JP2578301B2 - V形エンジンを搭載した自動二輪車 - Google Patents

V形エンジンを搭載した自動二輪車

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JP2578301B2
JP2578301B2 JP4308810A JP30881092A JP2578301B2 JP 2578301 B2 JP2578301 B2 JP 2578301B2 JP 4308810 A JP4308810 A JP 4308810A JP 30881092 A JP30881092 A JP 30881092A JP 2578301 B2 JP2578301 B2 JP 2578301B2
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intake
air
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義治 井坂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク軸横置き形の
水冷式V形エンジンを搭載した自動二輪車に係り、特に
その水冷式V形エンジンに連なる吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フロントフォークを枢支するヘッドパイ
プとリヤアームの枢支部との間を結ぶ左右一対のメイン
パイプを備えた自動二輪車において、上記メインパイプ
の下方にV形エンジンを搭載したものが知られている。
この種の自動二輪車では、メインパイプの中間部に、後
方に向って延びる左右一対のシートレールが連結されて
おり、これらシートレール上にシートが支持されてい
る。
【0003】ところで、上記V形エンジンは、そのクラ
ンク軸を車体の左右方向に沿って横置きにした姿勢でメ
インパイプの下方に配置されている。そして、このV形
エンジンは、クランクケースから前方斜め上向きに延び
る前部シリンダと、クランクケースから後方斜め上向き
に延びる後部シリンダとを有しており、この後部シリン
ダの上部が上記シートの前端部付近に位置されている。
【0004】また、このV形エンジンでは、前部シリン
ダおよび後部シリンダに夫々気化器やエアクリーナが接
続されている。この場合、後部シリンダを前方排気とし
て、この後部シリンダに連なる気化器やエアクリーナ
を、後部シリンダの後方に配置すると、これら気化器や
エアクリーナがシートの前半部の下方に位置される。そ
のため、上記メインパイプの後半部やシートレールの前
半部は、気化器やエアクリーナの左右外側を通されるこ
とになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成によると、メインパイプの後半部やシートレールの前
半部は、丁度運転者の両脚の間に位置される部分でもあ
るため、上記従来のようにメインパイプの後半部やシー
トレールの前半部が気化器やエアクリーナの左右外側を
通過すると、上記メインパイプやシートレールのうち、
運転者の両脚間に位置される部分の相互間隔が必要以上
に広がってしまう。
【0006】特に、後部シリンダが車体の左右方向に並
ぶ複数の気筒を有する場合には、気筒数に対応した複数
の気化器が左右方向に並ぶとともに、これら気化器に連
なるエアクリーナの容量が増えるので、メインパイプや
シートレールの幅が益々広がってしまうことになる。し
たがって、乗車中に運転者の脚が開き気味となり、乗車
姿勢に悪影響を及ぼす虞れがあり得る。
【0007】本発明はこのような事情にもとづいてなさ
れたもので、メインパイプの後半部やシートレールを幅
狭く抑えつつ、複数の気化器やこれら気化器に連なるエ
アクリーナを無理なく配置でき、しかも、エアクリーナ
の容量の確保や、前部シリンダおよび後部シリンダの吸
気経路長の均等化が可能となるとともに、気化器の周囲
に熱気が籠り難くなり、かつまた気化器を含めたV形エ
ンジンのコンパクト化が可能となる自動二輪車の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、フロントフォークを枢支するヘッドパイ
プから後方斜め下向きに延びる左右一対のメインパイプ
と; これらメインパイプの中間部に連結され、シートを支持
して後方に延びる左右一対のシートレールと; 上記メインパイプの下方に配置され、左右方向に沿って
横置きに配置されたクランク軸を有するクランクケース
と、このクランクケースから前方斜め上向きに延出さ
れ、動弁機構を含むヘッドを有するとともに、このヘッ
ドの上端に連なるヘッドカバーの上面が後上がりに傾斜
された前部シリンダと、上記クランクケースから後方斜
め上向きに延出され、動弁機構を含むヘッドを有する後
部シリンダと、を備えている水冷式V形エンジンと; この水冷式V形エンジンの前方において上記前部シリン
ダよりも高い位置に配置されたラジエータと;を具備
し、上記水冷式V形エンジンの後部シリンダが上記シー
トの前端部付近に位置されている自動二輪車を前提とし
ている。
【0009】そして、上記水冷式V形エンジンの上方
に、上記後部シリンダよりも前側に位置してエアクリー
ナを配置し、このエアクリーナの周囲を燃料タンクで覆
うとともに、上記エアクリーナの下方であり、かつ上記
前部シリンダと後部シリンダとの間に、吸気の流れ方向
が略水平な複数の気化器を左右方向に並べて配置し、こ
れら気化器は、上記前部シリンダの後面の吸気口および
後部シリンダの前面の吸気口に夫々接続するとともに、
夫々の気化器の吸気上流端は、上向きに開口された複数
の吸気管を介して上記エアクリーナに接続し、上記前部
シリンダの気化器に連なる吸気管は、この気化器の後方
で上記エアクリーナに接続し、上記後部シリンダの気化
器に連なる吸気管は、この気化器の前方で上記エアクリ
ーナに接続し、また、このエアクリーナは、上記ラジエ
ータの後方において、上記後上がりに傾斜された前部シ
リンダの上面に向けて突出する突出部を有し、この突出
部の下面は、上記前部シリンダの上面と協同して上記ラ
ジエータの後方に進むに従い次第に狭くなるような導風
通路を形成し、この導風通路の後端を上記気化器が収ま
る上記前部シリンダと後部シリンダとの間に連通させる
とともに、上記V形エンジンは、上記クランクケースの
上部から上記前部シリンダ、後部シリンダおよび気化器
によって囲まれる空間部分に向けて上向きに張り出すハ
ウジングを有し、このハウジングの内部に、上記クラン
ク軸の上方に位置して、このクランク軸に連動して駆動
される駆動軸を挿通配置し、この駆動軸と上記各シリン
ダの動弁機構とを連動手段を介して連動させたことを特
徴としている。
【0010】
【作用】このような構成によれば、前部シリンダおよび
後部シリンダに連なる複数の気化器やエアクリーナは、
水冷式V形エンジンの上方であり、かつシートよりも前
方に偏って位置されているので、メインパイプの後半部
やシートレールの前半部を、気化器やエアクリーナの左
右外側を通す必要はない。このため、メインパイプの後
半部の配置間隔やシートレールの配置間隔を、気化器や
エアクリーナの占有空間に左右されることなく自由に設
定することができる。
【0011】したがって、メインパイプの後半部やシー
トレールの配置間隔を幅狭く抑えることができ、シート
上に着座された運転者の脚が大きく開くことはない。ま
た、エアクリーナや気化器がシートの下方の奥まった手
狭な空間部分に入り込まずに済むので、これらエアクリ
ーナや気化器に対するスペース的な制約が緩和され、複
数の気化器の配置を無理なく行える。特に上記構成によ
ると、エアクリーナを前部シリンダと燃料タンクとの間
のデッドスペースに向けて容易に延長することができ、
上記スペース的な制約が緩和されることと合わせて、エ
アクリーナの大容量化が可能となる。
【0012】しかも、前部シリンダの気化器に連なる吸
気管と、後部シリンダの気化器に連なる吸気管とは、エ
アクリーナに対し前後逆向きに延びて、このエアクリー
ナに接続されるので、これら吸気管の管長を互いに均等
化することができる。このため、前部シリンダと後部シ
リンダとの間の出力のばらつきを解消することができ
る。
【0013】さらに、上記構成によると、エアクリーナ
の突出部と前部シリンダとの間に形成された導風通路
は、ラジエータの直後に位置するので、このラジエータ
を通過した高温の冷却風は、上記導風通路を通って後方
に流れる。このため、ラジエータからの冷却風の抜けが
良好となり、ラジエータの放熱性能が向上する。
【0014】また、上記導風通路は、ラジエータの後方
に進むに従い狭くなっているので、ここを流れる冷却風
の流速が速くなる。そのため、上記導風通路が前部シリ
ンダと後部シリンダとの間に連なる構成でありながら、
ラジエータの熱気を含む高温の冷却風は、一気に水冷式
V形エンジンの後方に抜け出ることになり、気化器の周
囲の換気性を良好に維持することができる。その上、上
記V形エンジンは、前部シリンダと後部シリンダとの間
から気化器に向けて張り出すハウジングを備えているの
で、気化器の下方から無駄な空間を排除することがで
き、ここに熱気が滞留し難くなる。
【0015】さらに、クランク軸に連動する駆動軸が前
後のシリンダのヘッドに近い位置に配置されるので、こ
の駆動軸にクランク軸の回転を予め減速して伝達するよ
うにすれば、駆動軸と動弁機構との間の減速比を小さく
することができ、各シリンダのヘッドや連動手段をコン
パクトに形成することができる。
【0016】それとともに、前後のシリンダの間に配置
される気化器は、吸気の流れ方向が水平であるため、吸
気の流れ方向を縦向きとしたダウンドラフト形の気化器
に比べて、前後のシリンダの上方への突出量を少なく抑
えることができる。このため、気化器を含むV形エンジ
ン全体を極力コンパクト化することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明を、図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。図中符号1で示すフレームは、その前端
にヘッドパイプ2を備えている。ヘッドパイプ2には、
フロントフォーク7が枢支されており、このフロントフ
ォーク7の下端部には、前輪8が支持されている。
【0018】図1に示すように、ヘッドパイプ2には、
後方に向って斜め下向きに延びる左右一対のメインパイ
プ3,3と、下向きに延びる左右一対のダウンチューブ
4,4とが連結されている。メインパイプ3,3の後部
は、ダウンチューブ4,4と平行をなすようにして下向
きに曲げられており、これらメインパイプ3,3の中間
部には、後方に向って延びる左右一対のシートレール
5,5が連結されている。シートレール5,5の中間部
とメインパイプ3,3の下端部との間には、左右一対の
バックステー6,6が架設されている。
【0019】メインパイプ3,3とバックステー6,6
との連結部分には、左右一対のブラケット11,11が
取着されている。これらブラケット11,11の間に
は、リヤアーム12の前端部が揺動可能に枢支されてい
る。リヤアーム12の後端部には後輪13が支持されて
おり、このリヤアーム12の後端部は、シートレール
5,5との間に架設された左右一対の緩衝器14,14
によって懸架されている。
【0020】また、メインパイプ3,3の前半部上に
は、燃料タンク9が取着されている。燃料タンク9の後
端部は、シートレール5,5の前端部上に位置されてお
り、これらシートレール5,5上にはシート10が取着
されている。シート10の前端部は、燃料タンク9に連
なっている。
【0021】ダウンチューブ4,4の下端部には、エン
ジンブラケット15が取着されている。このエンジンブ
ラケット15と上記ブラケット11,11との間には、
燃料タンク9の下方に位置して、水冷式4サイクルV形
エンジン16がマウントされている。
【0022】このV形エンジン16は、クランク軸24
を収容したクランクケース17と、このクランクケース
17から前方斜め上向きに延びる前部シリンダ18と、
上記クランクケース17から後方斜め上向きに延びる後
部シリンダ19とを備えている。これら前部シリンダ1
8と後部シリンダ19とは、自動二輪車を側方から見て
略V形に配置されている。そして、後部シリンダ19の
上部は、上記シート10の前端部付近に位置されてい
る。
【0023】図2に示すように、前部シリンダ18およ
び後部シリンダ19は、一対の気筒20,20(一方の
みを図示)を左右に並設してなるシリンダブロック21
a,21bと、これらシリンダブロック21a,21b
の上面に被冠されたシリンダヘッド22a,22bおよ
びヘッドカバー23a,23bとから構成されている。
したがって、この実施例のV形エンジン16は、前後V
形四気筒エンジンであり、上記クランク軸24が車体の
左右方向に沿って横置きに配置されている。
【0024】各シリンダブロック21a,21bの気筒
20,20内には、スリーブ25…が圧入され、これら
スリーブ25…内にはピストン26…が収容されてい
る。そして、ピストン26…は、コネクティングロッド
27…を介してクランク軸24のクランクピン28…に
連結されている。この場合、前部シリンダ18と後部シ
リンダ19とは、図3に示すように、夫々のピストン2
6…とクランク軸24との連結位置との関係から、クラ
ンク軸24の軸方向に沿って互いに反対方向に一定量偏
位して設けられている。
【0025】シリンダヘッド22a,22bには、夫々
の気筒20,20に対応して二個づつ燃焼室29,29
(一方のみを図示)が形成されているとともに、これら
燃焼室29,29に連なる吸気口30,30および排気
口31,31が形成されている。前部シリンダ18の吸
気口30,30は、シリンダヘッド22aの後面、つま
り後部シリンダ19と対向される側に開口されており、
排気口31,31は、シリンダヘッド22aの前面に開
口されている。また、後部シリンダ19の吸気口30,
30は、シリンダヘッド22bの前面、つまり前部シリ
ンダ18と対向される側に開口され、かつ排気口31,
31はシリンダヘッド22bの後面に開口されている。
【0026】したがって、前部シリンダ18の吸気口3
0,30と後部シリンダ19の吸気口30,30とは、
これら両シリンダ18,19の偏位に伴って気筒20,
20の並置方向に互いにずれて位置されている。
【0027】シリンダヘッド22a,22bには、夫々
吸気口30を開閉する吸気バルブ32と、排気口31を
開閉する排気バルブ33とが設けられている。これら吸
気バルブ32および排気バルブ33は、動弁機構として
の吸気カムシャフト34および排気カムシャフト35に
よって個別に開閉されるようになっている。
【0028】図2に示すように、V形エンジン16は、
前後のシリンダ18,19のシリンダブロック21a,
21bの間に向けて上向きに張り出すハウジング36を
備えている。ハウジング36は、シリンダブロック21
a,21bに一体に形成されており、V形エンジン16
を側方から見た場合に、上方に進むに従い先細り状をな
している。
【0029】このハウジング36の内部には、駆動軸3
7がクランク軸24と平行をなして挿通配置されてい
る。駆動軸37は、クランク軸24との間に張設された
駆動チェーン38を介して回転駆動されるものであり、
この駆動軸37は、連動手段としてのタイミングチェー
ン39,39を介して各シリンダ18,19の吸気カム
シャフト34および排気カムシャフト35を回転駆動さ
せるようになっている。
【0030】前部シリンダ18の吸気口30,30およ
び後部シリンダ19の吸気口31,31には、夫々吸入
管40a,40b,41a,41bを介して気化器42
a,42b,43a,43bが接続されている。これら
気化器42a,42b,43a,43bは、吸気の流れ
方向が略水平な、いわゆるホリゾンタル形の気化器であ
って、前後方向に延びる吸気通路44を備えている。前
部シリンダ18に連なる気化器42a,42bと、後部
シリンダ19に連なる気化器43a,43bとは、左右
に並置されるとともに、互いに吸気の流れ方向を逆向き
とした姿勢で上記前後のシリンダ18,19で挾まれた
空間に配置されている。
【0031】そして、前部シリンダ18に連なる二つの
気化器42a,42bは、図2に示すように、上記両方
のシリンダ18,19の間の空間をクランク軸24の中
心を通って前後に二分割する上下方向の中心線X1 より
も前側に配置されている。同様に後部シリンダ19に連
なる二つの気化器43a,43bは、上記中心線X1よ
りも後側に配置されている。そのため、気化器42a,
42b,43a,43bは、上記ハウジング37の真上
に位置されており、これら気化器42a,42b,43
a,43b、前部シリンダ18および後部シリンダ19
とで囲まれる空間部分に上記ハウジング37が位置され
ている。
【0032】図3に示すように、前後のシリンダ18,
19の吸入管40a,40b,41a,41bは、吸気
ポート30,30から導出されるに従って互いに左右方
向に遠ざかる方向に傾斜されている。この吸入管40
a,40b,41a,41bの傾斜により、前後のシリ
ンダ18,19に連なる気化器42a,42bと43
a,43bとは、エンジン16を平面的に見た場合に、
上記クランク軸24の軸線O1 −O1 を境として前後に
互い違いに位置するように千鳥状に配置されており、前
後に対向し合う気筒20,20の気化器42aと43a
および42bと43bは、上記軸線O1 −O1 を挾んで
左右方向にずれている。
【0033】このような気化器42a,42b,43
a,43bの吸気上流端には、夫々吸気管としての吸気
ジョイント45が接続されている。吸気ジョイント45
は、エルボ状に折れ曲がって上向きに開口されている。
そして、図1に示すように、前部シリンダ18の気化器
42a,42bに連なるジョイント45の開口端は、こ
れら気化器42a,42bの後方においてエアクリーナ
46に接続されており、後部シリンダ19の気化器43
a,43bに連なるジョイント45の開口端は、これら
気化器43a,43bの前方において上記エアクリーナ
46に連なっている。このため、気化器42a,42b
に連なる吸気ジョイント45と、気化器43a,43b
に連なる吸気ジョイント45とは、エアクリーナ46に
対し前後逆向きに延びている。
【0034】エアクリーナ46は、上記V形エンジン1
6の上方に配置されている。このエアクリーナ46は、
上記燃料タンク9によって覆い隠されている。このた
め、上記複数の気化器42aと42bおよび43aと4
3bは、夫々エアクリーナ46と上記V形エンジン16
との間において左右に並んで配置されていることにな
る。そして、エアクリーナ46を含む吸気系は、図1に
示すように自動二輪車を側方から見た場合に、シート1
0や後部シリンダ19よりも前方に位置されているとと
もに、メインパイプ3,3の前半部と重なり合った位置
関係に配置されている。
【0035】なお、前部シリンダ18および後部シリン
ダ19の排気口31,31には、夫々排気管47,47
および48,48(共に一方のみを図示)が連結されて
おり、これら排気管47,47および48,48は、V
形エンジン16の下方の排気チャンバ49内で一旦集合
された後、消音器50に連なっている。
【0036】図1に示すように、上記フレーム1のダウ
ンチューブ4,4には、ラジエータ51が取り付けられ
ている。ラジエータ51は、V形エンジン16のウォー
タジャケット52に図示しない冷却水パイプを介して接
続されている。ラジエータ51は、V形エンジン16の
前方において、その前部シリンダ18よりも高い位置に
配置されており、この前部シリンダ18のヘッドカバー
23aの上面は、後上がりに傾斜されている。
【0037】また、図1に示すように、上記エアクリー
ナ46は、前部シリンダ18の上方に位置される前半部
46aを有している。この前半部46aの底部には、下
向きに突出する突出部46bが形成されており、この突
出部46bは、燃料タンク9の底部よりも下方に張り出
している。
【0038】突出部46bの下面は、略水平な平坦面を
なしている。この突出部46bの下面は、上記ラジエー
タ51の後方において、上記前部シリンダ18のヘッド
カバー23aの上面と向かい合っている。これら突出部
46bの下面とヘッドカバー23aの上面とは、互いに
協同して導風通路55を構成しており、この導風通路5
5は、ラジエータ51の後方に向かって延びて、上記気
化器42a,42b,43a,43bが収められた前部
シリンダ18と後部シリンダ19との間に連なってい
る。そして、この導風通路55は、上記ヘッドカバー2
3aの上面の傾斜に伴ってラジエータ51の後方に進む
に従い通路面積が徐々に狭められている。
【0039】このような構成によれば、水冷式のV形エ
ンジン16に連なる複数の気化器42a,42b,43
a,43bやエアクリーナ46は、このV形エンジン1
6の上方であり、かつシート10や後部シリンダ19よ
りも前方に位置されているので、シートレール5,5と
の連結部を含めたメインパイプ3,3の後半部を、上記
複数の気化器42a,42b,43a,43bやエアク
リーナ46の左右外側を通す必要はない。
【0040】このため、メインパイプ3,3の後半部の
配置間隔やシートレール5,5の配置間隔を、気化器4
2a,42b,43a,43bやエアクリーナ46の設
置スペースに左右されることなく自由に設定することが
でき、これら気化器42a,42b,43a,43bや
エアクリーナ46の設置スペースが幅広となっても、メ
インパイプ3,3の後半部の配置間隔やシートレール
5,5の配置間隔を幅狭く抑えることができる。
【0041】したがって、後部シリンダ19がシート1
0の前端部付近に位置されるにも拘らず、このシート1
0上に着座された運転者の両脚が大きく開いてしまうよ
うなことはなく、最適な乗車姿勢を得ることができる。
【0042】また、複数の気化器42a,42b,43
a,43bおよびエアクリーナ46が、シート10の下
方の手狭な空間部分に無理に押し込まれずに済むので、
これら気化器42a,42b,43a,43bやエアク
リーナ46に対するスペース的な制約が緩和される。
【0043】このため、エアクリーナ46をシート10
の下方に配置する場合に比べて、複数の気化器42a,
42b,43a,43bの配置を無理なく行えるととも
に、エアクリーナ46の容量も充分に確保することがで
き、V形エンジン16の出力を高める上で好都合とな
る。
【0044】加えて、上記V形エンジン16の上方にエ
アクリーナ46を配置したことにより、その前半部分4
6aの底部を前部シリンダ18の下方に向けて延長する
ことができる。そのため、エアクリーナ46を前部シリ
ンダ18と燃料タンク9との間に生じたデッドスペース
を利用して拡張することができ、上記エアクリーナ46
に対するスペース的な制約が緩和されることと合わせ
て、このエアクリーナ46の大容量化が可能となり、吸
気抵抗の低減が可能となる。
【0045】さらに、上記構成によると、前部シリンダ
18の気化器42a,42bに連なる吸気ジョイント4
5と、後部シリンダ19の気化器43a,43bに連な
る吸気ジョイント45とは、エアクリーナ46に対し夫
々前後逆向きに延びて、このエアクリーナ46に接続さ
れているので、これら吸気ジョイント45の管長を互い
に均等化することができる。このため、前部シリンダ1
8と後部シリンダ19との吸入条件が等しくなり、これ
ら前後のシリンダ18,19の間での出力のばらつきを
解消することができる。
【0046】また、上記構成の場合、エアクリーナ46
の前半部分46aを下向きに突出させたことに伴い、こ
のエアクリーナ46の突出部46bの下面は、前部シリ
ンダ18のシリンダヘッド23aの上面と協同してラジ
エータ51の後方に延びる導風通路55を構成してい
る。そのため、自動二輪車の走行中に、ラジエータ51
を通過した高温の冷却風は、上記導風通路55を通って
後方に流れることになり、その分、ラジエータ51から
の冷却風の抜けが良好となって、ラジエータ51の放熱
性能を高めることができる。
【0047】しかも、この導風通路55は、ラジエータ
51の後方に進むに従い次第に狭められているので、こ
の導風通路55を流れる冷却風の流速が速くなる。この
ため、導風通路55が前部シリンダ18と後部シリンダ
19との間に連なる構成でありながら、ラジエータ51
の熱気を含む高温の冷却風は、一気にV形エンジン16
の後方に抜け出ることになり、気化器42a,42b,
43a,43bの設置部分の換気性を良好に維持するこ
とができる。
【0048】さらに、V形エンジン16は、前部シリン
ダ18と後部シリンダ19との間から気化器42a,4
2b,43a,43bに向けて張り出すハウジング36
を備えているので、これら気化器42a,42b,43
a,43bから無駄な空間を排除することができ、ここ
に熱気や上記ラジエータ51を通過した高温の冷却風が
滞留し難くなる。したがって、気化器42a,42b,
43a,43bの雰囲気温度の上昇を防止することがで
き、気化器42a,42b,43a,43bへの熱影響
を少なく抑えることができる。
【0049】それとともに、ハウジング36は、前後の
シリンダ18,19のシリンダブロック21a,21b
の間に位置されるので、このハウジング36の内部に収
められた駆動軸37は、クランク軸24よりもシリンダ
ヘッド22a,22bに近づいた位置に配置される。そ
のため、駆動軸37にクランク軸24の回転を予め減速
して伝える構成とすれば、駆動軸37と吸気カムシャフ
ト34および排気カムシャフト35との間の減速比を小
さくすることができる。この結果、タイミングチェーン
39の引き回し経路や前後のシリンダ18,19のシリ
ンダヘッド22a,22bをコンパクトに形成すること
ができる。
【0050】また、前後のシリンダ18,19の間に配
置される気化器42a,42b,43a,43bは、吸
気の流れ方向が水平であるため、吸気の流れ方向を縦向
きとしたダウンドラフト形の気化器に比べて、前後のシ
リンダ18,19の上方への突出量が少なくなる。した
がって、シリンダヘッド22a,22bがコンパクトと
なることと相まって、気化器42a,42b,43a,
43bを含めたV形エンジン16を全体的に小型化する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、メインパ
イプの後半部の配置間隔やシートレールの配置間隔を、
気化器やエアクリーナの設置スペースに左右されること
なく自由に設定することができ、これら気化器やエアク
リーナの設置スペースが幅広となっても、メインパイプ
の後半部の配置間隔やシートレールの配置間隔を幅狭く
抑えることができる。したがって、後部シリンダがシー
トの前端部付近に位置されるにも拘らず、シート上に着
座された運転者の両脚が大きく開いてしまうようなこと
はなく、最適な乗車姿勢を得ることができる。
【0052】また、複数の気化器とエアクリーナとが、
シートの下方の手狭な空間部分に無理に押し込まれずに
済むので、これら気化器やエアクリーナに対するスペー
ス的な制約が緩和され、エアクリーナをシートの下方に
配置する場合に比べて複数の気化器の配置を無理なく行
えるとともに、エアクリーナの容量も充分に確保するこ
とができる。加えて、エアクリーナを前部シリンダと燃
料タンクとの間に生じたデッドスペースを利用して拡張
することができ、上記エアクリーナに対するスペース的
な制約が緩和されることと合わせて、このエアクリーナ
の大容量化が可能となる。よって、吸気抵抗の低減が可
能となり、水冷式V形エンジンの出力を高める上で好都
合となる。
【0053】しかも、前部シリンダの吸気管と、後部シ
リンダの吸気管の管長が互いに均等化し、これら前部シ
リンダと後部シリンダとの吸入条件が等しくなるので、
前後のシリンダの間での出力のばらつきを解消すること
ができ、この点でもV形エンジンの高出力化に寄与す
る。
【0054】さらに、上記構成によると、ラジエータを
通過した高温の冷却風は、導風通路を通って後方に流れ
るので、ラジエータからの冷却風の抜けが良好となり、
ラジエータの放熱性能を高めることができる。しかも、
この導風通路は、ラジエータの後方に進むに従い次第に
狭められているので、この導風通路を流れる冷却風の流
速が速くなり、導風通路が気化器の周囲に連なる構成で
ありながら、ラジエータの熱気を含む高温の冷却風は、
一気に水冷式V形エンジンの後方に抜け出ることにな
り、気化器の周囲の換気性を良好に維持することができ
る。その上、ハウジングの存在によって気化器の下方か
ら無駄な空間を排除することができ、ここに熱気や上記
高温の冷却風が滞留し難くなる。したがって、気化器の
雰囲気温度の上昇を防止することができ、気化器への熱
影響を極力少なく抑えることができる。
【0055】さらに、クランク軸に連動する駆動軸が前
後のシリンダのヘッドに近い位置に配置されるので、こ
の駆動軸にクランク軸の回転を予め減速して伝達するよ
うにすれば、駆動軸と動弁機構との間の減速比を小さく
することができ、各シリンダのヘッドや連動手段をコン
パクトに形成することができる。それとともに、前後の
シリンダの間に配置される気化器は、吸気の流れ方向が
水平であるため、吸気の流れ方向を縦向きとしたダウン
ドラフト形の気化器に比べて、前後のシリンダの上方へ
の突出量を少なく抑えることができる。このため、気化
器を含むV形エンジン全体を極力小型化することができ
るといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における自動二輪車の側面
図。
【図2】V形多気筒エンジンを一部断面して示す側面
図。
【図3】V形多気筒エンジンの平面図。
【符号の説明】
2…ヘッドパイプ 3…メインパイプ 5…シートレール 7…フロントフォーク 9…燃料タンク 10…シート 16…水冷式V形エンジン(水冷式V形四気筒エンジ
ン) 17…クランクケース 18…前部シリンダ 19…後部シリンダ 22a,22b…シリンダヘッド 23a,23b…ヘッドカバー 24…クランク軸 30…吸気口 34,35…動弁機構(吸気用カム軸、排気用カム軸) 36…ハウジング 37…駆動軸 39…連動手段(タイミングチェーン) 42a,42b,43a,43b…気化器、 45…吸気管(吸気ジョイント) 46…エアクリーナ 46b…突出部 51…ラジエータ 55…導風通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントフォークを枢支するヘッドパイ
    プから後方斜め下向きに延びる左右一対のメインパイプ
    と; これらメインパイプの中間部に連結され、シートを支持
    して後方に延びる左右一対のシートレールと; 上記メインパイプの下方に配置され、左右方向に沿って
    横置きに配置されたクランク軸を有するクランクケース
    と、このクランクケースから前方斜め上向きに延出さ
    れ、動弁機構を含むヘッドを有するとともに、このヘッ
    ドの上端に連なるヘッドカバーの上面が後上がりに傾斜
    された前部シリンダと、上記クランクケースから後方斜
    め上向きに延出され、動弁機構を含むヘッドを有する後
    部シリンダと、を備えている水冷式V形エンジンと; この水冷式V形エンジンの前方において上記前部シリン
    ダよりも高い位置に配置されたラジエータと;を具備
    し、 上記水冷式V形エンジンの後部シリンダが上記シートの
    前端部付近に位置されている自動二輪車であって、 上記水冷式V形エンジンの上方に、上記後部シリンダよ
    りも前側に位置してエアクリーナを配置し、 このエアクリーナの周囲を燃料タンクで覆うとともに、
    上記エアクリーナの下方であり、かつ上記前部シリンダ
    と後部シリンダとの間に、吸気の流れ方向が略水平な複
    数の気化器を左右方向に並べて配置し、 これら気化器は、上記前部シリンダの後面の吸気口およ
    び後部シリンダの前面の吸気口に夫々接続するととも
    に、夫々の気化器の吸気上流端は、上向きに開口された
    複数の吸気管を介して上記エアクリーナに接続し、 上記前部シリンダの気化器に連なる吸気管は、この気化
    器の後方で上記エアクリーナに接続し、上記後部シリン
    ダの気化器に連なる吸気管は、この気化器の前方で上記
    エアクリーナに接続し、 また、このエアクリーナは、上記ラジエータの後方にお
    いて、上記後上がりに傾斜された前部シリンダの上面に
    向けて突出する突出部を有し、この突出部の下面は、上
    記前部シリンダの上面と協同して上記ラジエータの後方
    に進むに従い次第に狭くなるような導風通路を形成し、
    この導風通路の後端を上記気化器が収まる上記前部シリ
    ンダと後部シリンダとの間に連通させるとともに、 上記V形エンジンは、上記クランクケースの上部から上
    記前部シリンダ、後部シリンダおよび気化器によって囲
    まれる空間部分に向けて上向きに張り出すハウジングを
    有し、このハウジングの内部に、上記クランク軸の上方
    に位置して、このクランク軸に連動して駆動される駆動
    軸を挿通配置し、この駆動軸と上記各シリンダの動弁機
    構とを連動手段を介して連動させたことを特徴とする自
    動二輪車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS56113042A (en) * 1980-02-08 1981-09-05 Yamaha Motor Co Ltd Engine for vehicle
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