JP2579001B2 - 作動流体 - Google Patents
作動流体Info
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Description
使用される作動流体に関する。
ては、作動流体としてフロン類(以下R○○またはR○
○○と記す)と呼ばれるハロゲン化炭化水素が知られて
おり、利用温度としては凝縮温度および/または蒸発温
度が略0〜略50℃の範囲において通常使用される。中で
もクロロジフルオロメタン(CHClF2、R22)は家庭用エ
アコン、ビル用エアコンや大型冷凍機等の作動流体とし
て幅広く用いられている。
が地球規模の環境問題となっており、成層圏オゾン破壊
能力が大であるフロン類(以下、特定フロンと記す)に
ついては、すでに国際条約によって使用量及び生産量の
規制がなされ、さらに将来的には特定フロンの使用・生
産を廃止しようという動きがある。さて、R22はオゾン
破壊係数(トリクロロフルオロメタン(CCl3F)の成層
圏オゾン破壊能力を1としたときの成層圏オゾン破壊能
力、以下ODPと記す)が0.05の微少であり、特定フロン
ではないものの将来的に使用量の増大が予想され、冷凍
・空調機器が広く普及した現在、R22の使用量及び生産
量の増大が人類の生活環境に与える影響も大きくなるも
のと予想されている。従って、成層圏オゾン破壊能力が
小であるものの、若干の破壊能力があるとされるR22の
代替となる作動流体の早期開発も強く要望されている。
圏オゾン層に及ぼす影響がほとんどない、R22の代替と
なる作動流体を提供するものである。
フルオロメタン(CH2F2)、トリフルオロエタン(C2H3F
3)とテトラフルオロエタン(C2H2F4)の三種のフロン
類を含み、ジフルオロメタンを60重量%以下、トリフル
オロエタンを80重量%以下、テトラフルオロエタンを20
〜80重量%の組成範囲であることを特徴とするものであ
り、特にジフルオロメタンを50重量%以下、トリフルオ
ロエタンを80重量%以下、テトラフルオロエタンを20〜
75重量の組成範囲が望ましいものである。
ン破壊能力のほとんどない、分子構造中に塩素を含まな
いフロン類であるジフルオロメタン(ODP=0)、トリ
フルオロエタン、(ODP=0)およびテトラフルオロエ
タン(ODP=0)の混合物となすことにより、成層圏オ
ゾン層に及ぼす影響をR22よりもさらに小さく、ほとん
どなくすることを可能とするものである。又、本発明は
上述の組成範囲とすることによって、エアコン・冷凍機
等のヒートポンプ装置の利用温度である略0〜略50℃に
おいてR22と同程度の蒸気圧を有し、R22の代替として現
行機器で使用可能な作動流体を提供することを可能とす
るものである。従って上述の組合せおよび組成範囲にお
けるODPも0と予想され、R22の代替として極めて有望な
作動流体となるものである。またかかる混合物は非共沸
混合物となり、凝縮過程および蒸発過程において温度勾
配をもつため、熱源流体との温度差を近接させたロレン
ツサイクルを構成することにより、R22よりも高い成績
係数を期待できるものである。
は、そのODPの値の大きさにつれて地球温暖化の効果も
大きい傾向があるが、本発明による作動流体はODPが0
であるフロン類のみの三種以上から成る混合物によって
構成されているため、地球温暖化の効果はR22と同程度
あるいはR22未満と推定され、最近世界的問題となって
いる地球温暖化への寄与を小とすることも可能とするも
のである。
用いて説明する。
ルオロエタン(R143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(R134a)の三種のフロン類の混合物によって構成さ
れる作動流体の、一定温度・一定圧力における平衡状態
を三角座標を用いて示したものである。本三角座標にお
いては、三角形の各頂点に、上側頂点を基点として反時
計回りに沸点の低い順に単一物質を配置しており、座標
平面上のある点における各成分の組成比(重量比)は、
点と三角形の各辺との距離の比で表される。またこのと
き、点と三角形の辺との距離は、辺に相当する側にある
三角座標の頂点に記された物質の組成比に対応する。第
1図において1は、温度0℃・圧力4.044kg/cm2Gにおけ
る混合物の気液平衡線であり、この温度・圧力はR22の
飽和状態に相当する。気液平衡線(R22 0℃相当)1
の上側の線は飽和気相線、気液平衡線(R22 0℃相
当)1の下側の線は飽和液相線を表わし、この両線で挟
まれた範囲においては気液平衡状態となる。また2は、
温度50℃・圧力18.782kg/cm2Gにおける混合物の気液平
衡線であり、この温度・圧力もR22の飽和状態に相当す
る。図からわかるように、R32、R143a及びR134aがそれ
ぞれ0〜略45重量%、0〜略70重量%、略30〜略80重量
%となるような組成範囲は、略0〜略50℃の利用温度に
おいてR22とほぼ同等の蒸気圧を有するため望ましい。
さらに、R32、R143a及びR134aがそれぞれ0〜略35重量
%、0〜略65重量%、略35〜略75重量%となるような組
成範囲は、0℃と50℃の間のすべての利用温度において
R22とほぼ同等の蒸気圧を有するため特に望ましい。
表に示す。点A1〜点C1は気液平衡線(R22 50℃相当)
2の飽和気相線上に、点D1は気液平衡線(R22 50℃相
当)2の飽和液相線上にあり、共に気液平衡線(R22
0℃相当)1の飽和気相線及び気液平衡線(R22 0℃
相当)1の飽和液相線の両線で挟まれた範囲にあること
から、温度0℃・圧力4.044kg/cm2G(R22の飽和状態に
相当)においては気液平衡状態となる。また、点E1〜F1
は気液平衡線(R22 0℃相当)1の飽和液相線上にあ
ると共に、気液平衡線(R22 50℃相当)2の飽和気相
線及び気液平衡線(R22 50℃相当) 2の飽和液相線の両線で挟まれた範囲にあることから、
温度50℃・圧力18.782kg/cm2G(R22の飽和状態に相当)
においては気液平衡状態となる。従って、第1表に示さ
れた組成を有する作動流体は、0℃・50℃におけるR22
の飽和蒸気圧の条件下で飽和状態あるいは気液平衡状態
を実現し、略0〜略50℃の利用温度において、同温度に
おけるR22の飽和蒸気圧で操作することにより、R22とほ
ぼ等しい凝縮温度・蒸発温度を得ることが可能となるも
のである。
気液平衡線(R22 50℃相当)2上の点についてのみ説
明したが、点A1〜点F1の内側にある点、すなわち、温度
0℃・圧力4.044kg/cm2G及び温度50℃・圧力18.782kg/c
m2G(両者ともR22の飽和状態に相当)において気液平衡
状態となる組成を有する作動流体についても同様に操作
することにより、略0〜略50℃の利用温度においてR22
とほぼ等しい凝縮温度・蒸発温度を得ることが可能とな
るものである。
タン(R134)の三種のフロン類の混合物によって構成さ
れる作動流体の、一定温度・一定圧力における平衡状態
を三角座標を用いて示したものである。第2図において
3は、温度0℃・圧力4.044kg/cm2Gにおける混合物の気
液平衡線であり、また4は、温度50℃・圧力18.782kg/c
m2Gにおける混合物の気液平衡線である。この場合に
は、R32、R143a及びR134がそれぞれ0〜略60重量%、0
〜略80重量%、略20〜略70重量%となるような組成範囲
が、R22とほぼ同等の蒸気圧を有するため望ましく、R3
2、R143a及びR134がそれぞれ0〜略50重量%、0〜略80
重量%、略20〜略65重量%となるような組成範囲が、特
に望ましい。
表に示す。A2〜点C2は気液平衡線(R22 50℃相当)4
の飽和気相線上に、点D 2〜点F2は気液平衡線(R22 50℃相当)4の飽和液相
線上にあり、共に気液平衡線(R22 0℃相当)3の飽
和気相線及び気液平衡線(R22 0℃相当)3の飽和液
相線の両線で挟まれた範囲にあることから、温度0℃・
圧力4.044kg/cm2G(R22の飽和状態に相当)においては
気液平衡状態となる。従って、第2表に示された組成を
有する作動流体は、0℃・50℃におけるR22の飽和蒸気
圧の条件下で飽和状態あるいは気液平衡状態を実現し、
略0〜略50℃の利用温度において、同温度におけるR22
の飽和蒸気圧で操作することにより、R22とほぼ等しい
凝縮温度・蒸発温度を得ることが可能となるものであ
る。
ついてのみ説明したが、点A2〜点F2の内側にある点、す
なわち、温度0℃・圧力4.044kg/cm2G及び温度50℃・圧
力18.782kg/cm2G(両者ともR22の飽和状態に相当)にお
いて気液平衡状態となる組成を有する作動流体について
も同様に操作することにより、略0〜略50℃の利用温度
においてR22とほぼ等しい凝縮温度・蒸発温度を得るこ
とが可能となるものである。
混合物によって構成されているが、構造異性体を含めて
四種以上のフロンの混合物によって作動流体を構成する
ことも勿論可能であり、この場合、ジフルオロメタン0
〜略60重量%、トリフルオロエタン0〜略80重量%、テ
トラフルオロエタン略20〜略80重量%となるような組成
範囲は、略0〜略50℃の利用温度においてR22とほぼ同
等の蒸気圧を有するため望ましい。さらに、ジフルオロ
メタン0〜略50重量%、トリフルオロエタン0〜略80重
量%、テトラフルオロエタン略20〜略75重量%となるよ
うな組成範囲は、0℃と50℃の間のすべての利用温度に
おいてR22とほぼ同等の蒸気圧を有するため特に望まし
い。特に上述の組合せおよび組成範囲におけるODPも0
と予想され、R22の代替として極めて有望な作動流体と
なるものである。またかかる混合物は非共沸混合物とな
り、凝縮過程および蒸発過程において温度勾配をもつた
め、熱源流体との温度差を近接させたロレンツサイクル
を構成することにより、R22よりも高い成績係数を期待
できるものである。
を、分子構造中に塩素を含まないフロン類のみの三種以
上から成る混合物となし、その組成範囲を特定したこと
により、 (1)成層圏オゾン層に及ぼす影響をR22よりもさらに
小さく、ほとんどなしとする作動流体の選択の幅を拡大
することが可能である。
有し、R22の代替として現行機器で使用可能である。
よりも高い成績係数を期待できる 等の効果を有するものである。
成される作動流体の、一定温度・一定圧力における平衡
状態を三角座標を用いて示した図である。 1、3……気液平衡線(R22 0℃相当)、2、4……
気液平衡線(R22 50℃相当)。
Claims (1)
- 【請求項1】ジフルオロメタン、1,1,1−トリフルオロ
エタンおよびテトラフルオロエタンの三種のフロン類か
らなり、前記ジフルオロメタンを60重量%以下、前記1,
1,1−トリフルオロエタンを80重量%以下、前記テトラ
フルオロエタンを20〜80重量%含むことを特徴とする作
動流体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1311155A JP2579001B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 作動流体 |
US07/832,649 US5370811A (en) | 1989-11-30 | 1992-02-11 | Working fluid containing tetrafluoroethane |
US08/305,320 US5438849A (en) | 1989-11-30 | 1994-09-15 | Air conditioner and heat pump with tetra fluoroethane-containing working fluid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1311155A JP2579001B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 作動流体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03170586A JPH03170586A (ja) | 1991-07-24 |
JP2579001B2 true JP2579001B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=18013767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1311155A Expired - Lifetime JP2579001B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 作動流体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579001B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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ATE209242T1 (de) * | 1991-10-11 | 2001-12-15 | Ici Plc | Arbeitsflüssigkeiten |
US5290466A (en) * | 1991-10-31 | 1994-03-01 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Compositions of difluoromethane and tetrafluoroethane |
US5294359A (en) * | 1992-02-03 | 1994-03-15 | Alliedsignal Inc. | Refrigerant compositions |
EP0687286B1 (en) * | 1993-03-02 | 1996-10-16 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Compositions including a hexafluoropropane |
-
1989
- 1989-11-30 JP JP1311155A patent/JP2579001B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH03170586A (ja) | 1991-07-24 |
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