公報)、ムーニー粘度が低く加工性の優れたコーポ
リマーあるいはターポリマーを懸濁重合法によって製造
する方法(特公昭49−29630号公報、特公昭51−8432号
公報)、及びバイモダルな分子量分布でかつ高分子量の
含フッ素エラストマー(ヨーロッパ特許出願公開018618
0A2号公報)などが知られているが、より優れた耐圧縮
永久歪特性と加工性を併せ有するという観点からは未だ
十分とは言えない。
のが提案されている。例えばビニリデンフルオライド
(以下VdFと略記する)単位60〜15重量%とヘキサフル
オロプロピレン(以下HFPと略記する)単位40〜85重量
%の仕込み比で重合するコポリマーの製造法(特公昭33
−7394号公報)、テトラフルオロエチレン(以下TFEと
略記する)単位3〜35重量%を含有し、VdF単位とHFP単
位の和が97〜65重量%であって、かつ、VdF単位とHFP単
位との重量比が2.33:1〜0.667:1の範囲にある共重合体
(特公昭36−3495号公報)、TFE単位10〜30重量%を含
有し、VdF単位とHFP単位との和が90〜70重量%であり、
かつVdF単位とHFP単位との重量比が1.6:1.0〜4.0:1.0の
範囲にある共重合体(特公昭48−18957号公報)、VdF単
位57〜61重量%、HFP単位27〜31重量%及びTFE単位10〜
14重量%からなる共重合体(特開昭53−149291号公報)
などが知られている。一方、含フッ素エラストマーの分
子量分布を調整する方法も提案されている。例えば二段
重合法(連続重合)によってまず高分子量の共重合体を
重合し、次に低分子量の共重合体を重合し、2つの分子
量分布をもつ共重合体を製造する方法(特公昭51−2527
9号公報)、ムーニー粘度が低く加工性の優れたコーポ
リマーあるいはターポリマーを懸濁重合法によって製造
する方法(特公昭49−29630号公報、特公昭51−8432号
公報)、及びバイモダルな分子量分布でかつ高分子量の
含フッ素エラストマー(ヨーロッパ特許出願公開018618
0A2号公報)などが知られているが、より優れた耐圧縮
永久歪特性と加工性を併せ有するという観点からは未だ
十分とは言えない。
〔3−3発明の解決しようとする問題点〕 一般に含フッ素エラストマー中の低分子量成分を多く
すれば、加工しやすくなるが、耐圧縮永久歪特性を含む
機械的特性は低下し、高分子量成分を多くすれば耐圧縮
永久歪特性を含む機械的特性は改善されるが加工困難と
なり、耐圧縮永久歪を含む機械的特性と加工性を同時に
満足することができないという技術的ジレンマがあっ
た。この技術的ジレンマを解決して、優れた耐圧縮永久
歪特性と優れた加工性を有する含フッ素エラストマーの
開発が望まれていた。
すれば、加工しやすくなるが、耐圧縮永久歪特性を含む
機械的特性は低下し、高分子量成分を多くすれば耐圧縮
永久歪特性を含む機械的特性は改善されるが加工困難と
なり、耐圧縮永久歪を含む機械的特性と加工性を同時に
満足することができないという技術的ジレンマがあっ
た。この技術的ジレンマを解決して、優れた耐圧縮永久
歪特性と優れた加工性を有する含フッ素エラストマーの
開発が望まれていた。
本発明の目的は、より過酷な条件下でも使用しうる優
れた特性を有する含フッ素エラストマー、すなわち、耐
圧縮永久歪特性がすぐれ、耐薬品性、耐溶剤性にもすぐ
れ、しかも加工性が従来品に優るとも劣らない含フッ素
エラストマーを提供することにある。
れた特性を有する含フッ素エラストマー、すなわち、耐
圧縮永久歪特性がすぐれ、耐薬品性、耐溶剤性にもすぐ
れ、しかも加工性が従来品に優るとも劣らない含フッ素
エラストマーを提供することにある。
〔3−4問題点を解決する手段及び作用〕 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、低分子量成分
を特定の含量に抑えかつ高分子量成分をできるだけ少な
くすることによって、耐圧縮永久歪特性と加工性を併せ
て改善できることを知見し、この知見に基づいて本発明
を完成するに到った。
を特定の含量に抑えかつ高分子量成分をできるだけ少な
くすることによって、耐圧縮永久歪特性と加工性を併せ
て改善できることを知見し、この知見に基づいて本発明
を完成するに到った。
すなわち、基本的には、本発明によれば、ビニリデン
フルオライド単位及びヘキサフルオロプロピレン単位を
含有し、その和が65〜100重量%であり、テトラフルオ
ロエチレン単位を35〜0重量%含有し、ビニリデンフル
オライド単位とヘキサフルオロプロピレン単位との重量
比が80:20〜40:60の範囲にある含フッ素エラストマーで
あって (a)フッ素含量が63.5〜71重量%であり、 (b)極限粘度数(ml/g)が100〜250未満であり、 (c)分子量5万以下のフラクシヨンの含量が5重量%
以下でありかつ、 (d)分子量100万以上のフラクシヨンの含量が10〜35
重量%でありあることを特徴とする含フッ素エラストマ
ーが提供される。
フルオライド単位及びヘキサフルオロプロピレン単位を
含有し、その和が65〜100重量%であり、テトラフルオ
ロエチレン単位を35〜0重量%含有し、ビニリデンフル
オライド単位とヘキサフルオロプロピレン単位との重量
比が80:20〜40:60の範囲にある含フッ素エラストマーで
あって (a)フッ素含量が63.5〜71重量%であり、 (b)極限粘度数(ml/g)が100〜250未満であり、 (c)分子量5万以下のフラクシヨンの含量が5重量%
以下でありかつ、 (d)分子量100万以上のフラクシヨンの含量が10〜35
重量%でありあることを特徴とする含フッ素エラストマ
ーが提供される。
本発明の含フッ素エラストマーは、VdF単位とHFP単位
からなるコポリマー及び更にTFE単位からなるターポリ
マーを包含する。
からなるコポリマー及び更にTFE単位からなるターポリ
マーを包含する。
本発明の含フッ素エラストマーの最大の特徴は特定の
分子量分布を有していることである。前述したように、
一般に含フッ素エラストマー中の低分子量成分を多くす
れば、加工しやすくなるが、耐圧縮永久歪特性を含む機
械的特性は低下し、高分子量成分を多くすれば耐圧縮永
久歪特性を含む機械的特性は改善されるが加工困難とな
り、従来、耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性と加工性
を同時に満足することができないという技術的ジレンマ
があった。しかし、本発明によれば、特に、分子量5万
以下のフラクションの分量(以下屡々M5と略記する)と
分子量100万以上のフラクションの分量(以下屡々M100
と略記する)を特定の範囲にコントロールすることによ
って、耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性と加工性を同
時に満足し且つ改良することができることを意外にも知
見し、従来の難題であった技術的ジレンマを見事に解決
することができたのである。
分子量分布を有していることである。前述したように、
一般に含フッ素エラストマー中の低分子量成分を多くす
れば、加工しやすくなるが、耐圧縮永久歪特性を含む機
械的特性は低下し、高分子量成分を多くすれば耐圧縮永
久歪特性を含む機械的特性は改善されるが加工困難とな
り、従来、耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性と加工性
を同時に満足することができないという技術的ジレンマ
があった。しかし、本発明によれば、特に、分子量5万
以下のフラクションの分量(以下屡々M5と略記する)と
分子量100万以上のフラクションの分量(以下屡々M100
と略記する)を特定の範囲にコントロールすることによ
って、耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性と加工性を同
時に満足し且つ改良することができることを意外にも知
見し、従来の難題であった技術的ジレンマを見事に解決
することができたのである。
即ち、本発明において、M5は5重量%以下であり、M
100は10〜35重量%である。M5は小さいほど耐圧縮永久
歪特性は優れてくるので、その下限は特に限定されない
が、製造の容易さからM5の下限は好ましくは0.4重量%
である。それ故、所望の物性及び製造の容易さの観点か
ら、M5の範囲は0.4〜5重量%、好ましくは0.8〜3重量
%である。
100は10〜35重量%である。M5は小さいほど耐圧縮永久
歪特性は優れてくるので、その下限は特に限定されない
が、製造の容易さからM5の下限は好ましくは0.4重量%
である。それ故、所望の物性及び製造の容易さの観点か
ら、M5の範囲は0.4〜5重量%、好ましくは0.8〜3重量
%である。
本発明において、M100は10〜35重量%であり、好まし
くは10〜30重量%である。
くは10〜30重量%である。
M100が35重量%を越すと、ロール加工性の点で好まし
くなく、10重量%未満では高フッ素含量エラストマーの
加工性と耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性のバランス
の点から好ましくない。
くなく、10重量%未満では高フッ素含量エラストマーの
加工性と耐圧縮永久歪特性を含む機械的特性のバランス
の点から好ましくない。
本発明の含フッ素エラストマーのフッ素含量は63.5〜
71重量%である。前述したように、本発明の含フッ素エ
ラストマーは、VdF単位とHFP単位からなるコポリマー及
び更にTFE単位を含有してなるターポリマーを包含す
る。フッ素含量はこれらの3種類のモノマー組成のうち
VdFの量のみによって決まる。即ち、VdF単位が多くなれ
ばフッ素含量は小さくなり、VdF単位が少なくなればフ
ッ素含量は大きくなる。フッ素含量63.5重量%はVdF単
位が75重量%に相当するがVdF単位がこれ以上となると
耐薬品性が低下する。一方、フッ素含量71重量%はVdF
単位が30重量%に相当するが、VdF単位がこれ以下にな
ると、TFE単位が多い範囲では樹脂状となり、HFP単位が
多い範囲では重合速度が遅くなり、所望の含フッ素エラ
ストマーが得られなくなる。好ましい弾性体を与えるフ
ッ素含量は64.5〜69.5重量%である。
71重量%である。前述したように、本発明の含フッ素エ
ラストマーは、VdF単位とHFP単位からなるコポリマー及
び更にTFE単位を含有してなるターポリマーを包含す
る。フッ素含量はこれらの3種類のモノマー組成のうち
VdFの量のみによって決まる。即ち、VdF単位が多くなれ
ばフッ素含量は小さくなり、VdF単位が少なくなればフ
ッ素含量は大きくなる。フッ素含量63.5重量%はVdF単
位が75重量%に相当するがVdF単位がこれ以上となると
耐薬品性が低下する。一方、フッ素含量71重量%はVdF
単位が30重量%に相当するが、VdF単位がこれ以下にな
ると、TFE単位が多い範囲では樹脂状となり、HFP単位が
多い範囲では重合速度が遅くなり、所望の含フッ素エラ
ストマーが得られなくなる。好ましい弾性体を与えるフ
ッ素含量は64.5〜69.5重量%である。
次に本発明の含フッ素エラストマーの各構成単位の割
合は、ビニリデンフルオライド単位及びヘキサフルオロ
プロピレン単位を含有し、その和が65〜100重量%であ
り、テトラフルオロエチレン単位を35〜0重量%含有
し、ビニリデンフルオライド単位とヘキサフルオロプロ
ピレン単位との重量比が80:20〜40:60の範囲にある。
合は、ビニリデンフルオライド単位及びヘキサフルオロ
プロピレン単位を含有し、その和が65〜100重量%であ
り、テトラフルオロエチレン単位を35〜0重量%含有
し、ビニリデンフルオライド単位とヘキサフルオロプロ
ピレン単位との重量比が80:20〜40:60の範囲にある。
VdF単位及びHFP単位よりなるコポリマーにあっては、
VdF単位とHFP単位との重量比の好ましい範囲は75:25〜4
0:60である。VdF単位が75重量%以上では樹脂状に近づ
き、40重量%以下では重合が困難となり、所望の含フッ
素エラストマーが得られなくなる。更に好ましいVdF単
位は70〜50重量%である。従って、HFP単位の量は、好
ましくは25〜60重量%、更に好ましくは30〜50重量%で
ある。
VdF単位とHFP単位との重量比の好ましい範囲は75:25〜4
0:60である。VdF単位が75重量%以上では樹脂状に近づ
き、40重量%以下では重合が困難となり、所望の含フッ
素エラストマーが得られなくなる。更に好ましいVdF単
位は70〜50重量%である。従って、HFP単位の量は、好
ましくは25〜60重量%、更に好ましくは30〜50重量%で
ある。
ターポリマーにあっては、フッ素含量が63.5〜71重量
%の範囲において、VdF単位とHFP単位との和が65重量%
以上であり、TFE単位を35重量%まで含有し、VdF単位と
HFP単位との重量比は80:20〜50:50の範囲の組成をと
る。TFE単位が35重量%以上では樹脂状となって好まし
くない。又、TFE単位の好ましい範囲は5〜35重量%で
ある。5重量%以上含有させることにより重合時の反応
が進みやすくて所望の[η]が得られ易くなる。
%の範囲において、VdF単位とHFP単位との和が65重量%
以上であり、TFE単位を35重量%まで含有し、VdF単位と
HFP単位との重量比は80:20〜50:50の範囲の組成をと
る。TFE単位が35重量%以上では樹脂状となって好まし
くない。又、TFE単位の好ましい範囲は5〜35重量%で
ある。5重量%以上含有させることにより重合時の反応
が進みやすくて所望の[η]が得られ易くなる。
含フッ素エラストマーの分子量を示す尺度の1つであ
る極限粘度数(ml/g)(以下[η]で表わす)で示せ
ば、本発明の含フッ素エラストマーにおいては、[η]
=100〜250未満、好ましくは120〜250未満である。
る極限粘度数(ml/g)(以下[η]で表わす)で示せ
ば、本発明の含フッ素エラストマーにおいては、[η]
=100〜250未満、好ましくは120〜250未満である。
本発明の含フッ素エラストマーにおいて、加工性の観
点から、[η]が100〜160未満の場合にはM100が10〜20
重量%未満、[η]が160〜220未満の場合にはM100が20
〜30重量%未満、[η]が220〜250未満の場合にはM100
が30〜35重量%であることが好ましい。
点から、[η]が100〜160未満の場合にはM100が10〜20
重量%未満、[η]が160〜220未満の場合にはM100が20
〜30重量%未満、[η]が220〜250未満の場合にはM100
が30〜35重量%であることが好ましい。
上記のターポリマーは、耐圧縮永久歪特性、耐薬品
性、耐溶剤性、及び加工性のバランスの観点からは特に
優れている。本発明のターポリマーの好ましい態様であ
っては、TFE単位が25〜5重量%であり、VdF単位とTFP
単位との重量比は、[η]が100〜160未満でありM100が
10〜20重量%未満である場合には、60:40〜50:50、
[η]が160〜220未満でありM100が20〜30重量%未満で
ある場合には、70:30〜60:40であり、[η]が220〜250
未満であり、M100が30〜35重量%である場合には、80:2
0〜70:30であることが好ましい。
性、耐溶剤性、及び加工性のバランスの観点からは特に
優れている。本発明のターポリマーの好ましい態様であ
っては、TFE単位が25〜5重量%であり、VdF単位とTFP
単位との重量比は、[η]が100〜160未満でありM100が
10〜20重量%未満である場合には、60:40〜50:50、
[η]が160〜220未満でありM100が20〜30重量%未満で
ある場合には、70:30〜60:40であり、[η]が220〜250
未満であり、M100が30〜35重量%である場合には、80:2
0〜70:30であることが好ましい。
前述したように、本発明ではM5が5重量%以下である
ことが重要であり、本発明のエラストマーであって前述
した[η]の範囲のうち比較的小さい値を示し且つ高フ
ッ素含量のエラストマーでさえ、M5が5重量%以下であ
れば圧縮永久歪が予想外に小さくなる。
ことが重要であり、本発明のエラストマーであって前述
した[η]の範囲のうち比較的小さい値を示し且つ高フ
ッ素含量のエラストマーでさえ、M5が5重量%以下であ
れば圧縮永久歪が予想外に小さくなる。
又、本発明の含フッ素エラストマーにあっては、重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)との比w/
nが2〜4の範囲にあることが好ましい。w/n比
をこの範囲に制御することによって、分子量分布が非常
に小さくなり、所望の特性を更に高めることができる。
平均分子量(w)と数平均分子量(n)との比w/
nが2〜4の範囲にあることが好ましい。w/n比
をこの範囲に制御することによって、分子量分布が非常
に小さくなり、所望の特性を更に高めることができる。
従来の含フッ素エラストマーは、乳化重合法によって
一般に製造されているが、特殊な場合に、懸濁重合法あ
るいは溶液重合法が採用されている。しかし、本発明の
含フッ素エラストマーの製造に適した重合法は懸濁重合
法である。本発明の含フッ素エラストマーを懸濁重合で
製造する際の反応条件としては、重合温度が50℃以上で
あり、触媒はジイソプロピルパーオキシジカーボネート
などの炭化水素系のパーオキシジカーボネートであり、
触媒の添加方法としては一括仕込みを行い、重合時間は
7〜18時間とる必要がある。重合圧力を高くすれば、重
合時間は短縮することができる。
一般に製造されているが、特殊な場合に、懸濁重合法あ
るいは溶液重合法が採用されている。しかし、本発明の
含フッ素エラストマーの製造に適した重合法は懸濁重合
法である。本発明の含フッ素エラストマーを懸濁重合で
製造する際の反応条件としては、重合温度が50℃以上で
あり、触媒はジイソプロピルパーオキシジカーボネート
などの炭化水素系のパーオキシジカーボネートであり、
触媒の添加方法としては一括仕込みを行い、重合時間は
7〜18時間とる必要がある。重合圧力を高くすれば、重
合時間は短縮することができる。
以下、本発明の含フッ素エラストマーを製造するため
の懸濁重合について具体的に説明する。
の懸濁重合について具体的に説明する。
まず所定の混合モノマー(仕込みモノマー)を溶存し
た不活性有機溶媒を水媒体中に分散させ、懸濁安定剤、
油溶性触媒を添加し、機械的にかきまぜながら温度を50
〜60℃に保ち、圧力が10〜17kg/cm2−Gの範囲で一定と
なるように新たな前記混合モノマー(追添モノマー)を
添加して重合を進める。生成する含フッ素エラストマー
中のモノマー単位の組成は仕込みモノマー組成と追添モ
ノマー組成との関係によって決定される。
た不活性有機溶媒を水媒体中に分散させ、懸濁安定剤、
油溶性触媒を添加し、機械的にかきまぜながら温度を50
〜60℃に保ち、圧力が10〜17kg/cm2−Gの範囲で一定と
なるように新たな前記混合モノマー(追添モノマー)を
添加して重合を進める。生成する含フッ素エラストマー
中のモノマー単位の組成は仕込みモノマー組成と追添モ
ノマー組成との関係によって決定される。
仕込みモノマー組成及び追添モノマー組成はガスクロ
マトグラフ(G.C.)により、また含フッ素エラストマー
中のモノマー単位の組成は、該エラストマーをアセトン
に溶解後、19FNMRによって測定する。
マトグラフ(G.C.)により、また含フッ素エラストマー
中のモノマー単位の組成は、該エラストマーをアセトン
に溶解後、19FNMRによって測定する。
この懸濁重合法において用いられる不活性有機溶媒と
しては、ラジカル連鎖移動を生じやすい炭素−水素結合
をもたない有機溶媒が用いられるが、1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタンが性能的にも経済的に
も好ましい。懸濁安定剤としてはメチルセルロースが好
ましい。油溶性触媒としては、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどの炭化水素系ジアルキルパーオキ
シジカーボネートが高温の分解温度を有しているので好
ましい。
しては、ラジカル連鎖移動を生じやすい炭素−水素結合
をもたない有機溶媒が用いられるが、1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタンが性能的にも経済的に
も好ましい。懸濁安定剤としてはメチルセルロースが好
ましい。油溶性触媒としては、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどの炭化水素系ジアルキルパーオキ
シジカーボネートが高温の分解温度を有しているので好
ましい。
更に、本発明によれば前述の懸濁重合法により、所望
の[η]の値より10〜100大きい値の[η]を有する含
フッ素エラストマーを製造し、そのあと押出機を通すこ
とにより、所望の[η]を有する本発明の含フッ素エラ
ストマーを得ることができる。押出機は、加熱され、剪
断応力のかかる構造のものであれば基本的に目的は達せ
られる。二軸押出機を用いる場合を例にとりこの方法を
説明する。シールリングを1〜2個有する二軸押出機
で、バレルの加熱温度140〜280℃、スクリューの回転数
120〜400rpm、吐出速度20〜50kg/Hrの条件で押出すと、
含フッ素エラストマーの温度は280〜350℃になる。押出
された含フッ素エラストマーは、[η]は減少するが、
M5はほんど増加せず、M100は減少する。その結果、驚く
べきことに、加工性は改善されるが、加硫ゴムの物性は
ほとんど変らない。M5を5重量%以下に抑えるために所
望の[η]より10〜100大きい[η]を有する含フッ素
エラストマーを押出機で押出すことが好ましい。100以
上だと着色するので好ましくない。押出し結果の例を第
1表に示す。
の[η]の値より10〜100大きい値の[η]を有する含
フッ素エラストマーを製造し、そのあと押出機を通すこ
とにより、所望の[η]を有する本発明の含フッ素エラ
ストマーを得ることができる。押出機は、加熱され、剪
断応力のかかる構造のものであれば基本的に目的は達せ
られる。二軸押出機を用いる場合を例にとりこの方法を
説明する。シールリングを1〜2個有する二軸押出機
で、バレルの加熱温度140〜280℃、スクリューの回転数
120〜400rpm、吐出速度20〜50kg/Hrの条件で押出すと、
含フッ素エラストマーの温度は280〜350℃になる。押出
された含フッ素エラストマーは、[η]は減少するが、
M5はほんど増加せず、M100は減少する。その結果、驚く
べきことに、加工性は改善されるが、加硫ゴムの物性は
ほとんど変らない。M5を5重量%以下に抑えるために所
望の[η]より10〜100大きい[η]を有する含フッ素
エラストマーを押出機で押出すことが好ましい。100以
上だと着色するので好ましくない。押出し結果の例を第
1表に示す。
本発明の含フッ素エラストマーはポリアミン化合物、
ポリオール化合物等で加硫可能であり、特にポリオール
で加硫した場合、本発明の含フッ素エラストマーの改善
された性能が著しく発揮される。以下、ポリオール加硫
法を説明する。
ポリオール化合物等で加硫可能であり、特にポリオール
で加硫した場合、本発明の含フッ素エラストマーの改善
された性能が著しく発揮される。以下、ポリオール加硫
法を説明する。
含フッ素エラストマーに酸接合剤、ポリオール化合
物、加硫促進剤及び必要に応じて充てん剤を配合して混
練したのち、加熱して加硫する。
物、加硫促進剤及び必要に応じて充てん剤を配合して混
練したのち、加熱して加硫する。
酸結合剤としては、二価の金属酸化物又は水酸化物、
例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの酸化
物又は水酸化物が用いられ、その使用量は、エラストマ
ー100重量部当り1〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部の範囲で選ばれる。
例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの酸化
物又は水酸化物が用いられ、その使用量は、エラストマ
ー100重量部当り1〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部の範囲で選ばれる。
ポリオール化合物としては、ヒドロキノン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフ
ルオロプロパン(ビスフェノールAF)、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタンなどが、エラストマー100重量部当り
0.1〜10重量部、好ましくは0.6〜5重量部の割合で用い
られる。
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフ
ルオロプロパン(ビスフェノールAF)、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタンなどが、エラストマー100重量部当り
0.1〜10重量部、好ましくは0.6〜5重量部の割合で用い
られる。
加硫促進剤としては、第四オニウム塩化合物、第4級
ホスフォニウム塩、第4級アンモニウム塩又はイミニウ
ム塩、例えばテトラメチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモ
ニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、
テトラブチルアンモニウムブロミド、ビス(ベンジルジ
フェニルホスフィン)イミニウムクロリド、テトラブチ
ルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホ
ニウムクロリド、ベンジルトリオクチルホスホニウムク
ロリドなどが適当であり、エラストマー100重量部当り
0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で用
いられる。充てん剤、補強剤としては、例えばカーボン
ブラック、シリカ、クレー、タルクなどが必要に応じて
用いられる。
ホスフォニウム塩、第4級アンモニウム塩又はイミニウ
ム塩、例えばテトラメチルアンモニウムクロリド、テト
ラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモ
ニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、
テトラブチルアンモニウムブロミド、ビス(ベンジルジ
フェニルホスフィン)イミニウムクロリド、テトラブチ
ルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホ
ニウムクロリド、ベンジルトリオクチルホスホニウムク
ロリドなどが適当であり、エラストマー100重量部当り
0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で用
いられる。充てん剤、補強剤としては、例えばカーボン
ブラック、シリカ、クレー、タルクなどが必要に応じて
用いられる。
含フッ素エラストマー、酸結合剤、ポリオール化合
物、加硫促進剤及び充てん剤の混合物は、ロール又はバ
ンバリーミキサーで混練後、金型に入れて加圧して一次
加硫し、次いで二次加硫する。一般に一次加硫の条件は
温度100〜200℃、加硫時間10〜180分、圧力20〜100kg/c
m2−Gの範囲であり、二次加硫の条件は温度が150〜300
℃、加硫時間は数分から30時間である。場合によっては
二次加硫を省略することができる。
物、加硫促進剤及び充てん剤の混合物は、ロール又はバ
ンバリーミキサーで混練後、金型に入れて加圧して一次
加硫し、次いで二次加硫する。一般に一次加硫の条件は
温度100〜200℃、加硫時間10〜180分、圧力20〜100kg/c
m2−Gの範囲であり、二次加硫の条件は温度が150〜300
℃、加硫時間は数分から30時間である。場合によっては
二次加硫を省略することができる。
これ等加硫により加熱定着ロール、制御用バルブ、ダ
イアフラム、或いはO−リング、V−パッキン、U−パ
ッキン、Y−パッキン、D−リング、三角リング、T−
リング、X−リング等の成型パッキン、或いはガスケッ
ト、ゴム弁座バタフライバルブ、ステムバルブ、オイル
シール、耐SF級エンジンオイル用成形体、燃料ホース、
熱収縮チューブ、湿式摩擦材、電線被覆、圧電材、廃煙
ダクトジョイントジャバラが得られる。
イアフラム、或いはO−リング、V−パッキン、U−パ
ッキン、Y−パッキン、D−リング、三角リング、T−
リング、X−リング等の成型パッキン、或いはガスケッ
ト、ゴム弁座バタフライバルブ、ステムバルブ、オイル
シール、耐SF級エンジンオイル用成形体、燃料ホース、
熱収縮チューブ、湿式摩擦材、電線被覆、圧電材、廃煙
ダクトジョイントジャバラが得られる。
ダイアフラムの用途の場合には、耐圧縮永久歪特性よ
りもむしろ伸びが要求されるので、本発明の含フッ素エ
ラストマーを成形加工するに際してはポリアミン化合物
による加硫も好ましく用いることができる。その加硫条
件は、前述のポリオール化合物による加硫方法の場合の
条件をそのまま応用しうる。ポリアミン化合物による加
硫を実施する場合の配合割合は以下の通りである。
りもむしろ伸びが要求されるので、本発明の含フッ素エ
ラストマーを成形加工するに際してはポリアミン化合物
による加硫も好ましく用いることができる。その加硫条
件は、前述のポリオール化合物による加硫方法の場合の
条件をそのまま応用しうる。ポリアミン化合物による加
硫を実施する場合の配合割合は以下の通りである。
エラストマー100重量部に対しヘキサメチレンジアミ
ンカーバメートなどのポリアミン化合物0.3〜5重量
部、好ましくは0.5〜4重量部、二価金属酸化物1〜30
重量部、好ましくは5〜20重量部である。
ンカーバメートなどのポリアミン化合物0.3〜5重量
部、好ましくは0.5〜4重量部、二価金属酸化物1〜30
重量部、好ましくは5〜20重量部である。
本発明の含フッ素エラストマーの極限粘度数及び分子
量分布(M5及びM100)の測定条件、及びポリオール化合
物による加硫の標準条件は以下の通りである。
量分布(M5及びM100)の測定条件、及びポリオール化合
物による加硫の標準条件は以下の通りである。
(1)極限粘度数 メチルエチルケトンを溶媒とする0.1g/100mlの濃度溶
液を毛細管粘度計を用いて35℃で測定する。
液を毛細管粘度計を用いて35℃で測定する。
(2)分子量分布 液体クロマトグラフ:LC−3A型(島津製作所(株)製) カラム:KF−80M(2本)+KF−800P(プレカラム)(昭
和電工(株)製) 検出器:ERC−7510S(エルマ光学(株)製) インテグレーター:7000A(日本国システムインスツルメ
ンツ社製) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 濃度:0.1重量% 温度:35℃ 分子量検量線用標準ポリマー: :単分散ポリスチレン各種(日本国東洋曹達(株)製)
(w/n=1.2(max)) (注)M5及びM100は上記結果より算出する。
和電工(株)製) 検出器:ERC−7510S(エルマ光学(株)製) インテグレーター:7000A(日本国システムインスツルメ
ンツ社製) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 濃度:0.1重量% 温度:35℃ 分子量検量線用標準ポリマー: :単分散ポリスチレン各種(日本国東洋曹達(株)製)
(w/n=1.2(max)) (注)M5及びM100は上記結果より算出する。
(3)ポリオール加硫標準条件 含フッ素エラストマー:100重量部 高活性酸化マグネシウム:3重量部 水酸化カルシウム:6重量部 ビスフェノールAF:2重量部 ビス(ベンジルジフェニルホスフィン)イミニウムクロ
リド:0.3重量部 メディアムサーマルカーボン:30重量部 混練方法:ロール 一次熱プレス加硫:170℃、10分間 二次オーブン加硫:232℃、24時間 またポリオール加硫物の機械特性は、厚さ2mmの加硫
シートより3号ダンベル型試験片を打抜き、JIS−K6301
に準じて引張試験機(日本国東洋精機(株)製)を用
い、引張速度50cm/分で測定した。
リド:0.3重量部 メディアムサーマルカーボン:30重量部 混練方法:ロール 一次熱プレス加硫:170℃、10分間 二次オーブン加硫:232℃、24時間 またポリオール加硫物の機械特性は、厚さ2mmの加硫
シートより3号ダンベル型試験片を打抜き、JIS−K6301
に準じて引張試験機(日本国東洋精機(株)製)を用
い、引張速度50cm/分で測定した。
一方、圧縮永久歪は、ポリオール加硫したP−24型O
−リングを用い、JIS−K6301に準じて25%加圧圧縮下、
温度200℃に72時間保持したのちに30分間室温に放冷
後、厚み計を用いて測定した。
−リングを用い、JIS−K6301に準じて25%加圧圧縮下、
温度200℃に72時間保持したのちに30分間室温に放冷
後、厚み計を用いて測定した。
さらに、耐摩耗性の測定条件は次のとおりである。
耐摩耗性の測定条件 テーバー摩耗(ASTM D 1044−56)を求めた。
試験機:Taber式摩耗試験機(日本国東洋テスター(株)
製) 摩耗輪:H−22 摩耗量単位:重量損(mg)/1,000回(常温) 本発明の含フッ素エラストマーは、ムーニー粘度(ム
ーニースコーチ)が低く、加工性に優れており、型離れ
がよく成形時に金型のよごれが少ない。加硫物は100%
引張応力がちいさくて、硬さが低く、いわゆる弾性体ら
しくなっている上に圧縮永久歪が小さいという優れた性
質を有している。圧縮永久歪は200℃、72Hrでも20以下
と格段に優れており、引張強さが大きくかつ耐低温脆性
に優れている。又、ミル収縮がほとんどなく、ムーニー
粘度[ML1+10(121℃)]は90〜145の範囲にあり、
[η]が大きくなっても優れた加工性がが維持される。
これにより、圧縮成形時に流動を適当に抑え空気の抱き
込みや、バリを少なくすることができる。
製) 摩耗輪:H−22 摩耗量単位:重量損(mg)/1,000回(常温) 本発明の含フッ素エラストマーは、ムーニー粘度(ム
ーニースコーチ)が低く、加工性に優れており、型離れ
がよく成形時に金型のよごれが少ない。加硫物は100%
引張応力がちいさくて、硬さが低く、いわゆる弾性体ら
しくなっている上に圧縮永久歪が小さいという優れた性
質を有している。圧縮永久歪は200℃、72Hrでも20以下
と格段に優れており、引張強さが大きくかつ耐低温脆性
に優れている。又、ミル収縮がほとんどなく、ムーニー
粘度[ML1+10(121℃)]は90〜145の範囲にあり、
[η]が大きくなっても優れた加工性がが維持される。
これにより、圧縮成形時に流動を適当に抑え空気の抱き
込みや、バリを少なくすることができる。
〔3−5発明の効果〕 本発明の含フッ素エラストマーは、耐熱性及び耐薬品
性に優れ、しかも極めて優れた耐圧縮永久歪特性と機械
的特性を有すると共に従来品に優るとも劣らない加工性
を有する。又、ポリアミン化合物、ポリオール化合物な
どを加硫剤を用いて加硫することにより、加熱定着ロー
ル、バルブ、リング、シール、パッキン、ガスケットな
どの優れた弾性成形体を得ることができる。
性に優れ、しかも極めて優れた耐圧縮永久歪特性と機械
的特性を有すると共に従来品に優るとも劣らない加工性
を有する。又、ポリアミン化合物、ポリオール化合物な
どを加硫剤を用いて加硫することにより、加熱定着ロー
ル、バルブ、リング、シール、パッキン、ガスケットな
どの優れた弾性成形体を得ることができる。
〔3−6実施例〕 本発明をより詳細に記述するために実施例により説明
するが、本発明の範囲はこれらは実施例にのみ限定され
るものではない。
するが、本発明の範囲はこれらは実施例にのみ限定され
るものではない。
実施例1 電磁誘導式かきまぜ機を備えた内容積約15のオート
クレーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−N2充てんを
3回繰り返して、窒素置換したのち、減圧状態で、脱酸
素した純水5800g、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフ
ルオロエタン(以下フロン113という)2670g及び懸濁安
定剤としてのメチルセルロース(粘度50cp)2.9gを仕込
み、500rpmでかきまぜながら、温度50℃に保った。次い
でVdF26.4重量%、HFP68.1重量%、及びTFE5.5重量%か
ら成る混合モノマーを仕込ガスとして、13kg/cm2−Gと
なるまで仕込んだ。次に触媒として、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート10.5重量%を含有したフロン11
3溶液を51g仕込み重合を開始させた。重合により圧力が
12.5kg/cm2−Gまで低下するのでVdF55.3重量%HFP28.3
重量%、TFE16.4重量%から成る混合モノマーを追添ガ
スとして追添し、再び圧力を13kg/cm2−Gに戻した。こ
のような操作を繰り返し9時間重合反応を行なった。重
合反応終了後、残存する混合モノマーを掃気し、得られ
た懸濁液を遠心分離機に脱水し、十分水洗したのち、10
0℃で真空乾燥して約8Kgのエラストマーを得た。得られ
た含フッ素エラストマーを19FNMRにより分析したとこ
ろ、VdF単位55.1重量%、HFP単位29.1重量%、TFE単位1
5.8重量%であり、[η]は228であった。
クレーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−N2充てんを
3回繰り返して、窒素置換したのち、減圧状態で、脱酸
素した純水5800g、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフ
ルオロエタン(以下フロン113という)2670g及び懸濁安
定剤としてのメチルセルロース(粘度50cp)2.9gを仕込
み、500rpmでかきまぜながら、温度50℃に保った。次い
でVdF26.4重量%、HFP68.1重量%、及びTFE5.5重量%か
ら成る混合モノマーを仕込ガスとして、13kg/cm2−Gと
なるまで仕込んだ。次に触媒として、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート10.5重量%を含有したフロン11
3溶液を51g仕込み重合を開始させた。重合により圧力が
12.5kg/cm2−Gまで低下するのでVdF55.3重量%HFP28.3
重量%、TFE16.4重量%から成る混合モノマーを追添ガ
スとして追添し、再び圧力を13kg/cm2−Gに戻した。こ
のような操作を繰り返し9時間重合反応を行なった。重
合反応終了後、残存する混合モノマーを掃気し、得られ
た懸濁液を遠心分離機に脱水し、十分水洗したのち、10
0℃で真空乾燥して約8Kgのエラストマーを得た。得られ
た含フッ素エラストマーを19FNMRにより分析したとこ
ろ、VdF単位55.1重量%、HFP単位29.1重量%、TFE単位1
5.8重量%であり、[η]は228であった。
該含フッ素エラストマーを下記の押出機、押出条件
で、加熱混練して押出し、ホットカッターでカッティン
グ後放冷し、ペレット状とした。
で、加熱混練して押出し、ホットカッターでカッティン
グ後放冷し、ペレット状とした。
日本製鋼株式会社製 形式:TEX44PS−30AW−2V(2軸) 〔押出条件〕 加熱温度 170℃ スクリュー回転数 300rpm 試料供給速度 30kg/hr 得られたペレット状含フッ素エラストマーの〔η〕は
169、nは23.9 X 104、w/nは2.2、M5は2.0重量
%、M100は13.3重量%であり、ムーニー粘度[ML1+10
(121℃)]は102であった。
169、nは23.9 X 104、w/nは2.2、M5は2.0重量
%、M100は13.3重量%であり、ムーニー粘度[ML1+10
(121℃)]は102であった。
該ペレット状含フッ素エラストマーを標準条件により
ポリオール加硫したところ、極めて優れた機械物性を有
する加硫物が得られた。この加硫ゴムの物性を第2表に
示す。
ポリオール加硫したところ、極めて優れた機械物性を有
する加硫物が得られた。この加硫ゴムの物性を第2表に
示す。
実施例2 第5表の重合条件欄に記載する以外は実施例1と同様
に実施し、実施例1と同条件で押出を行なった。押出前
の[η]は143であった。重合結果、ペレット状エラス
トマーの物性、加硫ゴムの物性も第5表に示す。
に実施し、実施例1と同条件で押出を行なった。押出前
の[η]は143であった。重合結果、ペレット状エラス
トマーの物性、加硫ゴムの物性も第5表に示す。
実施例3 実施例1と同様な方法で純粋フロン113及び懸濁安定
剤を仕込み、500rpmでかきまぜながら温度を50℃に保っ
た。次いで、VdF16.9重量%、HFP83.1重量%から成る混
合モノマーを仕込モノマーとして15.0kg/cm2−Gとなる
まで仕込み、次に触媒としてジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート10.5重量%を含有したフロン113溶液51g
を仕込み重合を開始させた。この際、重合により圧力が
14.5kg/cm2−Gまで低下するのでVdF51.7重量%、HFP4
8.3重量%から成る混合ガスを追添モノマーとして追添
し再び圧力を15kg/cm2−Gにした。かかる操作を重合反
応中繰り返し15時間重合を行い、約5Kgのエラストマー
を得た。このエラストマーの組成はVdF単位52.0重量
%、HFP単位48.0重量%であり、[η]は151、nは1
7.9×104、w/nは3.2、M5は4.3%、M100は19.6%で
あり、ムーニー粘度[ML1+10(121℃)]は133であっ
た。
剤を仕込み、500rpmでかきまぜながら温度を50℃に保っ
た。次いで、VdF16.9重量%、HFP83.1重量%から成る混
合モノマーを仕込モノマーとして15.0kg/cm2−Gとなる
まで仕込み、次に触媒としてジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート10.5重量%を含有したフロン113溶液51g
を仕込み重合を開始させた。この際、重合により圧力が
14.5kg/cm2−Gまで低下するのでVdF51.7重量%、HFP4
8.3重量%から成る混合ガスを追添モノマーとして追添
し再び圧力を15kg/cm2−Gにした。かかる操作を重合反
応中繰り返し15時間重合を行い、約5Kgのエラストマー
を得た。このエラストマーの組成はVdF単位52.0重量
%、HFP単位48.0重量%であり、[η]は151、nは1
7.9×104、w/nは3.2、M5は4.3%、M100は19.6%で
あり、ムーニー粘度[ML1+10(121℃)]は133であっ
た。
該含フッ素エラストマーを標準条件によりポリオール
加硫した。加硫ゴムの物性を第3表に示す。
加硫した。加硫ゴムの物性を第3表に示す。
実施例4及び5 第5表の重合条件欄に記載する以外は実施例1と同様
に実施し、実施例1と同条件で押出しを行なった。押出
前の[η]はそれぞれ230及び167であった。重合結果、
ペレット状エラストマーの物性、加硫ゴムの物性も第5
表に示す。
に実施し、実施例1と同条件で押出しを行なった。押出
前の[η]はそれぞれ230及び167であった。重合結果、
ペレット状エラストマーの物性、加硫ゴムの物性も第5
表に示す。
実施例6 第4表の重合条件欄に記載する以外は実施例3と同様
に実施した。重合結果、エラストマーの物性、加硫ゴム
の物性も第4表に示す。
に実施した。重合結果、エラストマーの物性、加硫ゴム
の物性も第4表に示す。
比較例1 機械的なかきまぜ機を備えた内容積15のオートクレ
ーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−窒素充填を3回
繰り返し、最後にできるだけ減圧にする。次に窒素ガス
で脱気した純水7500g、過硫酸アンモニウム15g、乳化剤
としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム22.5gを仕
込み、温度を85℃に保った。次いでVdF34.9重量%、HFP
44.9重量%及びTFE20.2重量%からなる混合モノマーを
仕込んで圧力8kg/cm2−Gとした。重合により圧力が7kg
/cm2−Gに低下すれば、VdF45.1重量%、HFP31.4重量%
及びTFE23.5重量%から成る追添モノマーを追添し、圧
力を再び8kg/cm2−Gに戻した。該操作を繰り返し1.5時
間重合反応を行なった。その後、残存する混合モノマー
を掃気して重合を停止した。
ーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−窒素充填を3回
繰り返し、最後にできるだけ減圧にする。次に窒素ガス
で脱気した純水7500g、過硫酸アンモニウム15g、乳化剤
としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム22.5gを仕
込み、温度を85℃に保った。次いでVdF34.9重量%、HFP
44.9重量%及びTFE20.2重量%からなる混合モノマーを
仕込んで圧力8kg/cm2−Gとした。重合により圧力が7kg
/cm2−Gに低下すれば、VdF45.1重量%、HFP31.4重量%
及びTFE23.5重量%から成る追添モノマーを追添し、圧
力を再び8kg/cm2−Gに戻した。該操作を繰り返し1.5時
間重合反応を行なった。その後、残存する混合モノマー
を掃気して重合を停止した。
得られた乳化液に塩化マグネシウム水溶液を添加して
ポリマーを塩析したのち、充分水洗して100℃で真空乾
燥し、約1.5kgの含フッ素エラストマーを得た。19FNMR
の測定によると該エラストマーの組成はVdF単位46.7重
量%、HFP単位34.0重量%及びTFE単位19.3重量%であっ
た。また、[η]は106、nは10.3×104、w/nは
10.5、M5は9.5%、M100は27.4%であった。
ポリマーを塩析したのち、充分水洗して100℃で真空乾
燥し、約1.5kgの含フッ素エラストマーを得た。19FNMR
の測定によると該エラストマーの組成はVdF単位46.7重
量%、HFP単位34.0重量%及びTFE単位19.3重量%であっ
た。また、[η]は106、nは10.3×104、w/nは
10.5、M5は9.5%、M100は27.4%であった。
該含フッ素エラストマーを標準条件によりポリオール
加硫した。ムーニー粘度は91であった。加硫ゴムの物性
を第6表に示す。
加硫した。ムーニー粘度は91であった。加硫ゴムの物性
を第6表に示す。
実施例7 加熱定着ロール 実施例2で重合した含フッ素エラストマー([η]=
102,ML1+10(121℃)=143)を用い、下記処方により
配合した。
102,ML1+10(121℃)=143)を用い、下記処方により
配合した。
配合処方 (重量部) 含フッ素エラストマー 100 メデアムサーマルカーボン 10 水酸化カルシウム 4 酸化鉛 10 ビスフェノールAF 2 ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド 0.6 上記成分を6インチミキシングロールで練り込み、う
すくシート出しを行なう。このシートを電熱プレスによ
り177℃でプレス成型して200mm×100mm×0.5mm(厚み)
の試料を作成し、これを232℃で24時間オーブン加硫を
行なった。この試料をラミネーター(日本国三菱商事
社)の上部ロールに巻き付けて表面温度を180℃とし、
この試料の表面に官能基としてメルカプト基を有するポ
リオルガノシロキサン液体を塗付しながら、トナー像を
定着させたとろオフセットは発生しなかった。
すくシート出しを行なう。このシートを電熱プレスによ
り177℃でプレス成型して200mm×100mm×0.5mm(厚み)
の試料を作成し、これを232℃で24時間オーブン加硫を
行なった。この試料をラミネーター(日本国三菱商事
社)の上部ロールに巻き付けて表面温度を180℃とし、
この試料の表面に官能基としてメルカプト基を有するポ
リオルガノシロキサン液体を塗付しながら、トナー像を
定着させたとろオフセットは発生しなかった。
また、上記配合で作成したフッ素ゴムをASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験法により摩耗量を測定す
ると170mg/1000回転であった。
−56に準じたテーバー摩耗試験法により摩耗量を測定す
ると170mg/1000回転であった。
定着ロールは現状では、フッ素樹脂あるいはシリコー
ンゴム等が用いられているが、トナーの定着性および耐
久性等の点でそれぞれ問題点を持っている。ところが、
本発明の含フッ素エラストマーを用いることにより、優
れた定着性と耐久性を有する定着ロールが得られた。
ンゴム等が用いられているが、トナーの定着性および耐
久性等の点でそれぞれ問題点を持っている。ところが、
本発明の含フッ素エラストマーを用いることにより、優
れた定着性と耐久性を有する定着ロールが得られた。
実施例8 制御用バルブ 実施例1の含フッ素エラストマーにビスフェノールAF
2.0phr、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド0.
6phr、メディアムサーマル(MT)カーボンブラック30ph
r、水酸化カルシウム6phr及び高活性酸化マグネシウム3
phrを配合して、加硫成形して得られたゴムシートの表
面の粘着力を下記の方法にて測定する。
2.0phr、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド0.
6phr、メディアムサーマル(MT)カーボンブラック30ph
r、水酸化カルシウム6phr及び高活性酸化マグネシウム3
phrを配合して、加硫成形して得られたゴムシートの表
面の粘着力を下記の方法にて測定する。
ゴムシート(厚さ2.0mm x35mm x35mm)を平滑な台の
上に耐熱性の両面テープで貼り、その上に錘り受け部及
び吊り具を備えた半鋼(JIS S−45C)製の底部が平らな
リングをゴムシートと接触するように置く(尚、リング
のサイズは外径25mm、内径19mmであり、又、ゴムシート
と接触するリングの平面は#1000研磨紙で研磨してあ
る)。次いで、リングの錘り受け部にゴムシートへの全
荷量が609g/cm2になるように錘り乗せる。その全体を12
0℃のオーブン中に入れて20時間放置後、取出して約4
時間放冷する。23℃迄温度が下がったところで錘りをは
ずし、ゴムシートにリングが粘着した状態で上記吊り具
を利用してロードセルを含む引張試験機に取付け、50mm
/min引張速度で引張り、粘着力を測定する。その結果を
第7表に示す。
上に耐熱性の両面テープで貼り、その上に錘り受け部及
び吊り具を備えた半鋼(JIS S−45C)製の底部が平らな
リングをゴムシートと接触するように置く(尚、リング
のサイズは外径25mm、内径19mmであり、又、ゴムシート
と接触するリングの平面は#1000研磨紙で研磨してあ
る)。次いで、リングの錘り受け部にゴムシートへの全
荷量が609g/cm2になるように錘り乗せる。その全体を12
0℃のオーブン中に入れて20時間放置後、取出して約4
時間放冷する。23℃迄温度が下がったところで錘りをは
ずし、ゴムシートにリングが粘着した状態で上記吊り具
を利用してロードセルを含む引張試験機に取付け、50mm
/min引張速度で引張り、粘着力を測定する。その結果を
第7表に示す。
自動車等に主として使用される各種バルブ類では加硫
ゴムと金属の接点で固着がしばしば起こり、これが人命
にかかわる様な重要な問題となってきている。以上の背
景からゴム加硫物の表面に非粘着性を賦与する技術が開
発されて来ている。従来技術としてはゴム材料の配合を
工夫する事により、例えばタルク、ゼオライト、グラフ
ァイト、テフロン等を加える事でゴム材料その物を非粘
着化する。又化学的処理、物理的処理により表面だけを
非粘着性にする技術がある。しかしこれらは全て一長一
短があり、前者の技術ではゴム材料の本来の特性を損
う。後者では耐久性、信頼性といった問題点以外に安全
衛生の面から問題を含んでいる事もある。しかし、本発
明の特定の構造を有する含フッ素エラストマーを使用す
ることにより、従来の技術により問題を見事解決するこ
とができる。
ゴムと金属の接点で固着がしばしば起こり、これが人命
にかかわる様な重要な問題となってきている。以上の背
景からゴム加硫物の表面に非粘着性を賦与する技術が開
発されて来ている。従来技術としてはゴム材料の配合を
工夫する事により、例えばタルク、ゼオライト、グラフ
ァイト、テフロン等を加える事でゴム材料その物を非粘
着化する。又化学的処理、物理的処理により表面だけを
非粘着性にする技術がある。しかしこれらは全て一長一
短があり、前者の技術ではゴム材料の本来の特性を損
う。後者では耐久性、信頼性といった問題点以外に安全
衛生の面から問題を含んでいる事もある。しかし、本発
明の特定の構造を有する含フッ素エラストマーを使用す
ることにより、従来の技術により問題を見事解決するこ
とができる。
実施例9 実施例5のポリマーを使用して、実施例8と同様な方
法で粘着力を求めた。その結果を第7表に示す。
法で粘着力を求めた。その結果を第7表に示す。
比較例2〜3 デュポン社製含フッ素エラストマーであるバイトンE
−60(Viton E−60),及びバイトンB(Viton B)を使
用して実施例8と同様な方法で粘着力を求めた。それら
の結果を第7表に示した。
−60(Viton E−60),及びバイトンB(Viton B)を使
用して実施例8と同様な方法で粘着力を求めた。それら
の結果を第7表に示した。
上記比較例及び後述の比較例で使用した市販の含フツ
素エラストマーであるバイトンE−60(Viton E−6
0)、バイトンB(Viton B)及びダイエルG−901につ
いて、既知の極限粘度数、フラクションの割合等を下記
の表(参考)にまとめて示す。
素エラストマーであるバイトンE−60(Viton E−6
0)、バイトンB(Viton B)及びダイエルG−901につ
いて、既知の極限粘度数、フラクションの割合等を下記
の表(参考)にまとめて示す。
実施例10 O−リング、V−パッキン、U−パッキン、Y−パッキ
ン、D−リング、三角リング、T−リング、X−リング
等の成形パッキン 実施例1の加硫組成物を用いて以下の試験を行なっ
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第8表に示す。
ン、D−リング、三角リング、T−リング、X−リング
等の成形パッキン 実施例1の加硫組成物を用いて以下の試験を行なっ
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第8表に示す。
成形パッキンは耐圧縮永久歪性及び運動面をシールす
る場合には耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
る場合には耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
実施例11 実施例2の加硫組成物を用いて実施例10と同様の試験
を行なった。結果を第8表に示す。
を行なった。結果を第8表に示す。
実施例12 実施例5の加硫組成物を用いて実施例10と同様の試験
を行なった。結果を第8表に示す。
を行なった。結果を第8表に示す。
比較例4 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例10と同様の試験を行なった。結果を第8表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例10と同様の試験を行なった。結果を第8表に
示す。
実施例13 オイルシール 実施例1の加硫組成物を用いて以下の試験を行なっ
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第9表に示す。
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第9表に示す。
オイルシールは耐圧縮永久歪性及び運動面をシールす
る場合には耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
る場合には耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
実施例14 実施例2の加硫組成物を用いて実施例13と同様の試験
を行なった。結果を第9表に示す。
を行なった。結果を第9表に示す。
実施例15 実施例5の加硫組成物を用いて実施例13と同様の試験
を行なった。結果を第9表に示す。
を行なった。結果を第9表に示す。
比較例5 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例13と同様の試験を行なった。結果を第9表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例13と同様の試験を行なった。結果を第9表に
示す。
実施例16 ダイヤフラム 実施例1の加硫組成物を用い、JIS K6301に従いデマ
チャ式試験を用い、25℃におけるき裂発生までの屈曲回
数を測定した。結果を第10表に示す。
チャ式試験を用い、25℃におけるき裂発生までの屈曲回
数を測定した。結果を第10表に示す。
ダイヤフラムはエラストマー単独又はエラストマーと
布の複合材で作られるが、いずれの場合にも耐屈曲性が
要求される。しかしながら、耐熱性、耐油性、耐溶剤
性、耐薬品性が必要とされる分野で使用されている従来
の含フッ素エラストマーでは、耐屈曲性が必ずしも満足
できるレベルではなかった。ところが、本発明の含フッ
素エラストマーの組成物を用いると耐屈曲性が大幅に向
上する。
布の複合材で作られるが、いずれの場合にも耐屈曲性が
要求される。しかしながら、耐熱性、耐油性、耐溶剤
性、耐薬品性が必要とされる分野で使用されている従来
の含フッ素エラストマーでは、耐屈曲性が必ずしも満足
できるレベルではなかった。ところが、本発明の含フッ
素エラストマーの組成物を用いると耐屈曲性が大幅に向
上する。
実施例17 実施例2の加硫組成物を用いて実施例16と同様の試験
を行なった。結果を第10表に示す。
を行なった。結果を第10表に示す。
実施例18 実施例5の加硫組成物を用いて実施例16と同様の試験
を行なった。結果を第10表に示す。
を行なった。結果を第10表に示す。
比較例6 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例16と同様の試験を行なった。結果を第10表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例16と同様の試験を行なった。結果を第10表に
示す。
実施例19 ガスケット 実施例1の加硫組成物を用いて圧縮永久歪試験を次の
ように行なった。O−リング(内径23.7mm、太さ3.5m
m)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、JIS
K6301に従って測定した。結果を第11表に示す。
ように行なった。O−リング(内径23.7mm、太さ3.5m
m)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、JIS
K6301に従って測定した。結果を第11表に示す。
ガスケットは耐圧縮永久歪性が要求される。しかしな
がら、耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とさ
れる分野で使用されている従来の含フッ素エラストマー
では、長期における耐圧縮永久歪性が必ずしも満足でき
るレベルではなかった。ところが、本発明の含フッ素エ
ラストマーの組成物を用いると長期の耐圧縮永久歪性が
大幅に向上する。
がら、耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とさ
れる分野で使用されている従来の含フッ素エラストマー
では、長期における耐圧縮永久歪性が必ずしも満足でき
るレベルではなかった。ところが、本発明の含フッ素エ
ラストマーの組成物を用いると長期の耐圧縮永久歪性が
大幅に向上する。
実施例20 実施例2の加硫組成物を用いて実施例19と同様の試験
を行なった。結果を第11表に示す。
を行なった。結果を第11表に示す。
実施例21 実施例5の加硫組成物を用いて実施例19と同様の試験
を行なった。結果を第11表に示す。
を行なった。結果を第11表に示す。
比較例7 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例19と同様の試験を行なった。結果を第11表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例19と同様の試験を行なった。結果を第11表に
示す。
実施例22 ゴム弁座バタフライバルブ 実施例1の加硫組成物を用いて以下の試験を行なっ
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第12表に示す。
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第12表に示す。
密閉式バタフライバルブのゴム製弁座には耐圧縮永久
歪性及び耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
歪性及び耐摩耗性が要求される。しかしながら、耐熱
性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性が必要とされる分野で
使用されている従来の含フッ素エラストマーでは、耐圧
縮永久歪性及び耐摩耗性が必ずしも満足できるレベルで
はなかった。ところが、本発明の含フッ素エラストマー
の組成物を用いると耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が大幅
に向上する。
実施例23 実施例2の加硫組成物を用いて実施例22と同様の試験
を行なった。結果を第12表に示す。
を行なった。結果を第12表に示す。
実施例24 実施例5の加硫組成物を用いて実施例22と同様の試験
を行なった。結果を第12表に示す。
を行なった。結果を第12表に示す。
比較例8 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例22と同様の試験を行なった。結果を第12表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例22と同様の試験を行なった。結果を第12表に
示す。
実施例25 ステムバルブ 実施例1の加硫組成物を用いて以下の試験を行なっ
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第13表に示す。
た。圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ
3.5mm)を25%圧縮加圧し200℃で1700時間炉内におき、
JIS K6301に従って測定した。耐摩耗性は、ASTM D1044
−56に準じたテーバー摩耗試験で評価した。なお、テー
バー摩耗試験は摩耗輪H−22、荷重1kg、回転数1000回
の条件で行なった。結果を第13表に示す。
ステムバルブは耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が要求さ
れる。しかしながら、耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐薬
品性が必要とされる分野で使用されている従来の含フッ
素エラストマーでは、耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が必
ずしも満足できるレベルではなかった。ところが、本発
明の含フッ素エラストマーの組成物を用いると耐圧縮永
久歪性及び耐摩耗性が大幅に向上する。
れる。しかしながら、耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐薬
品性が必要とされる分野で使用されている従来の含フッ
素エラストマーでは、耐圧縮永久歪性及び耐摩耗性が必
ずしも満足できるレベルではなかった。ところが、本発
明の含フッ素エラストマーの組成物を用いると耐圧縮永
久歪性及び耐摩耗性が大幅に向上する。
実施例26 実施例2の加硫組成物を用いて実施例25と同様の試験
を行なった。結果を第13表に示す。
を行なった。結果を第13表に示す。
実施例27 実施例5の加硫組成物を用いて実施例25と同様の試験
を行なった。結果を第13表に示す。
を行なった。結果を第13表に示す。
比較例9 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにデュポン社
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例24と同様の試験を行なった。結果を第13表に
示す。
製品バイトンE−60を用い、プレス加硫時間を20分にす
る以外は実施例1と同様にして作成した加硫組成物を用
いて実施例24と同様の試験を行なった。結果を第13表に
示す。
実施例28 耐SF級エンジンオイル用成形体 実施例2の加硫組成物を用いて以下の浸漬試験を行な
った。浸漬試験はJIS K6301に従って150℃で500時間ホ
ンダ純正ウルトラモーターオイルSFに浸漬し測定した。
圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ3.5m
m)を25%圧縮加圧し150℃で500時間ホンダ純正ウルト
ラモーターオイルに浸漬し、JIS K6301に従って測定し
た。結果を第14表に示す。
った。浸漬試験はJIS K6301に従って150℃で500時間ホ
ンダ純正ウルトラモーターオイルSFに浸漬し測定した。
圧縮永久歪試験は、O−リング(内径23.7mm、太さ3.5m
m)を25%圧縮加圧し150℃で500時間ホンダ純正ウルト
ラモーターオイルに浸漬し、JIS K6301に従って測定し
た。結果を第14表に示す。
近年、自動車の低燃費化、メンテナンスフリー化など
への動きにつれて、エンジンオイルはSD級、SE級からSF
級へと移行しつつある。SF級エンジンオイルの使用に際
しては、従来用いられているエンジンオイルと比較し
て、添加されている清浄分散剤、耐摩耗性などの増量や
種類の変更が行なわれている。
への動きにつれて、エンジンオイルはSD級、SE級からSF
級へと移行しつつある。SF級エンジンオイルの使用に際
しては、従来用いられているエンジンオイルと比較し
て、添加されている清浄分散剤、耐摩耗性などの増量や
種類の変更が行なわれている。
こうしたSF級エンジンオイル添加剤成分の変更に伴
い、従来のポリオール加硫の含フッ素エラストマー加硫
組成物では、エンジンオイル中の添加成分により攻撃を
受け物性の低下が激しい。また、ポリアミン加硫の含フ
ッ素エラストマー加硫組成物では、ポリオール加硫の含
フッ素エラストマー加硫組成物に比べ、添加剤成分によ
る攻撃を受けにくいが、圧縮永久歪がポリオール加硫の
加硫組成物より極めて劣る。さらに、パーオキサイド加
硫による含フッ素エラストマー加硫組成物においては、
SF級エンジンオイルに対する耐性は優れているが、圧縮
永久歪がポリオール加硫の加硫組成物より劣るうえに、
プレス成形時の金型へのバリ粘着が激しく、さらに金属
との接着がむずかしいなどの加工上の問題がある。
い、従来のポリオール加硫の含フッ素エラストマー加硫
組成物では、エンジンオイル中の添加成分により攻撃を
受け物性の低下が激しい。また、ポリアミン加硫の含フ
ッ素エラストマー加硫組成物では、ポリオール加硫の含
フッ素エラストマー加硫組成物に比べ、添加剤成分によ
る攻撃を受けにくいが、圧縮永久歪がポリオール加硫の
加硫組成物より極めて劣る。さらに、パーオキサイド加
硫による含フッ素エラストマー加硫組成物においては、
SF級エンジンオイルに対する耐性は優れているが、圧縮
永久歪がポリオール加硫の加硫組成物より劣るうえに、
プレス成形時の金型へのバリ粘着が激しく、さらに金属
との接着がむずかしいなどの加工上の問題がある。
本発明の含フッ素エラストマーをポリオールで加硫し
た加硫組成物は、SF級エンジンオイル中での物性の保持
及び耐圧縮永久歪性において格段に向上し、SF級エンジ
ンオイルと接触する面を持つO−リング、V−パッキ
ン、U−パッキン、Y−パッキン、D−パッキン、三角
リング、T−リング、X−リング等の成形パッキン、オ
イルシール、ダイヤフラム、ガスケット、ゴム弁座バタ
フライバルブ、ステムバルブなどの用途に適している。
た加硫組成物は、SF級エンジンオイル中での物性の保持
及び耐圧縮永久歪性において格段に向上し、SF級エンジ
ンオイルと接触する面を持つO−リング、V−パッキ
ン、U−パッキン、Y−パッキン、D−パッキン、三角
リング、T−リング、X−リング等の成形パッキン、オ
イルシール、ダイヤフラム、ガスケット、ゴム弁座バタ
フライバルブ、ステムバルブなどの用途に適している。
比較例10 実施例1の含フッ素エラストマーの代りにダイキン社
製品ダイエルG−901を用い、水酸化カルシウム、高活
性酸化マグネシウム、ビスフェノールAF、ビス(ベンジ
ルジフェニルホスフィン)イミニウムクロリドの代りに
パーヘキサ2.5B(日本油脂社製)を1.5重量部、トリア
リルイソシアヌレートを4重量部配合し、160℃で10分
間のプレス加硫、及び180℃で4時間のオーブン加硫を
行いパーオキサイド加硫を完成させ、実施例28と同様の
試験を行なった。結果を第14表に示す。
製品ダイエルG−901を用い、水酸化カルシウム、高活
性酸化マグネシウム、ビスフェノールAF、ビス(ベンジ
ルジフェニルホスフィン)イミニウムクロリドの代りに
パーヘキサ2.5B(日本油脂社製)を1.5重量部、トリア
リルイソシアヌレートを4重量部配合し、160℃で10分
間のプレス加硫、及び180℃で4時間のオーブン加硫を
行いパーオキサイド加硫を完成させ、実施例28と同様の
試験を行なった。結果を第14表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 直喜 川崎市中原区上小田中181番地 (56)参考文献 特開 昭61−235409(JP,A) 特開 昭62−59611(JP,A) 特公 昭49−29630(JP,B1) 特公 昭62−1965(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】ビニルデンフルオライド単位及びヘキサフ
ルオロプロピレン単位を含有し、その和が65〜100重量
%であり、テトラフルオロエチレン単位を35〜0重量%
含有し、ビニリデンフルオライド単位とヘキサフルオロ
プロピレン単位との重量比が80:20〜40:60の範囲にある
含フツ素エラストマーであって (a) フツ素含量が63.5〜71重量%であり、 (b) 極限粘度数(ml/g)が100以上、そして250未満
であり、 (c) 分子量5万以下のフラクシヨンの含量が5重量
%以下であり、 (d) 分子量100万以上のフラクシヨンの含量が10〜3
5重量%であり、かつ (e) モノモダルであって、Mw/Mnが2〜4である、 ことを特徴とする含フツ素エラストマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62112139A JP2579312B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 含フッ素エラストマ−及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62112139A JP2579312B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 含フッ素エラストマ−及びその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63277217A JPS63277217A (ja) | 1988-11-15 |
JP2579312B2 true JP2579312B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=14579187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62112139A Expired - Lifetime JP2579312B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 含フッ素エラストマ−及びその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579312B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2965721B2 (ja) * | 1991-02-25 | 1999-10-18 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 低硬度フッ素ゴム加硫組成物 |
JPH04294374A (ja) * | 1991-03-22 | 1992-10-19 | Tokai Rubber Ind Ltd | フツ素ゴム組成物 |
DE69633024T2 (de) * | 1995-02-06 | 2005-08-04 | E.I. Du Pont De Nemours And Co., Wilmington | Amorphe HFP/TFE Copolymere |
JP4303355B2 (ja) * | 1999-04-26 | 2009-07-29 | 株式会社クレハ | ポリふっ化ビニリデン系樹脂、それからなる多孔膜およびその多孔膜を用いた電池 |
JP2004131656A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Asahi Glass Co Ltd | 半導体装置用シール材 |
WO2013141253A1 (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-26 | ダイキン工業株式会社 | フッ素ゴム組成物 |
JP6836900B6 (ja) * | 2013-05-02 | 2021-03-31 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 部分フッ素化エラストマー並びにその製造方法及びその使用方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5118196B2 (ja) * | 1972-07-11 | 1976-06-08 | ||
JPS6259611A (ja) * | 1985-09-09 | 1987-03-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 含フツ素エラストマ−の製造法 |
-
1987
- 1987-05-08 JP JP62112139A patent/JP2579312B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63277217A (ja) | 1988-11-15 |
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