JP2579311B2 - 超電導体の劣化防止方法 - Google Patents
超電導体の劣化防止方法Info
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、たとえば超電導マグネットや超電導ケーブ
ル、あるいは超伝導記憶素子等の超電導デバイスに用い
られる超電導薄膜の劣化防止方法に関するものである。
ル、あるいは超伝導記憶素子等の超電導デバイスに用い
られる超電導薄膜の劣化防止方法に関するものである。
[従来の技術] 近来、常電導状態から超電導状態へ遷移する臨界温度
(Tc)がきわめて高い酸化物系の超電導材料が種々発見
されつつある。
(Tc)がきわめて高い酸化物系の超電導材料が種々発見
されつつある。
この超電導材料の中には、A−B−Cu−O系(ただ
し、AはLa、Ce、Y等のIII a族元素を示し、BはSr、B
a等のアルカリ土類金属元素を示す)ペロブスカイト型
化合物の材料からなる酸化物系のものがある。
し、AはLa、Ce、Y等のIII a族元素を示し、BはSr、B
a等のアルカリ土類金属元素を示す)ペロブスカイト型
化合物の材料からなる酸化物系のものがある。
第2図はこのような材料によって作られた薄膜状の超
電導体の一例を示しており、これは、サファイア等から
なる基板1の上に、超電導薄膜2が形成されたものであ
る。この超電導薄膜2は、上記超電導材料からなるター
ゲットに加速イオンを衝突させ、その表面から叩き出さ
れた原子を基板1上に薄膜2として付着させる高周波ス
パッタ法によって作られたものである。
電導体の一例を示しており、これは、サファイア等から
なる基板1の上に、超電導薄膜2が形成されたものであ
る。この超電導薄膜2は、上記超電導材料からなるター
ゲットに加速イオンを衝突させ、その表面から叩き出さ
れた原子を基板1上に薄膜2として付着させる高周波ス
パッタ法によって作られたものである。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、上記系の材料からなる超電導薄膜2は、大
気に置かれた場合、その表面が大気に露出するため、酸
素原子が大気中に抜け出て結晶格子中に酸素空格子点が
多数存在する傾向があり、この酸素空格子点の量によっ
て臨界温度(Tc)等の超電導特性が大きく変化する。
気に置かれた場合、その表面が大気に露出するため、酸
素原子が大気中に抜け出て結晶格子中に酸素空格子点が
多数存在する傾向があり、この酸素空格子点の量によっ
て臨界温度(Tc)等の超電導特性が大きく変化する。
また、上記超電導材料の中のA元素やB元素の酸化物
等が薄膜2の結晶粒界等に存在すると、これらが大気中
の水分および炭酸ガスと反応して水酸化物よ炭酸化物と
なり、このため、薄膜2が変質することにより劣化して
満足な超電導特性が得られなくなる可能性がある。
等が薄膜2の結晶粒界等に存在すると、これらが大気中
の水分および炭酸ガスと反応して水酸化物よ炭酸化物と
なり、このため、薄膜2が変質することにより劣化して
満足な超電導特性が得られなくなる可能性がある。
このように、上記超電導薄膜2は大気に露出すること
により、大気中に含まれる成分と反応してその超電導特
性に影響を受け、特に体積に比べて表面積が大きい薄膜
であるから、大気露出による経時的な特性変化は著しい
ものであった。
により、大気中に含まれる成分と反応してその超電導特
性に影響を受け、特に体積に比べて表面積が大きい薄膜
であるから、大気露出による経時的な特性変化は著しい
ものであった。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
あって、基板上に設けられる酸化物系の超電導薄膜の表
面に、該超電導薄膜および大気中に含まれる成分とも反
応性を有しない安定な材質からなる防食層を形成したこ
とを特徴としている。
あって、基板上に設けられる酸化物系の超電導薄膜の表
面に、該超電導薄膜および大気中に含まれる成分とも反
応性を有しない安定な材質からなる防食層を形成したこ
とを特徴としている。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
第1図は、本発明をLa−Sr−Cu−O系の超電導薄膜に
適用した例を説明するためものであり、符号2で示され
るものがその超電導薄膜である。この超電導薄膜2は、
La、Sr、Cu、Oのそれぞれが所定の組成に配合された超
電導材料のターゲットT1をスパッタ装置にセットし、Ar
ガス+O2ガスの雰囲気で高周波マグネトロンスパッタリ
ングを行なうことにより、サファイア等からなる基板1
上に形成されたものである。
適用した例を説明するためものであり、符号2で示され
るものがその超電導薄膜である。この超電導薄膜2は、
La、Sr、Cu、Oのそれぞれが所定の組成に配合された超
電導材料のターゲットT1をスパッタ装置にセットし、Ar
ガス+O2ガスの雰囲気で高周波マグネトロンスパッタリ
ングを行なうことにより、サファイア等からなる基板1
上に形成されたものである。
次に、この超電導薄膜2の劣化を防止する方法の一例
を本発明に沿って説明する。
を本発明に沿って説明する。
まず、Pt等からなる防食層材料のターゲットT2を用意
する。そして、このターゲットT2をスパッタ装置にセッ
トし、上記と同様にしてスパッタリングを行なうことに
より、前記超電導薄膜2の上にPtからなる防食層3を形
成する。
する。そして、このターゲットT2をスパッタ装置にセッ
トし、上記と同様にしてスパッタリングを行なうことに
より、前記超電導薄膜2の上にPtからなる防食層3を形
成する。
このように、超電導薄膜2の上にPtの防食層3を形成
したことにより、超電導薄膜2は、大気中において酸素
原子が抜け出ることがなく、このため、臨界温度(Tc)
等の超電導特性が劣化することがない。また、超電導薄
膜2と大気中に含まれる水分おび炭酸ガスとの反応を防
止でき、超電導薄膜2が変質して劣化することがほとん
どない。
したことにより、超電導薄膜2は、大気中において酸素
原子が抜け出ることがなく、このため、臨界温度(Tc)
等の超電導特性が劣化することがない。また、超電導薄
膜2と大気中に含まれる水分おび炭酸ガスとの反応を防
止でき、超電導薄膜2が変質して劣化することがほとん
どない。
また、超電導薄膜2の上に防食層3として形成された
Ptは、大気中に含まれるO2、水分および二酸化炭素ガス
等に対してきわめて安定であり、さらに超電導体2に含
まれる各成分とも拡散等の反応をほとんど示さずきわめ
て安定な材質であるため、超電導薄膜2に対して、組成
を変化させる等の影響をおよぼすことがない。したがっ
て、超電導薄膜2の経時的な劣化を防止することがで
き、長期に亙って超電導特性が高いものが得られる。
Ptは、大気中に含まれるO2、水分および二酸化炭素ガス
等に対してきわめて安定であり、さらに超電導体2に含
まれる各成分とも拡散等の反応をほとんど示さずきわめ
て安定な材質であるため、超電導薄膜2に対して、組成
を変化させる等の影響をおよぼすことがない。したがっ
て、超電導薄膜2の経時的な劣化を防止することがで
き、長期に亙って超電導特性が高いものが得られる。
なお、上記の場合、基板1と超電導薄膜2との間に形
成する防食層3としてPtを用いたが、この代わりにPt−
Au合金、Au,Ag、またはこれらにCuが適宜量添加された
合金、あるいはAl等の金属やAl2O3,MgO等のセラミック
ス等、大気および超電導薄膜2に含まれるいずれの成分
に対しても反応性を有することのない安定な材質であれ
ば何を用いてもよい。
成する防食層3としてPtを用いたが、この代わりにPt−
Au合金、Au,Ag、またはこれらにCuが適宜量添加された
合金、あるいはAl等の金属やAl2O3,MgO等のセラミック
ス等、大気および超電導薄膜2に含まれるいずれの成分
に対しても反応性を有することのない安定な材質であれ
ば何を用いてもよい。
また、La−Sr−Cu−O系の超電導材料に適用したが、
Laの代わりに、Y、Sc、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等のIII a族元素の1種以上、
また、Srの代わりに、Ba、Be、Mg、Ra等のアルカリ土類
金属元素の1種以上が用いられた酸化物系のものに適用
してもよい。
Laの代わりに、Y、Sc、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等のIII a族元素の1種以上、
また、Srの代わりに、Ba、Be、Mg、Ra等のアルカリ土類
金属元素の1種以上が用いられた酸化物系のものに適用
してもよい。
[実施例1」 次に、本発明の一実施例を具体的に説明する。
まず、La、Sr、Cu、Oのそれぞれが 1.85:0.15:1.0:4.0 の組成比率に配合された超電導材料からなるターゲット
を、高周波マグネトロンスパッタ法によりAr50%、O250
%−圧力0.6Paのガス雰囲気下で、サファイアからなる
基板の上に超電導薄膜を形成する。この状態で、この超
電導薄膜の臨界温度(Tc)は26Kを示した。
を、高周波マグネトロンスパッタ法によりAr50%、O250
%−圧力0.6Paのガス雰囲気下で、サファイアからなる
基板の上に超電導薄膜を形成する。この状態で、この超
電導薄膜の臨界温度(Tc)は26Kを示した。
続いて、Ptのターゲットを高周波マグネトロンスパッ
タ法により、Ar100%の雰囲気で上記超電導薄膜の上に
膜厚が約1μmのPtからなる防食層を形成する。
タ法により、Ar100%の雰囲気で上記超電導薄膜の上に
膜厚が約1μmのPtからなる防食層を形成する。
このようにPtからなる防食層が表面に形成された超電
導薄膜は、10日間大気中放置後、臨界温度(Tc)は26K
と変化がなかった。一方、Pt防食層を形成しなかった超
電導薄膜は、臨界温度(Tc)が9Kと下がっていた。
導薄膜は、10日間大気中放置後、臨界温度(Tc)は26K
と変化がなかった。一方、Pt防食層を形成しなかった超
電導薄膜は、臨界温度(Tc)が9Kと下がっていた。
[実施例2] 次に、本発明の第二実施例を具体的に説明する。
まず、Y、Ba、Cuのそれぞが 1.85:0.15:1.0 の組成比率に配合された酸化物超電導材料からなるター
ゲットを、高周波マグネトロンスパッタ法によりAr50
%、O250%−圧力0.6Paのガス雰囲気下で、サファイア
からなる基板の上に超電導薄膜を形成する。この状態
で、この超電導薄膜の臨界温度(Tc)は65Kを示した。
ゲットを、高周波マグネトロンスパッタ法によりAr50
%、O250%−圧力0.6Paのガス雰囲気下で、サファイア
からなる基板の上に超電導薄膜を形成する。この状態
で、この超電導薄膜の臨界温度(Tc)は65Kを示した。
続いて、Ptのターゲットを高周波マグネトロンスパッ
タ法により、Ar100%の雰囲気で上記超電導薄膜の上に
膜厚が約1μmのPtからなる防食層を形成する。
タ法により、Ar100%の雰囲気で上記超電導薄膜の上に
膜厚が約1μmのPtからなる防食層を形成する。
このようにPtからなる防食層が表面に形成された超電
導薄膜は、湿度90%、70℃に1日間放置後、臨界温度
(Tc)は65Kと変化がなかった。一方、Pt防食層を形成
しなかった超電導薄膜は、臨界温度(Tc)が30Kと下が
っていた。
導薄膜は、湿度90%、70℃に1日間放置後、臨界温度
(Tc)は65Kと変化がなかった。一方、Pt防食層を形成
しなかった超電導薄膜は、臨界温度(Tc)が30Kと下が
っていた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の超電導薄膜の劣化防止
方法によれば、基板上に設けられる超電導薄膜の表面
に、該超電導薄膜および大気中に含まれるあらゆる成分
とも反応性を有しない安定な材質からなる防食層を形成
したことにより、大気中において超電導薄膜から酸素原
子が抜け出ることがなく、このため、臨界温度(Tc)等
の超電導特性が劣化することがない。また、超電導薄膜
と大気中に含まれる水分および炭酸ガス等の不純物が反
応することを防止でき、このため超電導薄膜が変質して
劣化することがほとんどない。
方法によれば、基板上に設けられる超電導薄膜の表面
に、該超電導薄膜および大気中に含まれるあらゆる成分
とも反応性を有しない安定な材質からなる防食層を形成
したことにより、大気中において超電導薄膜から酸素原
子が抜け出ることがなく、このため、臨界温度(Tc)等
の超電導特性が劣化することがない。また、超電導薄膜
と大気中に含まれる水分および炭酸ガス等の不純物が反
応することを防止でき、このため超電導薄膜が変質して
劣化することがほとんどない。
この結果、超電導薄膜の経時的な劣化を防止すること
ができ、長期に亙って超電導特性が安定した製品を得る
ことができる。
ができ、長期に亙って超電導特性が安定した製品を得る
ことができる。
第1図は本発明の一実施例を説明するためのもので超電
導薄膜の断面図、第2図は従来の超電導薄膜の断面図で
ある。 1……基板、2……La−Sr−Cu−O系の超電導材料から
なる薄膜(超電導体)、3……防食層。
導薄膜の断面図、第2図は従来の超電導薄膜の断面図で
ある。 1……基板、2……La−Sr−Cu−O系の超電導材料から
なる薄膜(超電導体)、3……防食層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 優 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−244527(JP,A) 特開 昭56−82511(JP,A) 特開 昭63−248010(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】基板上に設けられる酸化物系の超電導薄膜
の表面に、該超電導薄膜および大気中に含まれる成分と
反応しない安定な材質からなる防食層を形成したことを
特徴とする超電導薄膜の劣化防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087454A JP2579311B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 超電導体の劣化防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087454A JP2579311B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 超電導体の劣化防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63252319A JPS63252319A (ja) | 1988-10-19 |
JP2579311B2 true JP2579311B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=13915305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62087454A Expired - Lifetime JP2579311B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | 超電導体の劣化防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579311B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0676266B2 (ja) * | 1988-07-13 | 1994-09-28 | 日本碍子株式会社 | 酸化物超電導焼結体およびその製造方法 |
CN115835768B (zh) * | 2023-02-10 | 2023-05-30 | 材料科学姑苏实验室 | 一种超导量子芯片制备用保护层及超导量子芯片 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63248010A (ja) * | 1987-04-03 | 1988-10-14 | Hitachi Ltd | 超電導線材及びその製造法 |
-
1987
- 1987-04-09 JP JP62087454A patent/JP2579311B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63252319A (ja) | 1988-10-19 |
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