JPH02167820A - T1系複合酸化物超電導体薄膜の成膜方法 - Google Patents

T1系複合酸化物超電導体薄膜の成膜方法

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JPH02167820A
JPH02167820A JP1206069A JP20606989A JPH02167820A JP H02167820 A JPH02167820 A JP H02167820A JP 1206069 A JP1206069 A JP 1206069A JP 20606989 A JP20606989 A JP 20606989A JP H02167820 A JPH02167820 A JP H02167820A
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thin film
thallium
oxide
substrate
heat treatment
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JP1206069A
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Keizo Harada
敬三 原田
Hideo Itozaki
糸崎 秀夫
Shuji Yatsu
矢津 修示
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複合酸化物超電導体薄膜の改良された成膜方法
に関するものであり、特に、高い超電導臨界温度(Tc
)と超電導臨界電流密度(Jc)とを有するタリウム系
複合酸化物超電導体薄膜、例えば、TI −Ba−Ca
−Cu系の複合酸化物超電導体薄膜の成膜方法の改良に
関するものである。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の条
件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性を
示す現象である。即ち、超電導下では、超電導体に電流
を流しても電力損失が全く無く、密度の高い電流が永久
に流れ続ける。例えば、超電導技術を送電に応用すれば
、現在送電に伴って生じているといわれる約7%の送電
損失を大幅に減少できる。また、5QUIDを用いた微
弱な磁気を感知する計測分野、π中間子治療を用いた医
療の分野、さらには、高エネルギー物理実膜装置などへ
の利用が期待されている。さらに、核融合、MHD発電
、磁気浮上電車、磁気推進船等の強力な磁場の発生が必
要な分野でも超電導体が要求されている。しかし、過去
10年間、超電導材料の超電導臨界温度TcはNb、G
eの23Kを越えることができなかった。
高温超電導体の存在は、ベドノーツェおよびミューラー
による複合酸化物系高Tc超電導材料の発見によって明
らかにされた(Bednorz、 Miller。
” Z、Phys、” 864. 1986年、189
 頁)。
ベドノーツおよびミューラーによって発見された酸化物
超電導体は(La、 Ba) 2Cu○4で、これは、
K2NiF、型酸化物と呼ばれるもので、従来から知ら
れていたペロブスカイト型超電導酸化物と結晶構造が似
ているが、そのTcは従来の超電導材料に比べて飛躍的
に高い約30にという値である。その後、数多くの複合
酸化物系高温超電導体が報告され、高温超電導体の実用
化の可能性が出てきた。
チュー達はYBa、Cu307−1lで表わされる90
にクラスの臨界温度を示すYBC○といわれる別の系の
複合酸化物が報告されている(Physical Re
viewLetters、 (58)  9.908頁
1987年)。
前田達はBi −5r−Ca−Cu−系の別のB電導複
合酸化物を報告している( Japanese  Jo
urnal of八へplied   Physics
、  (27)2. 1209 〜1210頁 )。
タリウム系の複合酸化物も100に以上の超電導体であ
る。本出願人は特願昭63−185216号においてい
くつかのタリウム系複合酸化物を開示しており、また、
パーマン達はApplied Physics Let
ters(52)20.1738頁においてTI −B
a −Ca−Cu系を報告している。このタリウム系複
合酸化物は上記YBCO系の複合酸化物よりも化学的に
安定であるだけでなく、希土類元素を用いずに100に
以上のTCが実現できる、従って、製造コストを下げる
ことができるという利点がある。
上記の各複合酸化物系の超電導材料は、物理的蒸着法(
PV[])または化学的蒸着法(CVD)によって基板
上に薄膜の形に成膜することができる。
しかし、タリウム系複合酸化物超電導体の場合には、タ
リウム(TI)が極めて蒸発し易い元素であり、しかも
、人体に有害であるという特別な問題がある。事実、従
来方法で成膜されたタリウム系複合酸化物の超電導薄膜
は、焼結によって作ったバルクまたはブロックの複合酸
化物に比べてTcおよびJcが相対的に低くなる。これ
は、タリウムが蒸発し易い元素であるため、十分に結晶
化し得なかったことと、薄膜を形成している複合酸化物
の結晶中の酸素が不足していたためと考えられる。
これまでは、蒸着で成膜した薄膜の超電導特性を向上さ
せるために、成膜した薄膜を酸素ガスの存在下で600
〜900℃でアニールするのが一般的である。しかし、
タリウム系の超電導薄膜の場合には、タリウムの蒸気圧
が高いため、アニール処理中に薄膜からタリウムが大量
に逃げるため、この方法は有効ではなく、この方法で得
られた薄膜は所望のTCおよびJcを示さなかった。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、上記従来方法の欠点のないタリウム系
複合酸化物の超電導発明の改良方法を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 本発明の提供する方法の特徴は、タリウムを含む複合酸
化物の薄膜を物理蒸着法または化学蒸着法によって基板
上に形成し、次いで、得られた薄膜を熱処理する工程に
よって構成されるタリウム系複合酸化物超電導体薄膜の
成膜方法において、上記の熱処理を、880℃から92
0℃の温度で、酸化タリウム蒸気の分圧が上記温度にお
ける酸化タリウムの飽和蒸気圧以上となる条件下で所定
時間待なうことを特徴としている。
上記熱処理を行った薄膜は、さらに、600℃から90
0℃の温度で、酸化タリウム蒸気の分圧が上記温度にお
ける酸化タリウムの飽和蒸気圧以下となる条件下で所定
時間さらに二次的に熱処理するのが好ましい。
本発明は、タリウムを含む任意の複合酸化物に適用する
ことができる。本発明が適用可能な典型的なタリウム系
複合酸化物は下記一般式で表わされる: TI、(Ca、−、、r+ajmcuh○、。。
ここで、m、 n、 Xおよびyはそれぞれ下記:6≦
m≦16.4≦n≦12. 0.2   <   X   <   0.8 、 −
  2   <  y   <  +2の範囲を満足す
る数を表し、p= (6+m+n)である。
この系の複合酸化物の例としては下記のものを挙げるこ
とができる: T14Ca4Ba4CIJ60zo+yT12Ca2B
a2Cu30IO+y 本発明は上記以外のクリラム含有複合酸化物にも適用す
ることができる。その例としては、下記のような系を挙
げることができる: TI −3r −Ca−Cu −0系(75〜100 
K)TI −Pb−3r−Ca −Cu −0系(80
〜122 K)TI −Pb−Ba −Ca−Cu−○
系(90〜122 K)(TI、 La、 Pb)−3
r−Ca−Cu −0系(100K)TI−Ba−(Y
、 Ca)−Cu−○系(92K)TI −Pb−Ca
−Ce−3r−Cu−〇系(95K)Tl −Ba −
Ce−Cu−〇系(90K)(TI、 Ln)−3r 
−Ca−Cu−○系(80〜90K>(Bi、 TI)
−3r−Cu−〇系(90K)Pb−TI −3r −
Cu −0系(42K )La −T −3r−Cu−
〇系(32K)Nd −T −3r  Cu  O系(
44K>TI −Bi −3r −Ca−[:u−○系
(25K)(注) Lnはランタノイド元素 上記の超電導薄膜は、RFスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンブレーティング法、MBE等の物理蒸着(P
VD)法または熱CVD法、プラズマCVD法、光CV
D法、M OCV D法等のCVD法によって基板上に
成膜したものである。
物理蒸着(PVD)法としてRFマクネトロンスパッタ
リング法、真空蒸着法、イオンブレーティング法を用い
る場合には、蒸発源またはターゲットの金属元素の原子
比は各元素の蒸着速度および基板に対する吸着率の差に
応じて調節する。この蒸発源またはターゲットは金属元
素および/またはその酸化物または炭酸塩の粉末原料を
粉末焼結法によって焼結した焼結体か、この焼結体を粉
砕して得られる焼結粉末にするのが好ましい。また、こ
の蒸発源またはターゲットは複数に分けることもできる
分子線エピタキシー(MBB)法を用いる場合には溝底
金属元素またはその酸化物をにセルまたは電子銃を用い
て蒸発させる。この場合には、必要に応じて、酸素を蒸
着雰囲気中に別途供給する。
例えば、TI −Ba−Ca−Cu−○系の複合酸化物
超電導体の薄膜を成膜する場合に用いる蒸発源またはタ
ーゲットは、以下のようにして作るのが好ましい。すな
わち、先ず、Ba、 CaおよびCuの化合物、特に、
これらの酸化物、炭酸塩またはフッ化物の粉末を所定原
子比となるように混合し、仮焼し、粉砕して得られる仮
焼粉末に、T1の化合物、特に、TIの酸化物、炭酸塩
またはフッ化物の粉末を添加し、得られた粉末混合物を
焼結する。この焼結体はそのまま、または、切削加工後
に蒸発源またはターゲットとして用いることができる。
さらに、この焼結体を粉砕して得られる粉末を粉末蒸発
源または粉末ターゲットとして用いることもできる。
TIは非常に蒸気圧が高いので、蒸発源またはターゲッ
トの組成比を所定の範囲にするためには、上記のように
TI含有粉末を別途添加するのが特に好ましい。
いずれにせよ、基板上に蒸着される薄膜の組成は、蒸発
源またはターゲットの組成比を調節すること、および/
または、複数の蒸発源またはターゲットを組み合わせる
ことによって広い範囲でコントロールすることができる
。蒸着雰囲気中への酸素の供給は、一般に、蒸発源また
はターゲットとして酸素含有化合物、例えば、構成元素
の酸化物を用いるか、酸素を別体に供給することによっ
て行うことができる。超電導薄膜の酸素含有量は超電導
特性に大きく影響するファクターであるので、蒸着雰囲
気中の酸素量は所定の範囲となるように正確に制御する
ことが必要である。
超電導薄膜を懲戒する基板は、MgO1SrTiO,、
LaAlO3、LaGa0.等の単結晶にするのが好ま
しい。
シリコン単結晶を用いる場合には、その表面上に!Jg
OやZrO□等のバッファー層を懲戒してから上記超電
導薄膜を形成するのが好ましい。本発明の超電導薄膜は
上記各単結晶基板の(001)面または(110)面に
成膜するのが好ましい。蒸着時には、基板を一般に室温
から500℃の範囲の温度に加熱する。
本発明方法の特徴は、上記の熱処理を、880℃から9
20℃の温度で、酸化タリウム蒸気の分圧が上記温度に
おける酸化タリウムの飽和蒸気圧以上となる条件下で所
定時間行なう点にある。
本発明者達は、本発明の方法によって成膜した薄膜は極
めて平滑で且つ組成が均一であることを確認した。本発
明による薄膜が極めて高いTcとJcを示す理由はこの
点に起因しているものと考えられる。換言すれば、本発
明方法の熱処理は薄膜からのタリウム蒸気の逃げを抑制
し且つ薄膜の結晶化を促進するのに有効である。
上記熱処理温度が880℃未満であると、平滑な薄膜は
得られず、臨界温度が互いに相違する異なる相の混合物
となるため、薄膜のTcが低下する。
逆に、熱処理温度が920℃を越えると、タリウム(T
I)の蒸発が過剰となるため、薄膜の組成を所望の組成
に維持するのが回能になるだけでなく、超電導に寄与し
ない析出物が増加する。
本発明で行われる最初の熱処理は1分から10時間の間
の時間桁われる。この時間が1分未満では本発明方法の
熱処理の効果が期待できない。一方、この熱処理時間を
10時間を越えて行っても、超電導特性を大幅に向上さ
せることはできない。
本発明の好ましい実施例では、上記の熱処理後の薄膜を
さらに二次的に熱処理する。この二次的な熱処理は、6
00℃から900℃の温度で、酸化タリウム蒸気の分圧
が上記温度における酸化タリウムの飽和蒸気圧以下とな
る条件下で所定時間さらに二次的に熱処理することによ
って行われる。この二次的な熱処理は最初の熱処理で薄
膜中に残留している過剰なタリウム原子を除去・追い出
して、最終製品のタリウムの原子比を所定の化学量論組
成に調節するのに有効である。この二次的な熱処理は一
般に5分から50時間の間の時間桁われる。
上記の熱処理雰囲気状態はタリウム蒸気と酸素が供給で
きる条件下で行えば容易に実現できる。
最も簡単には、酸化タリウムを蒸発源として用いればよ
い。また、タリウムと他の元素との化合物、例えば、T
I −8a −Ca−Cu = 0の複合酸化物を蒸発
源として用いることも好ましい。さらには、熱処理を行
うチャンバー中にタリウムガスと酸素ガスとを制御下に
供給することもできる。
本発明の好ましい実施例では、上記熱処理が部分的に閉
じられた閉空間内に温度勾配を付けることによって行わ
れる。すなわち、この部分的に閉じられた閉空間中に、
熱処理を行う薄膜を有する基板と、酸化タリウムまたは
タリウム化合物の蒸発源とを配置し、酸素ガスの存在下
に、酸化タリウムまたはタリウム化合物の蒸発源の温度
を基板の温度よりも高くする。この部分的に閉じられた
閉空間は一端がチャンバー内部と連通した開口を有する
銀(Ag)のようなタリウム系超電導材料と反応しない
貴金属のパイプで区画するのが好ましい。
熱処理時には、上記雰囲気中にタリウム蒸気の他に酸素
を供給して、薄膜中の酸素含有率が所望の化学量論比と
なるようにする。
以下、本発明方法を実施するための一実施例を示した添
付図面を用いて本発明を説明する。
第1図に示すように、タリウム系複合酸化物薄膜を有す
る基板1は一端が開いた銀のパイプ4の中に収容される
。この銀パイプ4中には、さらに、酸化タリウムの蒸発
源、例えば、酸化タリウムまたはタリウム化合物2が収
容される。この酸化タリウムの蒸発源2は、基板l上に
薄膜を形成する際に用いたものと同じ焼結体または焼結
粉末にするすることもできる。
基板1と酸化タリウムの蒸発源2とを収容した銀パイプ
4を焼結炉5の内部に収容した後、酸素ガス(02)を
焼結炉5内部に供給する。この酸素ガスは、銀パイプ4
の一端開口を介して銀パイプ4の内部にも流入すること
ができる。一般に、この酸素ガスの圧力は大気圧(1気
圧〉程度であるが、1気圧以上の圧力で熱処理を行うこ
ともできる。
熱処理時には、焼結炉5内部に温度勾配が付けられ、タ
リウム系複合酸化物薄膜を有する基板1を温度T2に、
また、酸化タリウムの蒸発?原2を温度T1にそれぞれ
加熱する。温度T1は温度T2よりも高く、例えば、T
、=930℃、T2= 900℃にする。
この塩度勾配によって、基板よりもt目射的に高い温度
に加熱された酸化タリウムの蒸発源2から発生ずる酸化
クリウl、ガス雰囲気内で、基板上に形成された薄膜の
熱処理がT2=900℃で行われる。
この温度勾配条件下では、基板近傍での酸化タリウムガ
スの蒸気圧は酸化タリウムの飽和蒸気圧よりも高くなる
(過飽和蒸気圧)。この第1段階の熱処理は所定時間、
一般には1時間以上行われる。
この第1段階の熱処理が終了後に、同じ炉中で第2の熱
処理を行うが、この場合には、温度を下げて、T、=7
2= 850℃とする。この第2の熱処理も所定時間、
一般には1時間以上行われる。
本発明方法は以下のような利点がある:(1)熱処理が
、揮発し易い酸化タリウムの飽和蒸気圧で行われるので
、薄膜からのタリウム原子の放逸が抑制されて、複合酸
化物薄膜中のタリウムの原子比を所望の値に調節するこ
とができる。
(2)熱処理が酸素リッチな状態で行われるため、薄膜
中の酸素含有率を所望の値に調節することができる。
(3)熱処理が薄膜に対して不活性な貴金属のパイプ中
で行われるため、薄膜が汚染される危険がない。
従って、本発明方法を用いることによって、超電導特性
、特に、臨界電流密度Jcが高い高品質のクリラム含有
複合酸化物の超電導薄膜を安定に製造することが可能に
なる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、
以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎず、本発明の
技術的範囲は何ら制限されるものではない。
実施例1 タリウム系複合酸化物薄膜の成膜 RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、MgO(
100)単結晶基板上にタリウム系複合酸化物の薄膜を
作製した。
ターゲットの製造 BaCO3粉末とCuO粉末とを乳鉢で混合して得られ
た粉末混合物を900℃で8時間仮焼した。得られた焼
結粉末を粉砕し、それに、Tl2O,粉末と、Ca O
怪’J末とを加え、均一に混合して原料粉末混合物とし
た。なお、この原料粉末混合物のT1:Ca:Ba:C
uの原子比は2.4  :2.3  二2.0:3.0
 となるように調節した。
この原料粉末混合物をプレス底形した後、金のフォイル
に包んだ後、焼結炉中で酸素ガス雰囲気下で905℃で
3時間焼結した。
スパッタリングによる薄膜の成膜 上記で得られた焼結体を粉砕して得られる焼結体粉末を
粉末ターゲットとして用いて、下記条件でRFマグネト
ロンスパッタリングを行った二基板        =
 1.IgOの(100)白基板温度      =3
50℃ 高周波電力密度   −0,64(\V/ crd)ス
パッタリングガス −Ar+02(0,20%)スパッ
タリング圧力 = 5X10 ’Torr得られた薄膜
の組成は、原子比Tl :Ba :Ca :Cuが2:
  2:2  :3であり、成膜しただけの状態では非
晶質で超電導特性を示さなかった。
本発明の熱処理 上記の薄膜を、第1図に示す装置で、本発明の方法に従
って、熱処理を行なった。
すなわち、上記で得られた基板1を一端を閉じたAgパ
イプ4中に入れ、さらに、上記の「ターゲットの製造」
の項で記載した方法と同じ方法で作ったTI −Ba−
Ca−Cu−〇化合物2をこのAgパイプ4中に入れた
次いで、Agパイプ4を焼結炉5内に入れ、焼結炉5に
1気圧の02ガスを供給した。
焼結炉5中には、第1図に示すT1〜T2の温度勾配を
付けて、基板1が900℃(T2)に、また、上記TI
 −Ba −Ca−Cu −0化合物2が930℃(’
r+)になるようにした。
この温度勾配条件下では、基itの周囲での酸化TI蒸
気分圧は、900℃における酸化タリウムの飽和蒸気圧
以上(過飽和蒸気圧〉 となる。この熱処理は1時間行
った。
この第1段階の熱処理が終了した後に、同じ焼結炉5中
で第2段階の熱処理を行った。この場合には、温度を下
げて、均一温度’r、 =T2 = 850℃とした。
この時の基板1の周囲での酸化タリウム蒸気分圧は、8
50℃での酸化タリウムの飽和蒸気圧以下であった。こ
の第2段階の熱処理は3時間行った。
以上の熱処理を行なった薄膜の臨界温度Tcと、臨界電
流密度Jcとを測定し、また、表面を走査電子顕微鏡(
SEM)で観察した。
臨界温度Tcは通常の四端子法を用いて測定した。
温度はAu (Fe)−Ag熱電対で較正した。また、
臨界電流密度Jcは77にで測定した。
結果を第1表に示す。
第1表 比較例1 実施例1を繰り返したが、第1段階の熱処理を省略して
、従来法に゛対応する第2段階の熱処理のみを行った。
この場合の結果を第2表に示す。
第2表 実施例と比較例の結果を比較することによって、本発明
の方法によりタリウム系複合酸化物超電導体薄膜の超電
導特性は大幅に向上することが分る。
実施例2 実施例1と同じ操作を繰り返したが、ターゲット組成を
変えることによって、下記組成の別のタリウム系複合酸
化物薄膜を成膜した: Tlo、 7B10. aca、5r2Cu30 、I
この場合のターゲットは以下のようにして作成した。す
なわ・ち、81203粉末と、Can粉末と、5rCO
+粉末と、CuO粉末とを700℃で10時間仮焼し、
それを粉砕して得られた仮焼粉末にT1□03粉末を添
加した後、910℃で3時間焼結した。これから得られ
た焼結粉末の原子比は以下の通りであった: TI+Bi:Ca:Sr:Cu= 1:0.3  :2
.1  :2  :3本実施例ではこの焼結粉末を粉末
ターゲットとして用いて上記組成の複合酸化物超電導薄
膜を基板上に形成した。
結果は第3表に示す。
第3表 第4表 実施例3 実施例1と同じ操作を繰り返したが、第1段階の熱処理
において、酸化タリウムの蒸発源として酸化タリウム粉
末を用いた。
本実施例ではこの酸化クリラム粉末を910℃に加熱し
、複合酸化物超電導薄膜を900℃に加熱した。熱処理
時間は30分とした。
この場合の結果を第5表に示す。
第5表 比較例2 実施例2を繰り返したが、第1段階の熱処理を省略して
、従来法に対応する第2段階の熱処理のみを行った。
この場合の結果を第4表に示す。
発明の効果 本発明の方法に従うと、TI −Ba−Ca−Cu系等
の複合酸化物超電導体薄膜のTcおよびJcを飛濯的に
向1させることができる。これは本発明の方法に独特な
、T1蒸気分圧をT1の飽和蒸気圧以上にした雰囲気下
で熱処理を行うことにより初めて可能どなったものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を実施する装置の一例の概念図
である。 〔主な参照番号〕 1・・・薄膜を有する基板、 2・・・酸化タリウム蒸発源、 4・・・Agパイプ、 5・・・炉

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)タリウムを含む複合酸化物の薄膜を物理蒸着法ま
    たは化学蒸着法によって基板上に形成し、次いで、得ら
    れた薄膜を熱処理する工程よりなるタリウム系複合酸化
    物超電導体薄膜の成膜方法において、 上記の熱処理を、880℃から920℃の温度で、酸化
    タリウム蒸気の分圧が上記温度における酸化タリウムの
    飽和蒸気圧以上となる条件下で所定時間行なうことを特
    徴とする方法。
  2. (2)上記の熱処理を行った薄膜を、600℃から90
    0℃の温度で、酸化タリウム蒸気の分圧が上記温度にお
    ける酸化タリウムの飽和蒸気圧以下となる条件下で所定
    時間行なうことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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